<あらすじ>
高岡(石黒賢)の遺体がいまだ見つからない中、玲子(竹内結子)は自分たちの捜す高岡が、高岡の戸籍を奪った別人だという新事実を突き止める。
木下興業の総務係長で、保険金担当をしている戸部(池田鉄洋)の行方が分からなくなっていることが判明する。高岡は、自分の死亡保険金の受け取りを君江(南風佳子)と三島(浜田岳)宛てにしていた。かわいがっている三島に1千万円の受け取りは分かるが、なぜ血縁でもない君江を5千万円もの受取人にしたのか謎だ。君江は内藤(森義洋)という20歳の青年を病院に見舞う。内藤は7歳の時の交通事故が原因で、全身まひとなり、君江が13年前からずっと世話をしていた。玲子は、捜査会議で高岡、君江、内藤の関係について、ある推測を披露する。
(@nifty tv番組表より)
では、続きから(一部、重複アリ)……
高岡が高岡ではない-――この衝撃的な事実に捜査本部は動揺。
さらに、中川美智子の父の事故死についても保険金詐欺である可能性が浮上した。
姫川班と日下班は、引き続き並行して捜査に当たることに。
中林建設の地上げについて調べる玲子たち。
かなり強引な手口で恨みを持つ者は多いらしい。
証言の中、派手なスーツを着た男が陣頭指揮を執っていたとの情報を得る。
さらに、本物の高岡家も地上げの対象になっていたことから玲子はある推理を閃く。
本物の高岡は地上げに耐え兼ね自殺してしまったのではないか。
もしも、高岡に自殺されれば土地は手に入らない。
其処で、現在の偽高岡が身代わりになって土地を手に入れ、中林建設に譲ったのではないか……。
菊田は三島の行動に注目していた。
中川美智子は何かに怯え、三島は彼女を守ろうとしているのでは……。
日下班の捜査により、木下興業の保険金受取の指揮を執っていたのが中林建設から出向していた戸部だと判明。
戸部は中林建設の母体である田嶋組組長の隠し子だった。
日下は、戸部が高岡殺害直後から姿を消していることに注目する。
一方、本物の高岡家の地上げを戸部が担当していたことも判明。
矢先、偽高岡が保険を掛けていたとの情報が飛び込んで来る。
受取人は三島と内藤君江という女性らしい。
中川美智子と対峙する玲子。
美智子の父の保険金についても戸部が絡んでいたのだ。
美智子は戸部の名を聞いた途端に過剰な反応を示す。
その頃、三島が戸部を捜していた。
木下興業の社員に聞き込んだ菊田は、戸部が保険会社の女性社員に乱暴を働いていたことを突き止める。
こちらは玲子。
偽高岡が戸部の口利きで中林建設に入社していたことが分かる。
そこへ内藤君江が病院に向かったとの情報が。
君江には、内藤雄太という甥が居た。
雄太は13年前に交通事故に遭い、植物状態になっていた。
最近では入院費に事欠いていたらしい。
偽高岡の保険金は、まさに天佑となる……。
13年前の雄太の事故を調べた玲子。
雄太の父・内藤和敏がダンプの幅寄せにより事故を起こしていたのだ。
この事故で雄太の母は死亡、雄太自身も入院生活を送ることになった。
一方、捜査に勝俣が介入し始める。
かき回される現場。
勝俣には何か目的があるらしい。
菊田が戸部の保険金詐取の証拠となる証言を押さえて来る。
戸部は保険の女性外交員と関係を持つと、それをネタに脅迫し、保険契約書や鑑定書類を改竄していたのだ。
玲子は偽高岡が内藤和敏であると確信する。
内藤和敏は自殺したとされていたが、その自殺現場が中林建設の物件だったのだ。
13年前、内藤和敏は雄太の入院費用に困っていた。
同じ頃、戸部も本物の高岡に死なれ困っていた。
利害が一致した2人は、戸部の主導で入れ替わった。
本物の高岡の死体を内藤の物とし、保険金を受け取れるようにした上で、内藤が偽高岡となり土地を戸部に譲ったのだ。
以降、内藤和敏は高岡となって生活して来たのでは……。
日下は玲子の説に証拠がないことを指摘、予断であると攻撃する。
日下の捜査により、戸部の素行に問題があったことが判明。
