<あらすじ>
2010年にスペシャルドラマ化された誉田哲也の同名小説が、連続ドラマとして登場。ノンキャリアで成り上がった警視庁捜査1課の女性刑事・姫川玲子(竹内結子)の活躍を描く。脚本・龍居由佳里、演出・佐藤祐市。
10年前、100人を超える死傷者を出した列車転覆事故があった。米田(北上史欧)という男が、飲酒運転で踏切内に車を進入させたことが原因だった。ある日、出所後の米田が列車事故と同じ場所でれき死する。遺体は左右対称に真っ二つで、警察は自殺と他殺の両面から捜査を始める。玲子(竹内)は当時、列車事故で亡くなった実春(藤本泉)という少女を必死で助けようとした徳山(滝藤賢一)という駅員がいたことを知り、調べ始める。徳山は鉄道会社を退職していて、現在は行方不明となっていた。そんな折、実春の父で「被害者と遺族の会」会長の小川(村上かず)が家のトイレで遺体で見つかる。
(@nifty tv番組表より)
では、続きから(一部、重複アリ)……
今回のネタバレあらすじは管理人なりに改変している箇所があります。
これが全てではなく、あくまで、こんなストーリーだったとのイメージ把握程度に留めてください。
では、ネタバレあらすじをどうぞ!!
目覚ましが鳴り、今日も姫川玲子の1日が始まる。
テレビからは占いの声が「そんなあなたのラッキーアイテムはピンクのポーチ」。
玲子はその声を背に家を出ようとして呼び止められる。
母である。
だが、玲子はその声を振り切るようにそのまま家を出た―――。
玲子にとっての安息は仕事にこそあった。
姫川班の面々と共に何事もなく一日が終わるかと思われたが……。
事件が発生、駆けつけた姫川班の面々はその死体に驚く。
被害者は線路の上で左右対称(シンメトリー)に真っ二つにされていた。
ちょうど、魚の開きのように。
被害者の身元が判明。
被害者は米田という男性。
10年前、飲酒運転により列車転覆事故を起こしていた。
この事故の被害者は32人。
米田は5年間の刑期を終え、社会に戻って来ていた。
死亡する直前の米田の目撃証言が得られる。
それによると「8億6千万円」と口にしていたらしい。
列車転覆事故の補償額と同じであることに玲子は気付いた。
列車転覆事故に目をつけた玲子。
「被害者と遺族の会」を捜査するよう指示を出す。
一方で、列車転覆事故の新聞記事を調べる。
その夜、両親との仲が気まずい玲子はホテルに宿泊。
そこで、事故により娘・実春を失った小川と徳山という駅員の記事を見つける。
小川は記事の中で、転覆事故により死亡した娘を助けようとした徳山が駅員の鑑であると感謝していた。
玲子の勘は徳山に何かあると告げていた……。
徳山の評判は上々。
利用客への挨拶も率先してこなしていたそうだ。
そして、徳山が描いたとされる駅舎内に貼られたポスターはシンメトリーになっていた。
なおさら、徳山への興味をそそられる玲子。
玲子は小川の自宅を訪れる。
ところが、小川は両胸を刺され死亡していた。
その死体はまさに左右対称、シンメトリーだった……。
小川は米田以前に死亡していたことが判明。
玲子は小川と米田の殺害犯は同一人物であると考える。
玲子の指示で姫川班は動物虐待事件を追うことに。
米田以前にも同じような事件が動物で起こっていたことが明らかに。
線路上に50センチの成犬が置かれていたこともあったそうだ。
徳山について同僚から意外な証言が飛び出す。
徳山が挨拶していたのは実春に声をかける口実だったと言うのだ。
どうも、徳山が一方的に実春を見初め、のぼせ上っていたらしい。
列車転覆事故の被害者の1人、多田から話を聞く玲子。
多田によれば、米田も酷いが徳山も酷い男らしい。
多田の証言は次のとおりである。
列車転覆事故後、改札係だった徳山がやって来た。
乗客は助けに来たのだと思ったがそうでは無かった。
乗客を無視すると、車両からぐったりと身体を乗り出す実春を無理に引きずり出そうとしたのだそうだ。
結果、傾いていた車体が倒れ込み実春が死亡。
さらに、車両に乗っていた乗客たちが多数死傷した。
知られていないが徳山が居なければ被害はもっと抑えられたと訴える多田。
だが、真相を知らぬ小川があまりに徳山を褒めそやすのを目にして腹を立て、半月ほど前についに小川に打ち明けたのだそうだ。
これを聞いた小川は徳山に会って確認すると動揺していたらしい。
米田の現場で起きていた動物虐待も徳山の犯行だとしたら……小川は徳山に問い質し、殺害されたに違いない。
その頃、当の徳山はネットカフェ「リラックス」に潜伏していた。
亡き実春の面影を追う徳山。
姫川班は徳山捜索に全力を尽くし、遂に居場所を突き止める。
徳山は米田の殺害現場に居た。
「私が犯人だったらやっぱり現場に戻ってきたくなる、こんなに綺麗な満月ですものね」
徳山に近付く玲子。
「米田の死はどうでしたか?あんな無残な死に方で」水を向ける玲子。
「驚いたね、殺されたんでしょ。干物みたいな死に方だってね」嘲るような徳山。
徳山は「賠償金を払わずに済む方法がある」と米田を呼び出した。
そこで米田を殺害し、線路に置いたのである。
徳山はネットカフェ店内に居たと自身のアリバイを主張するが……。
それも通用しなかった。
店の防犯カメラはそれまでダミーだったが、1週間前に本物に代わっており徳山のアリバイが代理によるものとバレていた。
しかも、徳山は米田の死体を「干物みたい」と称した。
