2012年02月29日

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第75話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第75話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)です!!

三億円事件奇譚 モンタージュ1


登場人物一覧:

【現代】

鳴海大和:主人公、三億円事件の犯人の息子と呼ばれるが……
小田切未来:大和の幼馴染み、両親の行方不明後は大和と共に逃亡中

鳴海鉄也:大和の父、五つの首(首、手首、足首)を失くした遺体で発見されるが……
未来の両親:突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。

鈴木泰成:未来の両親の後輩、要所要所にて不穏な動きを見せていたが……
水原:福岡県警所属の巡査。上司曰く「検挙率100%男」。15話より登場。
夏美:泰成の塾の教え子。大和に一目ぼれする。14話より登場。

土門:過去編の土門その人。足を洗い東海林とは友情を築いていた。47話時点では既に死亡している、病死らしい。享年70歳。
土門あきら:46話で登場した土門の孫娘。未来より1つ年下の17歳。

関口:元祖悪徳警官、眼鏡の男の命令に従い大和と未来を追う
眼鏡男:関口に指示を与えている男、どうも謎の男と同一人物らしい(42話)。

沢田幹事長:19話で登場、謎の男を従えているが……
謎の男:シルエットのみ登場した沢田の腹心。関口に指示を与える人物と同一人物らしい(42話)

松葉杖の男:30話で登場、小田切家を訪ねたシルエットの人物。48話で川崎雄大と判明。

朝霧:46話で登場、沢田の部下らしい。45話で石川を殺害したのは彼。64話で関口に殺害される。

小柳翔太:61話で登場、負傷した大和と水原を助けた。以後、大和と行動を共にする。
茜:61話で名前のみ登場、翔太の彼女で社会人らしい。69話で大和たちを匿う。

森田:1話にて関口と共に現われた捜査員。以降、本編に出番なし。
血塗れの男性:元刑事、1話にて殺害される。これは関口の犯行だった。実は過去篇の東海林。
ボート小屋のオヤジ:軍艦島付近でボート小屋を営んでいた。6話で関口に殺害され、この殺人容疑が大和と未来にかかっている。
土居:18話に登場。ミステリ作家兼コメンテーター。三億円を信じていなかった。
島田:5話より登場。関口の部下だったが、19話で失態を犯し関口に処刑された。
夏美の母:関口と男女の関係にある。
水原の祖母:44話より登場。その自宅は東京での大和たちの活動拠点となっている。
石川:東海林の同僚、45話にて登場。同話にて朝霧に口封じされてしまう。
東海林の息子:45話にて登場。東海林の一人息子だが東海林とは折り合いが悪かったらしい。
高野:65話で登場。関口に協力し証拠を隠滅した。69話で関口に殺害される。

【三億円事件当時】

川崎雄大:22話より登場。三億円事件では白バイ警官役を演じたらしい。和子との間に一子をもうける。
望月竜:23話(22話は名前のみ)より登場。雄大と共に三億円事件を実行した。
響子ギブソン:竜の恋人。竜と共に土門への対策を練っていた。
土門:地元の顔役(地廻り)。竜と対立するが……
東海林:25話にて登場。土門を追う刑事。雄大の機智に興味を持っていた。後に1話で殺害された老刑事が彼と判明(37話)。
沢田慎之介:26話より登場。竜の顔馴染み&雄大の友人、日本の行く末を憂慮していた。28話にて後の幹事長と判明。
横溝:26話より登場。竜の後輩。
和子:27話より登場。雄大と交際中の女性。雄大との子供を妊娠するも事故死。
和子の子供:28話に登場。雄大と和子の子供。未熟児で生まれた。現代篇の誰になるのか?

<第75話あらすじ>

〜〜フェリー篇、前回までのあらすじ〜〜

フェリーにて沖縄へと移動中の大和と未来。
その途上、室内(105号室)に保管していたトランクから、旧紙幣が半分盗まれてしまった。
物が物だけに被害届を出すワケにも行かず、困り果てる大和たち。
大和は犯人を捕まえようとするが……。

その旅程は、沖縄までもう1日を切っている。
果たして、大和と未来は犯人を突き止め、旧紙幣を取り戻すことが出来るのか?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

時間は刻々と迫っている……焦る大和に未来はある疑問を口にする。
「何故、初日に盗んだのか?私ならば露見しても大丈夫なように最終日に盗むのに」と。

この言葉に閃きを得た大和。
犯人が最初から大和たちを狙ったものではなく「フェリーの乗客を獲物とする窃盗犯が、偶然にも未来の言葉からトランクの金に気付き盗んだのだ」と推理する。

1晩かけ、そこから推理を進めた大和はだいたいの窃盗犯の目星をつける。
ただ、1つだけ分からないことがあった。

窃盗犯は、「どうやって、大和たちが部屋を留守にし長時間戻らないであろう食堂に居る」ことを確認したのか?
つまり、窃盗犯は大和たちが105号室を出て食堂に入るまでを監視していたことになる。
ここだけが、どうしてもネックとなる大和。

念の為ともう1度、容疑者5組の様子を観察することに。

老夫婦は2人仲良くお茶を飲んでいる。
50代の男性はだらしなく酒に溺れ、醜態を晒していた。
1人旅の女性は「フェリーに積まれた車を確認出来るかどうか」を職員に尋ねている。
OL風の女性は、相変わらず甲板への通路の途中に陣取り、ウォークマンを聞きつつ読書に余念がない。
そのテーブルの上にはコンパクト、面相筆、リップなど化粧道具が散乱している。
ホスト風の男性は甲板から、ビール片手に何処かへと電話連絡を入れている。

