日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season10(ten)」第16話「宣誓」(2月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)。
<ネタバレあらすじ>
右京(水谷豊)と神戸(及川光博)は大河内監察官(神保悟志)から、蓮沼署の元警察官・国原(石垣佑磨)が起こした傷害致死事件を調べて欲しいと依頼された。
事件の内容はこうだ。
立ち飲み屋で相席となったフリーライター・島内(日向丈)と国原が口論になり、店を出た後で揉み合いの喧嘩に発展。
島内は国原に突き飛ばされ階段から転落して死亡したらしい。
島内が死亡した現場は蓮沼署管内、当然、捜査も蓮沼署の担当である。
大河内は、同じ警察署の警察官だった国原をかつての同僚が取り調べるとなれば、捜査に手心が加えられる可能性があることを懸念し、特命係に内々に捜査を依頼して来たのだ。
こうして、依頼に応じ捜査を開始した右京たち。
右京はまず、国原が事件発生から出頭までに丸1日かかっていることに注目。
共に出頭した蓮沼署の足立生活課長に興味を持つ。
さらに、立ち飲み店にも聞き込みに。
店の常連によると、国原と島内は知り合いらしい会話を交わしていたという。
後から来た人間が「頼む」と言っていたらしいのだ。
後から来た人間は国原だが、何を島内に頼んだのか?
ところが、蓮沼署の報告書には、二人に面識はなく、この店で偶然出会ったように書かれていた。
島内宅を調べたところ、意外な事実が浮かび上がる。
そこにあった資料から、5年前に起きた同じ所轄の女性警察官殺害事件を調べていたことが分かったのだ。
これは、国原が後に警察を辞めるきっかけになった事件だった。
国原が警察を辞めた原因はなんだったのか?
それが今回の事件とどう関わりがあるのか?
この事件の担当だった伊丹たちに事情を尋ねる右京たち。
生活安全課の矢島真美子が絞殺された事件。
雨樋を伝って外部から侵入しており、窃盗のプロが目撃された為に居直って殺害したと思われた。
そこで、窃盗犯を中心に捜査を進めたところ、野橋幸也という男性が浮上。
捜査本部は野橋をマークしていた。
ところが、違法駐車を見咎めた警邏中の巡査が野橋を職務質問したところ、矢島のクレジットカードが車内から見つかる。
さらにマークにも気付かれてしまい、野橋は逃走中に列車に轢かれ死亡したのだ。
この職務質問をかけた巡査こそが国原だった。
国原は野橋を取り逃がしたことが原因で閑職に追いやられ、そのまま辞職したらしい。
そして、現在になり島内が死亡した。
加害者は元巡査。
被害者は元ライター。
おぼろげながら構図が見えてきた右京だが……。
翌朝、足立に国原について尋ねる右京。
国原が島内を殺害後、何故、足立を頼ったのか?
足立は自分が再就職先を世話したからだと述べるが……。
さらに、国原が矢島と同窓だったことも判明する。
5年前の事件について、国原に問い質す右京たち。
だが、国原は黙して語らない。
去り際、「日本国憲法を遵守し、警察官として規約を守る」と呟く国原。
島内がネタを持ち込もうとしていた雑誌社の編集部を訪ねる右京たち。
編集長によれば島内は「大きなネタを掴んだ」と述べていたらしい。
やはり、矢島の事件なのか?
