2012年04月04日

水曜ミステリー9「小杉健治サスペンス 偽証法廷〜刑事が越えた一線 奇妙な死体!?妻に迫る連続殺人犯の魔の手!証拠能力ゼロ衝撃の逆転判決!!(信じた友は連続殺人犯!?刑事が踏み越えた許されざる一線!守るべきものは正義か?それとも…)」(4月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「小杉健治サスペンス 偽証法廷〜刑事が越えた一線 奇妙な死体!?妻に迫る連続殺人犯の魔の手!証拠能力ゼロ衝撃の逆転判決!!(信じた友は連続殺人犯!?刑事が踏み越えた許されざる一線!守るべきものは正義か?それとも…)」(4月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

葛飾区内のマンションの一室でOLが絞殺された。現場に駆けつけた葛飾中央署の刑事・大場徳二(寺脇康文)は、すぐに現場の異様な様子に気づく。犯人は殺害後、被害者を仰向けにして髪を整え、着衣を直し、両手をお腹の上で重ねさせていたのだ。大場はベッド脇に龍の彫り物のある古いネックレスが落ちているのを見つけ、とっさにそれをポケットに入れてしまう。そのネックレスに見覚えがあったのだ…。
それは、大場が昔、同郷の幼なじみ・右田克夫(松重豊)にプレゼントしたものだった。暴力団員だった克夫は、大場が警察官になったのを機に連絡を絶ち、姿を消してしまっていたが、去年大場のもとに年賀状を送って来ていた。大場は年賀状に書かれた住所を頼りに、克夫の行方を探し始める。 しかしその矢先、新たな事実が発覚する。今回と同様の手口の殺人事件が、過去に荒川、杉並でも起こっていたのだ。どの事件も被害者の髪の長さは肩までで、ゆるいパーマをかけており、遺体は仰向けにされ、お腹のあたりで手を重ねていた。それらの現場から遺留品は発見されておらず、大場が今回とっさに持ち去ってしまったネックレスが唯一の物証であることも判明する…。
単独捜査を始めた大場は、克雄が杉並で息子の敏勝(三浦貴大)とともに暮らしていたことを突き止める。克夫は去年の秋に敏勝とともに故郷の墓参りに行き、墓地のそばの山中に敏勝とともに消えたのを最後に、行方が途絶えてしまっていた…。その後、山中からは敏勝が一人だけで戻ってきたが、その際、克夫のネックレスを身につけていたという。一連の犯行は克夫ではなく息子の敏勝によるもので、克夫もすでに敏勝に殺されてしまったのではないか…?大場はそう直感する。
やがて大場は、ネックレスの内側に敏勝の母親・千春の顔写真が貼られているのを見つける。その写真は、かつて大場の就職を祝って、大場と克夫、克夫の妻・千春の3人で撮ったもので、大場も同じものを持っていた。自分が持っている写真を見返した大場は、千春が被害者たちと同じ髪型をしており、お腹のあたりで手を組んで写っていることに気づく。
大場が敏勝の存在にたどり着いた頃、合同捜査本部も敏勝の存在にたどり着いていた。しかし、任意の事情聴取では敏勝を追い詰めることができず、捜査陣は敏勝の異常性に気づきながらも、なす術をなくしていた。そこで大場は、敏勝を秘密裏に呼び出し、自首するよう迫る。しかし敏勝は、不法に現場から持ち出されたネックレスに証拠能力がないことを熟知しており、一連の犯行が自分の手によるものであることをほのめかしつつも、大場を挑発して去って行ってしまう。自らの行動によって唯一の物証を潰してしまい、追い詰められた大場。ところがそんな折、再び同様の手口で新たな殺人事件が発生し…。
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

敏勝が克夫を殺害したと考えた大場は、敏勝を喫茶店に呼び出し問い詰める。
克夫とこれまでの被害者たちの殺害を仄めかす敏勝。
絶望した大場は、敏勝の吸っていた煙草を回収する。

