<27話(最終話)あらすじ>
劇症肝炎により病床に臥した愛理。
その容体は一向に改善しない。
医者によれば、精神的に弱っている所為らしい。
愛理の親友・陽子は愛理が周囲に迷惑をかけていると気に病んでいたことを車教授に伝える。
さらに、愛理が死して、車教授にとっての“あの人”=アイリーン・アドラーになりたがっているとも。
すべては「ボヘミアの醜聞」に記された一節「今は亡きアイリーン・アドラー」によるものだった。
これを聞いた車教授は愛理が大きな勘違いをしていると述べる。
その内容を聞いた陽子は真実を愛理に伝えるよう車教授に頼み込むが……車教授はそのまま院外へと消えてしまう。
1人残された陽子は必死に愛理を励ます……。
消えた車教授は大学に居た。
研究室で愛理との日々を振り返った車教授は亡き妻に「2度と同じ過ちは犯さない」と宣言する。
そのまま病院へと取って返した車教授。
その手には愛理と研究室で楽しんだ愛用のエスプレッソマシンが。
未だ意識の戻らぬ愛理の病室でコーヒーを準備する車教授。
驚く陽子を背に車教授は「ボヘミアの醜聞」で「今は亡きアイリーン・アドラー」とされたものが実は誤訳であると説明する。
原文で「late」と記載されたそれ。
確かに「故人」と指すものでもあるが「旧姓」を指すものでもあると言う。
つまり、原典では「旧姓アイリーン・アドラー」だったのだ。
当然、アイリーン・アドラーその人は生きていることになる。
説明を終えた車教授。
「私と原田君のこれまでの関係が間違っていた」と断言する。
愛理を見捨てるのかと憤る陽子だったが、車教授の言葉には続きがあった。
「コーヒーを共にするだけではない。これからもずっと一緒に居てくれ愛理!!」
涙ながらに訴える車教授。
「今の言葉、本当ですね?」
ふって湧いた愛理の声に驚く車教授と陽子。
何時の間にか愛理は目覚めていたのだ。
愛理の問いかけに力強く頷く車教授。
愛理の意識が戻ったことを喜んだ陽子はそのまま廊下へ。
急を聞き駆け付けてきた是方と抱き合って回復を祝う。
数日後、愛理が倒れた原因が自分ではないかと不安に思った彰が訪ねて来る。
愛理は彰に責任はないと諭す。
彰は「ホームズ譚が現実に起こったことではないとしても、これからも楽しむ」と告げる。
そんな彰に愛理は「ホームズは実在しないが、それを信じる人が居る限り存在するのだ」と教える。
その頃、院内の廊下には、愛理を見舞うべく進む花束を抱えた車教授の姿があった―――エンド。
<感想>
激動の第3シーズン最終話にしてシリーズ自体の最終回となりました。
物凄く良かったです!!
まさにグランドフィナーレに相応しいラストとなりました。
それと、ハッピーエンドになって良かった。
愛理と車教授のその後を想像させたのも素晴らしかった。
シリーズを読んでいれば感慨深いものがあること間違いなしです。
当初こそ、あくまで車教授と愛理は師弟関係に留まるべきと考えていた管理人ですが、この結末を目にしては現在の形が正しかったのだと認めざるを得ません。
本当にこれで終わりとなるのが惜しまれる良い作品でした。
この作品と出会えて良かったと思うほど。
この場を借りて、作者である池田先生にお礼を申し上げます。
池田先生、ありがとうございました。
そして、次回作にも期待しております!!
ただ、サブタイトルが不思議ですね。
「忘れえぬ女性」ではなく「忘れぬ女性」となっています、何か意味があるのでしょうか。
そして、2012年2月23日には待望のコミックス第2巻も発売予定。
こちらも注目です!!
ちなみにアイリーン・アドラーが活躍する小説が2011年11月25日に発売されています。
それが『おやすみなさい、ホームズさん(アイリーン・アドラーの冒険)』。
そうです、アイリーン・アドラーが主人公です!!
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◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・WEB漫画アクション
http://webaction.jp/
◆関連過去記事
・各話(1話から18話)批評(レビュー)に繋がる過去記事リンクはこちらから。
「シャーロッキアン!」(池田邦彦著、漫画アクション連載)1から18話までまとめ
・双葉社刊「漫画アクション」連載「シャーロッキアン!」第19話「ベイカー街の子犬」ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第20話「悲しい符合(前編)」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第21話「悲しい符合(後編)」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第22話「アイリーン・アドラーの光と影」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第23話「アイリーン・アドラーの光と影(中編)」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第24話「アイリーン・アドラーの光と影(後編)」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第25話「幻の聖典」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第26話「別れの予感」(双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
アイリーン・アドラーが主人公!?
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