戸部は何度となく女性問題を起こしていた。
しかも、保険金詐欺に関わる現場のすべてに戸部と偽高岡が関与していたことも分かる。
戸部は事故に見せかけ、自殺させることで保険金を受け取っていたのだ。
菊田の捜査結果からも保険金詐欺は疑いようも無かった。
日下は、これらの事情を知る偽高岡が戸部を脅迫した為に殺害されたと主張。
同時に玲子の唱えた偽高岡=内藤和敏説にも理解を示す。
その夜、姫川班定例の作戦会議。
消えた遺体の残りが何処にあるのかについて頭を悩ませる玲子たち。
その席で、玲子はある疑問を口にする。
「何故、偽高岡は三島を愛することが出来たのか?」不思議がる玲子。
「それは笑顔ですよ」と応じる石倉。
「笑顔ですよ……」石倉の言葉を思い出した玲子は入院中の母を訪ねる。
衰弱した母は、玲子と知らずに「13年前に玲子をあんな目に遭わせたのは私が原因だ」と後悔の言葉を述べるのだった……。
翌日、勝俣が今泉不在の捜査本部に乱入して来る。
日下が田嶋組について捜査した為に裏取引がご破算になったらしい。
勝俣は3人を殺害した犯人を追っていると主張し、捜査の中断を命令する。
日下は「森恭一郎ですか、取引なしでも捕まえられるでしょう」と挑発。
勝俣は「俺の狙いはそんな小物じゃねぇ」と吐き捨てて去ってしまう。
この騒動を今泉に報告する玲子。
今泉は、日下と勝俣の過去の因縁を明かす。
当時、勝俣の部下だった日下。
予断が多かった当時の日下は勝俣に嵌められ誤認逮捕させられてしまった。
それにより、日下は窮地に立たされた。
以来、日下は予断を許さない捜査手法を取るようになったのだ。
勝俣などは「あれは失敗だった。今のあいつはモンスターだ」とぼやいたと言う。
「遠慮するなよ、自分らしい捜査を続けろ。日下はあれでお前を買っている」
今泉の言葉に「まさか」と驚く玲子。
その日の夕刻、多摩川にて遺体の一部が発見された。
本事件の被害者の胴体が見つかったのだ。
その写真を見た玲子は「高岡は被害者ではない、犯人だ!!」と叫ぶ―――10話了。
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」最終話(最終回、第11話)「こんなにも人を愛した殺人者がいただろうか〜ソウルケイジ(後編)」(3月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<感想>
前中後編となった「ソウルケイジ」の中編。
原作は長編『ソウルケイジ』。
・原作『ソウルケイジ』ネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「ソウルケイジ」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・ドラマ前編はこちら。
連続ドラマ「ストロベリーナイト」第9話「ソウルケイジ(前編)」(3月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
では、感想を。
ドラマ版『ソウルケイジ』は親子関係に重点を置いているようですね。
高岡(内藤)と三島の疑似親子の関係を追うことで、玲子とその両親の関係を見直す機会とするようです。
これはなかなか良い手法ですね。
それと、『悪しき実』での日下班との競争をそのまま『ソウルケイジ』に持ち込んだことも、臨場感を高めることに一役買っているようです。
ただ、原作知らないと、ちょっと理解しにくいかもしれないですね。
中編は、管理人も些か混乱しました。
その理由は次の3つ。
1つ、『ソウルケイジ』の物語自体が割と複雑なこと。
2つ、ドラマ版はそれを3話に分割していること。
3つ、作中の時系列が錯綜していこと。
やはり、繰り返し鑑賞するドラマかもしれません。
さて、ここからは原作の真相に触れます。
避けたい方は注意!!