しかし、その情報は玲子により報道発表は抑えられていたのである。
徳山は犯人しか知りえない情報を口にしてしまった……。
徳山は動物虐待と小川殺害、徳山殺害の罪を遂に認める。
あるべき形に戻しただけだ、だって美しかっただろ……と力なく呟く徳山。
そんな徳山を玲子は「命への冒涜だ」と一喝するのだった―――1話了。
<感想>
第1話にして、原作からかなり改変を加えてきました。
犯人こそ同じですが、犯人を取り巻く環境やその精神性まで変えてきました。
徳山を猟奇殺人犯にしちゃってますね……。
これは原作『シンメトリー』を読んだ身としては、かなりショック……。
原作は徳山視点の物語。
徳山は挨拶を交わしていた実春を妹のように想い米田への復讐を決意。
列車転覆事故の際に失われた自身の右腕の代わりに「シンメトリー」であることに執着し、米田のみを殺害します。
かなり、切ない犯罪者です。
だが、ドラマ版の徳山は身勝手な男が身勝手なままに犯行を繰り返すことに。
これはショッキングな展開ではあるものの、原作の良さを活かしたとは言い難いかなぁ……。
正直、今回については改悪だと思う。
なぜ、変更したのか分からない。
小川殺害を加えたことで何かメッセージ性が生まれたとも思えないし。
本当に首を捻る。
『シンメトリー』は原作自体が完成度も高く、原作通りにすべきだったのではないだろうか。
次回に期待したい。
そんな次回は『右では殴らない』。
こちらも『シンメトリー』収録の短編。
・シリーズ3作目、短編集「シンメトリー」はこちら。
「シンメトリー」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
『右では殴らない』は『シンメトリー』と違い改変の余地がある作品だと個人的に思うので、ドラマ版に大いに期待します!!
◆関連過去記事
【姫川玲子シリーズ】
・シリーズ1作目「ストロベリーナイト」はこちら。
「ストロベリーナイト」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ2作目「ソウルケイジ」はこちら。
「ソウルケイジ」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ3作目、短編集「シンメトリー」はこちら。
「シンメトリー」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ4作目「インビジブルレイン」はこちら。
「インビジブルレイン」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズスピンオフ作品「感染遊戯」です。
「感染遊戯」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『アンダーカヴァー(「宝石 ザ ミステリー」掲載)』(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ版】
・土曜プレミアム ストロベリーナイト「大ベストセラー小説初ドラマ化!!連続猟奇殺人事件のカギを握る感染死体…真相に迫る孤高の女刑事悲しみの過去と驚愕の結末!!」(11月13日)ネタバレ批評(レビュー)
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とても ありがたいです。
コメントありがとうございます(^O^)/。
管理人の“俺”です!!
お役に立てたようで良かったです。
コメントを頂くと励みになります。
今後とも宜しくお願い致します(^O^)/。
そうでしたか、原作とは大きく違っていたのですね。
おっしゃるように、犯人を取り巻く環境やその精神性まで変えてしまっては「改悪」だと思います。
お願いがあります。この記事を、私のブログで、引用・紹介させて頂きたいのです。ご許可、お願いします。
こちらこそ、はじめまして(^O^)/。
管理人の“俺”です!!
「シンメトリー」については、もともと原作自体の完成度が高く、映像化するにあたりかなり無理に改変したように思えたので本記事のような感想になってしまいました。
一方、「右では殴らない」は改変の余地がある作品ですので期待しています!!
この記事の引用・紹介についてですが、次の3点に同意頂ければ大丈夫です。
まず、引用であることを記載して頂くこと。
次に、記事内容を改変されないこと。
そして、記事の主旨に反した利用をされないこと。
これをお約束して頂ければ、この記事については引用して下さってもOKです。
>@引用であることを記載して頂くこと。
>A記事内容を改変されないこと。
>B記事の主旨に反した利用をされないこと。
@Aは当然です。
Bについても、「原作と犯人像・性格が改変されている点は、視聴者としても知っておいた方がよい」という趣旨ですので、貴方の主旨に反さないと思います。
本来ならば、このコメントのお答え(了解)をいただいてから、私のブログに引用させていただくのが手順だと思いますが、あまり、時間が経つのもよくないと思い、早速ご紹介させていただきます。事後承諾となってしまうことを、ご了解ください。
コメントありがとうございます(^O^)/。
管理人の“俺”です!!
ご理解頂きありがとうございます。
そこさえ了承して頂ければ前後については大丈夫ですよ(^O^)/。