2012年01月13日

「シャーロッキアン!」第25話「幻の聖典」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「シャーロッキアン!」第25話「幻の聖典」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

シャーロッキアン!1


<25話あらすじ>

前回(「アイリーン・アドラーの光と影」)の事件を経て、車教授との日々を取り戻した愛理。
車を選び、是方を振る結果になったことに心を痛めていたものの、それでも、車との時間は愛理にとってかけがえのないものとなっていた。
もっとも、2人の距離は遠慮し合うためになかなか近付かないのだが。

そんなある日、愛理は市立病院へ移動図書館のボランティアとして訪れる。
もちろん、愛理のオススメは「ホームズもの」。

と、愛理と同じくホームズものに関心を示す入院患者の少年が居た。
少年の名は高木彰、彼は愛理が取り揃えたシリーズを一瞥するとがっくりと肩を落とす。
彰の読みたがっていた一冊がそこになかった為だ。

彰の捜しているのは「赤い怪盗」というエピソード。
祖父に読み聞かせて貰っていたらしいが……。

「赤い怪盗」に覚えのなかった愛理は困惑するが、後日の約束を交わしその日は後にする。

こんな場合に頼りになるのはあの人しかいない!!
愛理は車教授に相談を持ちかけることに。

車は愛理の話を聞くと、ニッコリ微笑む。
その手には児童書「名探偵ホームズの冒険」が握られていた。
訳者は時代小説で著名な柴田錬三郎である。

車教授は「赤い怪盗」について、ストーリーを語り出す。

当時、ロンドンを騒がせる強盗・赤い悪魔を追っていたホームズ。
ある晩、ついに追い詰めたものの、ある花屋の前で取り逃がしてしまう。
その花屋はまだ学生である少年主人ジェームズとその妹モリスン、それに青年従業員マーティーで成り立っていた。
ジェームズは苦学しつつ、一生懸命に店を盛り立てていたのだ。
と、そこへ突然、ジェームズに大金が転がり込む。
謎の老人が現れ、彼に大金の小切手を渡したのだ。
それから3日後、ジェームズが野球に出掛けた隙に、マーティ―に預けていたモリスンが誘拐されてしまう。
犯人の要求は大金の小切手だった。
ジェームズは誘拐犯の指示に従い、妹を取り戻すべく受け渡し場所へと出向く。
ところが、そこへ強盗を追っていたホームズが何故か現れて……。

とのストーリーらしい。
車教授によれば、謎の老人の正体は変装したホームズ。
事件の犯人はある人物とのことだが……。

シャーロッキアンである愛理でもこの物語は聞いたこともない。
しかも、ジェームズが野球に出掛ける描写もあるらしい。
戸惑う愛理に車教授は種明かしをするのだった―――。

後日、彰の病室を訪れた愛理。
約束の「赤い怪盗」が収録された「名探偵ホームズ」を手渡す。
喜ぶ彰とその母親。
それにしても何故覚えがなかったのか―――愛理は彼らにこの「赤い怪盗」のエピソードの正体について明かす。

「赤い怪盗」は翻訳者・柴田錬三郎が茶目っ気とサービス心で創作した新作だったのである。

ところが、これを聞いた彰が眉を顰める。
では、ニセモノではないか―――そう言うのだ。

彰はホームズ物語を現実に起こった事件をワトスンが記録したものと信じていた。
それが、今回をきっかけに創作物であると知ってしまったのだ。
まさに、サンタクロースはいないと教えられた子供のようなもの。
ショックを受けた彰は前以上に落ち込んでしまう、大事な手術の日が間近に迫っているというのに……。

責任を感じた愛理は何とかしようと考える。
そんな愛理を助けようとする車教授だが、愛理は彼の助力を拒否し1人で解決しようと頭を悩ませる。

矢先に、彰が病室を抜け出してしまう。
それを聞いた愛理はなおさら責任を感じて、必死に彰を捜すが―――26話に続く。

<感想>

激動の第3シーズン7話目です。
サブタイトルにこそありませんが、今回も前後編のようですね。
次回に続きます。

愛理と車教授はだいぶ距離が近付いたようですね。
ただ、今度は愛理が車に遠慮して距離を置いている様子。
ラストで車教授の助力を断ったのもこの為でしょう。
なんとも、微妙な関係の2人。

そこへ、新たな難題が。
それは、幻のエピソード「赤い怪盗」を捜すこと。
作者は「柴錬」こと柴田錬三郎先生でした。
言わずと知れた時代小説の雄で「眠り狂四郎」の著者ですね。
管理人も「柴錬三国志」は読みました。
賞の名前にもなっている大御所です。
「赤い怪盗」に興味のある方は、収録作へのアマゾンさんリンクを用意したので本記事下部よりどうぞ。

エピソード自体は早々に見つけ解決出来たものの、問題は彰の心。
これは「シャーロッキアン!」らしい難題ですね。
これをどう乗り越えるかがポイント。

おそらく、「赤い怪盗」のストーリーそれ自体が重要となるのでしょう。
車教授は犯人の名前を伏せていますが、登場人物から考えると従業員のマーティ―以外いない。
これがどう彰の心を溶かすのか。
亡くなった彰の祖父も絡むとすれば「このエピソードには子供たちへの愛が詰まっている」といった展開か。
そして、同時にこの「幻の聖典」エピソードこそが車教授と愛理の仲を深める予感―――26話に注目です!!

ちなみにアイリーン・アドラーが活躍する小説が2011年11月25日に発売されています。
それが『おやすみなさい、ホームズさん(アイリーン・アドラーの冒険)』。
そうです、アイリーン・アドラーが主人公です!!

興味のある方は下記アマゾンさんのリンクよりどうぞ!!

◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・WEB漫画アクション
http://webaction.jp/

◆関連過去記事
・各話(1話から18話)批評(レビュー)に繋がる過去記事リンクはこちらから。
「シャーロッキアン!」(池田邦彦著、漫画アクション連載)1から18話までまとめ

双葉社刊「漫画アクション」連載「シャーロッキアン!」第19話「ベイカー街の子犬」ネタバレ批評(レビュー)

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「シャーロッキアン!」第24話「アイリーン・アドラーの光と影(後編)」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)

2011年2月28日発売。
「シャーロッキアン!(1) (アクションコミックス)」です!!
シャーロッキアン!(1) (アクションコミックス)





柴田錬三郎著「赤い怪盗」が収録された「日本版 シャーロック・ホームズの災難」です!!
日本版 シャーロック・ホームズの災難





アイリーン・アドラーが主人公!?
「おやすみなさい、ホームズさん 上 (アイリーン・アドラーの冒険) (創元推理文庫)」です!!
おやすみなさい、ホームズさん 上 (アイリーン・アドラーの冒険) (創元推理文庫)





同じく「おやすみなさい、ホームズさん 下 (アイリーン・アドラーの冒険) (創元推理文庫)」です!!
おやすみなさい、ホームズさん 下 (アイリーン・アドラーの冒険) (創元推理文庫)





「シャーロック・ホームズの冒険 (創元推理文庫)」です!!
シャーロック・ホームズの冒険 (創元推理文庫)





真実は此処にある!?
「シャーロック・ホームズ―ガス燈に浮かぶその生涯 (河出文庫)」です!!
シャーロック・ホームズ―ガス燈に浮かぶその生涯 (河出文庫)





「シャーロッキアンへの道―登山口から5合目まで」です!!
シャーロッキアンへの道―登山口から5合目まで





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