日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season10(ten)」第12話「つきすぎている女」(1月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)。
<ネタバレあらすじ>
とあるハローワーク、そこにあの月本幸子(鈴木杏樹)の姿があった。
幸子は模範囚として異例の早期出所を果たしており、人生をやり直すべく仕事を捜しに来たのだ。
経歴を問われ「元受刑者です」とはっきり答える幸子、その姿に迷いはない。
「条件のいい仕事は他の人に回してください、どんなものでも結構です」と語る幸子に、ハローワーク職員はある仕事を紹介する。
特命係に幸子から手紙が届いた。どうやら、無事に清掃会社に就職が決まったようだ。
平穏無事であればいいですが……と呟く右京(水谷豊)に相槌を打つ角田。
幸子を知らない神戸(及川光博)は置いてけぼりだ。
ところがどっこい、幸子はやっぱり幸子である。
右京の願いは叶わなかった。
4ヶ月後、幸子から狙われているとの手紙が届いたのだ……。
こうして、右京は、3度幸子と関わることになった。
幸子によれば、清掃会社で働いていたところ働きぶりが認められ上得意の客の担当となった。
大手外食チェーン・間宮フーズの社長宅である。
そのうちに、2代目社長の間宮(田中壮太郎)から専属の家政婦にならないかと誘われた。
それに応じた幸子。
家政婦は楽な仕事だったが、高給だったと言う。
しかも、社員寮として高級マンションが与えられ、幸子の作った料理が新メニューとして採用された。
それも1回ではなく新メニューが採用になる度にボーナスが貰える。
この実績が買われ、正社員として商品開発担当に。
遂には、間宮からプロポーズまで申し込まれたらしい。
幸子は「自分にこんな良いことが起こる筈がない」と断言。
「何か裏があるに違いない」と考え、プロポーズも断ったと言う。
幸子を知らない神戸は「考え過ぎでは」と苦笑いを浮かべる。
しかし、あくまで幸子は「信じられない」と繰り返す。
「その証拠に」とさらに持ち出す幸子。
幸子は最近、尾行されている気配を感じていたのだ。
しかも、間宮からは仕事に際して異様な注文を受けていた。
髪は黒髪、後ろで束ねて、香水は禁止、服は黒で統一すること。
そして、絶対に書斎には入らないように厳命もされたらしい。
間宮の息子・瑞樹も幸子に懐かないらしい。
それどころか警戒されていると言う。
右京は「(幸子の)能力に対する正当な評価なので気にする必要はない」とアドバイスする。
だが、幸子は聞く耳を持たない。
それどころか「右京が変わった」と主張する。
「変わったかもしれない」と認めた右京は「何となく調子が良くない」と繰り返すが……。
その頃、幸子は寮として与えられたマンションのクローゼットから瑞樹と写る見知らぬ女性の写真を見つける。
翌日、幸子が間宮に尋ねたところ幸子の前任者だったとの答えが。
現在は、消息不明らしいが……。
恐怖を感じた幸子は室内を捜索。
壁にかけられた額縁の裏に「たすけて」との文字を見つける。
「ほら、やっぱり!!」
幸子は確信を持って再度、右京たちに助けを求める。
右京たちの調べによれば、写真の人物は串田由紀。
幸子の前の家政婦で身寄りのない女性だったらしい。
幸子自身も身寄りがない。
やっぱり、何かあるのではないか……。
右京を頼る幸子だが、何を聞いても右京は「分からない」とこぼすばかり。
仕方なく、幸子主導のもとで聞き込みが行われることに。
由紀について隣人・大崎智美に尋ねたところ、「そんなに親しくなかった」との答えが。
大崎のもとへ、信用金庫からお得意様宛に配られる紀州梅干しが届いていたが……。
続いて、間宮宅を訪問。
開けてはならない書斎、間宮の父の和室をそれぞれ見て回る。
そこで、右京は間宮の父の和室で畳の縁に妙な窪みを発見。
畳の下を確認するが、何も無かった。
