2012年03月20日

月曜ゴールデン「山村美紗サスペンス 狩矢警部シリーズ第11弾スペシャル 京都舞踊襲名殺人事件 美しき舞の最中の悲劇名門の家元候補が次々絶命!舞扇・手拭いに仕込まれた毒か!?母の愛が狂気に変わる時」(3月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「山村美紗サスペンス 狩矢警部シリーズ第11弾スペシャル 京都舞踊襲名殺人事件 美しき舞の最中の悲劇名門の家元候補が次々絶命!舞扇・手拭いに仕込まれた毒か!?母の愛が狂気に変わる時」(3月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

京都府警の敏腕警部・狩矢荘助(船越英一郎)は、妻の澄江(山村紅葉)のお供で京都の舞踊家、桜木流の襲名披露に出かける。家元の桜木麗峰(林与一)が引退することになり、三人の候補者から後継者が発表されるという。
三人とは家元の弟・麗洋(大石吾朗)と家元の娘・美麗(山崎直子)と息子の秀麗(辻本伸太郎)である。襲名披露の直前に家元に指名され、この日最初に舞った者が後継ぎになるという定めだ。会場には麗峰の妻、麗花(毬谷友子)、女優の捧彩見(遼河はるひ)、歌舞伎役者の片岡秀三郎(木村靖司)、老舗扇屋の宮脇光太郎(山中聡)ほか京都の有名人が顔を揃えた。
期待の高まる中、秀麗が最初に舞い、後継者に決まったと誰もが思った瞬間、秀麗はその場に倒れ息を引き取った。舞に使った扇に毒が仕込まれていたことが判明する。狩矢警部と皆川悠子(雛形あきこ)、橋口健太(載寧龍二)ほか狩矢班が捜査を開始する。さらに橋口と同期の菅田瑠依(小橋めぐみ)が加わるが、瑠依は協調性に欠け、チームワークを乱す。
桜木流の関係者の動向を警察が警戒する中、麗峰の愛人、彩見が秀麗と同じ手口で殺害された。家元候補であった麗洋と美麗への疑惑が深まった。ところが、麗洋までもが自宅の密室で刺殺されて発見される。同一犯の犯行か…?
事件の真相を推理する狩矢は、澄江がふと漏らした一言に事件解決のヒントを見出すが…。
(月曜ゴールデン公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

娘・和美が寮生活を始めることになった。
寂しがる澄江だったが、気晴らしの為に狩矢と桜木流の襲名披露に出かける。

家元の桜木麗峰が引退し、その弟・麗洋、娘・美麗、息子・秀麗の3人の中から次期家元が選ばれる筈だったが……その席で次期家元に指名された秀麗が殺害されてしまう。

早速、捜査を開始した狩矢班。
そんな中、菅田瑠依が狩矢班に配属される。
瑠依は優秀なものの、狩矢を除く班員と次々に衝突し反感を買う。

桜木流について調べたところ、複雑な人間関係が明らかになる。
家元・麗峰は、女優の捧彩見と不倫関係。
麗峰の妻・麗花は歌舞伎役者の片岡秀三郎と不倫関係。
美麗は老舗扇屋の宮脇光太郎と恋仲であったが、最近別れていたことが判明したのだ。

それぞれの思惑が絡み合う中、第2の殺人が。
今度の被害者は、女優の捧彩見。
CM撮影で「浮かれ猫」を演じていたところの死であった。
殺害方法は秀麗と同じく毒殺である。

こうして、連続殺人事件に発展。
瑠依の捜査により、捧彩見が麗峰以外に麗洋とも交際していたことが判明。
麗洋に容疑が向かう。

矢先、その麗洋がナイフで刺殺されてしまう。
その殺害現場では、玄関も窓の鍵もすべて内側から閉じられていた。
つまり、密室である。
だが、犯行は明らかな他殺を示している。
犯人は何処へ消えたのか?

