2012年02月12日

土曜ワイド劇場「法医学教室の事件ファイル 判決の報酬!!誘拐された裁判長…女医VSくちびるを読む妻!疑惑の音声分析?破れた鼓膜が暴くバスルームの秘密」(2月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「法医学教室の事件ファイル 判決の報酬!!誘拐された裁判長…女医VSくちびるを読む妻!疑惑の音声分析?破れた鼓膜が暴くバスルームの秘密」(2月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

二宮早紀(名取裕子)は港南医大・法医学教室の准教授で、神奈川県警から監察医を委託されている。夫の一馬(宅麻伸)は横浜東署の警部で、2人の間には愛介(佐野和真)という大学生の息子がいる。また、一馬には七海(由紀さおり)という叔母がいて、時々二宮家に現れては引っ掻き回していくので、早紀にとってはありがたい相手ではない。

ある日、助手たちとランチに出かけた早紀は、空のキャリーケースを引きずり、よろけながら歩いてきた女性が路上に倒れ込むのを窓越しに目撃する。駆けつけると女性はすでに絶命しており、背中を撃たれていることがわかった。すぐに警察に通報しようとしたところ、早紀と同じ大学の准教授で聴覚研究者の河島奈津子(清水美沙)が現場を通りかかり、「警察に電話しないで!」と早紀たちに強い剣幕で迫った。驚く早紀に、奈津子は夫の横浜地裁判事・河島規一(別所哲也)が誘拐されたことを打ち明ける。前夜遅く犯人からメールが届き、拘束された河島の写真と共に「5000万円用意しろ、警察に知らせたら殺す」と書かれていたというのだ。一夜明けて奈津子は犯人の指示どおりに5000万円の現金をキャリーケースに詰めて、みなとみらいの街の一角にあるゴミ箱に入れたが、その後、犯人からの指令が途絶えて途方に暮れていたところ、同じケースを持った女が倒れている、この現場に遭遇したという。

まもなく一馬たちの捜査により、女性は現場近くで撃たれたことが判明。その場所から河島の携帯電話が見つかり、監禁された河島を撮影した動画データも見つかった。奈津子は夫が捕らわれている場所を探すために、その映像の音声を自分に分析させてくれと一馬に頼み込む。奈津子によると、河島は遺伝性の糖尿病を患っており、あと18時間以内に発見しなければ命が危ないという。
とにかく早く遺体を鑑定して手がかりを探し、河島を見つけ出さなければ…!急ぎながらも慎重に検視に臨んだ早紀は、遺体の手術痕などから、射殺された女性が元バイオリニストの溝口公子(太宰美緒)であることを突き止める。さらに遺体の指の爪から皮膚組織を検出した早紀は、奈津子の助手・長瀬知世(村井美樹)の手の甲にひっかき傷があったのを思い出し、知世のことを調べさせてほしいと頼む。
一馬たちもまた、現金を運ぶ奈津子を尾行する知世の姿を防犯カメラで見つけ、彼女に事情を聞こうとする。だが、一刻も早く夫を助け出したい奈津子は、早紀が自分の分析を邪魔したと考えて激怒してしまう!実は奈津子が急性白血病を発症したとき何百万分の一ともいえる奇跡的な確率で骨髄適合して、夫がドナーとなって妻の命は救われたということがあり、奈津子たち夫婦は、“奇跡的”ともいえる固い絆で結ばれていたのだ…。はたして奈津子は愛する夫を音声分析で助け出すことができるのか…!?

やがて、河島を誘拐したのは、彼が以前裁判で判決を下したことのある、公子の前夫・波塚伊佐夫(伊藤明賢)だと判明する。波塚は公子を手下にして河島を拉致し、仲間割れの果てに彼女を殺害したと思われた。だがその矢先、波塚が死体となって見つかり、なんと公子が殺される前に死んでいた可能性も出てきて、捜査は混迷…。その上、一馬の体に思いがけない異変が現れ、一馬は単独行動中に窮地に陥るが…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

一馬はとある捕り物の最中、後頭部をヨットのオールで殴打された。
幸い目立った症状もなく、一馬はそのまま職務を続行するが……。

河島判事が誘拐され、公子が殺害された。
河島の妻・奈津子は必死に夫の居場所を特定しようと音声分析を続ける。
結果、映像のバックに入っていた電車の停止音から江ノ電であると突き止める。
これをもとに河島は救出される。
公子の元夫・波塚が犯人だと思われたが……。

当の波塚が死体で発見される。
波塚は公子よりも前に殺害されていた。
公子が波塚を殺害したのか?
だとすれば、公子を殺害したのは誰だ?