がっかりする幸子。
その後も、右京は間宮家の飼い犬・ロッキーをタッキーと呼ぶ。
瑞樹がロッキーの犬小屋のプレートに落書きした為だ。
どうにも頼りない……神戸と幸子は、そんな右京に不安を覚える。
幸子と別れ、間宮を訪ねた右京たち。
早速、「串田について」「服装を指定したことについて」質問をぶつけてみる。
間宮によれば「串田の行方を追っている」「服装は串田に似せることで瑞樹に親しみを持って欲しかった」と釈明。
誤解させるようなことをして申し訳ないと語るが、そんな間宮の目は何かを秘めているようで……。
同時刻、幸子はまたも尾行の気配を感じるが……。
翌日、間宮家の庭で幸子はロッキーが掘り返した地面から奇妙な箱を発見。
中には一通の手紙と共に串田由紀の写真が大量に収められていた。
幸子が瑞樹に質問すると、瑞樹は「僕の所為だ、悪戯したから怒って居なくなった」と泣きながらに訴える。
それを聞いた幸子は、由紀の行方を突き止めて見せると約束する。
その頃、右京は自身の不調について米沢に相談を持ちかけていた。
更年期障害では……などと推論を述べていく米沢だが、右京はその度に頑なに否定する。
箱の中の手紙に書かれた「天体構造学研究所」を調べる幸子。
研究所の主宰とされる藤原宅を訪れる。
そこでは奇妙な集会が行われていた。
全員が黒服に身を包み、藤原の号令のもと行動を同じくする。
「ダークマター注いでますから、心のバリア解いちゃいましょ〜〜〜」との掛け声。
それに応じて、全員が深呼吸を開始。
次は、藤原から送られる気を1人1人が受け止める修行。
幸子は周囲を真似てこなしていく……。
「では、本日は此処までです」藤原の号令のもと解散する一団。
1人残った幸子に藤原は、自身の本名がエイブラハムであることを教える。
さらに、幸子の筋が良いことを褒めると、本格的な修行を勧める。
藤原によれば、「天体構造学研究所」は最新の宇宙学をベースに密教など各種宗教をミックスした教義らしい。
おそるおそる幸子がある名前を挙げ確認したところ、藤原はその名前を会員の1人であると認める。
間宮はこの組織の会員だったのだ……。
幸子は恐慌状態に陥っていた。
もはや、右京があてにならないと考えた幸子は伊丹に助けを求める。
「天体構造学研究所」を調べて欲しいと依頼したのだ。
一方、間宮の父・清次郎に話を聞く右京たち。
「なぜ、60歳そこそこで会社を息子に譲ったか」と問う右京に「天の啓示があったからですよ」と語る清次郎。
常に心がモヤモヤしたので、新しいことにチャレンジしたかったらしい。
清次郎は今嵌っているものとして「エネルギーの可能性とビジネス」という本を右京に見せる。
その頃、伊丹は「天体構造学研究所」を調べて驚いていた。
エイブラハムは、元「太陽のしもべ」の信者だったのだ。
「太陽のしもべ」は、修行に耐えることで終末を乗り切れるとする教義のもと、生贄も頻繁に行われていた過激な団体。
死者が多数出たことで解体されていた。
「天体構造学研究所」は「太陽のしもべ」の意志を引き継いだのか?
伊丹から「太陽のしもべ」について聞かされた幸子は念の為にと「警報ブザー」を渡される。
これを押すと警察が幸子のもとに駆けつける仕組みだ。
幸子は伊丹に頼って良かったと胸を撫で下ろすが……。
翌日、こちらは右京と神戸。
右京は「答えは目の前にあるのに気付いていないのではないか」と考えていた。
大崎智美のことで信用金庫に聞き込みに行く右京。
幸子と大崎の住む港区には支店がないのに、何故、梅干しが届いたのか疑問に思ったのだ。
担当者によれば、大崎は大口の顧客らしい。
足立支店を利用しているらしいが……。
所変わって、間宮家。
意を決した幸子はついに禁断の書斎へと潜入。
そこで、複数の新聞の切り抜きを発見する。
それは若い女性の失踪記事ばかりだった……。
その頃、神戸は右京の不調の原因に辿り着いていた。
長年の習慣が崩れた所為ではないか……花の里がなくなったことだ!!
