<あらすじ>
玲子(竹内結子)は発見された胴体が、高岡を名乗っていた内藤(石黒賢)ではなく戸部(池田鉄洋)だと確信するが、橋爪(渡辺いっけい)から手首と同一人物だというDNA鑑定の結果を突き付けられる。また、耕介(浜田岳)も高岡に間違いないと証言。橋爪は捜査員に全力を挙げて戸部の行方を追うよう命じる。
多摩川で遺体の一部である胴体が発見され、DNAが高岡(石黒賢)の左手首のものと一致。しかし、玲子(竹内結子)は胴体が高岡のものではなく、ある人物のものだと推測するが、橋爪(渡辺いっけい)に「なぜ胴体のDNAが左手首のものと一致したのか」と詰め寄られる。高岡が実の息子のように面倒を見ていた三島(浜田岳)も、発見された胴体が高岡のものだと断言する。玲子は、監察医の国奥(津川雅彦)から、胴体と左手首のDNAが一致した原因を教えてもらい、苦しみながらも事件の真相に近づいていく。
(@nifty tv番組表より)
では、続きから(一部、重複アリ)……
13年前、高岡は三島の父の死に立ち会っていた。
彼は息子のことを気にかけながら、空を舞った―――。
「あの子の柔らかい頬だけは殴れませんでした……」
その最後の言葉は高岡の心に強く残った……。
現在。
玲子は、高岡とされる胴体に内藤ならばなければならない13年前の交通事故の手術痕が無いことに注目。
胴体が高岡を名乗っていた内藤ではなく、戸部であると推理する。
だが、この推理には「胴体と高岡の左腕のDNAが合致した」との大きな欠点があった……。
そんな中、三島も胴体を高岡のものと断定してしまう。
「おやっさんと親子同然の間柄の俺が間違う筈がない」と主張する三島。
玲子の推理は誤っていたのか?
「親子ってのは重い言葉だな」
三島による高岡の遺体確認に立ち会った日下はそう感想を洩らす。
この話を聞いた玲子は、13年前に自分が暴漢に襲われた際に父が包丁を手に苦しんでいたことを思い出すのだった……。
過去、三島は高岡が自分の父の保険金詐欺に関わっていることを知った。
そこで、高岡は戸部による保険金詐欺のカラクリを三島に教えた。
三島は戸部が今も詐欺を行っていると知ると、その被害者である美智子を訪ねた。
現在、玲子は偽高岡の左腕のDNAと戸部の胴体の謎に頭を悩ませていた。
絶対に何かトリックがあるに違いないのだ!!
餅は餅屋、専門家である国奥を頼った玲子は彼から耳寄りな情報を得る。
高岡は自身の切断した左腕を戸部の血液に浸すことで、左腕を戸部のDNAでコーティングした可能性があったのだ。
これならば、左腕の切断面の表皮を採取して鑑定する限り、DNAは戸部のものとなる。
さらに、国奥は胴体の写真を見るや感電死であると断定する。
そういえば、高岡工務店には電気工具があった……。
一方、日下は戸部の愛人・小林実夏子から、戸部が遺体の胴体と同じく胆嚢の手術を行ったとの情報を得る。
確認をとったところ、小林は胴体が戸部のものであると認める。
その頃、菊田は美智子を見張っていた。
三島の行動すべてが美智子を守ることに起因していると感じていたからだ。
玲子はそんな菊田の勘を支持、美智子を訪ねる。
捜査本部では、勝俣が葉山に接触し精神的な揺さぶりをかけていた。
「お前は菊田が居る限り、姫川班では1番になれないんだよ」
続けて、葉山のトラウマである中学時代の家庭教師刺殺事件を持ち出す勝俣。
「その家庭教師の名も“玲子”だったんだってな」勝俣の言葉に葉山は色を失う。
同じ頃、玲子は13年前に自身が受けた暴虐の経験を美智子に伝え、勇気を持って告白を促す。
だが、美智子は戸部に繰り返し虐げられた記憶を思い起こし泣き叫ぶ。
「あなたは悪くない」半狂乱の美智子を抱き締め励ます玲子。
戸部は美智子の父を借金返済の為に自殺に追い込んだ。
それを事故死として処理し、保険金で返済させたのだ。
全額返済は出来たものの、当座の生活費や学資には至らなかった。
戸部は美智子へ援助を餌に、身体の関係を求めた。
追い詰められ強制的に身体を奪われた美智子。
だが、それは1度では終わらなかった……。
戸部の求めは執拗に続いた。
悪夢にうなされる美智子の目の前に、三島が現れた。
三島は美智子の父の死が事故ではなく自殺であること、それが戸部の差し金であることを教えた。
これがきっかけで2人は交際を始めたのだ。
国奥の再鑑定により、左腕と胴体が別人であると判明。
さらに、日下の捜査により胴体が戸部のものと断定される。
こうして、加害者が高岡こと内藤、被害者が戸部と判明したのだ。
「三島が偽証した」と憤る橋爪だったが、日下は「動揺のあまり見間違えたのでしょう」と三島を庇う。
玲子は、今回の事件が高岡こと内藤の父性に起因すると断定。
次のような推理を展開する。
事件が発生した当日。
懲りずに美智子を求めに現れた戸部。