狩矢は能面の紐が消えたことに注目。
この発見を受けて、瑠依は密室トリックを見抜く。
玄関の真上にある2階のテラスの隙間から紐を階下に垂らすことで、外に居ながら鍵をかけることが可能だったのだ。

「能面の紐が丈夫であることを知っている人間以外に犯人ではありえない」と考えた瑠依は、美麗が犯人であると結論付け、美麗を拘束する。
美麗は「麗洋に呼び出されただけ」と主張するが、強くは犯行を否定しない。

一方、狩矢は今回の密室殺人が作られた意味に注目。
密室を作る理由は、他殺を自殺に見せかける為ではないか。
ところが、麗洋は明らかな他殺だった。
結果として、美麗が疑われたことを重視した狩矢は美麗を陥れようとする何者かの罠を疑う。
屋台を営む元課長からのアドバイスを受けた狩矢はなおさらその念を強めるのだった。

その頃、美麗が犯人だと聞かされた麗峰は、妻・麗花に「お前しかいない。舞ってくれないか」と頼み込む。
舞う麗花の姿に秀麗を見出す麗峰。

その夜、狩矢は澄江から、麗洋が秀麗殺害の1ヶ月前に家元の内示を受けていたとの情報を得る。
すべてが繋がった狩矢はメンバーを集め、対策を練る。
狩矢の推理を聞いた瑠依は「騙されていたの……」とショックを受ける。
狩矢は瑠依を励ましつつ、真犯人を逮捕するべく指示を飛ばすのだった。

翌日、家元後継披露の場が設けられた。
後継として選ばれたのは麗峰の妻・麗花である。
そこへ現れた狩矢は、3件の連続殺人の犯人として麗花を指摘する。

麗花は麗洋に美麗を呼び出させると殺害した。
こうして、美麗に罪を着せることに成功。
後継者の座を掴んだ。

捧彩見殺害も麗花。

だが、秀麗は麗花の実子である。
なぜ、秀麗を手にかけたのか?

麗花は片岡秀三郎と不倫などしていなかった。
すべては、秀麗の出自に疑惑を抱いた麗峰の嫌がらせであった。

1ヶ月前、次期家元に麗洋が選ばれたと知った麗花は扇に毒を仕込んだ。
麗洋を殺害するつもりだったのだ。

ところが、麗峰はギリギリで麗洋と捧彩見の関係に気付き、秀麗を後継とした。
しかし、麗花がそれを知る筈がない。
結果、麗洋を殺す筈の毒で秀麗が死亡したのだ。

真相を聞かされた麗峰は激怒、麗花を殴りつける。
殴られた麗花は「いずれあなたも殺すつもりだった」と呪いの言葉を吐く。

すべては秀麗の為だった……と呟く麗花。
そんな麗花を諭す狩矢。

「お母さん、もういいよ。もうやめてくれ」
狩矢の口から紡ぎ出される秀麗の言葉を聞いた麗花は泣き崩れるのだった。

狩矢の説得を間近に見た瑠依は感服。
さらに「美麗が何故、犯人のような素振りを見せていたのか」との疑問に「宮脇さんが犯人だと誤解したからさ。庇おうとしたんだ」と教えられ、狩矢に尊敬の念を抱くのだった。

翌朝、他の面々には素直になったものの、皆川には強がる瑠依の姿がそこにはあった。

結局、桜木流の次期家元には美麗が選ばれた―――エンド。

<感想>

「狩矢警部」シリーズ第11弾です。
前作は2011年7月4日の放送だったので、実に8ヶ月ぶりの新作となりました。
前作はこちら。

・船越英一郎さん版狩矢警部シリーズ(月曜ゴールデン)
月曜ゴールデン 山村美紗サスペンス「狩矢警部シリーズ8京都西大路通り殺人事件〜京の椿四姉妹連続殺人!椿の幽霊と密室アリバイトリックに狩矢と娘和美が挑む!」(5月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン 山村美紗サスペンス 狩矢警部シリーズ9「坂本龍馬殺人事件〜11月15日は龍馬の命日今宵京都で連続殺人!変死体は狩矢の親友…辞表を胸に復讐の炎を燃やす!カギは龍馬」(11月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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原作は山村美紗先生『京都鞍馬殺人事件』(徳間書店刊)。