誰もが怪しく見える中、自室へ戻った大和。
犯人を捕らえるタイムリミットである到着時間はどんどん迫ってくる。

煮え切らない大和に詰め寄った未来は、慌てていた所為で鞄に詰めた化粧道具を落としてしまう。
床に転がるリップや手鏡。
それを目にした大和は、遂に窃盗犯の監視方法の正体に気付く―――。

105号室を後にした大和たち、其処へ再び侵入者が。
例の窃盗犯である。

窃盗犯はトランクに忍び寄ると残りの旧紙幣を盗み出そうと手をかけ……。

そこで瞬くフラッシュの光。

驚いた窃盗犯が入口を見ると、其処には出て行った筈の大和と未来が立っていた。
未来の手には、デジタルカメラが握られている。
フラッシュの正体はコレだった。

犯行に及ぶ姿をばっちりと撮影されてしまった窃盗犯。
未来に外を見張るよう指示した大和は、窃盗犯に向き直る。

「やっぱり、また来ましたね」
たじろぐ相手に語りかける大和。

「偶然、大金の存在を聞きつけたあなたは、僕らが食堂に居ることを確認すると此処に忍び込んだ。
トランクを開け、血塗れの大金を見つけたあなたは驚いた。
迷ったものの、ワケありの金と悟ったあなたは被害届を出される心配がないと判断し盗み出すことに決めた。
だが、流石に嵩張ることもあり、僕らに気付かれないように半分だけ盗み出した……そうですね。
そして、最終日に残りを盗み出すつもりだった」

大和は窃盗犯の狙いを看破し、罠を仕掛けたのだ。
一息に追い詰めて行く大和、窃盗犯は微動だにしない。

「あなたは、ある方法で僕たちが食堂に居ることを確認したんだ!!」―――76話に続く。

<感想>


犯人捕縛!!


風雲急を告げるフェリー篇は、3回目にして窃盗犯を捕捉する急展開に!!

今回の展開からすると犯人はあの人でしょうね。

ここから管理人の考える窃盗犯の正体が出て来ます。
正しいかどうかは分かりませんが、避けたい方は注意!!


大和が窃盗犯を断定した過程から考えて、推理のポイントは1つ。

「窃盗犯はどうやって、大和たちの部屋(105号室)と食堂を監視できたのか?」

で、そのヒントとして「未来の鞄からこぼれた化粧道具」が示されています。
となれば、答えは「化粧道具」の中にある筈。

で、注目したいのは未来の「手鏡」。
鏡……?
はて、どこかで目にしたような……。

と、振り返ってみると今回のネタバレ批評(レビュー)のあらすじ中に記載がありますね。

そうです!!
OL風の女性がテーブルの上に広げていたのは化粧道具。
その中にコンパクトがありました!!

つまり、甲板へと繋がる通路上に居たOLが窃盗犯でしょう。
彼女はその位置から105号室が見えます。
さらに、鏡(コンパクト)を使うことで死角となる奥の食堂入口まで見ることが出来る。

これは、船内見取り図とコンパクトの角度からも確認できます。
特に今回描写されたコンパクトの角度は明らかに食堂側へ向いています。
かなり、容疑が濃厚ではないでしょうか。

正直、他の容疑者を否定する要素が無いのは不安ではありますが、此処まではっきりと手掛かりが示されているところを見ると彼女が窃盗犯だと思われます。
コンパクトなどの手掛かりについては前回(74話)でも示されていましたし。
前回のネタバレ批評(レビュー)や感想にも、気になる点として記載していますね。

こうなると、他の点も前回の感想に書いた通りで良さそうかな。
旧紙幣が半分しか盗まれなかった理由は、今回明かされました。
窃盗犯は関口たちと関係なく、フェリー専門の窃盗犯で偶然に大和たちと遭遇したことも確定か。

となると、関口(あるいは泰成)に連絡を取っていたと見られる監視者が別に存在する筈です。
残りの4組の中に居ることになりますね。
あるいは4組共が何らかの関係者である可能性も否定できませんが。
奇しくも窃盗犯こそが背後関係がなく、大和たちにとって一番安全な相手となりそうです。

で、この流れから察するに、次回で窃盗犯の正体が明らかになりそう。
問題は、今後の窃盗犯の立場。
旧紙幣を目撃してしまっているだけに、その身も危険か。
特に、別に監視者が居て朝霧なみの相手ならば、口封じに殺害されてもおかしくない。
それを避ける為には、大和たちと共闘するしかないがどうなるのか。
ここにも注目ですね。

変わって、現在の勢力図はこんな感じ!?

@大和たち(水原含む)
A沢田たち(眼鏡男、関口)
B雄大一派(雄大死亡!?)
C泰成一派

Aの沢田たちも眼鏡男と沢田の間には含みがある様子。
決して一枚岩とは言え無さそう。

以上のように争いは3つ巴から4つ巴に。
更なる激化は間違いないか?

とりあえず、今回はここまで。
逃亡し続ける大和と未来の明日はどっちだ!!
76話に期待です!!

ちなみに、2012年3月6日に「三億円事件奇譚 モンタージュ」最新第7巻が発売予定。
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◆関連過去記事
「ヤングマガジン27号」(講談社刊)より「三億円事件奇譚 モンタージュ」連載開始!!

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