<あらすじ>
玲子(竹内結子)は、医師の下坂(北見敏之)に話を聞く。
下坂は、問題となっているオンラインゲームのサイトを知らないと言い、彼がそこにアクセスした記録もなかった。
島(小木茂光)らの調べにより「シド」と名乗る人物が、下坂のカード情報を盗み出した可能性が高まる。
さらに、玲子は島から、暴力団の構成員が刺殺された事件を追っている勝俣(武田鉄矢)が「ゼブラ」のことをかぎ回っていると知らされる。
そんな折、菊田(西島秀俊)から玲子に、アパートで劇症肝炎が死因の遺体が見つかったと連絡が入る。
玲子と井岡(生瀬勝久)は、クローンカードを作る業者に接触し、女子高生の美樹(大政絢)にたどり着く。
(@nifty tv番組表より)
では、続きから(一部、重複アリ)……
下坂はシロだった。
誤認逮捕してしまったことで意気消沈する玲子。
肩を落とす玲子と同様に姫川班を険悪なムードが包む。
しかし、塞ぎ込んでばかりではいられない。
リベンジを果たすべく、再度捜査に挑む玲子。
一方、勝俣は「ゼブラ」を巡る白狼会と片桐組の対立を煽るべく暗躍、遂に抗争にまで発展させる。
抗争に突入する寸前で武装した両者を検挙する目論見である。
だが、勝俣の部下・浅倉が抗争に巻き込まれ殉職してしまう。
浅倉の葬儀当日、参列した玲子は悲嘆に暮れる浅倉の妻子を見て心を痛める。
ところが、葬儀にも参列しなかった勝俣は薬科大学の学生の証言をもとに「ゼブラ」の元締めとして片桐組の片桐直哉を検挙する。
部下の葬儀よりも手柄を重視したかに見える勝俣のやり方に怒りを覚える一同。
これで事件は終わったかに思われたが―――。
片桐自身が模倣犯であると供述。
さらに、片桐組で押収した「ゼブラ」にはアセトアミノフェンが混入されていたのに対し、4人の被害者を出した「ゼブラ」からは麻酔薬・ハロセンと牛乳が検出。
別件であると証明される。
「ゼブラ」の出所について勝俣は勇み足だったのだ。
同じ頃、劇症肝炎の被害者の上司の協力を得て「明日、尿検査を行う」と被害者周辺に偽情報を流した菊田。
この菊田の罠により、柴崎が休暇をとる。
尿検査を避けたということは被害者である桜井や綱島のように薬物依存に陥っている可能性が高い。
玲子は柴崎を抑えるべく動く。
抵抗に遭いながらも、柴崎の身柄を拘束することに成功。
柴崎によれば、綱島から「ゼブラ」の存在を聞き「シド」から薬を貰ったらしい。
被害者4人がガチャゲーで知り合ったとされる女子高生と援助交際していたことも判明。
さらに、4人とも「シド」と接触があったことも分かる。
他方で、ガチャゲーのプレイヤーへの聞き込みから、シドの趣味が女子高生と同じであることが判明。
さらにクローン屋を捕まえることにも成功する。
ここで玲子は組織犯罪ではなく、シドによる個人の犯行を疑い始める。
そういえば、下坂宅を訪ねた際にゼブラ柄(白黒のまだら模様、牛柄)のスリッパを履いた人間を見たような……。
容疑者を見極めた玲子は、クローン屋に“とある人物”の写真を見せて問い詰める―――。
……玲子が連行したのは美樹だった。
美樹は父親のカードをクローン屋で複製し、秘かに利用していた。
美樹こそが「シド」だったのだ!!
美樹を弾劾する玲子。
すると、それまで大人しく聞いていた美樹が豹変。
「子供が両親のものを使って何が悪い」と開き直る。
さらに4人の被害者との間に援助交際の事実があったことを認めたものの、「援助交際をして何が悪いのか」と逆に詰め寄る始末。
悪びれない美樹は「ゼブラ」を配ったことを認め、援助交際の相手の1人・東都医大の宇田川からプレゼントされたとあっさりと証言する。
余りにあっけらかんとした美樹の態度に呆れた玲子。
「援助交際は反社会的なものなのよ」と諭すが……。
「社会は関係ないし〜〜〜」と美樹は聞く耳を持たない。
この言葉に玲子はキレた。
「社会が関係ない?
