<あらすじ>
旅館コンサルタントたちが依頼を受けた旅館やホテルの立て直しを図りながら、そこで起こる殺人事件に挑む「温泉(秘)大作戦」。旅館コンサルタント業界のカリスマであり、城ノ内コンサルティングの社長、城ノ内愛子(野際陽子)の指令のもと、ファイナンシャルプランナーの資格をもつ旅館経営のスペシャリスト、星野さつき(森口瑤子)をはじめ、創作料理を得意とする料理担当の島慎之介(東幹久)、温泉のスペシャリストであり、元刑事の経験を生かす敏腕リサーチャー、岩田幸平(村田雄浩)、館内装飾やおもてなしを担当する森田梢(高樹マリア)ら4人が活躍する姿を描く、温泉あり、グルメあり、サスペンスありの人気シリーズだ。
第11回となる今回の舞台は世界遺産が点在する和歌山県の那智勝浦。南紀勝浦温泉のマンモスホテル「ホテル浦島」からの依頼を受け、さつきたちはホテルに乗り込み、立て直しを進める。そんななか、ホテルに滞在していた旅行雑誌記者の女性に幸平が恋心を!?折しも、近辺では平安衣装姿の幽霊騒動が起こり、連続殺人事件に発展する。
南紀勝浦温泉のマンモスホテル「ホテル浦島」からの依頼を受け、ホテルの立て直しに取り掛かるさつきたち。ホテルでは観光比丘尼の和泉蘭子(丘みつ子)による曼荼羅図の絵解きが観光客相手に行われ、シンポジウムも計画されていた。
さつきたちがそれぞれの持ち場につくなか、近辺では平安時代の装束を着た幽霊が出るという噂が立つ。なんと、幸平が幽霊を目撃。さらに、ホテルの女将、冬美(高林由紀子)の前にも現れる。だが、けがをしたにもかかわらず、幽霊の話題にはふれようとしない女将。そんな彼女の様子をいぶかしく思った幸平は調査を開始する。幸平が幽霊を目撃した熊野古道を歩いていると、湯の峰温泉のつぼ湯で見かけた女性、龍村真佐子(佐藤藍子)と再会。真佐子はホテル浦島に滞在し、取材をしている旅行雑誌記者だった。そんな真佐子と話す機会が増えるにつれ、幸平は彼女にひかれていく。
幸平の調べで、平安衣装の幽霊は、1年前にホテル近くの断崖から平安衣装のまま飛び降り自殺をした女性の一件と関わっていることが判明。ホテル浦島に出入りをしていた添乗員の喜代美で、婚約破棄を苦にしてのことだった。相手の男性は現在もホテルに出入りする旅行会社の安藤豊(河相我聞)。実は、女将は、娘の亜樹(吉村涼)を安藤と結婚させたがっていたというのだ。もしや、女将が喜代美に別れを迫ったのでは・・・と、さつきたちは推測する。
そんな折り、平安衣装姿の遺体が発見された。殺害されたのはホテルに出入りしていたマッサージ師の聡子(田根楽子)。彼女と女将が対立していたため、女将が疑われるが、安藤がアリバイを証明する。だが、安藤は両親の死後、女将に育てられたため、身内も同然。しかし安藤は、女将を赤の他人だと冷たく突き放す。そんな安藤の態度を不思議に思い、さつきが問い詰めると・・・!
