<あらすじ>
元医師で検事という異色の肩書きを持つ諸橋(稲垣吾郎)。勤めていた会社が倒産しやけ酒を飲んだ結果、突然苦しみ出し、救急車で清稜医科大学病院に搬送される。処置を受けていた諸橋の目に、救急で運び込まれた女性患者の姿がうつる。いきなり大量の血を吐く患者にとまどう新米医師の池谷(山田親太朗)。初めて1人で患者を診るという池谷の横から適切な指示を出し続ける諸橋、ついには諸橋と池谷でオペを開始。諸橋の的確な判断と人並み外れた外科手術の腕により、瀕死の女性患者の命を救った。
池谷の指導医の沖田涼子(木村佳乃)は諸橋に勝手なまねをしないでほしいと訴える。その横から岡本(鈴木浩介)が口をはさみ、腕のいい諸橋をこの病院の医師にと誘う。諸橋は大学病院の窮屈さに一瞬迷うも、待遇の良さに加え看護師が粒ぞろい、との岡本の話に即、病院入りを了解する。
勤務初日から、病院内にうずまくさまざまな人間関係を目にする諸橋。折しも次期教授を決定する選挙が控えており、最も有力視されている沖田を始め、竹原(袴田吉彦)、大西(神尾佑)は選挙勝利に向け必死だ。しかも沖田は心臓外科の教授である一ノ瀬教授(大和田獏)に目をかけられていた。
諸橋は看護師たちから、一カ月前病院に入院した人気アイドル長峰葵が治療中に容態急変、死亡し、医療ミスを疑う声が上がったということを耳にする。担当医は沖田。しかも沖田の担当患者がこの半年間で4人もオペ中に危険な状態に陥ったという。
実は、諸橋はこの医療ミスの真相を突き止めるため清稜医科大学病院へ潜入し、捜査をしていたのだった。一級検事の奈良(松方弘樹)を中心に諸橋や森下椿(吹石一恵)らは医療ミス真相解明のために構成された特別チームの一員。当直医に面接を受けさせてもらえるよう取り入るつもりが運び込まれた救急患者のおかげで医師の座をつかんだのだった。諸橋は最近オペ担当からはずされた看護師の仁科恭子(安田美沙子)を尾行し驚くべき事実を突き止める。恭子は妻子ある医師・竹原と男女関係があることから、竹原は恭子を利用して沖田のオペの足を引っ張らせているのではないかと諸橋は疑う。一方、椿は一ノ瀬教授に製薬会社から多額の裏金がわたっていることを突き止める。さらに次々と驚きの事実が明らかになっていくのだった。疑わしき人間ばかりの権力抗争うずまく清稜医科大学病院に諸橋の鋭いメスが入る。
(金曜プレステージ公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
岡本の推薦もあり、清稜医科大学病院に潜り込んだ諸橋。
一ノ瀬教授が製薬会社・岩間製薬の間宮から裏金を受け取っていることを突き止める。
さらに、沖田が長峰葵以外に4人の患者を死なせかけていたことも判明する。
やはり、沖田には問題があるのか?
その頃、清稜医科大学病院院長の孫娘である麻酔医の尾崎も怪しい動きを示していた。
矢先、諸橋は何者かの襲撃を受ける。
幸い軽傷で済んだ諸橋だったが、病院の闇の深さを確信するのだった。
看護師の明日香の母が体調を崩していた。
池谷は想いを寄せる明日香の為に、入院を勧める。
一方、最近、大西が手術を避けていることに気付いた諸橋は調査を続行。
地下倉庫に隠されていた長峰葵のカルテを発見する。
しかし、そこには特に不審な点は見られなかった……。
だが、諸橋は水沼という別の患者のカルテをそこで見つけるのだった。
水沼に興味を持った諸橋。
水沼に事情を尋ねたところ、水沼の手術を執刀医の大西が直前に交代していたとの証言を得られる。
その手術の日は、奇しくも長峰葵の手術の翌日だった。
しかも、水沼の証言により、同じ日に沖田が手に怪我をしていたことが分かる。
沖田が手に怪我をしていたとしたら、長峰葵の手術をしたのは誰なのか?