次回は例のDNAトリックが取り上げられるようです。
これは今回ラストで既にその存在くらいは明かしても良いのではないでしょうか。
それくらい、『ソウルケイジ』のメイントリックだと思うのですが。
しかも、次回冒頭で急に「発見された胴体と腕のDNA型が合致したので死体は高岡」と説明されて、同じ回で「実はトリックでした」と説明されても混乱するだけだと思う。
少なくとも、今回でコレを視聴者に謎として提起しておき、1週間置いてからトリック解説する方が理解し易いと思うんだけど。
何か理由があるのかな。
そして、今回も例の場所(真犯人が潜む場所)の伏線が出てましたね。
次回には、玲子が其処へ辿り着くようです。
本作、最大の山場と言ってもいいかもしれないこのシーンがどう描かれるか気になりますね。
いろいろ気になる方は『ソウルケイジ』ネタバレ書評(レビュー)や前回のドラマ版ネタバレ批評(レビュー)をご覧になるとより理解が深まるかもしれません。
ちなみにタイトルである「ソウルケイジ」。
直訳した「魂の檻」との意味の他に、「刑事魂(ケイジダマシイ=ケイジソウル=ソウルケイジ)」という意味もあるらしい。
では、ここからは「姫川玲子シリーズ」についての情報をつらつら。
まず、原作について。
『小説宝石』(光文社刊)では、姫川班解散後を描いた姫川玲子シリーズ最新作『ブルーマーダー』が連載中。
・『ブルーマーダー 第3回』(誉田哲也著、光文社刊『小説宝石』連載中)ネタバレ書評(レビュー)
第3回では、謎の男・マサ登場に、菊田の結婚疑惑浮上と目が離せません。
果たして、菊田は玲子以外の女性と本当に結婚してしまったのか?
注目です!!
次に、2012年3月現在最新作となる短編『女の敵』も発表されました。
『ストロベリーナイト』にて非業の死を遂げた大塚も登場する一篇です。
・『女の敵』(誉田哲也著、宝島社刊『誉田哲也 All Works』収録)ネタバレ書評(レビュー)
さらに噂では本作が「映画化されるのでは」とも囁かれていますが、果たして。
いよいよ、次回は最終回。
玲子と両親の関係は?
玲子と菊田との関係は?
姫川班の今後は?
『ソウルケイジ(後編)』に期待です!!
◆関連過去記事
【姫川玲子シリーズ】
・シリーズ1作目「ストロベリーナイト」はこちら。
「ストロベリーナイト」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ2作目「ソウルケイジ」はこちら。
「ソウルケイジ」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ3作目、短編集「シンメトリー」はこちら。
「シンメトリー」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ4作目「インビジブルレイン」はこちら。
「インビジブルレイン」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズスピンオフ作品「感染遊戯」です。
「感染遊戯」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『アンダーカヴァー(「宝石 ザ ミステリー」掲載)』(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『女の敵』(誉田哲也著、宝島社刊『誉田哲也 All Works』収録)ネタバレ書評(レビュー)
・『ブルーマーダー 第3回』(誉田哲也著、光文社刊『小説宝石』連載中)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ版】
・土曜プレミアム ストロベリーナイト「大ベストセラー小説初ドラマ化!!連続猟奇殺人事件のカギを握る感染死体…真相に迫る孤高の女刑事悲しみの過去と驚愕の結末!!」(11月13日)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第1話「シンメトリー」(1月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第2話「右では殴らない(前編)」(1月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第3話「右では殴らない(後編)」(1月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第4話「過ぎた正義(前編)」(1月31日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第5話「選ばれた殺意の径〜過ぎた正義(後編)」(2月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第6話「感染遊戯」(2月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第7話「悪しき実(前編)」(2月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第8話「悪しき実〜嗚咽(後編)」(2月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第9話「ソウルケイジ(前編)」(3月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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