2011年12月10日

金曜プレステージ「大ヒット医療ミステリー小説待望の映像化! 悪女たちのメス〜成功したはずのオペで患者が急死!止まらない死の連鎖…真相を巡り激突する4人の悪女!誰が嘘で誰が真実?全員容疑者」(12月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「大ヒット医療ミステリー小説待望の映像化! 悪女たちのメス〜成功したはずのオペで患者が急死!止まらない死の連鎖…真相を巡り激突する4人の悪女!誰が嘘で誰が真実?全員容疑者」(12月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

桧山冬実(仲間由紀恵)は脳外科の第一人者で聖カタリナ総合病院の勤務医。目下の興味はウィリス動脈輪閉塞症について、自らが考えた最新の手術法。日本の医学の将来を変える術式と自負するほどだった。
伊波さやか(小松美月)は医療コーディネーターの中原永遠子(瀬戸朝香)のもとへ相談に訪れる。半年も頭痛が続いているため、専門医を紹介してもらおうと思ったという。付き添いできたさやかの先輩、望月悠(神永圭佑)は名医を紹介してほしいと永遠子に頼み、永遠子は冬実を推薦する。
後日、永遠子とさやかは冬実のもとを訪れ、診断を受ける。冬実は精密検査とその結果によっては手術が必要だと告げる。退室の際に永遠子は冬実に「わたしのこと、覚えてらっしゃいますか?」と問いかける。10年前、看護師だったころ永遠子は冬実と働いた経験があり、冬実に「人の命には優先順位がある」と言われたことがあったのだ。
精密検査の結果、さやかは冬実が待ち望んだウィリス動脈輪閉塞症患者だということがわかる。早々に手術室を抑えるように看護師の正木恵(佐藤江梨子)に指示する冬実。冬実の同期であり、手術では冬実の第一助手を務める真田拓馬(福士誠治)は嫌みを言うが、冬実は全く意に介さない。
冬実が最新の手術法でウィリス動脈輪閉塞症患者のさやかを手術するといううわさを聞きつけた東都国際中央病院の院長、蓮井仁(伊武雅刀)は聖カタリナ総合病院の院長、瀧川一郎(船越英一郎)にいわくありげに電話をかけた。最高のメンバーで手術にのぞむので心配はいらないという瀧川だったが、第一助手の真田が右手を負傷してしまったために日比野信吾(森山栄治)が助手を担当することになっていた。また執刀医である冬実も同居するアルコール依存症気味の姉、夏帆(西田尚美)が暴れたため、寝不足で手術当日を迎えることになる。
さやかの手術が始まった。冬実の技術は助手を務める日比野、麻酔科医の中村真彦(KEIJI)も感嘆するほどだった。そんな時、同じようにモニターで見守っていた院長の瀧川のもとに入院中の経済界の大物がくも膜下出血を起こしたとの連絡が入る。瀧川は手術室に連絡を入れ、冬実にさやかの手術を切り上げ、こちらを担当するように指示する。が、冬実は瀧川を無視して手術を続け、閉頭をすれば終了というところまでたどり着く。あとを助手の日比野に任せ、隣の第2手術室に滑り込み、瀧川と執刀を交代するのだった。
第1手術室から出てきた日比野が悠と永遠子に手術は成功したと告げる。執刀医であるはずの冬実がいないことをいぶかる永遠子の目に、第2手術室で執刀を終えた冬実の姿が飛び込んでくる。永遠子はなぜ別の手術室から冬実が出てきたのか詰めよるが、冬実は両方とも責任を持って手術し、両方とも成功したと答えるのだった。
その夜、さやかの容体が急変した。冬実が到着したとき、さやかはすでに心肺停止の状態だった。必死で蘇生を試みる冬実。看護師だった永遠子を巻き込んで心臓マッサージを続けるが、さやかは亡くなってしまう。永遠子は冬実に、医療コーディネーターとしてさやかが死に至った原因を徹底的に追求すると告げるのだった。
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