直後、タンポポというクラブに勤める三石真里菜がこれまでと同様の手口で殺害される。
敏勝の犯行を疑った大場は敏勝を逮捕させるべく、銀のネックレスを室内に、煙草を隣の公園に置いて来る。
大場は証拠を捏造したのだ。

この証拠により、敏勝は逮捕された。
だが、連行される直前に敏勝は「俺じゃない」と笑うのだった……。

三石真里菜殺害が敏勝の犯行であるとの確信が揺らぎ始めた大場。
タンポポのママと三石が争っていたことが判明。
ママの内縁の夫と三石が男女の仲になったのが原因らしい。

一方、敏勝は大場が証拠を偽造したと担当弁護士の万城目に直訴していた……。

三石真里菜殺害容疑で敏勝は被告人として裁判にかけられる。
敏勝の担当弁護士・万城目は大場の捏造を主張。

こうして、大場の行為は明るみに出るかと思われた。
大場はすべてを打ち明けるが、管理官は大場に組織を守る為と偽証を強いる。
組織に失望する大場。

敏勝を守るべく万城目は大場の良心を責める作戦に出る。
しかし、大場は動じない。

さらに、「敏勝と共に居る大場を見た」との喫茶店のマスター・狭山の証言まで飛び出すが……。
ところが、マスターは直前で証言を翻してしまう。
息子の過去を洗い出され、圧力をかけられたのだ。

一方、万城目の妻から差し入れの腹巻を貰った敏勝は隠していた本性を露わにする。
万城目は敏勝を守ることに不安を覚え始めるが……。
さらに「理想は大場だ」と謎の言葉を口にする敏勝。

悩んだ末、万城目は大場に相談を持ちかける。
大場は「(翌日の法廷で)偽証しないので、容赦なく責めてくれ」と伝える。
そんな大場に「敏勝が妻に興味を持ったかもしれない」と洩らす万城目。

翌日、大場が証人として法廷に立つ。
大場は自身の捏造を認めようとするが、万城目がそれを制する。
万城目は妻を守るべく、敏勝の弁護を放棄したのだ。
戸惑う大場。

これを受けて、敏勝は大場の捏造への告発を取り下げる。
今度は、一連の犯行が姿を消した克夫によるものだと主張し始める。
憤りを覚える大場だが……敏勝は克夫の犯行であると譲らない。

矢先、タンポポのママが三石真里菜殺害で逮捕される。
真里菜殺害はママの犯行だったのだ。
このままでは、法廷を維持できない。

進退窮した大場は、自身を証拠捏造で訴えることで敏勝の罪を暴こうと考えるが、管理官たちに否定される。
管理官たちは、煙草はたまたま、銀のネックレスは真里菜が拾ったことにする。

これにより、敏勝は無罪になった。
ここぞとばかりに敏勝は万城目の妻に接近し始めるが……。

敏勝の罪を告発したい大場は、自身の証拠捏造についてマスコミへのリークをも考え始める。

そこへ、新谷から連絡が入る。
万城目から妻を守って欲しいとの要請が出たのだ。

万城目によれば、敏勝が克夫殺害を認め、埋めた場所まで明かしたと言う。
さらに、次なるターゲットして万城目の妻を仄めかしたらしい。

こうして警護に就く大場だったが、ふと何かに思い当たる。

その頃、大場の妻・久美子に迫る影があった。
そう、敏勝の真の狙いは久美子だったのだ。
慌てて帰宅した大場だったが、久美子の姿はそこから消えていた……。

故郷に戻った大場は、逃げ場のない鉄橋の上で遂に敏勝と対決する。
久美子の安否を気に掛ける大場に、敏勝は「大場が父親だったなら良かった」と語る。

敏勝は失踪した母親に似た女性を見かけると尾行するようになっていた。
だが、その女性に理想と1点でも異なる箇所があれば、否定するべく容赦なく殺害した。
そんなある日、大場に助けを求めようとその自宅を訪ねたところ、久美子を見かけた。
敏勝は「この女性こそ母親だ」と思った……。
そして昨晩、久美子を襲撃したのだ。

