果たして気になる結果は?
◆「このミステリーがすごい!2012」(宝島社、2011年12月10日発売)
注意:各タイトルのリンクは「ネタバレ書評(レビュー)」に繋がっています。
順位 | 国内 | 海外 |
---|---|---|
1 | ジェノサイド | 二流小説家 |
2 | 折れた竜骨 | 犯罪 |
3 | 開かせていただき光栄です | エージェント6 |
4 | 絆回廊 新宿鮫X | 背後の足音 |
5 | ユリゴコロ | アンダーワールドUSA |
6 | 消失グラデーション | ブラッド・ブラザー |
7 | メルカトルかく語りき | サトリ |
8 | 警官の条件 | ねじれた家、ねじれた路 |
9 | 心に雹の降りしきる&機龍警察 自爆条項 | 忘れられた花園 |
10 | なし | 夜の真義を |
やはり、噂は正しかった!!
国内編1位は『週刊文春ミステリーベスト10 2011』に続き、高野和明先生「ジェノサイド」に!!
って、これ去年の『悪の教典』でもやりましたね。
ここ最近は『文春』と『このミス』はどことなくランキングが似る傾向にあるようです。
ちなみに『ジェノサイド』は『ミステリが読みたい2012年版』でも4位、しかも「第2回山田風太郎賞」受賞作。
この辺りでも『悪の教典』に似てる(『悪の教典』は第1回受賞作、『早ミス』2位)。
来年もこの傾向ならば、「山田風太郎賞」受賞作こそが『このミス』と『文春』をとるとのジンクスも生まれそうか。
・第2回山田風太郎賞受賞作決まる!!高野和明先生『ジェノサイド』に!!
・第1回山田風太郎賞受賞作決まる!!栄冠は貴志祐介先生に
2位は米澤穂信先生『折れた竜骨』。
『文春』こそ2位ですが、『早ミス』と『本格ミス』で1位をとった作品です。
「古典部シリーズ」が『氷菓』としてアニメ化されるなど2012年も目が離せません。
・【緊急速報】「古典部シリーズ」アニメ化か?京アニさんが『氷菓』をアニメ化すると発表!!
3位は皆川博子先生『開かせていただき光栄です』。
この作品、すべてのランキングで3位をとっています(『文春』『本格ミス』『早ミス』『このミス』3位)。
裏を返せば、『ジェノサイド』と『折れた竜骨』が無ければ全てで1位をとる可能性があった作品と言えるでしょう。
安定しています。
ちなみに驚くべきことに1位から3位までは『文春』と全く同じです。
4位は大沢在昌先生『絆回廊 新宿鮫X』。
「新宿鮫シリーズ」の最新刊です。
5位には沼田まほかる先生『ユリゴコロ』。
沼田先生は出版社側からではなく、書店側からプッシュしている作家さん。
2012年にブレイクあるかも……。
そして6位には期待の新鋭・長沢樹先生『消失グラデーション』。
「第31回横溝正史大賞」受賞作がランクイン。
管理人的にも2011年作品ではイチオシでしたが、いきなりの6位。
今後の飛躍に期待できる作家さんとの印象ですが、次回作が試金石となりそう。
7位には麻耶雄嵩先『メルカトルかく語りき』。
こちらも各ランキングを席巻しました(『早ミス』2位、『本格ミス』2位、『文春』8位)。
これでベスト10皆勤達成。
個人的には本作に『折れた竜骨』、『ジェノサイド』、『開かせていただき光栄です』の4作品が2011年の4強と言える作品だったと思えます。
ちなみに今号の『メフィスト』からメルカトル鮎の新作短編『メルカトル鮎 悪人狩り』がスタート。
第1話は『囁くもの』だそうです。
来年もランキングに名を連ねそう。
8位には佐々木譲先生『警官の条件』。
『警官の血』の後日談です。
9位に同率で、香納諒一先生『心に雹の降りしきる』と月村了衛先生『機龍警察 自爆条項』。
それぞれ『心に雹を』が7年前の真相を追う物語、『機龍警察』が“至近未来”の捜査を描いたとして話題になりました。
此処までを振り返ると『文春』との類似性が指摘できますね。
『文春』に東野先生の『マスカレード・ホテル』、『麒麟の翼』、『真夏の方程式』が入った代わりに『警官の条件』、『心に雹の降りしきる』、『機龍警察 自爆条項』が入った印象。
ちなみに『このミス』に比べて『文春』では、『絆回廊』『ユリゴコロ』『メルカトル』がそれぞれ1つずつランクを下げています。
基本相対的な評価それ自体は『このミス』も『文春』も同じだったと言えるでしょう。
では、11位以降で気になった作品を。
13位には辻村深月先生『水底フェスタ』。
辻村先生は、19位に『オーダーメイド殺人クラブ』もランクイン。
辻村先生といえば『本日は大安なり』がNHKさんでドラマ化されるとのこと。
こちらも注目です。
・『本日は大安なり』(辻村深月著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)
15位には、北山猛邦先生『私たちが星座を盗んだ理由』がランクイン。
かなり切ない短編集。
個人的には2011年でも上位の作品だと思います。
17位には「クワコーシリーズ」こと奥泉光先生『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』がランクイン。
ユーモアミステリの1冊です。
シリーズ最新作『海のクワコー』が『オール・スイリ2012』に掲載されています。
ちなみにテレビ朝日系にてドラマ化が決定しています。
・奥泉光先生『クワコーシリーズ』が2012年ドラマ化決定!!
同じく17位には貴志祐介先生『鍵のかかった部屋』。
2010年を『悪の教典』で席巻した著者の最新短編です。
シリーズ探偵による物理トリックの短編集。
20位には東野圭吾先生『麒麟の翼』。
加賀シリーズの最新作です。
2012年に映画公開も予定されています。
ちなみに東野圭吾先生は作家生活25周年。
これを記念して「人気作品ランキング」が実施されており、中間結果が発表されています。
・東野圭吾先生「人気作品ランキング」中間結果発表!!
さて、海外。
1位には『二流小説家』。
これにより『早ミス』、『文春』、『このミス』と3冠達成です!!
2位には『犯罪』。
『早ミス』、『文春』に続き2位。
安定した評価を得ています。
3位には『エージェント6』。
驚くべきことに国内に続き海外も1位から3位まで『文春』と同じ。
そして、注目の『ブラッド・ブラザー』は6位。
これで全ランキング10以内皆勤達成(『IN★POCKET』4位→『早ミス』6位→『文春』5位→『本格ミステリ』2位→『このミス』6位)。
海外作品10位以内で皆勤賞はこの作品だけです。
トップではないが広く評価を得られる作品と言えるでしょう。
これで2012年(2011年度発売作品)のランキングは終了しました。
『ミス通』では「2012年まとめ」としてランキング結果をまとめた記事を出す予定。
そちらも宜しくお願い致します。
以上、速報でした。
◆関連過去記事
・2011年ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・2010年ミステリ書籍ランキングまとめ!!
上記、ランキング中で気になる本がある方はこちら。
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