さらに、島内がUSBメモリにバックアップを取っていたらしいことも分かる。
野橋が死亡時に左足首を捻挫していたことが判明。
野橋の死体検案調書によれば、「死亡5日前」に捻挫していたことになっていたが……右京は改竄された痕跡を其処に見出す。
米沢の協力のもと確認したところ、本来は「死亡7日前」とあったことが明らかに。
死亡7日前ならば、矢島の事件時には既に野橋は捻挫していたことになる。
これが事実ならば野橋には雨樋を伝って矢島を殺害など出来る筈などない。
角田から、矢島が振り込め詐欺の捜査をしていたことを聞き込む右京たち。
当時の振り込め詐欺は「流水会」により行われていた。
島内が書いた記事に「R会の人間からヤバいことを聞いた」とあったことを思い出した神戸。
そこから流水会の高梨が浮上する。
矢島を殺害したのは、高梨だったのではないか……。
高梨に確認したところ、激しく動揺する。
やはり、事実のようだ。
とすると、島内は、矢島殺害犯が野橋ではなかったことを知っていたのだ。
改めて大河内に今回の捜査の真意を問い質す右京。
実は、5年前に匿名で「重篤な公務員法違反があった」との投書があった。
当時は何も見つからなかったが、今回の事件を知り、それを思い出したのだと言う。
投書の筆跡に何事かを感じる右京。
一方、神戸は自身の城戸への過ち(シーズン10、1話「贖罪」)を思い返していた。
何事かを決意した神戸は行動に移す。
蓮沼署へ向かった神戸は、島内がノートPCを所持していたことを確認。
だが、肝心のノートPCは衝撃により破損していた。
そこで、USBメモリを探るべく保管庫へ向かう。
保管庫で目的の物を見つける神戸だが……。
数分後、右京のもとへ「神戸が公務員法違反で大河内から取り調べを受けている」との連絡が入る。
蓮沼署の松田刑事課長が「神戸が証拠品を黙って持ち出そうとした」と告発したのだ。
駆け付けた右京。
そこには、大河内と蓮沼署の松田と足立が居た。
神戸はUSBメモリの中身を見れば矢島の事件の裏が分かると主張。
これに松田は反対するが、足立は賛成する。
右京の勧めもあってUSBメモリを確認する一同。
ところが、神戸の主張する矢島事件についての記述は其処から発見できない。
しかし……と右京。
USBメモリからファイルが消去されていると指摘。
米沢の協力でファイルを復元する。
消去されていたのは4つのファイル。
其処には矢島殺害は高梨によるもので、野橋ではないと記されていた。
このファイルが消去されたのは12日の午後2時前後。
島内は既に死亡しており、USBメモリは蓮沼署に保管されていた時刻である。
ファイルを消したのは蓮沼署の人間しかありえない。
右京は、足立がUSBメモリを確認することに賛同したのは証拠を隠滅したからだと指摘。
足立の犯行を弾劾する。
足立には、10年前から妻の経営する会社名義の多額の借金があった。
ところが、5年前から足立の口座にあてて不定期に振り込みが行われ借金が返済されていた。
この振り込みは何かの報酬ではないか。
詐欺に使われる架空口座の情報は足立のもとに集まっていた。
足立は金と引き換えに流水会に情報を売っていたのだ。
野橋の捻挫について書き換えたのも、足立だった。
5年前、矢島は足立の不正に気付いてしまった。
それを足立経由で知った流水会は、高梨を使い矢島を殺害したのだった。
「全国の警察官への冒涜ですよ!!」右京の一喝が飛び、足立はその場で連行されて行く。
国原への取り調べを行う神戸。
5年前、国原は野橋の犯行を信じていた。
だが、捜査本部は証拠を押さえる為に野橋を泳がしていた。
これに憤った国原は野橋を検挙する為に偽の証拠をでっち上げた。
野橋の車に矢島のカードを潜ませておき、自身で職務質問をかけ見つけたのだ。
野橋は逃げ出し、そのまま事故死した。
国原は、これで終わったと思っていたが……。
「違う、俺じゃねぇ」国原の耳に野橋の最期の言葉が甦った。
気になって、気になって仕方がなくなった国原。
調べたところ、死体検案調書の矛盾に気付く。
野橋は犯人ではなかった―――こうして、国原は責任を取って辞職した。
そこへ、島内が接触してきた。
矢島の事件を記事にすると言うのだ。
「記事にするのは止めてくれ」と頼んだ国原だが、島内は応じない。
そこで揉み合いになった末に、島内を殺してしまったのだった。
国原は島内への殺意を認め、殺人だと打ち明ける。
「傷害致死という方法もあります……」神戸の提案に国原は首を横に振る。
「もう2度と嘘は吐きたくないんです」その言葉に神戸を目を伏せる。
そんな2人の様子をそっと見詰める右京。
その夜、特命係。
何故、国原が5年前に証拠を偽造したことに気付いたのか?