角田も同意するが、右京は納得しない。
その夜、間宮は幸子と2人きりになると「大事な話がある」と持ちかける。
幸子はこっそりとブザーを押し、伊丹たちを呼ぶ。
ワインを勧める間宮にナイフを突きつける幸子。
幸子は「生贄などにはならない」と啖呵を斬るが、その後方から謎のグラサン男が現れる。
幸子、万事休す!?
同時刻、右京たちは足立区内の、ある女性の自宅を訪ねていた。
警察と聞いた女性は硬直するが……。
ブザーを聞いた伊丹たちは間宮家に急行。
そこで伊丹たちが目撃したものは、間宮に馬乗りになって暴行を加える謎のグラサン男の姿だった!!
当の幸子は無事どころか、グラサン男を宥めている。
これは一体、どういうことなのか!?
とりあえず、謎のグラサン男を間宮から引き離す伊丹たち。
殴られ続けた間宮は顔を腫らして不貞腐れている。
幸子は間宮に殺されかけたと訴えるが、間宮は誤解だと否定。
間宮が「天体構造学研究会」に入会していたのは、消えた由紀が会員だったから。
瑞樹の為に由紀の行方を調べようとした結果だったのだ。
新聞の切り抜きもその為だったらしい。
そこへ右京が現れる。
右京は由紀を連れて来ていた。右京たちが訪ねた女性は由紀だったのだ。
ところが、由紀には写真にあった面影は欠片もない。
髪も染め、口元をだらしなく歪め、何処か斜に構えている。
実は、由紀は清次郎が自室の畳の下に隠した大金を持ち逃げしていたのだ。
姿を消したのもその為だった。
てっきり、間宮に被害を届けられるものと考えた由紀は逃亡生活を続けていたらしい。
では、清次郎が被害を届けなかったのは何故か?
盗まれた金が脱税したものだった為だ。
これは清次郎しか知らないことだったらしい。
清次郎は訴えるに訴えられず、由紀が捕まった場合を考えて社長の地位を息子に譲ったのだった。
由紀の手掛かりになりそうなものを隠滅していたのは清次郎だった。
由紀が捕まれば脱税もバレる恐れがあったからだ。
一方、由紀は隣人の大崎に頼み名義を借りると、足立区内に潜伏し信用金庫の足立支店に盗んだ金を預けた。
だから、港区の大崎が信用金庫の上得意になったのだ。
ちなみに、たすけてと壁に書いたのは瑞樹だった。
ロッキーをタッキーにしたように、瑞樹の語っていた悪戯とはこれだったのである。
その他に幸子が怪しいと疑ったことは、すべて右京が感想を述べたとおり幸子の能力への評価だった。
伊丹は「此処までくだらない事件はなかった」と吐き捨てるとその場を去ってしまう。
と、謎のグラサン男が残っていた。
このグラサン男こそ幸子を尾行していた張本人。
実は、以前の事件の舞台となった城代金融が関わっていた。
その構成員・田村が幸子を守るよう知人(グラサン男)に依頼していたらしい。
グラサン男は人知れず幸子を守っていたのだ。
田村を訪ねる幸子。
幸子の一言で人生をやり直す決意が出来たと語る田村。
どうやら、幸子に好意を抱いているらしい。
「あの……俺が此処を出たら、俺と一緒にやり直し……」
「それはないわ」
おずおずと切り出す田村を、あっさりと切り捨てる幸子だった。
翌日、特命係。
神戸は幸子のことをオッチョコチョイな女性と評する。
それを聞いた角田は大爆笑。
右京は神戸を窘めるが……。
そんな右京は調子を取り戻したらしい。
理由は以前の習慣を取り戻したから。
そう、新生・花の里が開店したのだ。
女将はなんと……あの“幸子”である!!