平安衣装の幽霊は聡子の仕業だったにもかかわらず、再び、平安衣装の幽霊が現れ、第二の殺人事件が発生。一方、雑誌記者だといっていた真佐子が、実は元新聞記者で、偽名を使っていることが発覚。そのことを尋ねた岩田に真佐子は、事件記者をクビになったが、スクープを取って、返り咲きたいと告げる。真佐子に想いを寄せる岩田は彼女を応援しようと、2人で事件を追うが・・・。
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……
喜代美に関して安藤を問い詰めたさつき。
安藤は「妹と結婚出来る筈がなかったんだ……だから、喜代美は死んだ」と叫ぶ。
妹のように育った亜樹のことを指しているのであろうその叫びを聞いたさつきは、安藤が喜代美を愛していたと確信する。
ところが、聡子に続き、安藤が何者かに刺され死亡してしまう。
遺体の傍には喜代美からの呼び出し状が置かれていた……。
記者の龍村真佐子が偽名だと判明。
本名は竹村真由美と言うらしい。
元事件記者だったのだ。
真佐子はスクープをものにして元の職場に戻りたいと幸平に伝え、幸平もそれを応援することに。
真佐子は、安藤の死は女将である浦田冬美による犯行であると主張し続ける。
安藤の死因が刺殺であり、ナイフの深度から冬美の犯行は不可能と結論付ける幸平。
だが、真佐子は譲らない。
「豊さんとは結婚できない運命にあった」と記された喜代美の手帳まで持ち出し、冬美の犯行を強調するのだった。
その頃、さつきは和泉蘭子の行動に注目していた。
蘭子の身体に大火傷の痕跡を認めるさつき。
さつきの報せを受けた幸平の調査により、蘭子、冬美、安藤の母が幼馴染であると分かる。
しかも、蘭子は芸名だった。
さらに、冬美と蘭子が安藤家の墓前で泣き崩れる光景を目撃する幸平。
これは一体……?
東京へ飛んだ幸平は喜代美に火傷の跡があったことを突き止める。
そして、火傷は真佐子の背中にも……。
さつきと情報を突き合わせた幸平。
火傷という共通点から、蘭子、真佐子、喜代美の3人が親娘であると推理する。
過去に大火事で一家離散したのではないか……では、父親は何処に消えたのか?
ここで、安藤家の墓前で泣き崩れる蘭子を思い出す。
もしも、安藤の父が蘭子と不倫していたのならば……。
「妹と結婚出来る筈がなかったんだ……」
あの安藤の叫びは亜樹ではなく喜代美についてだったのだ。
真佐子が冬美を呼び出した。
真佐子は刃物を手に冬美に迫る。
其処へ駆け付けた幸平は、真実を聞くべき相手が別に居ると告げる。
それは蘭子だった。
蘭子は過去に安藤の父と不倫してしまった。
直後に真佐子と喜代美を妊娠し出産。
ところが、安藤の父は病死してしまう。
これを悲観した蘭子は放火することで無理心中を敢行。
しかし、これは失敗に終わり、蘭子は放火で服役、残された真佐子と喜代美は別々の家庭に引き取られた。
それから十数年後、蘭子は冬美を頼り和歌山へ。
其処で安藤と交際する喜代美を見つける。
娘であると気付くと同時に、異母兄妹同士が交際していることも知ったのだ。
阻止しなければならない―――真相を喜代美に打ち明けた蘭子だったが、ショックで喜代美は自殺してしまう。
喜代美の後を追おうとする蘭子だが、冬美に止められる。
其処を安藤に目撃され、安藤にも真相を知られてしまったのだった。
安藤が何処か影を引きずっていたのはこの為だった。
このまま終わる筈だったが……真佐子が喜代美を捜しにやって来る。
真佐子は喜代美の死を知ると冬美と安藤への復讐を決行、喜代美の亡霊騒動を起こした。
真佐子の正体に勘付いた聡子は冬美へのあてつけに協力を申し出る。
だが、復讐に他人が介在することを嫌った真佐子は揉み合ううちに聡子を殺害してしまう。
そして、安藤の死。
安藤が喜代美の仇であると思い込んでいた真佐子は、喜代美の誕生日に安藤を殺害しようと思い立つ。
「姉への贈り物よ」と安藤を刺す真佐子。
安藤はそれを受け入れながら「女将は関係ない、許してくれ」と必死に訴える。
この姿に怯えた真佐子は現場を逃走する。
だが、安藤はまだ死んでいなかった。
逃げる真佐子を目撃した蘭子の目の前で、運命に絶望した安藤は自ら死を選ぶ。
この際、安藤は喜代美の手帳を真佐子に渡すよう蘭子に託した。
真佐子に手帳を届けたのは蘭子だったのだ。
誤解を解いて欲しいとの想いからの行動だったが、真相を知らない真佐子には通じなかった……。