三島は美智子を守るべく戸部と対決。
嘲笑う戸部に怒りを覚えた三島は彼を殴りつけてしまう。
殴られた戸部は高岡工務店へと向かう。
戸部の口から事態を把握した高岡は、三島と美智子の未来を戸部に奪われてしまうと危機感を抱き感電させ殺害した。
殺害後、戸部の遺体をバラバラにすると、自身の左腕をも切断した。
自身の左腕を戸部の血液に浸し、戸部のDNAにコーティングされた高岡の左腕を完成させるとこれを河川敷に残したに違いない。
日下は推測が多いと批判しつつも、玲子の推理を支持。
三島の聴取への同席も認める。
その夜、久しぶりに実家へ帰宅した玲子は父と向き合う。
殺したい人間が居た―――と13年前の気持ちを打ち明けた玲子は、続けて「私の代わりに何度も何度もお父さんが殺してくれた……だから、私は踏み止まれた」と感謝する。
玲子の父は深夜、包丁を手に復讐したい気持ちと必死に何度も何度も戦い続けていたのだ。
その脳裏では、娘を傷付けた憎い仇を繰り返し殺害していたに違いない。
そして、それは母もまた―――。
長い長い夜が明け、三島への聴取が開始。
三島は戸部殺害は自身の犯行だと主張。
だが、日下はその主張を否定。
高岡が内藤であること、これまでの高岡の人生を伝える。
高岡の行動を知った三島は「そんなことしなくても良かったのに」と悲嘆に暮れる。
高岡の居所を尋ねる日下だが、三島も心当たりはないと言う。
高岡の安否を気に掛ける三島。
左腕を切断した後、激しい運動をしたのでその命は危険に曝されている。
おそらく、殆ど動けなくなっているに違いない。
日下と三島のやりとりを聞いた玲子は、ある光景を思い出す。
あれは、確か……。
「あたし、会ってる!!」
左腕の発見現場である多摩川河川敷、その中州にあるビニールハウスへと向かう玲子。
そこは事件発生初日に玲子が井岡と共に目撃証言を求めて聴取を行った人物が居た場所である。
急ぐ玲子の傍らには三島と日下の姿もあった。
ビニールハウスの中に居たのは……激しく動いた為に失血死し冷たくなった高岡だった。
高岡の遺体に泣き縋る三島。
その夕方、退院することとなった母へと、玲子は会いにやって来た。
「私はもう大丈夫」これまで距離感を測りかねていた母を力強く抱き締める玲子。
母は喜びの涙を流す。
その晩、日下と共に居残る玲子。
日下への不快感を隠さない玲子だったが、当の日下の携帯に呼び出しが……。
どうやら、日下の息子がイジメに耐え兼ね事件を起こしたらしい。
「急いで家に帰らねば」と語る日下。
今まで見せなかった日下の意外な一面を目にし、呆気にとられる玲子。
その頃、葉山に再度接近する勝俣。
何やら企んでいるようで……。
そうとは知らない玲子は菊田と共に食事を―――最終話(11話)了。
<感想>
前中後編となった「ソウルケイジ」の後編。
原作は長編『ソウルケイジ』。
・原作『ソウルケイジ』ネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「ソウルケイジ」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・ドラマ前編はこちら。
連続ドラマ「ストロベリーナイト」第9話「ソウルケイジ(前編)」(3月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・ドラマ中編はこちら。
連続ドラマ「ストロベリーナイト」第10話「檻に閉じ込められた親子〜ソウルケイジ(中編)」(3月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
では、感想を。
と、その前にまず、驚きの情報から。
ドラマ放送終了直後に「映画化情報」が告知されました。
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」映画化決定!!
噂は事実だったワケです。
まだまだ、「ストロベリーナイト」の世界は広がりを見せそうですね。
しかし、映画版はどの原作を活かすのでしょうか。
『インビジブルレイン』、それとも『ブルーマーダー』?
・シリーズ4作目「インビジブルレイン」はこちら。
「インビジブルレイン」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『ブルーマーダー 第3回』(誉田哲也著、光文社刊『小説宝石』連載中)ネタバレ書評(レビュー)
『ブルーマーダー』は姫川班解散後なので『インビジブルレイン』が無ければ難しいだろうし。
かと言って『インビジブルレイン』はラストで解散しちゃうことになるし。
ひょっとして、残された短編?それともオリジナルストーリー?それとも映画書き下ろし?
