もちろん、連載中の「フランケン・ふらん」も同時掲載。
つまり、世に言う2本立てというやつです。
で、これが2本ともクオリティが高かったので、本作を知っている人には改めて、知らない人にはオススメする意味も込めてネタバレ批評(レビュー)しちゃいます。
今回は「フランケン・ふらん」です。
<「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレあらすじ>
ヴェロニカに親友が出来た。
その名は蛍。
ふらんは驚きつつも喜ぶが……。
当の蛍が何者かに殺害されてしまう。
現場を見たガブリールは超嗅覚で犯人を突き止める。
親友の仇を討ちたいヴェロニカだが、犯人が分からない。
そこで、仇敵とも言えるガブリールに土下座してまで犯人を教えて貰うことに。
ガブリールは「1つだけ言うことを聞く」ことを条件に真実を教える。
それはヴェロニカを驚かせるに充分だった。
蛍は校長の奴隷だったのだ、それも性的な。
校長は町の有力者に蛍を提供して便宜を図っていた。
今回もプレイが高じて蛍が死んでしまったのだ。
校長を殺そうとするヴェロニカだったが、ガブリールの願いは「蛍に関連した人物を誰も殺さないこと」だった。
こうして、ヴェロニカは仇を討てなくなってしまう。
消沈するヴェロニカは生前の蛍が語っていた言葉を思い出す。
「蛍石は熱すると綺麗に輝くの。でも、熱し過ぎると……」
ヴェロニカは蛍に貰った蛍石を、まるで蛍本人かのように抱きしめるのだった。
数日後、今日も無力感を抱いているヴェロニカのもとにふらんがやって来る。
なんでも、蛍に関して気になることがあるらしい。
蛍はふらんに絶対に治療出来ない淋病菌を依頼していた。
ふらんはそれを完成させると蛍に渡していたのだ。
同じ頃、町の中では有力者たちが次々と倒れていた……。
まさか……ヴェロニカは蛍石を取り出す。
「蛍石は熱し過ぎると熱した相手を焼くのよ……」
ヴェロニカの脳裏に蛍の言葉が甦る、蛍石はいつの間にか割れていた―――エンド。
<感想>
「フランケン・ふらん」は人造人間でありながら造物主足りえるほどの能力を持つ“ふらん”が主人公の物語。
毎回、ふらんが関わった発明が登場、これに人間の本質が絡んで大騒動に発展するような話と思って貰えれば間違ってはいないと思います。
「殺しても死なない」とか、割とシュールでブラックな展開が多く見られるのが本作の特徴。
本人の意識もはっきりしているのに罹患するとゾンビのように見える寄生虫の回などはかなり印象的でした。
そして、今回もそのエッセンスは健在。
ネタバレあらすじをお読み頂ければお分かりになる通りです。
蛍の意志は何処にあったのか考えるとゾッとします。
復讐モノとはいえ、かなり変則的なモノと言えるでしょう。
これを機にシリーズに興味を持たれた方は是非、コミックスなどをご覧になってみてください。
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
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