ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
高校の科学教師ジェシカ・マーティン(キム・ベイシンガー)は、愛する夫と11歳の息子リッキーとともに幸せな暮らしを送っていた。だが彼女の平穏な生活はある日、何の前触れもなく破られる。 ジェシカがリッキーを学校へ送って帰宅したところへ、突然見知らぬ男たちが侵入。彼らはジェシカを車で連れ去ると、どこかの家の屋根裏へ監禁する。リーダー格の男イーサン(ジェイソン・ステイサム)は納屋にあった電話をハンマーで打ち砕くと、彼女を残して立ち去った。彼らが何者なのかも、目的が何なのかも、ジェシカにはまったく思い当たらない。だがひとつの事実が彼女を凍りつかせた。彼らは顔を隠していなかったのだ。顔を見た自分は、いずれ殺される! ジェシカは粉々になった電話のワイヤーを接触させ、ダイヤル信号を送ることに成功する。「お願い、どこかに繋がって!」 彼女の必死の思いは届く。電話に出たのはライアンという若者(クリス・エバンス)だった。だが彼はジェシカの話をいたずらだと思ってとりあわない。それでも彼女のあまりに切羽詰った声に、ライアンはこの携帯を警察に持っていくことを承知する。警察で応対したのはボブ・ムーニー巡査部長(ウィリアム・H・メイシー)。だが、27年の平凡な警官生活を間もなく終えようとしているこの実直な警官が、ジェシカの説明を聞き始めたまさにその時、署内でトラブルが発生。彼はライアンに電話を返すと、殺人課へ行くよう指示する。イーサンたちはジェシカの夫クレイグ(リチャード・バージ)を探しているらしい。ジェシカからクレイグの居場所に関して満足な返答が引き出せないとみるや、イーサンはリッキーを誘拐することにする。ジェシカとイーサンのぞっとするようなやりとりを聞いて事の重大さを悟ったライアンは、ジェシカの頼みでリッキーの学校へ急ぐ。だが下校する大勢の子供たちの中からリッキーを見つけるのに手間取るうちに、少年は誘拐犯グループに連れ去られてしまう。リッキーを乗せた車を必死で追跡するライアン。だが、携帯電話のバッテリーが残り僅かに…。これが切れればジェシカは唯一の望みを失うことになる! 勤務を終えたムーニーは、ジェシカの件が気になり、殺人課の友人ジャック・タナー(ノア・エメリッヒ)に確認するが、彼は何も知らないという。ムーニーはジェシカから聞いた住所を訪ねてみる。玄関に現れたのはイーサンの部下の女。だがそうとは知らないムーニーは、異変に気づかない。「“レフト”とはどこだ?」。イーサンがジェシカを問いつめる。彼女の自宅の留守電に、そこで落ち合うようクレイグから電話があったのだ。目の前でリッキーを殺すと脅されたジェシカは、それがロサンゼルス空港のバーだと明かす。 バッテリーの問題を何とか解決したライアンは、ロサンゼルス空港へ向かうものの、再びイーサンたちに一歩先を越されてしまう。目的の物が銀行の貸し金庫に預けられているとクレイグから聞きだしたイーサンは、彼を連れて銀行へ向かう。ライアンもまた、彼らを追って銀行へ。自宅でTVを見ていたムーニーは、ライアンがジェシカを助けるために起こしたいくつかの“事件”が報道されているのに気づく。ジェシカの自宅に電話をするムーニー。留守電の応答メッセージの声が先刻の女と違うことに彼は気づく。銀行で大胆な行動に出たライアンは、イーサンたちが狙っていたビデオテープを奪取し、彼らの追跡を振り切ることに成功。だがその途中、携帯電話を壊してしまう。テープに写っていたのは、まったく予想していない映像だった。同じ頃、再びジェシカの自宅を訪れたムーニーは、警官生活27年間で最大の危険と謎に直面する。一方、ライアンとの連絡を断たれたジェシカは、僅かなチャンスを捉え、自力での脱出を試みていた……。
(goo映画公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……
