2013年03月28日

「SP THE MOTION PICTURE 野望篇&革命篇」(2010&2011年、日本)

「SP THE MOTION PICTURE 野望篇&革命篇」(2010&2011年、日本)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

SP 野望篇:警視庁警備部警護課第四係機動警護班隊員・井上薫(岡田准一)は、自殺した理事官に対して「仕方がないだろ。大義のためだ」と係長・尾形総一郎(堤真一)が発した言葉に、猜疑心と困惑の色を浮かべ対峙する。その出来事から1ヶ月。東京の街は、何事もなかったかのように毎日が過ぎ、どこを見渡しても平和な日本の姿があった。だが、そのウラでは、日本という国家のシステムを根底から揺るがすようなテロが企てられており、全ての脅威は、六本木の街から始まろうとしていた……。公安の目をかいくぐり、不穏な動きを見せる国家の要職を担うキャリア官僚たち。その中には、与党幹事長・伊達國雄(香川照之)の姿も含まれていた。相次ぐ脅威への過剰反応(シンクロ)に苛まれる井上。さらにテロリストの魔の手は、笹本絵里(真木よう子)、山本隆文(松尾諭)、石田光男(神尾佑)ら第四課のメンバーにも襲い掛かってくる……。

SP 革命篇:官房長官を狙ったテロ事件から2カ月。死闘を繰り広げた警視庁警護課第四係のメンバーたちは、通常任務に就いていた。そんな中、尾形(堤真一)への不信感を募らせ、一人苦しむ井上(岡田准一)。一方、与党幹事長の伊達(香川照之)やキャリア官僚らと接触の陰が疑われる尾形の動きを探るべく、公安の田中(野間口徹)も調査を進める。時を同じくして、尾形から国会の警備を命じられる井上。第四係、伊達、新第四係のメンバー、さらには謎のテロリストグループが国会に集結する中、内閣不信任案の採決が行われようとしていた。そのとき遂に尾形が動き出し、国会議事堂に銃声が響く……。
(goo公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

・【SP野望編】ネタバレあらすじ

警視庁警備部警護課第四係機動警護班隊員・井上薫は上司である尾形の言動に不信感を抱きつつも、日々を過ごしていた。

一方、当の尾形は幹事長の伊達やサークル「雄翔会」のOBからなるキャリアたちと共に革命の日を迎えんと暗躍していた。
尾形は自身と同じく麻田総理の為に家族を失った井上を同志に出来ないかと心を尽くすが井上はこれに応じる様子を見せない。
実は、井上の両親は麻田が政権を確固たるものにするべく行った自作自演の襲撃事件に巻き込まれ命を落としていたのだ。

そんなある夜、尾形不在にも関わらず深夜の出動命令が下される。
警護対象は官房長官の田辺。
ミッションは田辺を国会議事堂にまで無事に送り届けること。
緊張感が走る中、警護に就いた井上だが、例の耳鳴り(シンクロ)と共に敵が襲来する。
車での襲撃から始まり、田辺を護るべく1人、また1人と負傷し離脱していく四係メンバー。

だが、どうも敵の動きがおかしい。
田辺よりも井上こそが標的とされているようだが……。

実は、井上に入れ込む尾形を危惧した尾形の同志が井上抹殺を画策していたのだ。
真の狙いは田辺ではなく、井上であった。

最後の1人になりつつ、田辺を議事堂に送り届けた井上。
そんな井上をスナイパーがビル上から狙う。

これに気付き狙撃手を見上げる井上。
その視線の先には狙撃を止めに現れた尾形が……。

こうして、襲撃は終わりを告げた。
結局、井上抹殺は失敗に終わった。
四係メンバーは負傷しつつも全員無事。
さらに、これを機に新人が補充されることとなった。
だが、新人たちは何処か冷たい。

その一方で、尾形の計画はいよいよ最終段階に突入して行く―――革命編へ続く。

・【SP革命編】ネタバレあらすじ

尾形に疑念を抱きつつも、それを形にしたくない井上。
さらに、四係に配属された新人たちは何処か井上たちを敵視している様子。

矢先、国会議事堂の警護に就いた井上たちを驚かせる大事件が。
同じ建物内で、尾形をリーダーにした籠城事件が発生したのだ。
これに同行していたSPが同調、さらに新人たちも加わり大事件に発展する。
明らかに計画的なモノだ。