大西が手術を避けているのは長峰葵の手術ミスへのトラウマからではないかと考えた諸橋は大西に問い質す。
否定する大西だったが、そこへ手術を要する急患が。
早速、執刀する大西だったが、途中でパニックを起こし手術を放棄してしまう。
引き継いだ諸橋により、事無きを得るが……。
大西がパニックを起こしたことで、諸橋の推理は裏付けられた。
長峰葵の手術当日、明日香のミスで沖田が手を負傷した。
そこで、功名心に駆られた大西は沖田の制止を振り切り、執刀に臨んだ。
ところが長峰葵は急変し、死亡したのだ。
では、長峰葵の死は手術ミスではなかったのか?
そこへ現れる一ノ瀬、諸橋にクビを言い渡す。
一ノ瀬は諸橋の過去を調べ上げ、5年前の諸橋による医療ミスを突き止めていた。
それによれば、諸橋は患者を死なせたらしいが……。
だが、諸橋の実力を目の当たりにしていた沖田たちは、諸橋が本当に医療ミスをしたのだろうかと疑問に思う。
当の諸橋は、沖田の担当患者が4人も死にかけたことに注目していた。
何か裏があるのでは……と疑う諸橋。
一方、諸橋の前でパニックに陥ったことが問題となり、大西が休職。
教授レースから脱落する。
同日、明日香の母が体調を崩し、緊急手術の必要に迫られることに。
執刀医は沖田、助手に池谷がつくが……簡単な手術だった筈の明日香の母が急変、そのまま死亡してしまう。
沖田の手術を見ていた諸橋は、沖田には非がないと断言。
医療ミスではなく、何者かによる殺人を疑う。
椿により、死にかけた患者4人の調査結果が報告される。
4人はともに手術直前の1回のみ、抗不整脈薬・エミノールを投与されていた。
エミノールの製造元は一ノ瀬に裏金を渡している岩間製薬だったが……。
諸橋は尾崎に接触、協力を依頼する。
尾崎は病院に蔓延る悪を排除しようと懸命になっていたのだ。
尾崎により、エミノールを一ノ瀬が仕入れていたことが分かる。
エミノールは問題のある薬剤で尾崎は使用中止を提言したらしい。
これに沖田も同意し、最終的に一ノ瀬も認めたということらしいが……。
尾崎はエミノールは既に排除されたと主張するが、諸橋は長峰葵と明日香の母の死にエミノールが使用された可能性を疑う。
尾崎の協力のもと、薬品庫をチェックすることに。
ところが、薬品庫は電子キーにより管理されており、中の薬品にはエミノールは存在しなかった。
諸橋の推理は間違っていたのか?
その夜、「粗悪なエミノールが何故、認可されているのか」と治験データの偽装を疑う椿。
椿から偽装の可能性を聞かされた諸橋は、薬のすり替えに気付く。
薬品庫は電子キーで管理されている、そこでの交換は難しい。
そこで、手術の直前に通常の薬剤とエミノールとをすり替え、ラベルを貼り替えたのではないか。
このように通常の薬剤に偽装されたエミノールを実際の手術に使用した為に、急変が起こったと推理したのだ。
すべては沖田を陥れようとする者の仕業に違いない。
沖田の周辺を調べた椿は、入院患者の1人・恵美子という女子児童の父親と沖田が接触している姿を目撃する。
実は、恵美子は沖田の娘だった。
椿は沖田に、5年前の諸橋の真相を伝える。
5年前の諸橋の医療ミスは、別の医者が犯した医療ミスの責任を負わされた為だった。
この苦い経験を経て、諸橋は医療事件を追うようになったのだ。
諸橋は今回の犯人はエミノールの危険性を知っており、自由に手に入れられる立場の人物であると推測。
エミノールの開発チームを疑う。
当時、エミノール開発責任者だった水谷を訪ねる諸橋。
諸橋は水谷に、何故、エミノールが認可を受けられたのかと疑問をぶつける。
だが、水谷はあくまで治験データの偽装を認めない。
そんな水谷にエミノールにより2人も死者が出ていることを訴える諸橋。
この説得に折れた水谷は、ある写真を持ち出して来る。
水谷の所持していた開発チームの写真を目にした諸橋は、そこに意外な人物の姿を見つけるのだった……。
翌日、沖田のもとへ新たな急患が運ばれる。
池谷、尾崎らがサポートに就く中、人気のない手術室へと近づく何者かの影。
その人物はエミノールのすり替えを行う。
「あなたでしたか……」その背中に声をかける諸橋。
振り返った人物の正体は、岡本だった。
岡本はエミノールの開発メンバーの1人だったのだ。
岡本はエミノールの適正使用料、副作用対策を実地でデータ収集し継続使用出来るレベルにまで引き上げることを条件に、沖田を排除し教授の地位を譲り受けることを一ノ瀬と間宮に約束させたのだ。
騒ぎを聞きつけ現れた一ノ瀬は諸橋を批難。