原作『京都鞍馬殺人事件』あらすじは―――

日本舞踊の関西第一の流派、桜木家−−。家元夫人の桜木麗華が毒殺された。次いで家元が密室で殺され、事件は連続殺人に。後継者争いとみたキャサリンは、浜口や人気歌舞伎役者・片岡秀三郎と事件に挑む!(本格長編推理)
(徳間書店公式HPより)


これを見る限り、ドラマの原作はキャサリンシリーズだったんですね。
ドラマ本編で、片岡秀三郎がほとんど関係なかったのは主人公側のキャラクターだったからでしょうか。
では、ドラマ版の感想を。

能面の紐が丈夫なのを知っているから美麗が犯人という推理は、いくらなんでも無茶苦茶かな。
関係者なら全員知っているだろうし、現に麗花も知っていたワケだし。
あれは酷過ぎた。

登場人物も似た名前の人が多過ぎて、把握に時間がかかった。
あと2人増えていたらヤバかったかも……。

で、こんな時に限って狩矢班に新キャラ投入。
その瑠依は、世に言う“ツンデレ”キャラですね。
こちらのキャラは面白かった。
他のキャラを引っ張ることも出来る良キャラですね。
ここは良かった。

ラストの狩矢が秀麗の言葉を麗花に伝えるシーンでは、「火災調査官・紅蓮次郎12」を思い出しました。
紅が内田鮎子の入水自殺を止めるあのシーンですね。
なかなかインパクトありました。

土曜ワイド劇場「火災調査官・紅蓮次郎 炎の動きが読める!?放火魔からの挑戦状! “たこ焼き”が解き明かす遺産3億円をめぐる連続放火事件!」(1月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

全体として、トリックは目も当てられませんでしたが、他はまぁまぁでしたね。

<キャスト>

狩矢荘助(かりやそうすけ):船越英一郎

狩矢澄江(かりやすみえ):山村紅葉
狩矢和美(かりやかずみ)前田亜季

皆川悠子(みながわゆうこ):雛形あきこ
橋口健太(はしぐちけんた):載寧龍二
菅田瑠依(すがたるい):小橋めぐみ
鶴見佑次郎(つるみゆうじろう):河西健司
山根大介(やまねだいすけ):山口竜央
神山行雄(こうやまゆきお):南雲勝郎

小岩井博光(こいわいひろみつ):浅野和之
佐久間朗(さくまろう):渋谷天外

桜木麗峰(さくらぎれいほう):林与一

桜木麗花(さくらぎれいか):毬谷友子

桜木美麗(さくらぎみれい):山崎直子

桜木麗洋(さくらぎれいよう):大石吾朗
桜木秀麗(さくらぎしゅうれい):辻本伸太郎

捧彩見(ささげさいみ):遼河はるひ
宮脇光太郎(みやわきこうたろう):山中聡
片岡秀三郎(かたおかひでさぶろう):木村靖司 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


◆「山村美紗先生」関連過去記事

【ドラマ】
・狩矢父娘シリーズ(土曜ワイド劇場)
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・船越英一郎さん版狩矢警部シリーズ(月曜ゴールデン)
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・赤い霊柩車シリーズ
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・「空港警察・刑事課 今井陽子」シリーズ
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・その他
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【イベント】
「ミステリーの女王・山村美紗の世界」展、ふたたび!!
(2010年11月28日まで開催)

娘・紅葉さんプロデュース!!「ミステリーの女王・山村美紗の世界」展4月24日土曜より開催!!(すでに終了)

山村美紗原作「京都花灯路 恋の耀き」公演中!!

「京都鞍馬殺人事件 (徳間文庫)」です!!
京都鞍馬殺人事件 (徳間文庫)





◆山村美紗先生の作品はこちら。

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