ライアンはクロエにTシャツを届ける途中にジェシカから電話を受けた。
これが物語の始まりだった。
最初こそ悪戯と考えていたが、監禁されているジェシカの窮状を知ったライアンは、見ず知らずの人間にも関わらず救いを求める声に応じて彼女を助けようとする。
車を盗んだり、必死の行動を続けるライアン。
ライアンからジェシカの事件を伝えられたムーニー。
ジェシカ宅を訪ねるが、ジェシカを名乗る女が現れたことで悪戯と思い込んで帰ってしまう。
だが、ライアンの行動を知ったムーニーは、もう1度だけ確認するべくジェシカ宅に電話をかける。
そこで聞こえて来たのは留守番電話の声―――それはあのジェシカを名乗る女性とは明らかに違っていた。
ムーニーは、自分の会った女が偽物のジェシカではないかと疑問を抱くことに。
そこで、警察を名乗りジェシカ宅に踏み込むムーニーだったが、そんな彼を物陰から凶弾が狙う。
被弾しながらも首の皮一枚で助かったムーニーは反撃し、相手を射殺する。
相手はジェシカを名乗った偽物だった。
彼女は絶命する寸前、自身がデイバッグという名の女性警官であると明かす。
誤射してしまったのか……ワケの分からないムーニーはジャックを呼ぶことに。
その頃、銀行にてイーサン一味と対決したライアンは間一髪で一味が狙っていたハンディカムとそこに収納されたビデオテープを奪取。
再生してみると、そこに映っていたのは警官が麻薬の売人から麻薬を奪い射殺する光景だった。
凍りつくライアン。
イーサンたちは警官だったのだ!!
そして、ムーニーが信頼するジャックもまたその仲間だった。
ムーニーはそれを知らない……。
ジェシカは監禁先から見張りの隙を突いて脱出するも、クレイグを捕まえ戻って来たイーサンに捕えられてしまう。
ジェシカを救いたいライアンは、イチかバチかビデオを餌にサンタモニカ大橋へとイーサンを呼び出す。
そこは遊園地もあり、人通りの多い名所である。
ライアンのアドバンテージはたった2つ。
相手に顔を知られておらず、相手の欲しがるブツを所持していること。
これを最大限に利用するしかライアンの勝つ方法は無い……。
ライアンからの取引を持ちかけられたイーサンはジャックに連絡を入れ、唯一ライアンの顔を知るムーニーにそれと知られぬよう首実検させるよう指示する。
ジャックは参考人としてライアンを保護するとの口実でムーニーを連れ出す。
取引の時間がやって来た。
フードで顔を隠し、ジェシカ一家を解放するようイーサンに迫るライアン。
だが、ライアンに気付いたクロエが声をかけたことで事態は急転。
ライアンの素顔が暴かれた挙句、ムーニーを介してジャックに確認まで取られてしまう。
クロエを巻き込みたくないライアンはジャックに捕まることに。
ジャックは部下のディミトリーにムーニーを送って行くよう指示を出す。
一方で、ライアンからビデオを奪うとそれを破壊。
合流したイーサンと共にライアンを殺害しようとするが……。
人通りの多さが幸いし、声をかけられた隙にライアンは橋から海へと飛び込む。
ライアンに逃げられたジャックとイーサンはムーニーを始末するようディミトリーに無線で命令するとライアンを別々に追う。
ところが、ディミトリーへの命令はムーニーにも聞かれていた。
自分が殺されようとしていることを知ったムーニーはディミトリーと揉み合いに。
殴り合いの末、ディミトリーを取り押さえる。
そのまま無線の情報を頼りにライアンのもとへ向かうムーニー。
その頃、ライアンは付近のボート小屋へと逃げ込んでいた。
足跡を追いボート小屋にいち早く辿り着いたジャック。
室内へと侵入するとライアンを捜すが……。
その後ろから物陰に隠れジャックをやり過ごしたライアンが近付く。
ハッと気付いたジャックの頭部にライアンの振り上げたサーフボードが直撃。
さらに数回殴打されジャックは昏倒する。
なんとか1人倒したライアンだが、ほっと息つく暇もなくそこへイーサンが。
銃を前に手も足も出ないライアンは再び捕えられてしまう。
万事休すかと思われたそのとき!!