謎が謎を呼ぶ中、河島と会話する一馬。
そこへ部下から連絡が。
元三という男性が最近、急に羽振りが良くなっており「女のサンタからプレゼントを貰った」と語っていたらしい。

この一馬の言葉を知世が“読唇術”を用い読み取っていた。
知世の様子が妙であると気付いた早紀は知世を警戒するが……。
当の知世は佐久間弁護士と謎の密会を……。

一方、頭部に衝撃を受けた一馬は表に出さないものの体調を崩していた。
たびたび眩暈に襲われ、ぶれる視界に一馬の不安は募る。

そんな中、元三から一馬に連絡が入る。
1人で来いとの元三の指示に従った一馬だったが、そこを例の眩暈に襲われる。
視力を失った一馬の目の前で元三が何者かに撃たれてしまう。

一馬は真っ暗な視界の中、元三を抱え必死に逃走。
そこへ迫る犯人の魔の手。

追い詰められ、ここまでかと思われたその時。
一馬から連絡を受けた早紀が呼んだ応援が現場へ到着。
一馬は腕を撃たれ、元三は意識不明になったものの、一命を取り留める。

しかし、一馬にはさらなる試練が待っていた。
脳に血腫が見つかったのだ。
視力を失ったのはコレが原因だった。
一馬は緊急手術に挑むことに。

一馬が銃撃された音声を携帯越しに録音していた早紀。
音声分析することに。
だが、鑑識からは何も発見できなかったとの報告が……。

一馬の手術は無事成功。
あとは回復を待つことに。

一方、早紀は音のプロである奈津子に音声分析を依頼する。
だが、早紀に良い感情を持たない奈津子は応じない。
そこへ現れた河島。

「水戸浜海岸の誓いを忘れたのか?」と、奈津子を諭す。
“水戸浜海岸の誓い”とは、河島が奈津子のドナーとなれた奇跡に感謝し「世の為、人の為に生きる」と誓い合ったことだった。

河島の取り成しにより、奈津子は協力を約束する。
音声分析を開始する奈津子。
しかし、そこには知世の姿もあった。

同じ頃、生命維持装置に繋がれた元三を見詰める佐久間弁護士……。

音声分析が大きな効果を挙げる。
奈津子が「犯人が缶に蹴躓き、錆びついたドアが開く音」に気付いたのだ。
これにより、犯人の逃走経路が明らかになった。

犯人の逃走経路の先には佐久間弁護士の事務所があった。
早紀と共に経路を調べる奈津子だったが、その途上に落ちていたイヤリングを拾う。
何故か、イヤリングを隠す奈津子。

一馬が完全回復。
捜査に復帰することに。

矢先、元三が再度の襲撃を受ける。
生命維持装置を停止させられたのだ。
幸い発見が早く、元三は命を取り留める。
だが、意識は戻らない。

その頃、奈津子は拾ったイヤリングをもとに知世に詰め寄っていた。
この諍いが原因で奈津子は右手を骨折、知世は耳から出血してしまう。

一馬の捜査により、奈津子が人工内耳の研究で海外へ渡航する話が浮上していたことが判明。
これには河島がネックとなる。
河島と奈津子の仲はどうも芳しくないようだ……。

河島が誘拐された折、「18時間で河島が命を落とす」と語っていた奈津子。
だが、実際は10時間ほどで河島の命が危険に曝されていたとの情報が入る。
つまり、奈津子が江ノ電に気付いた際には河島は命を落としていても不思議ではなかったことになるが……。

逃走経路上には佐久間弁護士の事務所があった。
しかし、河島と奈津子の官舎もあったのだ。
やはり、事件には奈津子が関与しているのか?

その夜、佐久間が知世の自宅を訪ねる。
その様子を見詰める奈津子の姿……。

翌朝、知世が首吊り死体で発見される。
知世の自宅からは、遺書、犯行に使用された拳銃、河島の身代金が。

知世が入浴した痕跡があったことから、バスルームを調べた早紀。
押し戸式のバスルーム内に入ってみると、物干し竿が真ん中から曲がっていた。
これは、どういうことなのだろうか……。

さらに、知世が耳から出血していることに気付いた早紀は知世の鼓膜が破れていることを突き止める。
鼓膜が破れていたならば、風呂に入る筈がない。
つまり、犯人による偽装工作なのだ。
早紀は犯人が知世の衣服に痕跡を残した為に、着替えさせたのではと仮説を立てる。
さらに、知世からクロロホルムが検出され、犯人による絞殺だと明らかに。

知世殺害容疑が佐久間にかかる中、奈津子は「自身が殺害した」と発言するが……。
そんな奈津子を、両手が使えなければ知世は殺害できないと否定する早紀。

その帰路、河島に問われた早紀は風呂のトリックについて自身が知ることを彼に教える。
それを陰から読唇術を用い眺める奈津子。

その晩、愛介たちが林檎について会話していたことをきっかけに早紀はトリックを見破る。
河島立ち会いのもと、トリックの実証実験を行う早紀。

用意するものは、長いロープに鉄アレイ。
そして、浴槽に湯を張ること。

ここまで聞いた河島は早紀の実験意図を見抜く。
バスルームの押し戸を開き中を覗いた河島は「まさか、奈津子が……」と呻く。

それを受けて、早紀は実験を開始。
被害者の首にロープを巻きつけると、その端に鉄アレイを結び、物干し竿を経由して浴槽に鉄アレイを放り込んだのだ。
狙いは的中、鉄アレイの重さに引かれロープは被害者の首を絞めることに。
物干し竿は重さにより折れ曲がる。
これならば、片手でも犯行が可能なのだ。

