2012年04月30日

「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」(2008年、日本)

「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」(2008年、日本)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

1949年。そこは、第二次世界大戦が回避されたもうひとつの日本。19世紀からの華族制や財閥支配が継続された帝都は、極端な格差社会となっていた。揺るぎない富を享受するのは、特権階級にあるごく一部の華族だけだった。そんな中、裕福な華族のみを狙って骨董や美術品を盗む怪盗がいた。世の人々は彼を怪人二十面相、通称「K-20」と呼んだ。貧民街で暮らす人々を喜ばせるサーカス団のエースである遠藤平吉(金城武)は、その敏捷な身のこなしを認められて、謎の紳士(鹿賀丈史)から奇妙な依頼を受ける。それは、怪人二十面相を追いかける名探偵である明智小五郎(仲村トオル)と財閥の娘である羽柴葉子(松たか子)の結納の儀を写真に収めるというものだった。しかし、依頼は罠だった。その撮影の途中で正体がバレた平吉は、小林少年(本郷奏多)や浪越警部(益岡徹)から怪盗二十面相の嫌疑をかけられる。「違う! オレは二十面相じゃない!!」そんな平吉の声も虚しく、彼は全国指名手配されてしまう。孤絶した平吉にとっての味方は、サーカス団の源治(國村隼)とその妻の菊子(高島礼子)、そして二十面相から襲われたところを平吉から救われた葉子たちくらいのものだった。それまで華族として暮らしていた葉子は、平吉と生活を密着することで貧民たちの実態を知る。敷かれたレールを歩んでいた彼女にとって、それは大きな衝撃だった。一方、二十面相との対決を決意した平吉は、変装や逃走の術を泥棒たちから学ぶ。抜群の資質を持つ彼は、もうひとりの二十面相と言ってもいい力量を得た。やがて二十面相と平吉、直接対決の時が来た。世界の支配を狙う二十面相の正体は、明智小五郎だった。そして間一髪のところで、平吉は葉子に救われる。そしてお互いの立場を理解した平吉と葉子は、ともに愛情を感じながらも、別々の道を歩んでいくことを決意した。
(goo映画公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

謎の紳士に騙され、怪人二十面相として追われる身となった平吉。
自身の無実を証明する為に怪人二十面相を追う。

だが、怪人二十面相は平吉の必死の追跡を嘲笑うように捕まらない。
遂には、二十面相の宿敵とされる明智と共同戦線を張る平吉だったが……。

二十面相が葉子を狙っていることが判明。
二十面相は葉子の実家が所持するエネルギー兵器を狙っていた。

源治の協力を得た平吉は二十面相と対決する。
そこで明かされた二十面相の意外な正体とは……二十面相の宿敵とされていた明智小五郎その人だった。

目的以外の物を二十面相の標的として予告し明智の名で阻止すれば明智の名声は高まる。
明智の名声が高まれば、二十面相が入れない場所でも明智として出入りできる。
それどころか、二十面相が予告すれば明智が呼ばれるようになる。
神出鬼没の二十面相として何処にでも出入り出来るのだ。
本当に欲しい物の場合のみ、二十面相の勝利を演出すれば良いのだ。

すべては明智小五郎によるマッチポンプだったのである。

そして、平吉を巻き込んだのも明智であった。
謎の紳士もまた明智の変装だったのだ。
明智は既に二十面相としての目的をほぼ果たしており、自身が自由に活動する為に別人に二十面相の罪を着せる必要があった。
それが平吉だったのだ。

明智は最終的に世界征服を狙っていた。
エネルギー兵器があればそれが叶うのだ。

ビルの最上階に存在するエネルギー兵器を巡り熾烈な戦いを繰り広げる明智と平吉。
明智は平吉を射殺し、兵器を操作するが……兵器は暴走し始める。

明智と平吉が戦っている隙に源治が細工したのだ。
そして、平吉も生きていた。

兵器は暴走し明智を呑み込み爆発する。
明智は己の野望と共に散った……。

だが、これにより平吉が二十面相ではないことを証明する唯一の人間が居なくなってしまった。
平吉は一生、二十面相として追われる立場となってしまったのである。

そんな平吉だが、当面の危機が迫っていた。
兵器の爆発に巻き込まれ吹き飛ばされる平吉。

彼を救ったのは小型ヘリを駆る葉子だった。
平吉は葉子にこれから自身の為すべきことを語る。
そして葉子にも為すべきことがあった。
平吉は二十面相として上流階級の横暴を許さず戦う。
葉子は上流階級に身を置き、内側から改革していく。
2人の道は互いに異なっている。
だが、辿り着く先は同じであった―――。

そして、今日も帝都に怪人が現れる。
その名は怪人二十面相。
彼はビルからビルへと飛び回る。

そんな彼を追うのは、敬愛する師・明智小五郎を二十面相に殺された小林少年と警部たち。

こうして、二十面相こと平吉は帝都の生ける伝説となったのだ―――エンド。

<感想>

冒険活劇ですね。

江戸川乱歩の原作で怪人二十面相の正体とされる軽業師・平吉。
その秘密が明かされるとの物語です。

とはいえ、大乱歩の原作とは別物ですね。
世界設定が並行世界だし、明智小五郎も死亡してしまうし……。

個人的には「平吉が明智に成りすまし、夢と希望を与えるべくマッチポンプを続ける」ラストの方が良かったかな。
ライバルなき今、一方的に二十面相が活躍するのもバランスが悪い気がする。
小林少年と警部では抗しえないでしょう。

ただ、劇中にて平吉が「最後まで明智の秘密を明かさなかった」点は良かった。

葉子と平吉が私情ではなく理想を優先させるべく決別するなど、単なるハッピーエンドに留まらない爽やかなラストもなかなかでした。

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ラベル:K-20
posted by 俺 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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