久美子が殺害された―――そう考えた大場。
敏勝は大場の手による死を望む。
敏勝の首に手を回す大場……だが、どうしても出来ない。

「俺はお前の親父じゃない、久美子もお前の母親じゃない」
涙ながらに告げると刑事として敏勝を逮捕する。

そんな大場に敏勝は銀のネックレスを差し出す。
一昨年の秋だったという―――克夫が敏勝を連れ旅行に出た。
克夫は敏勝に自首させるつもりだった。
そのとき、敏勝は自首しても良いと思っていた。
だが、敏勝から「親としてけじめをつける」との言葉を聞いた途端、何かが爆発し抑えが効かなくなったらしい。
掴みかかった敏勝、揉み合ううちに克夫は銀のネックレスを落とした。
それを拾おうとした克夫の頭部を敏勝が石で殴りつけたのだ。

克夫の遺体遺棄現場を教える敏勝。
其処には久美子が居た。
敏勝から遺棄現場を教えられ、克夫を弔っていたらしい。
大場は克夫の死を悼む。

敏勝は3人の女性と克夫殺害で死刑となった。
大場は証拠捏造の罪で1年3ヶ月を求刑された。

そして、大場は久美子と共に故郷に戻った―――エンド。

<感想>

原作は、小杉健治先生『偽証法廷』(双葉社刊)。

<あらすじ>

妻子ある男とつきあっていたOLが殺された。中学時代に殺人を犯したほか、多くの犯罪を重ねてきた右田という男に容疑が向けられた。右田の竹馬の友である刑事の大場は、さまざまな思いを秘め捜査にあたるが…。
殺人現場に残された銀のロケット。犯人を特定しうる唯一決定的な物証になるとは知らず、大場刑事はそれを咄嗟に隠匿してしまった。もはや法廷での証拠能力はない。逮捕を免れた犯人は平然と犯行を繰り返してゆく。窮地に陥った大場の耳に、妖しい悪魔の囁きが…。
(アマゾンさん公式HPより)


では、ドラマ感想を。

敏勝は幼くして失った母親の愛情に飢えていたのでしょうね。
だから、母を失う原因を作った(と、敏勝が考えた)父を憎んだ。
とはいえ、父を憎み切れるワケもなく葛藤し、結果、愛憎半ばすることとなった。
この二律背反する想いは日を重ねるごとに屈折し、遂には女性に母の面影を追い求めることとなった。
そして、受け容れられることがないと分かると否定した。

あくまで、母性を求め彷徨った敏勝は最終的に久美子にそれを求めた。
そして、久美子が疑似的にではあるがそれを満たしたことで満足し、大場との対峙を経て、克夫を父であると認めることが出来た。
敏勝の中で父性と母性が満たされたゆえに、人として罪を認めることが出来た。

といったお話だったのではないでしょうか。
「水曜ミステリー9」では、かなり重厚な物語だったように思います。
大場の人間としての強さと弱さも表現出来ていたように思えます。

昨日の『市長死す』も良かったですが、今日の『偽証法廷』も良かった。
いい2時間ドラマを視ることが出来ました。

高評価です!!

<キャスト>

大場徳二:寺脇康文
大場久美子:藤谷美紀
右田敏勝:三浦貴大
新谷潤一郎:嶋田久作
関井警部補:田中要次
万城目邦彦:眞島秀和
阿部管理官:東根作寿英
佐山寛:山中聡
右田克夫:松重豊 ほか
(公式HPより転載、順不同、敬称略)


「偽証法廷 (双葉文庫)」です!!
偽証法廷 (双葉文庫)





同名タイトル作品はこちら。
赤カブ検事シリーズで知られる和久峻三先生の「偽証法廷 (光文社文庫)」です!!
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