尾形は麻田たちを人質にこれから起こるすべての内容を全国民に報道するように命じると、彼らの不正を暴き立て始める。
これこそが尾形の言う革命なのか。

一方、「雄翔会」OBからなるキャリア連はこれを冷ややかな目で眺めていた。
彼らは尾形により断罪させておき政治システムにダメージを与え、その間隙を自身らの権力で埋めようとしてた。
尾形は捨て駒にされたのだ。

同じ頃、外部からの突入による対処は困難が予想される中、内部で唯一拘束を免れた井上たちは尾形の過ちを正すべく事態収拾に動き出す。

まずは、自身らを拘束しに現れた新人たちを退けると、建物内に突入する井上たち。
対人地雷などを避けつつ散開していた敵を排除し、尾形のもとを目指す。
遂にはSP同士の衝突を避ける為にSPの志を説き、同調していたSPを帰順させることに成功する。
いよいよ扉一枚隔てた先にまで尾形を追い込むが……。

外の事情を知らない尾形は、遂に麻田の告発に漕ぎ着けていた。
実は尾形は尾形ではない全くの別人であった。
尾形の戸籍を借りたに過ぎなかったのだ。
しかも、伊達と兄弟であった。
2人は過去に父を麻田との政争により失っており、これを憎んでいた。
尾形にとって、革命とは父の仇を討つと共に報道を目にした国民を目覚めさせる為のものであった。

……だが、志を同じくしていた筈の伊達には別の目的があったのだ。
伊達は麻田たちの罪が暴かれ一段落するや、尾形の行為を批難し始める。
伊達の真の狙いは、自身の上に立つ者を排除し、また、並ぶ可能性のある者を政治的に抹殺することであった。
麻田たちが尾形により断罪されたことで目的は果たされたのだ。

実の兄弟の裏切りに衝撃を受ける尾形は銃を握り締める。
其処へ井上たちが突入し、場内は大混乱に。

尾形の仲間は井上たちに制圧されて行き、同時に井上の正しさを悟った尾形もまた共謀した仲間を撃ち井上を援護する。

最中、麻田は1人逃亡。
革命が伊達の権力闘争の道具として利用されたに過ぎなかったことを悟った尾形は決起の意味を麻田への復讐に向けるように。

こうして尾形は麻田を追う。
この尾形を井上が追う。
麻田を巡り、かつては仲間であった尾形と井上が相争うことに。

だが、尾形は強かった。
井上は一度は昏倒させられてしまう。
しかし、追い詰められ自殺を図ろうとする尾形を逮捕することに成功するのであった。

同じ頃、事の顛末を予想の範囲内と高笑いしていたキャリア連。
ところが、伊達の手配で爆殺されてしまう……。

こうして、事件は真の主謀者・伊達を逮捕することなく尾形の暴走として幕を下ろした……。

時が過ぎ、拘置所に居る尾形に看守が何がしら呟く。
一方、あれ以来シンクロ状態を感じなかった井上が再度、シンクロを感じることに。
闇はまだ蠢いている。
井上の戦いは終わらない―――エンド。

<感想>

テレビ放送されていたドラマ「SP」の映画版にして完結編です。
シリーズには「ドラマ版」とスペシャルドラマ版に当たる「革命前日」などがあります。
ちなみにスペシャルドラマ版から「野望篇」と「革命篇」までを描いたコミック版もあるので興味のある方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!

さて、「野望篇」と「革命篇」。
良かったですね〜〜〜アクションあり、サスペンスあり、仲間との絆もあり。
贅沢な作りで、手に汗握る展開に興奮しっぱなしでした!!

特に尾形と井上の信頼描写が良かったですね。
期せずして敵同士となった2人ですが、目的地は同じ。
正義を貫き、悪を正すこと。
ただ、採用した手段が異なっていた。

尾形の手段は最短ではあるが、犠牲も大きい道。
井上の手段は辿り着くかどうか分からないが、犠牲は少ない道。

いずれにしても、ラストの描写からも分かる通り、悪意は無くならない。
そして、井上はそれと戦い続けるのでしょう。

完結編を迎えながらも、SPの世界は視聴者の胸中にてまだまだ続くということなのでしょうね。

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