ムーニーが来援し、イーサンを牽制する。
不利を悟ったイーサンは小屋の明かりを破壊すると、室内に身を隠す。
ムーニーも物陰に潜むが……。
同じ頃、ジェシカたち一家は近くの車に拘束されていた。
イーサンたちの居ない今、見張りは1人。
ジェシカは手錠を使い後部座席から運転席に座った見張りの首を絞める。
やがて、見張りはぐったりと肩を落とした……。
ムーニーとイーサン、互いに姿が見えず膠着状態が続いていた。
それを破ったのは、イーサンだった。
こっそりとムーニーの後ろに回り込んだイーサンは銃口を彼の背中へと……。
それに気付いたライアンはイーサンの携帯に電話をかける。
取引の際に使用した番号が履歴に残っていたのだ。
時ならぬ着信音。
驚くイーサン、振り返るムーニー。
なまじ必殺を確信していたイーサンは反応が遅れた。
事態に気付いたムーニーは横っ飛びに飛ぶとそのまま連射する。
連続してムーニーの弾丸を受けたイーサンは、反動で後方へと飛ばされて行く。
そのまま崩れ落ちるイーサン。
その目に携帯を手にしたライアンが映る。
それがイーサンの見た最後の世界だった……。
その頃、ジェシカは見張りを殺害したと思い込み、奪った鍵で家族を助けようとしていた。
しかし、見張りは生きていた。
ゆっくりと銃を抜いた見張りの男、そのままジェシカへと狙いを定めるが……。
そこで運転席の扉が開く、ライアンである。
ライアンは男を叩き伏せる。
今度こそ、男は本当に気絶。
こうして、犯人グループは壊滅した。
そして、警官隊が到着して―――。
連行されながら「俺は無実だ、嵌められた」と主張するジャック。
だが、ライアンは切り札を持っていた。
「これ、最新型の携帯でこんな機能もついてる」
そう言ってライアンが差し出した携帯の画面には、壊された筈のビデオテープの映像が流れていた。
「念の為、携帯で撮影しておいた」
もともとそれを恐れての暴挙である、その効果のほどは絶大だった。
こうして、ジャックは逮捕された。
事件が終わり、改めてライアンと向き直るジェシカ。
「何と言っていいか、何か出来ることがあれば……」
「1つある、もう2度と俺に電話しないでくれる?」
喜びを分かち合う2人―――エンド。
<感想>
オススメであり、必見の映画です。
「セルラー」とのタイトルに偽りなし、フルに利用されています。
携帯をテーマにした作品は幾つかありますが、此処まで上手く利用した作品はそうないと思う。
「移動しながら通話できる」携帯電話の特性をフルに活かし、前半は活劇調。
後半は別々の機能を使って、イーサンとジャック、それぞれへの切り札と利用するのも見事。
ラストの軽口もそれまでのライアンの活躍があればこそ、胸にグッと来る筈。
ライアンとムーニー、この2人が居なければジェシカが救われなかったことを考えるとゾッとしますね。
ライアンは、電話を受けたのが彼でなければジェシカ一家は助からなかったでしょう。
そして、ムーニー。
彼が警官の中に居なければ、ライアンが居たとしても嬲り殺しにされていた筈です。
善意の2人が居たからこそ、ジェシカ一家は助かった。
当のジェシカも助けを待つだけのヒロインではなく、ライアンへの電話を皮切りに、見張りと何度となく対決する行動型のヒロイン。
ここも良かった。
諦めずに戦い続け、戦い続け、戦い抜いた結果に得られる自由と解放。
この映画は視ているとハラハラドキドキさせられた後、ラストで本当にホッと出来る映画です。
ラベル:セルラー
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