知らないこととはいえ、実の兄を手にかけた真佐子は取り乱す。
そんな真佐子に謝罪する蘭子。
蘭子の謝罪を受けた真佐子は「真由美と呼んで、お母さん」と親娘の名乗りを上げるのだった―――。
「ホテル浦島」の立て直しは成功。
さつきたちは、次の目的地である北海道は洞爺湖を目指し、この地を後にするのだった―――エンド。
<感想>
「温泉(秘)大作戦」シリーズ11作目。
前作が2011年8月21日の放送だったので、ほぼ5ヶ月ぶりの新作となりました。
これまでのネタバレ批評(レビュー)はこちら。
・土曜ワイド劇場「温泉(秘)大作戦(10)〜豪雪青森・浅虫温泉!美人料理長が振舞う極上海の幸!!老舗旅館に生まれた兄弟の壮絶人生と連続殺人の悲劇〜」(8月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「温泉(秘)大作戦(8)〜鳴門のうず潮に引き裂かれた夫婦愛!隠蔽された刑事失踪事件の真実に挑む美人妻と仕掛人たち!!」(12月5日放送分)ネタバレ批評(レビュー)
さて、今回の感想は。
このシリーズらしさは存分に発揮されていたと思います。
シリーズとしては良かったんじゃないでしょうか。
ただミステリ部分はいつにも増して酷かったかな。
いくらなんでも、後付けと勘が多過ぎた。
特に「冬美と蘭子が安藤家の墓前で泣いていたから、蘭子が安藤の父と不倫していた」のロジックは成立していないだろう。
何段飛ばしやねん!!
余りに飛躍しすぎていて、さつきがエスパーに見える……。
驚いたといえば、蘭子と真佐子の急転直下の和解劇にもビックリ。
和解することが前提で話が作られていることをあからさまにし過ぎだろう。
ちなみに蘭子が罪深すぎる。
まず、喜代美に真実を伝えたらフォローはしとこうよ、親娘なんだから。
ここで自殺を防げたかもしれない。
あと、秘密を勿体ぶり過ぎだろう。
早めに真佐子に伝えていれば事件は起きなかっただろうに。
真佐子は家族を求めてやって来たのだから、早めに親娘の名乗りを上げるべきだったのだ。
それを知らないとしても、亡霊騒動が起こった時点で真相を打ち明けるべき。
手帳についても、安藤の遺志を汲んで直接渡して説明するべきでしょ。
そしたら、冬美に迷惑をかけることもなかった。
なんだか「蘭子が現在の自分の立場を守ろうとしている」と勘繰られても不思議ではないかも。
ここまで、確実に非が存在するキャラクター造詣でありながら、悪人設定ではなかったのは珍しいかもしれない。
特筆すべきかも。
気付いたが、こうして蘭子について考えていること自体が本作を楽しめた証拠か。
となると、本作はそれがメインな作品なのだろうか。
なんだかんだで愚痴が多くなったけど、その他の料理などは良かった!!
2012年3月12日追記:
安藤の死因について、「ドラマ好き子」さんよりご指摘を頂きました。
それに伴い、ネタバレあらすじを一部訂正しております。
ドラマ好き子さん、ありがとうございます(^O^)/!!
追記終わり
<キャスト>
星野さつき:森口瑤子
島慎之介:東 幹久
森田梢:高樹マリア
龍村真佐子:佐藤藍子
安藤豊:河相我聞
浦田亜樹:吉村 涼
中村聡子:田根楽子
浦田冬美:高林由紀子
和泉蘭子:丘みつ子
岩田幸平:村田雄浩
城ノ内愛子:野際陽子 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)
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いつも楽しみに拝読しております。
(^-^)/
ひとつ訂正をお願いしますね。
安藤のトドメを刺したのは、
蘭子ではありませんよ。
安藤自ら、
刺したのです。
よくご覧くださいませ。
コメントありがとうございます(^O^)/。
管理人の“俺”です!!
なるほど、安藤本人だったから刺し傷が深かったのか。
最近、見落としが多いかも……(汗)。
気をつけないといけないなぁ……。
ご指摘ありがとうございます。
早速、訂正いたします(^O^)/。
訂正と追記を
拝読いたしました
(^_−)−☆
ご丁寧にありがとうございます。
これからも
記事を楽しみにしております。
コメントありがとうございます(^O^)/。
管理人の“俺”です!!
ご指摘のおかげで、助かりました。
今後とも宜しくお願い致します(^O^)/!!