2012年01月28日

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ43 還らざる道 故郷への道に消えた老人?死者から届いた白木の壺!?半世紀に及ぶ贖罪の念・木曽檜盗伐に潜む巨悪親子二代に及ぶ不審な殺人連鎖!」(1月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ43 還らざる道 故郷への道に消えた老人?死者から届いた白木の壺!?半世紀に及ぶ贖罪の念・木曽檜盗伐に潜む巨悪親子二代に及ぶ不審な殺人連鎖!」(1月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

ルポライターの浅見光彦は「旅と歴史」の取材で、愛知県豊田市足助町を訪れていた。古くから尾張・三州と信州を結ぶ交通の要地であり、瓦ぶきやしっくいの街並みが往時をしのばせる旧宿場町だ。
五平餅の香りに誘われ、浅見が茶屋ののれんをくぐろうとすると、店内から出てきた老人とぶつかる。浅見は老人に街を案内されながら、足助の歴史について話を聞く。撮影を終えた浅見が礼を言おうとすると、老人は「もう、帰るまいと、決めていたが…」とつぶやいていた。
翌朝、ホテルで一泊した浅見がチェックアウトしようとすると、ロビーでテレビのニュースにくぎ付けとなった。岐阜県恵那市串原の奥矢作湖で発見された男性の絞殺死体。その顔は昨日の老人だった。その老人は総合インテリアメーカー「白陽インテリア」の会長・瀬戸一弘(宝田明)だった。
奥矢作湖のほとりで、恵那東警察署の狩野刑事(赤塚真人)らが瀬戸一弘の遺族を案内していると、木立ちから浅見が現れた。浅見が瀬戸一弘と三州足助屋敷で偶然出会ったことを伝えるが、不審人物として、恵那東署に連行される。しかし、浅見が警察庁刑事局長・浅見陽一郎(榎木孝明)の弟だと判明すると態度が一変する。狩野刑事によると、被害者には後頭部に殴打の外傷、首に絞められた痕があるという。死亡推定時刻は昨日の夕方4時から6時の間で、ロープ状のもので絞められたことによる窒息死だった。

東京の瀬戸家で浅見は狩野刑事と一緒に遺族に面会するが、興味本位で記事を書かれるのではないかと警戒される。瀬戸とは50年来のつきあいだという萬林通商会長の中山義雄(堀内正美)がおり、瀬戸の誠実な人柄について語る。浅見らが瀬戸家を後にすると、瀬戸の孫の雨宮正恵(浅見れいな)が呼び止める。浅見は瀬戸の「もう、帰るまいと、決めていたが…」という独白について語ると、正恵は浅見を信頼するようになる。
翌日、正恵宛てに差出名が瀬戸一弘の小包が届いた。依頼日は1週間前で、配達指定日は今日だった。瀬戸は殺される前に正恵に送っていたのだ。木のつぼで、漆も施されていない白木の生地のままだった。瀬戸の正恵への自筆の手紙も添えられていた。「帰ることのない最後の旅に出ようと思う…。これが私の運命であり、最後の仕事だと…」。
祖父からの手紙を前に浅見の言葉を思い出した正恵は浅見に連絡を取ろうと決意する。浅見に会った正恵は祖父からの手紙を見せる。「不正の樹は誰かがそれを伐らねばならない…」。祖父の死が単なる通りすがりの強盗殺人ではなく、恨みが背景にあると浅見が唱えると、正恵の中に浅見への親近感が生まれる。浅見も正恵の祖父に対する真っすぐな気持ちに心を動かされ、協力を約束する。浅見は正恵と共に瀬戸一弘の死の真相を探るため、足助に向かう。
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

孫の正恵も知らなかったが、瀬戸家が「木地師」の家系だったと判明。
「木地師」とは、轆轤を用いて椀や盆等の木工品を加工、製造する職人のこと。
瀬戸家は一弘の父・義三の代までは「木地師」として続いていたらしい。
義三は木に挟まれ事故死したとのことだが……。