じゃぁ、あなたの社会に真実をぶちまけてやるわ。
まずは両親、次に学校、果ては将来的な結婚相手にまで。
あなたの援助交際について、1人でも多くバラしてあげる」
「……っ、汚い」
言葉に詰まる美樹だが、態度はまだまだ余裕である。
4人の被害者の死にも反省の色がまったく見られない美樹に玲子はさらに感情を爆発させる。
1人1人の遺体写真を美樹に凝視させる玲子。
流石にこれは効いたらしい。
そこに浅倉の遺体写真も加えられる。
「これらの死にどう責任をとるの?」詰め寄る玲子。
「……ごめんなさい」この場からただ逃れたい一心で呟く美樹。
「ごめんなさいで済むワケねぇだろ!!」
玲子は美樹の胸ぐらを掴むと真横の壁を砕けろとばかりに強く右手で殴りつける。
玲子の余りの剣幕に、遂に泣き出す美樹。
美樹の供述をもとに勝俣が動き、宇田川を逮捕。事件は解決した。
廊下ですれ違う玲子と勝俣。
勝俣は玲子に「馬鹿野郎だな、お前」と吐き捨てる。
その夜、浅倉の遺族宅の新聞受けに常識では考えられないほど多額の弔慰金が投函される。
投函した主は何処か寂しそうに暗い闇の中を歩き去って行く―――その後姿は勝俣に似ていた。
一方、玲子は書類に追われていた。
だが、右手が腫れて文字が書けない。
そこで思わず口を吐いて出た言葉「左にしておけば良かった」―――3話了。
<感想>
前後編となった「右では殴らない」の後編。
1話に続き、原作から改変を加えてきました。
こちらの改変は1話に比べるとそれほどでもないかな。
改変点は次の通り。
まず、目立った改変点としては「勝俣の登場」。
原作『右では殴らない』では登場しなかった勝俣がこちらは登場しました。
当然、その部下である浅倉の死亡も原作にはありませんでした。
次に、白狼会と片桐組の存在。
こちらも、原作未登場。
ミスリード要員というよりは勝俣の為の設定か。
そして、“ガチャゲー”に“クローンカード”。
こちらも、オリジナル設定です。
話を膨らませる狙いと時代を象徴させる為か。
改変点はこんなところですかね。
1話『シンメトリー』に比べるとやはり小規模な改変ですね。
そんな3話、玲子VS美樹が一番の山場でした。
あそこはほぼ原作通りでしたね。
そこから繋がるラストの一言「右では殴らない」、良かったです。
前編の存在意義に些か首を傾げるところではありますが……後編はかなり良かった。
今回は演出の妙もあり、かなりグッと来ました。
こんな感じで4話『過ぎた正義』にも期待したいところ。
原作は、かなりコンパクトかつ綺麗にまとまっているので、そこから話を広げるのは困難。
改変の余地も少なく、内容から考えると1話以内がベストな作品です。
これに、倉田についてリンクする『感染遊戯』の内容を盛り込めば1時間ピッタリになるかな。
果たしてオリジナル要素があるのか、気になりますね!!
そんな『過ぎた正義』のみどころはこちら。
ズバリ!!玲子VS倉田の対決シーン。
「守ってみせる」と倉田に宣言する玲子が見たい!!
ちなみに原作『過ぎた正義(『シンメトリー』収録)』ネタバレ書評(レビュー)はこちらから。
・シリーズ3作目、短編集「シンメトリー」はこちら。
「シンメトリー」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆関連過去記事
【姫川玲子シリーズ】
・シリーズ1作目「ストロベリーナイト」はこちら。
「ストロベリーナイト」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ2作目「ソウルケイジ」はこちら。
「ソウルケイジ」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ3作目、短編集「シンメトリー」はこちら。
「シンメトリー」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ4作目「インビジブルレイン」はこちら。
「インビジブルレイン」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズスピンオフ作品「感染遊戯」です。
「感染遊戯」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『アンダーカヴァー(「宝石 ザ ミステリー」掲載)』(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ版】
・土曜プレミアム ストロベリーナイト「大ベストセラー小説初ドラマ化!!連続猟奇殺人事件のカギを握る感染死体…真相に迫る孤高の女刑事悲しみの過去と驚愕の結末!!」(11月13日)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第1話「シンメトリー」(1月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第2話「右では殴らない(前編)」(1月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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