2012年02月21日

月曜ゴールデン「女取調官2−東京〜佐賀・玄界灘…同時殺人の謎−県警水木庄子VSしたたかな美人社長拘留期限はあと10日!!鉄壁のアリバイに秘めたのは愛か名誉か!?」(2月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「女取調官2−東京〜佐賀・玄界灘…同時殺人の謎−県警水木庄子VSしたたかな美人社長拘留期限はあと10日!!鉄壁のアリバイに秘めたのは愛か名誉か!?」(2月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

水木庄子(賀来千香子)は、息子の治人(佐藤詩音)と芋ほりをすると自らも泥んこになってしまうほどのおっちょこちょいな女性だ。しかし、携帯電話が鳴ると、その表情がとたんに厳しいものに変わった。庄子は佐賀県警捜査一課の刑事で、「取り調べのエース」。電話の内容は、佐賀県・呼子の土器崎の崖下で、男性の死体が発見されたというものだった…。
死亡したのは、所持していた運転免許証から東京の三津田誠(渡辺いっけい)と判明。死亡推定時刻は昨夜9時から11時。匿名の女性からのタレ込みで、昨夜10時ごろ、土器埼で女が男を突き落とすのを見たという。さらに、死亡現場近くにバンドが引きちぎられ、ガラスが壊れた女性用の腕時計が発見され、係長の安達八郎(綿引勝彦)は殺人との見方を強めた。その後、三津田の携帯電話の通話履歴から、三津田は工場経営者の汐見ユカ(浅野温子)と頻繁に連絡を取っていたことが判明。ユカは三津田が死亡するまでの数日間、行動を共にしており、ユカは三津田が死亡した翌朝、宿泊していたホテルに戻ってきて急いでチェックアウトしていた。三津田はいわゆる“町の発明家”で、インチキ発明話でユカに3億円もの負債を抱えさせていた。安達は、ユカが怨恨を動機に三津田を崖から突き落とし、逃走したという見方を強める。
そんな中、庄子たちは、ユカを追って佐賀に来ていた東京の警視庁の刑事と出くわす。ユカに3億円を融資した金融業者の矢崎が、東京で絞殺死体で発見されたのだ。しかし矢崎の死亡推定時刻は三津田の死亡推定時刻と同時間帯だった。その時間、東京と佐賀を結ぶ飛行機の便はない。二人ともユカが殺害する動機を持つが、一人で同時刻に東京と佐賀で殺人を行うことは不可能だ。
そんな時、失踪していたユカが警察に出頭してきた。自ら出頭してきたユカの意図は何なのか? 事件の謎が深まる中、取調室という密室で庄子とユカの緻密な心理戦が展開される。
(月曜ゴールデン公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

三津田が殺害された。
匿名の通報により、三津田殺害時に不審な女性が現場に居たことも判明。
水木たちが調べた結果、東京の会社社長・ユカが浮上する。

東京へ向かった水木たち。
ユカの社の社員・松島によれば、ユカと三津田は恋愛関係にあったらしい。
やはり、ユカが三津田を殺害したのか?

ところが、東京では矢崎という男性が殺害されており、こちらの容疑者もユカだったのである。
しかも、三津田の死亡時刻と矢崎の死亡時刻は同じだった。
同時に東京と佐賀で殺害は出来ない。
ユカはどちらを殺したのか、あるいは誰も殺さなかったのか?

矢先、ユカが佐賀で出頭して来る。
ユカは、三津田に無理心中を迫られ断ったところ、三津田が誤って転落死したと供述する。

ユカの証言は一見正しく見える。
だが、水木は三津田の携帯に正体不明の人物から21時と22時に電話が入っていることに注目。
22時と言えば、三津田の死亡時刻である。
心中を考えた人間が電話に出るだろうか?
しかも、当の電話の相手は闇携帯からかけていた為に正体不明だった……。

三津田が妹にあてた遺書が出てくる。
そこには絶望した三津田がユカを道連れに無理心中すると書かれていた。
この遺書を信じれば、ユカの証言通りとなってしまうが……。

この遺書を見た水木は其処に作為を感じ、ユカの犯行を確信。
佐賀の犯行で拘束されていれば、東京の事件の容疑はかからない。
これを狙って、ユカは佐賀と東京で同時に犯行を行ったに違いないのだ。
だが、方法が分からない。

拘留期限が近付く中、ユカはどんどんふてぶてしい態度をとって行く。
神経を逆撫でされる捜査陣。

ある日、ユカは「三津田殺害の目撃証人を連れて来い」と主張。
これに水木は匿名の通報電話すら、ユカによるものであると察する。

水木は三津田の死の直前にあったユカの20時間の空白に注目。
この時間を利用し矢崎を殺害したのではと考えるが、そうすると、三津田が殺害できなくなってしまうジレンマに陥る。
逆もまた然りである。

視点を変えるべく水木は様々な情報に当たる。

矢崎は鈍器による撲殺、三津田は断崖から突き落とされた。
いや、違う。
匿名の通報がユカによるものと分かった今、三津田が突き落とされたかどうかは分からない。
三津田は転落死だ。

三津田が21時と22時に電話を受けていたことにも引っかかる。
三津田は、21時の電話で旅館をチェックアウト、22時の電話の直後に転落死していた。

「遠隔操作」―――その言葉が水木の脳裏を過る。

携帯の発信地を調べた水木。
三津田にかかった電話は東京の新宿からだった。
これに、「見えない手で殺害された」と推理する水木。
自身の推理を捜査本部に伝える。

これを聞いた安達は、水木に推理の裏付けとなる情報が必要と判断。
2日の時間を稼ぐと、その間に情報を得るよう捜査員を総動員する。

そして、運命の拘留期限28日目を翌日に控えた当日。
そこに「とんでもない見落としをしていた」とぼやく水木の姿があった。
そこへ安達から重要情報が届けられる。
これを受けて、「明日こそ、落としてみせる」と宣言する水木。

片や、拘置所にて「逃げ切ってみせる」と呟くユカ。
決戦の日は明日に迫っていた―――。

いよいよ、拘留期限当日。
取調室にて向き合う水木とユカ。

まず、ユカと呼子の接点を持ち出す水木。
「15年前に呼子に来たことがありますよね」と水木。
「それが?」と相手にしないユカ。

ここで水木は次なる矢を放つ。

ユカが三津田と矢崎を殺害したと断言する水木。
同時刻に2人を殺害することは出来ないと主張するユカ。

ユカが直接手を下したのは矢崎であるとした上で、心中を持ちかけたのはユカだと告げる水木。
三津田が妹にあてた手紙は三津田の愛を利用してユカが書かせたものだったのだ。

さらに、三津田を殺害した方法として水木が持ち出したのは一冊のノート。
そこには「各地心中」と記されていた。
「各地心中」とは、日時を予め決めておいて別の土地で別々に心中することである。

三津田はユカも心中に応じてくれるものと信じた上で、自殺したのだ。
ユカに騙されているとも知らず。
その頃、ユカは東京で矢崎を殺害していた。

ユカは闇売買の携帯から21時に「約束の時刻が来た」と断崖に誘導。
22時に「服毒した」と連絡し、断崖から飛ぶよう促したのだった。

こうして、ユカは東京と佐賀で同時に殺害を行ったのだ。

ユカは出頭すると敢えてふてぶてしい態度をとり続けた。
三津田殺害は限りなく立証できない。
その容疑者となることで矢崎殺害の容疑圏外に身を置こうとしたのだ。

「三津田は目の前で飛び降りた」と執拗に繰り返すユカ。
「その証言に間違いありませんね」と念を押す水木。
ここで、水木は捜査員が集めてきた切り札を切る。

それは、ユカのバッグに残された指紋。
そのバッグには、羽田空港の手荷物検査係の指紋が残っていた。
その手荷物検査係は研修中の新人。
現場に立ったのは、殺害翌日の午前中のみだった。
ユカがそれに乗る為には、三津田の死んだ佐賀ではなく、東京に居なければならない。
つまり、ユカは東京に居り、三津田の死を見ることは出来ない。

この物証が決め手となり観念したユカは「三津田を愛していなかった」と笑う。
そこで「それは違いますね、あなたは三津田さんを愛していたんですね」と水木。

ユカは洗濯物をお手伝いさんに任せていた。
だが、自分と三津田の下着だけは任せなかったのだそうだ。
それはユカが三津田を愛していた証拠。
これこそ、水木が見落としていた情報だった。

「何故、愛していたのに殺したんですか?」水木の問いに俯くユカ。
ユカはポツリポツリと真相を語り始める。

ユカは若くして工場を継いだ。
そして、若かりし日のユカは、1人の男性を愛した。
画家の卵の甲本である。
ところが、甲本は自殺してしまった。
遺されたユカは、たった1つ残った工場に没頭した。
だが、なかなか上手くは行かなかった。