森林管理署で調べたところ、記録では義三は盗伐(伐採した木を盗むこと)中に死亡していた。
義三の死亡日は、昭和36年3月7日、全国植樹祭の前日であった。

義三の事故については、足助観光協会の馬越の父が処理したと聞かされる浅見。
盗伐の被害額は、当時の価額にして1千万円ほど計上されていたらしい。

義三の事故現場を訪れた浅見はそこで一弘の鞄を見つける。
一弘の目的が故郷へと帰るものだったと確信する浅見。
そこから、一弘の死と義三の死に関連性があると考える。

馬越に義三の死について尋ねる浅見たち。
馬越によれば、義三の死には幾つか疑問があった。

盗伐は1人では出来ないが、義三は1人だったこと。
盗伐したところで、搬出方法がないこと。
義三の死体には何者かに殴られた跡があったこと。

これらから、当初、一弘は「父の死が他殺である」と訴えていたらしい。
だが、当時は全国植樹祭が近かった為に、不祥事を表沙汰にしないような動きがあった。
そこで、父親を亡くした一弘に表沙汰にしないよう、弔慰金と就職先が約束されたらしい。
義三の罪についても追及にしないとの条件で、一弘はこの件を騒ぎ立てないとの取引に応じていた。
この交渉には、下松営林署の今野署長が関わっていたらしいが……。

矢先、林野庁の職員・池上義明が殺害される。
池上の妻により、死の直前に一弘が池上と連絡を取り合っていたことが判明。
最近の池上が白木の壺をジッと眺めていたとの証言も得られる。
さらに、池上の父・泰文が50年前の森林鉄道の事故で死亡していたことも判明。

池上の妻の紹介で、当時のことを知る曽山興産の後藤社長を訪ねる浅見。
後藤によれば、泰文の事故死に結論を出したのも馬越の父らしい。
しかも、泰文も植樹祭の前日に死亡していた。
浅見は今野の所在についても尋ねるが、後藤は「知らない」と素っ気ない。

瀬戸義三と池上泰文の死は、ともに植樹祭の前である。
何かあるに違いない。
さらに、一弘が将来と引き換えに父の死について口を噤んだことが、彼の中で屈辱であったとしたら……。
そう考えた浅見は今になって一弘を突き動かしたものが何かを探ろうとする。

そして、もう1つ。
事件からは既に50年が経過している。
時効の筈だが、犯人は何故、一弘や池上を殺害する必要があったのか?

浅見は中山に一弘の動機について心当たりがないか確認する。
中山はそれには触れず、一弘のことをビジネスという戦場を共に駆け抜けた戦友だと懐かしむ。

浅見は池上が眺めていたという壺が、一弘が正恵に送った壺と同一なのではないかと推理。
漆の塗られていない生地のままの白木の壺に意味があるのでは……と考える。

その頃、正恵は両親からこれ以上は浅見に関わらないようにと厳命されていた。
正恵の両親は浅見の介入を危険視し、正恵に事件捜査を中断するよう伝えたのだ。

一方、浅見は壺から念書を発見する。
そこには、池上義明宛で木曾檜の横流しについて記載されていた。
一弘はこの不正を告発しようとしていたらしい。
一弘の手紙にあった「不正の樹は誰かがそれを伐らねばならない」とはこのことを指していたのだ。
念書の主こそが、一弘を殺害したのではないか―――推理を進める浅見。

池上の死亡直後、後藤社長がどうも念書を捜していたことが判明。
管理所の池上と伐採業を営む後藤が組めば、横流しは可能である。
だが、規模が規模だけにもう1人大物の存在が必要となるが……。

その頃、正恵は一弘の日記が紛失している事に気付く。
なんでも、中山が一弘の回顧録を出版したいと借り受けたらしい。
しかも、中山が養子であることも判明。
中山は林野庁の局長の娘婿だったのだ。
中山が婿入りしたのは50年前の職場の上司と部下だった為らしいが……。

これを知った正恵は両親には秘密で中山を調べ始める。
中山の正体が婿入りした今野ではないかと疑ったのだ。
正恵は浅見に中山の正体について訴えようとするが、その直前で何者かに拘束されてしまう。

正恵が捕まったことを知った浅見は正恵を捜す一方で、中山が旧姓・今野であることを突き止める。
兄を通じ正恵を保護するよう緊急手配をかけた浅見は中山と対決する。
一弘が親友・中山こと今野の裏切りを知り、命懸けで止めたのではないか……そう訴える浅見。
中山は念書が浅見の手にあること、正恵の命が危険に曝されていることを知ると、正恵の居場所へ浅見を案内する。

その頃、正恵の前には後藤が居た。
後藤は正恵を殺害しようとするが……そこへ浅見を連れた中山が現れる。
中山は正恵を解放するよう後藤に命令、正恵は浅見に保護される。

さらに中山は真相を語り始める。

50年前、中山は盗伐犯である義三を説得するよう上司に命令された。
ところが、義三は盗伐犯どころか真逆の告発者だった。
中山はそれに気付いたが既に遅く、義三は殺害されてしまう。
50年前の横流しは、中山の義父の犯行だったのである。
罪を悔いた中山は一弘に好条件を示し取引した。
これが縁で、中山と一弘は親友となった。

