2011年12月25日

「狼と兎のゲーム(第2回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)

「狼と兎のゲーム(第2回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

ファン待望の新刊、綾辻行人「奇面館の殺人」と法月綸太郎「キングを探せ」の冒頭部分を先行掲載!著者お二人のメッセージ付きです!!さらに大人気シリーズ「QED」完結記念特別座談会として、著者と歴代担当者が創作の秘密を語り尽くします!

“メフィスト初登場ミステリ作家競作”では三木笙子、高井忍、詠坂雄二、相沢沙呼が執筆。第46回メフィスト賞受賞作や、“メフィスト総選挙”の結果発表など盛りだくさんな内容は見逃せません。

西尾維新最新作はじめ、山口雅也「垂里冴子シリーズ」、麻耶雄嵩「メルカトルシリーズ」や倉知淳、初野晴、上遠野浩平、化野燐、木原浩勝、深水黎一郎など話題作も目白押し。

豪華長編連載陣に、恩田陸、今野敏、我孫子武丸、二階堂黎人、あさのあつこ。
二階堂黎人「覇王の死」と、円堂都司昭「大胆エンタメ進化論」は、今号が最終回です!
(アマゾンドットコムさんより)


<感想>

我孫子武丸先生の新連載2回目です。

遂に殺人事件発生!!
被害者はコスモの弟ガイア。

作中の認識ではコスモの父の犯行となって居ますが、これは違うだろうなぁ……。
コスモの父は殺したことを独白していないし、凶行シーンの描写もない。

となると、別の人物の犯行を隠そうとしている!?
これが犯人を知っての意識的な行動か、犯人を知らずに虐待の露見を恐れて行動しているのかによってストーリーは変わりそう。

コスモの父の犯行はないとして、容疑者になりそうなのは―――

コスモ:約束したにも関わらずガイアを連れて来なかった。生きているガイアを見た最後の人物と思われる。ガイアがPCを壊したのを見て発作的に殺害。これを利用して父親の排除を目論んでいるのか?

智樹:コスモに巻き込まれているが、どうにも付き合いが良すぎる。ただ、コスモがガイアの無事を確認し家を出ていた場合、コスモと同席していた為にガイア殺害は不可能。

アンナ先生:やたら名前が出て来るのが気になる。ただ、根拠は一切ない。

智樹の両親:やたらコスモの父と比較されているのが気にかかる。

その他:未だ登場していない人物の可能性も……。

ガイア:事故あるいはPCを壊したことを苦にして自殺。

こんなところでしょうか。
ガイア自身やその他は無いとして、本命はやはりコスモか。
それだとしっくりするがシンプル過ぎるか。
ただ、他の人物には動機がない。

それと、どうも叙述系トリックの存在が疑われるんだよなぁ……。
アンナ先生の存在や、智樹が両親をパパ、ママと呼びかけて言い直してるし。

あるとすれば、二重人格トリックとか、智樹の性別誤認が仕掛けられている気がする。

二重人格だとすると、智樹とコスモが同一人物でコスモの父は智樹のパパを指すとか。
これで二面性を表している場合か。

性別誤認だとすると、どうにもならないなぁ……。
智樹と言う名前は男子、女子両方に通用しそうだけどどうだろう……。

う〜〜〜ん、今の状態ではまだ分からないか。
このまま智樹が受け身のサスペンス調で進むのか、それとも追い詰められた智樹とコスモが父親殺害を決行するのか……それによっても違ってきそうか。

果たして次回の展開は如何に!?

◆関連過去記事

・前回はこちら。
「狼と兎のゲーム(第1回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

<ネタバレあらすじ>

虐待を繰り返すコスモの父親は警察官だった。
智樹とコスモは慌てて逃げ出す。

コスモはひたすらに父親を恐れていた……。

ある日、コスモと共に家で遊ぶ約束を取り付けた智樹。
コスモはガイアも連れて行きたいと言っていたが……。

約束の時間に現れたのはコスモだけだった。
コスモは酷く興奮しており、智樹は事情を訊くことに。

このままではあいつに殺される……そう繰り返すコスモ。
あいつとはもちろん、コスモの父親だ。

コスモによれば、コスモについて父親の部屋に入ったガイアが父親のデスクトップPCを壊してしまったらしい。
このまま帰れば殺される―――コスモは本気で怯えていた。

大人の力を借りるよう提案する智樹。
例えば、学校のアンナ先生はどうか。

だが、コスモはあくまで拒否を貫く。

遂にコスモは父親殺害を計画。
付き合わされた智樹は罠を仕掛けることを提案する。

乗り気になったコスモに連れられ2人でコスモ宅に。
ところが、そこで異様な光景を目にすることになる。

コスモの父親がぐったりとしたガイアを埋めようとしていたのだ。
ガイアは息をしていない、死んでいるのは明らかだった。

何がどうなっているのか、ワケも分からぬうちに逃げ出すコスモと智樹。
2人はただひたすらに走って逃げる。
はたと気付いた2人は善後策を協議すべく智樹の家に泊まることに。

コスモはガイアを殺したのは父親だと主張。
智樹はあくまでアンナ先生たち大人に頼ろうとするが、コスモは拒否する。
どうしたらいいのか分からない……混乱する智樹たち。

そこへ電話がかかって来る。
相手はコスモの父だった……コスモ宅に電話したリダイヤルから智樹宅の電話番号がバレたのだ。
コスモの父はコスモを引き渡すよう智樹を脅迫。
智樹はその言葉に恐れ慄くのだった―――2話了。

【我孫子武丸先生関連過去記事】
・[速水三兄妹シリーズ]
「8の殺人」(講談社)ネタバレ書評(レビュー)

「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)まとめ

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(我孫子先生担当の「盗まれたフィギュア」について推理)

第2回が掲載された「メフィスト2011 vol.3」です!!
メフィスト2011 vol.3





我孫子先生が原作を担当したコミック「監禁探偵 (マンサンコミックス)」です!!
監禁探偵 (マンサンコミックス)





我孫子武丸先生の「殺戮にいたる病 (講談社文庫)」です!!
殺戮にいたる病 (講談社文庫)





同じく「弥勒の掌 (文春文庫)」です!!
弥勒の掌 (文春文庫)





◆我孫子武丸先生のその他の作品はこちら。


【関連する記事】
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