さやかの死は医療事故なのか?
冬実は自分の手術に問題はないと確認するべく、手術中の録画映像を調べるが……。

当の映像が紛失していた。

後に判明することだが、助手の真田が盗み出したのだ。
真田は東都医大の蓮井の命令で録画映像を盗み出していた。
東都医大は聖カタリナの買収を狙っていたのである。
蓮井に映像を渡す約束を取り付ける真田。
そんな真田に近付く影があった―――看護師の恵である。
恵は真田が映像を持っていることを確認するが……。

直後、真田が殺害される。
真田の所持品から録画映像は盗み出されていた……。

一方、蓮井による聖カタリナの買収が着々と進む中、沈みかけた聖カタリナを見捨てた瀧川は蓮井へと近付いて行く。

その翌日、永遠子と冬実のもとに何者かからオークションへの参加を求める電話が入る。
オークションにかけられる品は例の録画映像だった。

冬実は瀧川に、永遠子は蓮井に依頼し、それぞれ資金を得ることに。

オークション当日。
冬実、永遠子は互いに激しく競り合う。
全財産をも持ち出す2人。
勝利の女神は永遠子に微笑んだ。

受け渡し方法について確認する永遠子。
敗北したことに絶望する冬実。
そんな冬実を姉の夏帆がじっと見詰めていた。

受け渡し当日。
さやかの仇を討つべく留学を取り止めた望月悠と共に取引場所へ現れた永遠子は、代理を名乗る人物から現金と引き換えに録画映像を受け取る。

と、そこへ黒づくめのライダーが乱入。
永遠子はライダーに殴りつけられ昏倒、映像を奪われてしまう。
悠はライダーを追うことに。

ライダーは桧山家に消えて行く……。
ライダーを追った悠は映像を取り戻すべく飛びかかるが、ライダーは刃物を持ち出して対抗する。
揉み合った末にライダーの一撃が悠を捉えた……。

その頃、永遠子は救急搬送されていた。
デリケートな手術の為に、冬実が担当することになる。
因縁の相手にも関わらず、命を重んじる冬実は手術を引き受けるのだった。
これにより、永遠子は命を取り留める。

帰宅した冬実を待ち受けていたのは異常な光景だった。
血塗れの姉の隣には骸と成り果てた悠が転がっている。
ライダーの正体は姉・夏帆だったのだ。
瀧川から依頼され妹の窮地を救うべく映像を奪い返したと誇らしげな夏帆だが、冬実は「そこまでする必要はなかった」と姉を責める。
冬実の言葉にショックを受けた夏帆はふらふらと外へ彷徨い出てしまう。
これにより、事件は露見し夏帆は逮捕された。

夏帆が殺人者となってしまった―――衝撃から立ち直れない冬実。
しかし、夏帆は冬実にあの録画映像を残していた。
映像を視た冬実は手術に失敗はなかったことを確認する。
では、さやかは何故死んだのか―――?

翌日、瀧川が夏帆を利用したことを非難する冬実だったが、瀧川は平然と冬実を切り捨てる。
瀧川は既に蓮井と取引を成立させていたのだ……。

仕事に戻った冬実はさやかの遺した熊のヌイグルミのポシェットに携帯電話を見つける。
そこには真実が残されていた。

同じ頃、真田殺害で恵は逮捕されていた。
オークションの仕掛け人も恵。
映像を奪う為に真田を殺害したのだ。

入院中の永遠子を訪ねる冬実。
医療ミスに偽装しさやかを殺害したのは永遠子だった。

蓮井と永遠子は繋がっていた。
聖カタリナの買収額を50億円安くすることで、成功報酬5億円が永遠子に入るのだ。
永遠子はその5億円を医療コーディネーターに役立てようとしていたのである。

冬実は手術中に医療ミスなどしていない。
その証拠となる映像を奪おうとしたのだ。
恵を利用しようとしたが、真田が先に盗み出してしまう。
恵は映像が金になることに気付いていた為に真田を殺害しこれを奪った。
そして、さらに大金をせしめるべくオークションを開催したのだ。