50年後、義父から横流しのシステムを引き継いだ中山。
そこへ一弘が告発者として立ち塞がった。
横流しから足を洗いたがっていた池上が一弘のもとへ念書を持ち込んだのだ。
これにより、一弘は中山の犯行を知り、50年前に見逃してしまった過去の誤りを正すべく、訴えようとした。
そこで、中山の命を受けた後藤に口封じされたのだ。
その後、池上も同じく口封じされた。

中山は「すべての責任は自身にあった、出頭する」と告げ後藤たちと姿を消す。
その直後、中山は後藤たちを道連れに自殺してしまう……。

浅見は一弘の贖罪の念こそが告発に踏み切らせたのだと正恵に伝える。
正恵は優しかった一弘を見つけることが出来たと浅見に微笑む。
その視線の先には、在りし日の一弘の姿があった―――エンド。

<感想>

原作は内田康夫先生『還らざる道』(祥伝社刊)。

原作『還らざる道』あらすじは―――

待望の初文庫化
〈もう帰らないと、決めていたが…〉
最後の手紙が語るものは──?
浅見光彦、謎を追って三州(さんしゅう)、吉備(きび)、木曾(きそ)へ!

インテリア会社会長・瀬戸一弘(せとかずひろ)の他殺体が愛知・岐阜県境の湖で発見された。被害者は奥三河(おくみかわ)の景勝地・足助(あすけ)の「観光カリスマ」の記事を所持していた。事件とどのような関連が? 調査を開始した浅見光彦(あさみみつひこ)は、「二度と帰らないと決めていた過去へ旅立つ」という手紙を瀬戸が残していたことを知る。謎の言葉に込められた意味は? 真相を追って、浅見は三州(さんしゅう)、吉備(きび)、木曾(きそ)へ!
(祥伝社公式HPより)


これのドラマ版にして、フジテレビ版浅見光彦シリーズ43弾。
前作(42弾)は2011年11月19日に放送されているので、実に2カ月ぶりの新作になりますね。
前回同様になかなかのハイペースです。
前作のネタバレ批評(レビュー)もありますね。
興味のある方は感想のあとにあるので、どうぞ!!

では、ドラマの感想を。

「木地師」として守るべき森、一弘は知らないものの父が守ろうとしていた森を、自身の出世と引き換えにした一弘。
この過去の行いを悔い、正義を行うべく捨てた過去を拾いに出かけた一弘はそのまま帰らぬ人となりました。
そんな一弘の想いを拾ったのは彼の孫の正恵だった……というお話でした。
このテーマ自体はなかなか良かったのではないでしょうか。

ただ、正恵の両親あたりがよく分からないかなぁ……。
あれだけ正恵に、一弘の死の真相を追わないようにと繰り返したのは、中山と取引しているからだと思っていたのですが……。
てっきり、一弘が義三の死に対し行ったのと同じ取引を、一弘の死に対し行ったのが正恵の両親であった―――との展開で親子3世代を絡めてくるのでは……と思っていたので、少し肩透かしでした。

それと、中山関係がちょっとおざなりかな。
再現映像も出ないので、イマイチ分かりづらかった。

そういえば、池上父の死はなんだったんだろう……。
池上も一弘と同じ立場だったのでしょうか?

さらに、一弘の心情を伝えるのならば、もっと直接的な描写を増やしても良かったかも。

幾つか不満点もありますが、全体的になかなかの作りだったように思います。

ちなみに浅見光彦シリーズを2012年に完結する旨を宣言されています。
今年ですね、こちらの動向も注目です。

内田康夫先生から浅見光彦シリーズ完結宣言が!!「最後の事件」は2012年に!!

【浅見光彦シリーズ(フジテレビ版)】
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ちなみTBS版浅見光彦はこちら。

【浅見光彦シリーズ(TBS版)】
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<キャスト>

中村俊介
浅見れいな
宝田 明
赤塚真人
早川純一
堀内正美
榎木孝明
野際陽子 ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


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2010年6月12日、世田谷部文学館にて内田康夫先生講演会開催!!

・2010年5月30日まで開催されていました「ミステリーウォーク2010『記憶の中の公園』」についての記事です。
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2011年3月5日「小説舞台を巡る“名探偵★浅見光彦ワールド!横浜ミステリーWalk”」開催!!

「還らざる道 (祥伝社文庫)」です!!
還らざる道 (祥伝社文庫)





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