河島は奈津子を問い質すべく奈津子を追う。

残された早紀だったが、実験結果が解剖結果と合致しないことに気付く。
鉄アレイを用いると首に巻いたロープにむらが出来、索状痕が合わないのだ。
これは偽装工作だと察する早紀。

そんな早紀に奈津子から自殺を仄めかす電話が入る。
こうして、早紀と一馬も水戸海岸へ向かうことに。

一方、水戸海岸では、奈津子が自殺しようとしていた。
その隣には河島が。
だが、奈津子の行動を河島は止めようともしない。

そこへ駆けつける早紀と一馬。
一馬は「誘拐事件など初めからなかった」と河島を告発する。
公子と河島の浮気の証拠が出て来たのだ。

早紀は「知世殺害のトリックも奈津子に罪を着せたもの」と非難。
実験結果が現実と合致しない上に、河島が知世宅のバスルームが引き戸ではなく押し戸だと知っていたと指摘する。

これに罪を認める河島は、真相を明かし始める。

公子は波塚を恐れるばかりに、河島に接近。
素性を伏せたまま不倫関係に陥った。

河島と公子の関係を知った波塚は河島を誘拐。
公子との関係を盾に河島を責め立てる。
波塚に暴行される河島。
間に入った公子が波塚を撃ってしまい、止めを河島が刺した。

この時、河島は公子を排除する計画を立てる。
狂言誘拐を企てたのだ。

奈津子に身代金を受け取らせると、射殺した河島。
そこへ知世が現れ、身代金を持ち去った。
この際に、知世はイヤリングを落としてしまった。
河島は、このイヤリングを拾い、後に利用することになる。

河島は移動中に元三に顔を見られており、証言されることを恐れた。
そこで元三を執拗に襲撃した。
ここで、知世のイヤリングを利用したのだが……。

このイヤリングが仇となった。
河島から知世のイヤリングだと確認した奈津子は知世を責めたが、知世は河島の前で同じイヤリングをしたことが無いと反論。
逆に河島が怪しいと主張する。
奈津子もこの知世の言葉に動揺。
危険を察した河島は知世を殺害し、奈津子に罪を着せることにしたのだった。

奈津子は夫の意図を知り、自殺することにしたのだった。
しかし、早紀に諭され思い留まる。
こうして、河島は逮捕されることに。

奈津子はドイツに研究の為に渡航。
早紀と一馬は日常へと戻るのだった―――エンド。

<感想>

シリーズ34作目。
前回が2011年6月11日放送なので、大体8ヶ月ぶりの新作となりました。
過去作の批評(レビュー)は本記事下部にあるので、気になる方はどうぞ!!

では、ドラマの感想。

ミスリードが多過ぎた割には効果的に機能していなかったような印象。
ですが、なかなか楽しめたような気もします。
特に、早紀と一馬の夫婦の年輪を感じさせる展開は良かった。

ただ、元三と佐久間は必要だったかどうか……。
知世のイヤリングは別の事件で使ってもいいワケだし。
あれをカットすれば2時間に収まっていた気もする。

全体としては普通くらいかなぁ……。
次回も期待!!

◆関連過去記事

「法医学教室の事件ファイル」シリーズはこちら。

土曜ワイド劇場「法医学教室の事件ファイル 自分に復讐する女!?猫の咬み痕とステーキの謎…犯人が傷の中に傷を隠した理由」(6月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「法医学教室の事件ファイル アラフォー同窓会に届いた冷凍遺体!女医vs元・女子高教師23年目の秘密?傷口のギザギザ線と歯の矯正具の謎!」(1月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「法医学教室の事件ファイル 殺人犯は私の夫絶体絶命の女医vs疑惑の新妻!OKサインを出す死体…謎の爪痕と深さ=速度÷距離?の検証」(9月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「法医学教室の事件ファイル 女医VS水曜日の絞殺魔!蟻の死体解剖が殺人トリックを暴く 砂糖+コーンスターチ殺意の合成」(1月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

二宮早紀:名取裕子
二宮一馬:宅麻 伸
七海:由紀さおり
河島奈津子:清水美沙
河島規一:別所哲也
倉島留美:映美くらら
長瀬和世:村井美樹
佐久間芳雄:大沢樹生
元三:螢 雪次朗
助手・永岡:本村健太郎
二宮愛介:佐野和真 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


「法医学教室」ということで「法医学教室の午後」です!!
法医学教室の午後 (〔正〕) (朝日文庫)





「続 法医学教室の午後」です!!
続 法医学教室の午後 (朝日文庫)





【関連する記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック