「三億円事件奇譚 モンタージュ」第67話（講談社ヤングマガジン連載中）ネタバレ批評（レビュー）

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第67話（講談社ヤングマガジン連載中）ネタバレ批評（レビュー）です！！

登場人物一覧：

【現代】

鳴海大和：主人公、三億円事件の犯人の息子と呼ばれるが……
小田切未来：大和の幼馴染み、両親の行方不明後は大和と共に逃亡中

鳴海鉄也：大和の父、五つの首（首、手首、足首）を失くした遺体で発見されるが……
未来の両親：突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。

鈴木泰成：未来の両親の後輩、要所要所にて不穏な動きを見せていたが……
水原：福岡県警所属の巡査。上司曰く「検挙率100％男」。15話より登場。
夏美：泰成の塾の教え子。大和に一目ぼれする。14話より登場。

土門：過去編の土門その人。足を洗い東海林とは友情を築いていた。47話時点では既に死亡している、病死らしい。享年70歳。
土門あきら：46話で登場した土門の孫娘。未来より1つ年下の17歳。

関口：元祖悪徳警官、眼鏡の男の命令に従い大和と未来を追う
眼鏡男：関口に指示を与えている男、どうも謎の男と同一人物らしい（42話）。

沢田幹事長：19話で登場、謎の男を従えているが……
謎の男：シルエットのみ登場した沢田の腹心。関口に指示を与える人物と同一人物らしい（42話）

松葉杖の男：30話で登場、小田切家を訪ねたシルエットの人物。48話で川崎雄大と判明。

朝霧：46話で登場、沢田の部下らしい。45話で石川を殺害したのは彼。64話で関口に殺害される。

小柳翔太：61話で登場、負傷した大和と水原を助けた。以後、大和と行動を共にする。
茜：61話で名前のみ登場、翔太の彼女で社会人らしい。

森田：1話にて関口と共に現われた捜査員。以降、本編に出番なし。
血塗れの男性：元刑事、1話にて殺害される。これは関口の犯行だった。実は過去篇の東海林。
ボート小屋のオヤジ：軍艦島付近でボート小屋を営んでいた。6話で関口に殺害され、この殺人容疑が大和と未来にかかっている。
土居：18話に登場。ミステリ作家兼コメンテーター。三億円を信じていなかった。
島田：5話より登場。関口の部下だったが、19話で失態を犯し関口に処刑された。
夏美の母：関口と男女の関係にある。
水原の祖母：44話より登場。その自宅は東京での大和たちの活動拠点となっている。
石川：東海林の同僚、45話にて登場。同話にて朝霧に口封じされてしまう。
東海林の息子：45話にて登場。東海林の一人息子だが東海林とは折り合いが悪かったらしい。
高野：65話で登場。関口に協力し証拠を隠滅した。

【三億円事件当時】

川崎雄大：22話より登場。三億円事件では白バイ警官役を演じたらしい。和子との間に一子をもうける。
望月竜：23話（22話は名前のみ）より登場。雄大と共に三億円事件を実行した。
響子ギブソン：竜の恋人。竜と共に土門への対策を練っていた。
土門：地元の顔役（地廻り）。竜と対立するが……
東海林：25話にて登場。土門を追う刑事。雄大の機智に興味を持っていた。後に1話で殺害された老刑事が彼と判明（37話）。
沢田慎之介：26話より登場。竜の顔馴染み＆雄大の友人、日本の行く末を憂慮していた。28話にて後の幹事長と判明。
横溝：26話より登場。竜の後輩。
和子：27話より登場。雄大と交際中の女性。雄大との子供を妊娠するも事故死。
和子の子供：28話に登場。雄大と和子の子供。未熟児で生まれた。現代篇の誰になるのか？

＜第67話あらすじ＞

倒れ込んだ関口、狙撃されたのだ。
撃った本人は戸口から中の様子を見据えていた。
その正体は松葉杖をついた男、川崎雄大！？

雄大は大和と未来に逃げるよう促す。
逃がさじと追い縋る高野だが、未来の反撃と雄大の銃口により足止めを余儀なくされる。
部屋の主である翔太は、成り行きから大和たちと同行することに。

大和たちを先へ行かせ、自らは高野に睨みを効かせる雄大。
気が逸れた瞬間、横から不意打ちを喰らう。
雄大の目の前には撃たれた筈の関口が立っていた。

「あなたらしくもなく油断しましたね」

雄大に銃を突き付けニヤリと唇を歪める関口は、高野に大和たちを追うよう指示する。
慌てて部屋を出て行く高野。

2人きりになったその部屋で対峙する両雄―――雄大と関口。

「さすが大学生とは違う」
被弾した左胸を見やる関口。
見事な程に急所を目がけて撃ち込まれた弾数4発。
それらは防弾チョッキにより本来の目的を達することなく防がれていた。

「身体も思うように動かないんでしょう？厳島での狙撃の件も大学生の件もギリギリでしたもんね」
雄大を揶揄するような関口の言葉。
雄大は黙ったままだ。

「それにしてもその顔とは……見つからない筈だ」
沈黙を肯定と受け取ったのか感心する余裕すら見せる関口。
ついに「目の上の瘤となるあなたには死んで貰います」と宣言する。

一方、追い詰められた筈の雄大に焦りの色は無い。
冷静に「今現在一番の障害になるおまえは排除する」と宣言し返す。
その右手の先にはスイッチとそれに繋がる爆弾が！！

「なっ！！」
驚きのあまり絶句する関口に雄大は続ける。

「私には時間が無い」
本気の雄大に、冷や汗が止まらない関口。

「周囲の人間も巻き込まれますよ」
「近所の人間はガス漏れで避難している」

隙を窺う関口だが、雄大はそれを許さない。
直後、翔太の部屋を爆音が揺るがした―――68話に続く。

＜感想＞


雄大爆死！？


今回の内容の前に、「モンタージュ」の6巻が2011年12月10日に発売予定です。
この12月10日がどんな意味を持つ日か、「モンタージュ」読者の方はご存知でしょう。
そうです、43年前の三億円事件当日です。
43年の月日を経て、6巻が発売されるその日が当日だとは……。
狙ってのこと（考え過ぎ？）かと思われますが、凄いですね。

さて、驚きに浸るのはここまでにして。
今回は誰が何と言っても「関口」と「雄大」、この2人がメインの回でした。

まずは、関口。
やはり、防弾チョッキ着用でした。
それにしても、心臓付近を狙うとは雄大おそるべし。
まさに、「必殺」か！！

そんな九死に一生の関口ですが、雄大覚悟の自爆に巻き込まれたか？
普通に考えれば、あの至近距離で脱出は不可能……雄大が爆弾のスイッチを押す直前と爆破描写との間に時間差が無い限りは。
物語的にここで関口がドロップアウトとは考えにくいので、生きている筈。
となると、関口生存の方法は2つ。

・雄大を盾に爆弾の威力を弱めた。
・雄大がスイッチを押そうとした瞬間に病魔に倒れ（「北斗の拳」のリュウケン状態）、実際の爆破までの間に関口が離脱した。もちろん、爆破のスイッチを押したのは関口。

このどちらかかなぁ……こうでもしないと、あの至近距離で離脱は無理な筈。
どちらにしろ、雄大の生存は厳しいか。

そんな、雄大。
病魔に倒れる前に、一番の難敵となるであろう関口排除を狙うとの奇策に。
叶ったかどうかというと前述の理由で難しい気がします。
ただ、今回により厳島で関口を狙撃したのは雄大だったと判明。
もし、ここで雄大が消えてしまうと大和の強力な庇護者が1人減ってしまうことになるが……。

もう1つ気になるのは、関口が雄大を見て「その顔」と喋ったこと。
関口の見知った顔だったのか？
だとすると、ひょっとして顔の明かされていない眼鏡男もあの顔なのかも。
もっとも、単に雄大が顔を変えたことを指しているだけの可能性も捨てきれません。

あともう1つあった。
雄大に対し大和は何かを感じた様子。
ここもポイントか。

う〜〜〜ん、こうなると死亡した筈の大和の父・鉄也の存在が思い浮かびますね。
生きていると思われる彼は何処に居るのか？
こちらが眼鏡男なのか？

仮に雄大が眼鏡男の顔に整形したとすると、大和がシンパシーを感じているのはその顔に父親の面影を見たからとの可能性もあり得る！？
そもそも整形だとすると、現在川崎雄大とされている人物自体が全く別人の可能性すらあり得るかも。

一方、党本部に潜入した泰成の目的とは？
こちらも気になる……。

�@大和たち（水原含む）
�A沢田たち（眼鏡男、関口、朝霧）
�B雄大一派
�C泰成一派

�Aの沢田たちも眼鏡男と沢田の間には含みがある様子。
決して一枚岩とは言え無さそう。

以上のように争いは3つ巴から4つ巴に。
更なる激化は間違いないか？

とりあえず、今回はここまで。
逃亡し続ける大和と未来の明日はどっちだ！！
68話に期待です！！

ちなみに、2011年12月10日には「三億円事件奇譚 モンタージュ」の最新第6巻が発売予定。
その発売予定日は奇しくも43年前の三億円事件当日です。
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◆関連過去記事
・「ヤングマガジン27号」（講談社刊）より「三億円事件奇譚 モンタージュ」連載開始！！

・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第1話から第60話までネタバレ批評（レビュー）まとめ（講談社ヤングマガジン連載中）
（各話レビューへのリンクです）

・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第61話（講談社ヤングマガジン連載中）ネタバレ批評（レビュー）

・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第62話（講談社ヤングマガジン連載中）ネタバレ批評（レビュー）

・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第63話（講談社ヤングマガジン連載中）ネタバレ批評（レビュー）

・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第64話（講談社ヤングマガジン連載中）ネタバレ批評（レビュー）

・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第65話（講談社ヤングマガジン連載中）ネタバレ批評（レビュー）

・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第66話（講談社ヤングマガジン連載中）ネタバレ批評（レビュー）

2011年12月10日発売予定「モンタージュ(6) (ヤングマガジンKC)」です！！
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◆渡辺潤先生の作品はこちら。