「クビにした筈だ、出て行け」と罵声を浴びせる。
罪を認める様子の無い一ノ瀬に、諸橋は検事としての正体を現す。
強制捜査に踏み切ったのだ。
証拠が次々と押収されて行く中、沖田は岡本に「何故、こんなことを?」と尋ねる。
岡本は「数人の犠牲でエミノールが実用化出来るなら必要なことだ」と笑う。
これを聞いた諸橋は激怒。
「医者には最高のモラルが求められるんだ」と怒鳴りつける。
そこへ恵美子の容体が急変したとの報告が。
母として手術を恐れる沖田だが、諸橋は「逃げては駄目だ」と諭す。
沖田の執刀で手術が行われることに。
諸橋のサポートもあり、手術は無事成功。
恵美子が助かったことに安堵した沖田は、笑顔で取り調べに臨む。
だが、結局、岩間製薬はエミノールを一部社員たちの暴走として処理してしまう。
無力感を抱く諸橋は、1つでも多くの悪を除くべく新たな潜入先へと赴くのだった―――エンド。
<感想>
原作は集英社のビジネスジャンプに連載されていた能田茂先生による同名コミック(ただし、コミックスはヤングジャンプコミックスになっている)。
全3巻。
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では、ドラマの感想を。
キャストが超豪華!!
贅沢な作りでした。
内容も特に問題はなく、どちらかと言えばテンプレ的な作り。
設定を除けば、同じく金曜プレステージの「女医・倉石祥子」と幾らかの共通項もありました。
・金曜プレステージ「女医・倉石祥子 〜死の点滴〜患者達の連続死その一滴は地獄への扉白衣の悪魔が描く殺人シナリオ!棄てられた点滴パックと血染めのベッドが語る真相は」(2月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
その設定、検事で医者と言えば、「土曜ワイド劇場」の「朝日奈耀子シリーズ」がありますね。
検事で無ければ、刑事と医者である「金曜プレステージ」の「医療捜査官 財前一二三」もあります。
この系譜にもう1つ「ドクター検事 モロハシ」が加わったと言えるでしょう。
・土曜ワイド劇場「検事・朝日奈耀子(11)医師&検事〜2つの顔を持つ女!死体が歩いてアリバイを崩した!!ひまわりとコスモスの同時開花トリック!?」(11月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・金曜プレステージ「医療捜査官 財前一二三2 遺体解剖後に消された病理医!?4年前の事件が呼び起こす歪んだ愛の殺人連鎖…闇に潰された再捜査が示す悲しい絆と復讐の鬼」(12月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)
是非、続編を希望したく思います。
ただ、本作は2年前に既に撮影終了していた作品だそうです。
となると、続編は難しいのかなぁ……。
なかなか良かったので、シリーズ化希望したい。
<キャスト>
稲垣吾郎
吹石一恵
・
山田親太朗
鈴木浩介
袴田吉彦
神尾 佑
大和田獏
安田美沙子
佐津川愛美
・
宮崎美子
・
美保 純
木村佳乃
松方弘樹 ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)
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エミノールと疑って薬剤管理室のものを調べたら別の抗不整脈で、直前にエミノールにすり替えられていたのでは?と疑ったのだと思います。
コメントありがとうございます!!
管理人の“俺”です(^O^)/。
ご指摘ありがとうございます。
説明不足の点があったので、一部ネタバレあらすじに手を加えました。
エミノールの扱いについてですが、こんな感じだったのかな〜〜〜と思います。
沖田が担当し危険な状態に陥った患者は長峰葵、大塚(明日香の母)を含めて全6人。
そのうち、先の4人はカルテにあった通りエミノールを事前投与。
だが、危険な状態に陥ったので尾崎の提案を受けた沖田が使用中止を一ノ瀬に求める。
エミノール使用中止。
ここで、岡本が暗躍。
長峰葵と大塚に対し、手術直前の手術室にて通常の抗不整脈剤とエミノールをすり替える。
この時にエミノールに通常の抗不整脈剤のラベルを貼った。
こうしてそれと知られず術中にエミノールが使用された為に、長峰葵と大塚は急変、死亡する。
といった流れだと理解しています。
改めて考えると岡本はかなり悪い奴ですね。
劇中で諸橋が激怒していた理由も納得です。