2012年02月03日

『リカーシブル 5章(連載第3回)』(『小説新潮 2012年02月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)

『リカーシブル 5章(連載第3回)』(『小説新潮 2012年02月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<感想>

『小説新潮』で連載中の第3回。
今回は5章が掲載されました。

「タマナヒメ」など、伝奇物っぽい雰囲気が漂い始めて来ましたね。
これは先の展開が全く分からない。

タイトルだけだと「再起」となるのですが、今回の内容から「繰り返し」や「転生」ということになりそうか。
あるいは、これに論理的な帰結をもたらすのかも……。

気になるのは友人・リンカの名前。
『リカーシブル リブート』だと「リンコ」でしたが、彼女だけ名前が変わったことには意味があるのか?
ひょっとすると、「リンカ」=「リーンカーネーション」の略なのか?
だとすれば、「転生」の意味を持つことになるが。
リンカが三浦先生の発言をあくまで認めようとしていないことも気になる。

次回以降にも要注目!!

<ネタバレあらすじ>

・前回まではこちら。
『リカーシブル リブート』(『Story Seller 2』収録、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

河川清掃中、リンカから水野の死について聞かされたハルカ。
まさかと思いつつサトルに確認してみると、水野の風貌とサトルの記憶にある男性とが合致してしまう。

得体のしれない恐怖に駆られたハルカは、教師の三浦から「タマナヒメ」の伝説を聞かされる。
「タマナヒメ」とは街を守るために身を差し出す若い女性を指す言葉で「過去にタマナヒメが為政者に身を差し出し街に便宜を図って貰うと、汚れた我が身を恥じて自殺してしまった」との伝承が由来となっているらしい。
それと、不思議なことに「タマナヒメ」の死と共に為政者との間を取り持った人間も不審な死を遂げていた。
ふと、水野のことを思い出すハルカ。

三浦の説明は続く。

この「タマナヒメ」は時代時代に存在しており、代が受け継がれていた。
しかも、「タマナヒメ」となれば、先代以前の「タマナヒメ」の記憶を所持していたと言う。
男女同権の今、サトルが「タマナヒメ」の役割を背負わされているのではと疑うハルカだったが……。

翌日、三浦から聞いた「タマナヒメ」の話をリンカに相談するハルカだったが、リンカは「担がれたのだ」と笑って相手にしない。
さらに、「タマナヒメ」はあくまで形式上のものであると語ると、現状では輪番制になっていると言う。
現に、今の「タマナヒメ」が別に存在していると告げると、2人で「タマナヒメ」に会いに行くことになってしまうのだった―――第4回(第6章)に続く。

◆関連過去記事
「インシテミル」(文藝春秋社)ネタバレ書評(レビュー)

「儚い羊たちの祝宴」(新潮社)ネタバレ書評(レビュー)

「追想五断章」(集英社)ネタバレ書評(レビュー)

「折れた竜骨」(東京創元社)ネタバレ書評(レビュー)

オール讀物増刊「オールスイリ」(文藝春秋社刊)を読んで(米澤穂信「軽い雨」&麻耶雄嵩「少年探偵団と神様」ネタバレ書評)

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【リカーシブル】
『リカーシブル リブート』(『Story Seller 2』収録、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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「ふたりの距離の概算」(角川書店)ネタバレ書評(レビュー)

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『犬はどこだ』(米澤穂信著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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「蝦蟇倉市事件2」(東京創元社)ネタバレ書評(レビュー)
(ナイフを失われた思い出の中に)

【その他】
探偵Xからの挑戦状!「怪盗Xからの挑戦状」(米澤穂信著)本放送(5月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)

◆映画情報
米澤穂信さん原作の「インシテミル」映画化!!

◆小説賞関連
2010年ミステリ書籍ランキングまとめ!!

第10回本格ミステリ大賞・小説部門ノミネート作品発表!!
(追想五断章にてノミネート)

「リカーシブル」連載中「小説新潮 2012年 02月号 [雑誌]」です!!
小説新潮 2012年 02月号 [雑誌]





「リカーシブル リブート」収録「Story Seller〈2〉 (新潮文庫)」です!!
Story Seller〈2〉 (新潮文庫)





◆米澤穂信先生の作品はこちら。

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