そんなある日、三津田に出会った。
三津田は太陽エネルギーの革新という夢を持っていた。
そんな三津田に甲本の姿を重ねたユカは全力で協力した。
矢崎から融資を受け、バックアップしたのだ。

ところが、矢崎は融資の返済の代わりにユカに結婚を迫って来た。
矢崎の狙いはユカと工場である。
工場を渡すワケにはいかなかった。

ユカは三津田の発明が頼りだった。
3ヶ月前、三津田は発明が完成したと報告に来た。
さらに、三津田はユカに愛を告白する。
ユカは天にも昇る気持ちだった。

しかし数日後、三津田の発明が大失敗だったことが判明する。
三津田は大失態を犯したのだ。

ユカは女性として三津田を許そうとした。
だが、経営者としては許せなかった。
矢崎の跳梁を許したのも元はと言えばこいつの所為だ!!

そこで、例の計画を実行に移した。
矢崎を殺害し、そのアリバイの為に三津田に死んで貰うのである。

三津田に心中を持ちかけたユカ、こうして計画はスタートした。
一方で、矢崎からは、結婚するか会社を手放すか選ぶよう迫られた。
タイムリミットが迫る中、佐賀へ向かったユカと三津田。
あちこちを巡った2人、ユカは工作を済ませると東京に用があると1人立ち戻った。
ユカは東京から電話をかけて、三津田を遠隔操作し死に追いやると、矢崎を殺害したのだった。

工場を守るためには仕方なかった……そう呟き連行されて行くユカ―――エンド。

<感想>

「女取調官」シリーズ第2弾。
前作は2011年1月31日に放送されており、実に1年ぶりの新作となりました。

もともとこのシリーズは、笹沢左保先生の「取調室」シリーズを原作としたいかりや長介さん主演のドラマ「取調室」のリメイク。

今回の原作は同じく笹沢左保先生「暗鬼の旅路」(徳間書店刊)。

<あらすじ>

太平製作所の社長・汐見ユカは、発明家の三津田誠に2000万円を投資し、新発明に賭けていた。その発明が成功したという噂に、製作所の株価が急騰するが、株主総会で発明は失敗だったことが明らかになる。窮地に立たされたユカと三津田は、高知県・室戸岬で心中を図るが、ユカは一命をとりとめる。同時刻、東京ではユカに2000万円を貸した金融業者・矢崎が殺されていた。美貌の女社長をめぐる長篇ミステリー。
(アマゾンドットコムさんより)


では、早速、ドラマ版の感想をば。

内容自体はリメイクされるだけがあって冒頭で提示される謎(2人を同時に殺害は出来ない)といい、トリックといい、ハイレベルのものでした。
面白かった!!

それにしても、諧謔的な内容ですね。
1人が別々の土地で2人同時に殺害することは出来ないが、2人が別々の土地で同時に心中することは出来る。
これを利用して、2人を同時に殺害する。
なかなかのトリックです、感嘆しました。

やっぱり、イイね〜〜〜。
安達が水木の為に証拠を捜すよう捜査員に檄を飛ばすシーンも良かった。
グッと来ました。

ただ、唯一の気がかりが水木の方言が余り合っていなかったこと。
賀来さんは方言無しの方がいい気がする。
ユカを追い詰めるシーンは標準語だったし、方言無しの方が良かったのでは。
他のメンバーは方言アリで、水木は方言無しでもいいかなと思う。
無理に方言を口にさせる必要はないかも。

ともかく、本作は全体的にレベル高し。
次回作にも期待です!!

<キャスト>

水木庄子(みずきしょうこ):賀来千香子

安達八郎(あだちはちろう):綿引勝彦

御子柴明彦(みこしばあきひこ):櫻井貴史

三津田誠(みつだまこと):渡辺いっけい

羽佐間羊介(はざまようすけ):大高洋夫

板東(ばんどう):江上真悟
栗山(くりやま):柚原旬
小笠原(おがさわら):芹沢礼多
水木千代子(みずきちよこ):山田スミ子
水木治人(みずきはると):佐藤詩音

松坂夏央(まつざかなつお):中村敦夫

汐見ユカ(しおみゆか):浅野温子 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


「暗鬼の旅路 (徳間文庫)」です!!
暗鬼の旅路 (徳間文庫)





「取調室 静かなる死闘―笹沢左保コレクション (光文社文庫)」です!!
取調室 静かなる死闘―笹沢左保コレクション (光文社文庫)



【関連する記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック