<あらすじ>
医師としての地位も名誉も未来も捨て、弱者をすくうために巨悪の陰謀と戦い抜いた天才外科医・鳩村周五郎(船越英一郎)。医学界は追われたものの、外科医としての一流の腕と、人間としての熱い正義の心で、人々の傷ついた体と心を癒やすため、彼はまだメスを握り続けていた…。
街中を歩く周五郎は、ビルの屋上で今にも飛び降りそうな、マスクをかぶった女性(一条正美・吉井怜)を見つける。放っておけない彼は、寝具店のトラックに気付き、布団を借りる。周りの人々と力を合わせ、借りた布団で応急マットを作る周五郎。そこに身を投げてくる正美。応急処置を施そうと周五郎がマスクを取ると、正美には刃物で切り付けた大きな傷があった。
病院のベッドで目覚める正美。自分が生きていることを信じられない様子で、周五郎に「どうして助けたの? こんな顔で生きていけと言うの?」と詰め寄る。そこに入ってくる正美の双子の妹・一条沙織(吉井怜)。沙織は冷めた口調で正美に「自分でやったんでしょ」と言い放つ。病室を出た周五郎は、沙織から詳しい事情を聞く。沙織によると、正美は2年前に恋人から「顔が好きになれない」と婚約破棄をされ、それ以降ダイエット、脂肪吸引、美容整形などを繰り返していた。それでも納得できる顔にならないと、半年前に「エクセレント・ミューズ」というエステサロンが、鳥ノ子島という過疎地を開発した「美貌島」に行ったという。正美が「美貌島」に行った後に、心も体も病んでしまったことから、沙織は「エクセレント・ミューズ」に疑問を抱いていた。ルポライターの沙織は秘密を暴くために「美貌島」に潜入すると言う。もちろん、おせっかい男の周五郎も同行することに。
「美貌島」で、「エクセレント・ミューズ」社長・小早川美咲(国生さゆり)、副社長・池上真一(山田純大)、マネージャー・松川重雄(金山一彦)ら、そして「エクセレント・ミューズ」反対派の石橋幸太郎(深水三章)、さらには盟友とも言える小室源介(内藤剛志)と出会う周五郎。複雑に絡み合う人間関係の中で、まるで必然のように起こる殺人事件。事件と向き合う中で、明らかになる周五郎の過去とは? そして、「美貌島」、「エクセレント・ミューズ」に隠された真実とは? 果たして、周五郎は「美貌島」を、そこに住む島民を救うことができるのか!?
(金曜プレステージ公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。
「美貌島」へ渡った周五郎。
そこで、島の住人で元教師である「エクセレント・ミューズ」反対派の指導者・石橋と「エクセレント・ミューズ」のマネージャー・松川が争っている姿を目撃する。
早速、「エクセレント・ミューズ」に潜入する周五郎。
そこで、小室と再会する。
何かあると確信する周五郎だったが……。
「エクセレント・ミューズ」で情報収集する周五郎。
社長の小早川美咲は副作用のない痩せ薬を開発し、名を馳せた人物。
副社長の池上はそんな美咲を支えているらしい。
松川は池上の使いパシリらしいが……。
周五郎はある人物を捜していた。
周五郎は自身と並ぶ天才外科医・兵頭が「エクセレント・ミューズ」の整形手術を執刀していると考えたのだ。
何処かに秘密のオペ室があるに違いない、其処に兵頭は居る。
オペ室を探索中、清掃員の田嶋峰子と出会った周五郎。
峰子は顔色も悪く、片足を引き摺っていた……。
一方、美貌島に小室が現れた理由は、何者かに殺害されたRDトラスト開発の社員・工藤恵子の死の真相を調べる為だった。
小室によれば、工藤は肝臓をやられていたらしいが……。
その夜、松川が何者かに殺害されてしまう。
松川の爪には何者かの皮膚片が残っていた。
周五郎は、松川が誰かに崖から突き落とされ、転落先で撲殺されたと見抜く。
矢先、「エクセレント・ミューズ」を探る周五郎の前に兵頭が現れる。
兵頭は過去に妻を自身の手術で亡くしていた。
それ以来、人の命を預かる外科の手術に怯え、美容整形の道を進んでいた。
周五郎に調査から手を退くよう勧める兵頭だが、逆に悪事から足を洗うように説得される。
「容姿こそがすべて」と主張する美咲。
美咲の姪だと言うつかさは、美咲の勘気に触れることを極端に恐れていた。
自身の容姿を気に掛けるつかさは無理なダイエットが祟り、体調を崩してしまう。
通りがかった峰子の自宅に招かれ、食事をご馳走になる周五郎とつかさ。
周五郎は峰子が病気であることを見抜き、脈をとろうと腕をとる。
と、峰子の腕には何者かによるひっかき傷が残されていた……。
同じ頃、兵頭は美咲と会い、自身が「エクセレント・ミューズ」から手を退くことを告げていた。
沙織が松川の殺害当日に、松川と美咲が言い争っている姿を目撃したことを明かす。
松川は「美咲のことを何もかも知っている」と語っていたらしい。
石橋から峰子の娘・佐和子のことを聞く周五郎。
佐和子は器量に悩みがあり、思い詰めた末に東京へ家出し自殺してしまったらしい。
石橋は「あのとき、リゾートホテルが出来ていれば……」と後悔の言葉を洩らす。
5年前、RDトラスト開発によるリゾートホテルの開発計画があったが、何故か立ち消えし、代わりにエクセレント・ミューズが出来たのだ。
その日の午後、兵頭に呼び出された周五郎。
待ち合わせ場所へ向かうと、そこで何者かに刺された兵頭を発見する。
秘密のオペ室のキーを兵頭から受け取った周五郎は、彼を救うべくオペ室へ運び込むと手術を開始する。
周五郎の活躍の甲斐もあり、兵頭は命を取り留める。
再度、石橋を訪ねる周五郎。
例のリゾート開発の話を持ち込んだのは、石橋の教え子の1人だと言う。
佐和子や松川の同級生だと言うその男の名を聞いた周五郎は驚く。
同時刻、美咲は峰子に逃げるよう電話で促していた。
ところが、そんな峰子に近付く黒い影が……。
峰子が連れ去られてしまった。
異変に気付いた美咲も現場に駆け付けて来るが、峰子の行方は杳として知れない。
小室も到着し、ある情報が伝えられる。
RDトラスト開発に勤めていた工藤恵子には同僚だった恋人が居た。
その男は会社に損害を与え辞職していたのだが、彼こそ池上だったのだ。
周五郎は美咲が池上に騙されていると主張する。
美咲は、池上により峰子が松川を殺害したと思い込まされていた。
だが、足腰の弱った峰子には崖下の松川を殺害することは出来なかったのだ。
真犯人は池上だったのである。
そして、峰子の足腰が弱っていたのは、悪性の腫瘍によるものだった。
早く手術しなければ峰子が危ない。
ショックを受ける美咲に「あなたは峰子さんの娘さんですね」と詰め寄る周五郎。
美咲こそは生きていた佐和子だった。
美咲は後悔と共に母を助けてくれるよう頼み込む。
周五郎たちは池上と峰子の行方を追う。
その頃、池上はすべての罪を着せ峰子を殺害しようとしていた。
そこへ周五郎と共に美咲たちが駆け付ける。
峰子を人質に抵抗する池上。
小室は今回の事件での池上の悪行を告発する。
池上は石橋の教え子だった。
島を出た池上は上京し、RDトラスト開発の社員となった。
しかし、営業成績が上がらず、追い詰められた池上は故郷の島のリゾート開発計画を企画する。
しかし、思いつきが上手く行く筈もなく頓挫。
責任を取らされRDトラスト開発を追われることになった。
以来、池上は恋人である工藤恵子を頼って生きていた。
そんなある日、池上はテレビで成功した小早川美咲を見た。
彼女が田嶋佐和子であると気付いた池上は接近し、自分に憧れていた気持ちを利用し男女の仲になった。
その上で美咲を看板に「エクセレント・ミューズ」を立ち上げ、裏から支配していたのだ。
何か役に立つだろうと池上は昔のパシリである松川を雇った。
だが、松川は昔から佐和子を愛していた。
美咲が佐和子であることにも気付いたのだ。
松川は、利用される佐和子を池上から助けようと奔走し始めた。
当の池上は工藤恵子に告発されそうになっていた。
そこで口封じに殺害する。
松川は、工藤恵子の殺害犯が池上だと突き止めた。
美咲に池上と手を切るよう迫る松川だが、これを峰子と池上本人に見られていた。
峰子は美咲が松川に脅迫されていると勘違いし、娘を守ろうと松川に談判し誤って崖から突き落とした。
松川を監視していた池上はこれを利用し、松川を殺害した。
その後、峰子が松川を殺害したと美咲に吹き込んだのだ。
この嘘を信じ込んだ美咲は峰子を庇った。
一方、美咲と手を切ろうと決意した兵頭だったが、その動きに気付いた池上に刺されたのだった。
すべてを暴露された池上は「俺の真価が分からないお前らが悪い」と罵詈雑言を浴びせるが……。
直後、峰子が血を吐き倒れ込む。
呆気にとられた池上は小室に隙を突かれ取り押さえられた。
「急がなければ危ない!!」峰子の緊急手術に挑む周五郎。
美咲からB型のRHマイナスの血の提供を受けて手術が開始される。
瀕死の兵頭も手術に参加し、
30年前、佐和子は薬剤師になった。
だが、容姿の所為か恵まれず、結婚したものの夫に捨てられてしまう。
夫との間には子供も居た。
それが、つかさである。
つかさは佐和子の娘だったのだ。
困った佐和子は兵頭により整形手術を受け、美咲となった。
その頃、完璧な痩せ薬の開発にも成功した佐和子は「エクセレント・ミューズ」を起業したのだった。
そこへ池上が現れ、利用され今回の事件に繋がったのである―――。
峰子の手術は無事成功。
美咲こと佐和子はつかさに「これからは母親と呼んでいい」と伝える。
そんな佐和子とつかさを峰子が病床からじっと眺めるのだった。
こうして事件を解決した周五郎たちは美貌島を後にした。
見送るのは、石橋とつかさである。
彼らの笑顔に送られた沙織は、佐和子のことは記事にしないと決意するのだった―――エンド。
<感想>
「外科医鳩村周五郎」シリーズ第9弾。
前作第8弾は2011年7月1日に放送されており、実に8ヶ月ぶりの新作となりました。
本シリーズのネタバレ批評(レビュー)はこちら。
・金曜プレステージ「外科医鳩村周五郎8 呪われた村で起きた無差別毒殺事件再び!あの鍋に誰が毒を?…呪いか?たたりか?村を“病”に陥れた悪の正体が今暴かれる!」(7月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・金曜プレステージ 外科医鳩村周五郎(7)・血塗られた挑戦状3「狙われた病院〜美人院長の周囲で謎の連続殺人…隠された巨大な闇の正体を暴け!!遂にシリーズ最終章」(9月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
では、早速ドラマの感想を。
沙織の存在意義が分からないなぁ……。
普通に正美の件を受けて、周五郎1人が潜入しては駄目だったのだろうか。
兵頭も存在意義がよく分からない……。
他には、周五郎が3回も緊急手術をこなしていたことが印象に残った。
序盤、中盤、終盤の3回。
少し多過ぎたかも。
それと、周五郎と話すと皆が皆、あっさりと心中を吐露するのに違和感。
いつものシリーズだった筈なんだけど、今回は何故か気になった。
なんなんだろう。
大がかりな割にはイマイチ。
なんだか、微妙だったかな……。
シリーズものなので、次回に期待!!
<キャスト>
船越英一郎
内藤剛志
国生さゆり
山田純大
吉井 怜
相島一之
金山一彦
深水三章
藤田弓子 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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