注文した梅茶漬けと鮭茶漬けが右京と神戸にそれぞれ差し出される。
ところが、それは注文とは全くの逆。
やっぱり、幸子はオッチョコチョイな女だったのだ―――12話了。
<感想>
シーズン10(ten)第12話。
脚本は古沢良太さん。
さて、今回はというと……。
完全なるコメディ回でしたね。
内容としては「あると思わせて何もない」という。
これが面白かった。伏線もきちんと活かされていたし、流石です。
全体的な完成度も高かったようにも思われます。
そういえば、幸子は前回もこれに近いパターンでした(狙われたのは違う人、いや幸子、やっぱり違う人のパターン)。
で、今回で幸子のキャラクターは薄幸からオッチョコチョイに変わった模様。
こうなると陣川君とちょっと被るところがあるかな。
裏テーマとしては、新生・花の里の女将となった幸子のお披露目回だったのかな。
情報によると、幸子は今回限りではなくレギュラーとなるらしい。
なんでも、次週以降のキャスト欄に名前があったとのことですが……果たして。
次回13話には梶芽衣子さんが登場。
梶さんと言えば『鬼平犯科帳』の「おまさ」役の名演が記憶に残っています。
事前情報では14話と聞いていましたが、繰り上がったのかな?
こちらも是非期待!!
ちなみにシーズン10に萩原聖人さんが出演するとの情報が出ています。
萩原さんで「相棒」と言えば、映画「鑑識・米沢守の事件簿」の相原役が思い起こされます。
・「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」ネタバレ批評(レビュー)
相原役での登場となるのか?
過去にはシーズン8「特命係、西へ」にて、橋爪淳さんが前川役を演じられましたが、実は橋爪さんは「相棒DS」にて剣崎永嗣役を演じられていたとの事実があります。
ひょっとすると、萩原さんも別の役!?
・相棒season8 10話 元日スペシャル「特命係、西へ!死体が握っていた数字と、消えた、幻の茶器の謎 東京〜京都・連続殺人と420年前の千利休の死の秘密が繋がる!?」(1月1日放送予定)ストーリー予測
・相棒season8 10話「特命係、西へ!死体が握っていた数字と、消えた、幻の茶器の謎 東京〜京都・連続殺人と420年前の千利休の死の秘密が繋がる!?」(1月1日放送分)ネタバレ批評(レビュー)
ただ、ゲーム版と、スピンオフとはいえ映画版とでは、正規タイトルとしての認識に違いがある場合があり、そのまま相原役の可能性が高いかなとは思いますが。
となると、シーズン10は区切りの良い10シーズン目に相応しくまとめのシーズンとなるかもしれません。
こちらも注目かな。
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右京のスランプの原因が花の里に行かなくなったことだって神戸が言ったとき、
もし月本幸子が死ななければ、
小料理屋の女将になるとはすぐ思いつきましたが、(家政婦でたまたま作った料理が商品に採用されたりそれなりのフラグがありましたから)まさか花の里の2代目を継ぐとは思いませんでした。
肝心の事件は伊丹の言う通りくだらなくて笑えた事件だったと思います。(笑)
月本が元・舎弟の田村に突然プロポーズされてあっさり断ったところもクスっと笑えてよかったと思います。
それにしても鈴木杏樹は40代に見えない!
それでは!
お久しぶりです(^O^)/。
管理人の“俺”です!!
まさかの花の里2代目女将でしたね!!
幸子レギュラー情報も聞いていたんですが、この形とは思いませんでした。
今後は、幸子起点の物語も期待できるし、落ち着くところに落ち着いたような気もします。
事件もコメディ回だったし、悲壮感もなくて良かった〜〜〜。
田村のシーンは管理人も笑っちゃいました(^O^)/。
鈴木杏樹さん40代なんですか?
本当に見えない……凄い!!
一気に華やぎましたね。
新レギュラーも加わり、パワーアップした「相棒」。
次回は梶芽衣子さんですし、楽しみです!!