これが事件の全貌だった。

生かすことで医療を変えようとした冬実。
殺すことで医療を変えようとした永遠子。
冬実は永遠子のやり方では何も変わらないと非難する。

しかし、永遠子はあくまで自身のやり方こそが正しいと主張。
さらに、さやかを永遠子が殺した証拠はないと言い張るが……。
冬実は熊のヌイグルミから見つけた携帯電話を取り出す。

携帯を渡し、「あなたに任せる」と伝える冬実。

そこにはさやかの遺言が録画されていた。

さやかは永遠子に点滴に薬を混ぜられたことを映像中で告白。
だが、孤独である自分の死が何かの役に立つならばと受け入れた心境を語っていた。

さやかの真意を知り涙する永遠子。

そして、1年後―――

聖カタリナの買収は終わった。
蓮井と取引していた瀧川はそのまま居残った。

真田殺害で恵は逮捕された。

永遠子は殺人罪で自首。
10年の実刑判決を受けた。

冬実は地方の病院へと遷った。

ある日、若い女性の医療コーディネーターが冬実のもとを訪ねて来る。
とある手術の依頼にやって来たのだ。
快く了承する冬実。

ふと、永遠子のことを思い出した冬実は彼女に今の仕事に就いた理由を尋ねる。
彼女によれば1年前にあった匿名の寄付金のおかげでこの仕事に就くことが出来たと言う。

永遠子の罪は確かに重い。
だが、彼女のやったことは決して無意味では無かったのだ。
冬実の頬を風が撫でる、それは爽やかな心地だった―――エンド。

<感想>

ドラマ原作は秦建日子先生『インシデント 悪女たちのメス』(講談社刊)。
原作については過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。
興味のある方はこちらをどうぞ!!

『インシデント 悪女たちのメス』(秦建日子著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

では、ドラマ版感想。

基本原作通りでしたが、強引にラストを変えてましたね。
ただ、原作通りだとかなり批判があった筈なのでこれはこれで良かったかもしれないかな。

原作との変更点はこちら。

・原作だと永遠子は「贖罪の為に医療行為に一生を捧げる」が「自首」に変更。
・鳴沢の存在がカット。
・関連して真相に気付いたきっかけがさやかの遺した携帯に変更。
・さやかの死因が「自殺」から「他殺」へ。
・瀧川が健在。
・冬実関連のラストが追加。

印象としてラスト辺りで永遠子が原作よりも掘り下げられていた感じ。
ドラマ版も決して深く描いていたとは言いにくいですが、原作の方がもっと浅かったな。
あと、自首した点を除けば永遠子がより悪役になってましたね。
まぁ、やったことがやったことなので仕方ないのですが。
そう考えると原作よりもドラマ版の方が正しいのかな。
それと、ドラマ版の永遠子の印象だと「自分の野心」が先立っている感じがしました。

個人的には、原作もテーマ性よりはサスペンス性を追及していたように思うので、ドラマ版もコレでアリだと思います。

ちなみに秦建日子先生、2012年1月から日本テレビ系列にてその著作『ダーティ・ママ!』がドラマ化されます。
こちらも注目です!!

『ダーティ・ママ!』(秦建日子著、河出書房新社刊)ネタバレ書評(レビュー)

秦建日子先生『ダーティ・ママ!』シリーズ(河出書房新社刊)がドラマ化!!

金曜プレステージ特別企画「超傑作医療ミステリー小説続編・ドラマ化! 悪女たちのメス episode2〜最凶スーパードクターが挑む患者の連続死!医療ミス?陰謀?罠?騙し合う4人の悪女!病棟に眠る忌まわしき黒い秘密」(12月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

桧山冬実:仲間由紀恵
中原永遠子:瀬戸朝香
正木 恵:佐藤江梨子
真田拓馬:福士誠治
日比野信吾:森山栄治
中村真彦:KEIJI(EXILE)
伊波さやか:小松美月
望月 悠:神永圭佑
桧山夏帆:西田尚美
蓮井 仁:伊武雅刀
瀧川一郎:船越英一郎 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


「インシデント 悪女たちのメス」です!!
インシデント 悪女たちのメス



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