2011年12月13日

『裂壊 警視庁失踪課・高城賢吾』(堂場瞬一著、中央公論新社刊)

『裂壊 警視庁失踪課・高城賢吾』(堂場瞬一著、中央公論新社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

課長査察直前に姿を消した阿比留室長。荒らされた部屋を残して消えた女子大生。時間がない中、二つの失踪事件を追う高城たちは事件の意外な接点を知る。
(中央公論新社公式HPより)


<感想>

12月24日にスペシャルドラマが放送されるとのことでドラマ原作とされていた本作を読みました。
ちなみにこのシリーズは本作が初。
ドラマ版「警視庁失踪課」は視聴してます。
堂場先生の作品は『刑事・鳴沢了』シリーズや『棘の街』など幾つか読んでます。

その上での感想です。

それにしても、原作とドラマ版は設定がかなり変更されていたんですね。
知りませんでした……。

それと、このシリーズはコレ一作しか読んでいないのにこれから大口を叩きます。
そこで、この感想はあくまで管理人1個人の感想であることを予めお断りしておきます。

ここから、管理人が愚痴ります。
いつものアレです。
本シリーズのファンの方はもちろん、そうでない方も不快になる恐れがあります。
どうしても気になる方以外は読み飛ばすか、ここで止めることをオススメします。


では、本作の感想です。

正直、何度読んでもよく分からん。

高城と阿比留がむやみやたらにテンションが高く意味もなく対立するのは何故なんだろう?
2人とも「過去が過去が」と繰り返すんだけど、その「過去」が2人にとって共通のものでも無く、「過去」を持ち出す必然性が無い気がする。
たぶん、“互いのプライドがぶつかっている”表現なのだろうと思うけど、そこまでが突拍子無さ過ぎて理解が追い付かなかった。
思考がぶっ飛んでいると言うべきか……「なんでそうなるの?」「なんでそう思えるの?」が多過ぎた。
描写が冗長な割に肝心の説明部分が不足しているような感じ。
登場人物を掴み切れずに終わってしまった。
イメージ先行の作品なのかなぁ……。

これもシリーズものを途中から読んだ弊害なのでしょうか……。

もっとも、最大の原因は分かっています。

それは……ドラマ版のイメージで原作を読んじゃったこと。
こんなに原作とドラマ版が違うと思わなかった。
ドラマ版の方の高城は割と仲間意識が強い印象だったのですが、こちらの高城はどうにも……。
そこから拒否反応が出てしまった。

シリーズの他作品を読めばさらに印象が変わるのかもしれないけど、本作だけを読むと微妙でした。

教訓:シリーズものはシリーズを通して読もう。

<ネタバレあらすじ>

美知という女性大生が消息を断った。
それに呼応するかのように室長の阿比留真弓も姿を消す。
真弓の失踪には美知が関わっているのか?

査察が目前に迫る中、室長不在では課の存続自体が危ぶまれる。
査察のタイムリミットが迫る中、高城は真弓を追うべく必死に美知を捜す。

そこで明らかになる真実。
美知は真弓の娘だった。

真弓は家族を顧みることなく仕事に励んだ結果、娘と絶縁状態になっていたのだ。
しかも、真弓が大手柄を立てた事件に美知も関わっていた。

その詳細はこうだ。

美知が通っていた高校で、爆弾事件が発生。
幸い製造途中で主犯の2人が逮捕されたことで未遂となっていたこの事件。
主犯2人の動機はいじめグループに報復する為だったが……。
実は美知は主犯2人と友人関係にあり、爆弾で報復する情報を一番に察知したのも彼女だった。
美知はそれを真弓に相談。
真弓は主犯2人を検挙し大手柄としていたのだ。

そして現在、主犯2人は社会復帰した直後だった。
2人の所在を追う高城は2人ともが仕事を辞めていることに気付く。

まさか、2人は美知に復讐しようとしているのでは……。
その高城の読みは当たっていた。

美知は2人に復讐されようとしていることに気付き、姿を消したのだ。
真弓はそんな美知を保護するべく捜していたのである。

ところが、折悪しく真弓は2人に捕まってしまう。
真弓が人質に取られたことで美知も2人の呼び出しに応じる。

一方、美知を捜し回った為に資金が乏しくなった2人は資金作りに奔走。
その痕跡を高城に掴まれてしまう。

結果、2人は高城に逮捕される。
真弓は職場に復帰、査察を無事に乗り切るのだった―――エンド。

◆「堂場瞬一先生」関連過去記事
【書評】
・鳴沢了シリーズの1作「讐雨 刑事・鳴沢了」の書評です。
「讐雨 刑事・鳴沢了」(堂場瞬一著、中央公論新社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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【ドラマ】
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「裂壊 警視庁失踪課・高城賢吾」です!!
裂壊 警視庁失踪課・高城賢吾



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posted by 俺 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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