神戸の疑問に対し答えを告げる右京。
大河内のもとに届いた告発文、その差出人は国原だったのだ。
神戸は国原の姿を見たことで、覚悟が出来たと言い残し特命係を去る。
神戸の覚悟とは何か―――。
新・花の里。
右京と幸子、2人が過ちについて語り合う。
そこに神戸の姿はない―――16話了。
<感想>
シーズン10(ten)第16話。
脚本は戸田山雅司さん。
さて、今回はというと……。
まず、管理人は個人的に神戸君の飄々としたキャラクターが気に入っていたこともあり、今回のストーリーは客観的に視聴できていません。
そこをご了承の上で、お進み下さい。
では、感想を。
今回の話は良く分かりません。
個人的には、かなり否定的な感想となります。
何故なら、神戸を退場させる為に結論ありきで作られた話のような気がしてならないからです。
そして、神戸退場の発端の物語としてはもっと他にやりようがあったのではないでしょうか。
まず、中心となった国原の行動が全く分からない。
国原が、5年前の時点で大河内のもとに告発状を出していたにも関わらず、現在の島内のスクープは拒否しようとする理由が分からない。
寧ろ、自身の罪を打ち明ける最良の場だったような……。
自身で打ち明けることが出来ないならば、島内の行動を放置しておけば旧悪は露呈するワケで。
それを島内を殺害してまで隠蔽しなければならない理由が分からない。
それこそ、5年前と同じことの繰り返しのような。
さらに、足立を頼ったのも意味不明。
仮に国原が自身が口にしたように正義を信じたいと思っていたのならば、足立を頼るのは不自然。
寧ろ、足立を頼ったということは足立の犯行すべてを理解した上で自身を救うよう依頼したも同然の筈。
それで、あのラストは納得がいかない。
国原と神戸では同じ罪を犯したが、罪を知ったその後の対処が全く違う。
国原は島内を殺害し、さらに罪を重ねてしまっているし。
それを神戸と同列に語るのはどうか……なんとも、モヤモヤが残る。
……さて、此処までで幾分冷静さを取り戻しました。
此処からはなるべく客観的に思うところをまとめていきましょう。
国原に神戸は自身の姿を見出し、抱えていた贖罪についての方法を導き出したようです。
自身の罪を明かし、処罰を司法に委ね、特命係を去るということでしょうか。
とすると、退職となりそうですね……。
これに次の情報を加えると、シーズン10最終回の形が見えて来ますね。
神戸役の及川光博さんが今シーズンを以て「相棒」を去られることが判明しております。
やっと「相棒」として定着し、重要なキャラクターとなりつつあったのですが……惜しい。
噂こそ出ていましたが、3シーズンで神戸が去ることになるとは思っても見ませんでした。
残り数話で神戸が見られなくなると思うと寂しいですね……。
シーズン10は区切りの良い10シーズン目に相応しくまとめのシーズン……だけでなく、神戸最後のシーズンともなりました。
管理人としてはパーフェクトな右京さんとそれに及ばないまでも知性派の神戸のコンビが好きだっただけに、神戸の活躍には注目したいところです!!
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16話の感想ですが、内容と流れ自体はスマートでよかったと思います。
しかし、納得できない点もありました。
国原の最初の聴取のとき、最後に国原が宣誓をブツブツつぶやき始めたこと。
神戸の覚悟になるきっかけを演出したんでしょうが、初見だとちょっと不気味でした。
あと野橋を犯人だと思い込み、矢島の銀行カードを盗んだとこ。もうちょっと違うやり方があったのではないかなとも思いますが・・・
さて、来週はお休みで再来週は陣川の登場ですね。
陣川もいいが、やはり最終回のほうが気になりますかね。それでは
こんばんわ(^O^)/。
管理人の“俺”です!!
16話「宣誓」はシーズン10にとって重大なストーリーとなりましたね。
確かに国原が宣誓するシーンには、管理人もかなり違和感を受けました。
こういった箇所から、結論ありきのように感じられたのかもしれませんね。
それにしても、この状態で1週休みは辛いですね。
まるで、生殺しです。
さらに、次回は陣川回。
今回で今後のヘビーな展開を予感させつつ、次回はライトなコメディ回というのも……ハードルが上がりそうかな。
神戸の覚悟の正体は最終回までお預けでしょうか。
神戸の決意の正体を知りたい視聴者にとってはヤキモキする日が暫く続きそうです。