2012年01月08日

『黄金を抱いて翔べ』(高村薫著、新潮社刊)

『黄金を抱いて翔べ』(高村薫著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

大阪の街に生きる男達が企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。銀行本店の鉄壁の防御システムは突破可能か?絶賛を浴びたデビュー作。
(新潮社公式HPより)


<感想>

高村薫先生のデビュー作にして、日本推理サスペンス大賞受賞作です。
ジャンルは「ミステリ」よりは「冒険小説」か。

時代と場所が見事にマッチして独特な世界観を形成しています。
この作品は「生まれるべくして生まれ」たが、「2度とは生まれえない」作品のように思えます。
管理人がどれだけ言葉を尽くしたところで、この本の持つライブ感、空気感を伝えることは欠片も出来そうにはありません。
それくらいの完成度。
一度は読んでおくべき本の1つでしょう。

今回、ネタバレあらすじもかなり端折っています。
気になる方、興味を持たれた方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ。

ちなみに本作は井筒監督により2013年の映画化が予定されています。
大阪を描かせればピカイチな監督さんだけに映画が楽しみ。
この名作の持つ力を映画で表現できるか。

高村薫先生のデビュー作『黄金を抱いて翔べ』が2013年に映画化か!?

◆高村薫先生関連過去記事
高村薫先生、2011年12月17日に関西大学にて講演会開催!!

高村薫先生が東日本大震災についての想いを「asahi.com」さんに寄稿されました。

WOWOWドラマ「マークスの山」DVDが2011年6月22日発売決定!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
幸田:主人公
北川:立案者
春樹:北川の弟
野田:コンピュータに詳しい
モモ:爆破のプロ
岸口:老人

「人のいない土地に住みたい」と人間を拒絶する男・幸田。
彼は心に虚無感を抱えていた、孤独な生い立ちにより実父を憎んでいたのだ。

幸田は、同窓の北川に誘われ、銀行本店の地下に保管される6トンの金塊を狙うことに。
野田やモモなど、仲間を募り強奪計画を練る。
最終的に、幸田、北川、その弟である春樹、野田、モモ、岸口の6人が集まるが……。

ところが、モモは組織から追われていた。
モモは元某国のエージェント。
有能な男だったが、他国に警戒された末に罠に嵌められ逆スパイの疑いを受け命を狙われていたのだ。
今や、地上に味方は1人も居ないらしい。

この世界ではない何処かを夢想する幸田はモモに惹かれ、彼らは男同士の愛情を育んで行く。
矢先、2人は某国の襲撃を受け被弾。

モモは死亡し、幸田も重傷を負う。
それでも銀行襲撃当日がやって来る。

重傷を押して参加した幸田。
北川たちは、モモの作った爆弾を用い騒ぎを起こすと共に、銀行のシステムの隙を突いて、その防御システムを突破する。
作戦は成功しつつあった。

と、途中で幸田は作戦を離脱する。
幸田はモモの潜伏先を通報した男に心当たりがあり、彼を抹殺しようとしていたのだ。
その男こそ、岸口。
岸口は幸田の実父だった。

岸口は今回の作戦では、銀行内でクレーンを操作していた。
銃を手に岸口を狙う幸田だったが、岸口は自身の血塗られた運命を呪っており幸田への贖罪から自殺していた。
岸口もとある組織のメンバーであり、そこから逃げられなかったのだ。

北川と野田は幸田を待っていた。
幸田は彼らと共にトラックでその場を離脱する。
金塊は既に幸田たちの手の中にあった。

国外逃亡を考えながら、幸田たちは走り去って行く。
怪我の為に朦朧とした意識の幸田は、北川に抱きかかえられながら「人の居る場所への逃亡」を望むのだった―――エンド。

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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