ラストで勝俣が葉山に引き抜きをかけているところを見ると『感染遊戯』っぽくもあるのですが。
・シリーズスピンオフ作品「感染遊戯」です。
「感染遊戯」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
気になる、気になる〜〜〜。
詳細が気になる〜〜〜。
おおっと、最終回の感想がまだでしたね。
最終回ですが、見事に伏線を回収していました。
文句なしです。
テーマも『親と子の愛情』に終始し、上手くまとめられていました。
満足です。
ラストも完全に続編へ向けての布石といった感じだったのも良し。
今後の焦点は勝俣の葉山引き抜きになるのでしょうか。
ちなみにタイトルである「ソウルケイジ」。
直訳した「魂の檻」との意味の他に、「刑事魂(ケイジダマシイ=ケイジソウル=ソウルケイジ)」という意味もあるらしい。
では、ここからは「姫川玲子シリーズ」についての情報をつらつら。
まず、原作について。
『小説宝石』(光文社刊)では、姫川班解散後を描いた姫川玲子シリーズ最新作『ブルーマーダー』が連載中。
第3回では、謎の男・マサ登場に、菊田の結婚疑惑浮上と目が離せません。
果たして、菊田は玲子以外の女性と本当に結婚してしまったのか?
注目です!!
そして、いよいよ明らかになった映画版にも注目です!!
◆関連過去記事
【姫川玲子シリーズ】
・シリーズ1作目「ストロベリーナイト」はこちら。
「ストロベリーナイト」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ2作目「ソウルケイジ」はこちら。
「ソウルケイジ」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ3作目、短編集「シンメトリー」はこちら。
「シンメトリー」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズ4作目「インビジブルレイン」はこちら。
「インビジブルレイン」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・シリーズスピンオフ作品「感染遊戯」です。
「感染遊戯」(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『アンダーカヴァー(「宝石 ザ ミステリー」掲載)』(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『女の敵』(誉田哲也著、宝島社刊『誉田哲也 All Works』収録)ネタバレ書評(レビュー)
・『ブルーマーダー 第3回』(誉田哲也著、光文社刊『小説宝石』連載中)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ版】
・土曜プレミアム ストロベリーナイト「大ベストセラー小説初ドラマ化!!連続猟奇殺人事件のカギを握る感染死体…真相に迫る孤高の女刑事悲しみの過去と驚愕の結末!!」(11月13日)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第1話「シンメトリー」(1月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第2話「右では殴らない(前編)」(1月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第3話「右では殴らない(後編)」(1月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第4話「過ぎた正義(前編)」(1月31日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第5話「選ばれた殺意の径〜過ぎた正義(後編)」(2月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第6話「感染遊戯」(2月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第7話「悪しき実(前編)」(2月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第8話「悪しき実〜嗚咽(後編)」(2月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第9話「ソウルケイジ(前編)」(3月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・連続ドラマ「ストロベリーナイト」第10話「檻に閉じ込められた親子〜ソウルケイジ(中編)」(3月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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え、映画化ですか!?意表をついて姫川シリーズでない原作の可能性もありそうですが。「国境事変」なんかどうてしょうか?(尤も映画化そのものが意表をついていますが)
そしていよいよ「相棒」の方も最終回ですが、神戸まさかの「悪を暴く側から悪を暴かれる側への転落」なんてありえそうですね。
と言うかいっそのこと神戸逮捕で締めくくっても宜しいと思いますが。
あの後、物語を読むようにこちらのブログを拝見させていただいてます。いつも感じるのですが、的確な内容と感想、読ませていただいてるこっちも「ふんふん」と納得させられます。
「ストロベリーナイト」映画化との事、楽しみです(*^o^*)
またちょこ×Aのぞかせていただきます。
ありがとうございました。
こちらこそ、お久しぶりです!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
以前「相棒」でコメント頂いたので1カ月ぶりですね。
映画化は以前から噂されていましたが、驚きました。
ドラマ版「ストロベリーナイト」は2011年時点で撮影終了していたので、その時点で映画化が決まっていたことになりますね。
そして、映画化されるタイトルによっては傑作の予感がします。
中でも『国境事変』だったら確かに意表を突かれそうです。
「相棒シーズン10」の最終回視聴しました。
確かに神戸が思わぬ行動をとりましたね。
あれには驚きました。
そして、かなり良いラストでしたよ。
「シーズン11」にも期待できそうです!!
お久しぶりです。
管理人の“俺”です(^O^)/!!
褒めて頂けると嬉しいです。
ブログを続ける励みになります!!
映画化については以前から噂されていましたが、最終回に告知されるとは驚きました。
ドラマ版「ストロベリーナイト」は2011年時点で撮影終了していたので、その時点で映画化が決まっていたことになりますね。
そして、映画化されるタイトルによっては傑作の予感がします。
超期待!!
映画化も追って行きたいと思っているので、また是非遊びに来てください(^O^)/!!