2012年03月11日

『市長死す』(松本清張著、光文社刊『青春の彷徨』収録)

『市長死す』(松本清張著、光文社刊『青春の彷徨』収録)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<『青春の彷徨』あらすじ>

愛し合う若い二人が死に場所をもとめて阿蘇・耶馬渓を彷徨い歩いた末に見つけたのは……。青春の甘美な哀しみの底に流れる不安感をとらえた「青春の彷徨」のほか、推理小説「地方紙を買う女」「市長死す」、芸術家の創造へのたたかいを追究した傑作「運慶」など多彩な清張短編傑作九編を収録。
(光文社公式HPより)


<感想>

『青春の彷徨』に収録されている短編です。
ドラマ化されるとのことで、読んでみました。

なかなか切れ味鋭い短編ですね。
これを2時間ドラマにするには、かなりオリジナル要素が必要となりそう。
となると、切れ味が鈍る恐れも……。

ドラマ版キャストは反町隆史さん、木村多江さん、石黒賢さん、イッセー尾形さん、倍賞美津子さんと豪華メンバー。
ドラマの放送日は2012年4月3日(火)21時よりとのこと。
詳しいことは下記過去記事リンクよりどうぞ!!
ちなみにネタバレあらすじが過去記事リンクの後にあるので、注意!!

松本清張没後20年特別企画『市長死す 死体になるまでの5日間に市長が見たものは何か?日記に隠された市長の意外な一面が驚くべき真実を浮かび上がらせる!たった一行の文章に秘められた誰も知らない12年前の出来事…53年ぶりに隠れた名作を映像化!』(4月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)

松本清張先生『市長死す』(光文社刊『青春の彷徨』収録)ドラマ化!!

松本清張先生といえば『寒流』もドラマ化が決定しており、こちらも目が離せません。

『寒流』(松本清張著、新潮社刊『黒い画集』収録)ネタバレ書評(レビュー)

<ネタバレあらすじ>

田山市長が転落死した。
場所は志摩川温泉。
市長は観劇中に何かを思い出したように席を外すと、そのまま姿を消していた。
一体、市長に何が起こったのか?

市議会議員の笠木はこの事件に興味を持ち調べ始める。
市長の日記を調べた笠木は、其処にある記述を見出す。
戦時中に大陸に司令官として渡っていた市長は、公金と芳子という名の愛人を信頼する副官・山下に預け帰国させていたのだ。
ところが、戦後になって帰国したところ、山下が芳子と共に公金を盗み消えていたことが分かる。
これは市長にとって痛恨の出来事だった。

更に笠木は、市長秘書から市長がテレビのニュースを視ていて様子がおかしくなったと聞かされる。
そのニュースには志摩川温泉の様子が映っていた。

先の日記も含めて、「このニュース映像に山下と芳子を見つけたのでは」と推理した笠木。
「観光客の中に居たのでは」と考え、現地へ向かう。

ところが、市長が宿泊した旅館の主人によれば、市長が宿泊したのは単なる偶然らしい。
だとすれば、観光客ではないのか……?
困惑する笠木に主人は、市長が黒崎という釣り人を気にしていたと教える。
もしや、夜釣りに来た黒崎に会いに出かけた為に命を落としたのでは……と推理する笠木だが。

早速、黒崎を調べる笠木だったが、黒崎は東京に向かったと知ることに。
金銭的に余裕が無い筈の黒崎が何故、移動できる費用を得たのか?
しかも、黒崎は鳥目の為に夜釣りが出来ないことも判明。

黒崎が鳥目であることを知らなかった誰かが、彼に容疑が向くよう現金を渡し逃がしたに違いない。
こうなると、深夜の密会も怪しくなる。
当然、市長が捜していた人物は黒崎ではない。
では何故、旅館の主人は市長が黒崎を捜していたなどと嘘を吐いたのか?

悩む笠木の前を、旅館の女将が通り過ぎて行く。
その特徴的な歩き方は弥が上にも目立った。
笠木はその歩き方に覚えが……。

数日後、市会議長のもとに笠木から手紙が届いた。
其処には事の顛末が書かれていた。

市長が宿泊していた旅館の主人が逮捕されたのだ。
彼こそは山下だった。
山下は盗んだ公金で旅館を経営していたのだ。

志摩川温泉のニュースを目にした市長は、急いで現地へ駆け付けた。
旅館の主人が山下であることを確認した市長は山下に芳子を返せと涙ながらに迫った。
市長は公金については触れなかったと言う。
それだけ、芳子を愛していたのだろうか。

困ったのは山下である。
その場は要求に応じたが、後に「こいつさえ居なければ」と悪心を起こし殺害してしまったのだった。

そして、笠木が目撃した特徴的な歩き方をする女将こそ、ニュースに映ったことで市長を呼ぶきっかけを作った当の芳子だったのである。
笠木はニュースでその姿を目にしていたのだ―――エンド。

◆松本清張先生関連過去記事
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「市長死す」を収録した「青春の彷徨―松本清張短編全集〈06〉 (光文社文庫)」です!!
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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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