ネタバレあります、注意!!
<感想>
2012年4月5日、12日、19日の3号に渡り「週刊モーニング」誌上で掲載されたコミック作品です。
原作は島田荘司先生の同名作品。
これを原点火先生の作画でコミカライズ。
なお、本作『糸ノコとジグザグ』は既にドラマ化もされており、その際のタイトルは「たったひとりのあなたのために」だった。
では、感想を。
原作が原作だけに文字数の多いコミックになってましたね。
それと、構成上3回目に伏線が集中し過ぎていたようにも思います。
でも、面白かった。
ネット上では、御手洗潔が公式にビジュアル化されたことで、一部に不満を抱かれている方もいらっしゃるようです。
ただ、管理人としては初期御手洗こそイメージが違うものの、透明感と迫力のある御手洗だったのでアリかなと思います。
是非、続きを読みたい。
そんな「名探偵・御手洗潔シリーズ第1弾 糸ノコとジグザグ」。
第1弾との文字が示す通り、第2弾もある様子。
なんでも、2012年夏頃を予定しているとか。
次はどの作品がコミカライズされるのか楽しみですね。
ちなみに、原作『糸ノコとジグザグ』に興味のある方は『毒を売る女』(光文社刊)、『島田荘司 very best 10 Reader's Selection/Author's Selection』(講談社刊)、『マイ・ベスト・ミステリー〈3〉』(文藝春秋社刊)に収録されているそうなので、ご覧ください(『マイ・ベスト・ミステリー3』については、管理人未確認なので注意!!)。
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<ネタバレあらすじ>
現在、ジャズバー「糸ノコとジグザグ」。
客が寛ぐ中で、演説をぶつ男の姿があった。
男の顔ははっきりと見えない。
男の演説を迷惑がる客の1人は、マスターに男が此処で演説を続ける理由を尋ねる。
小さく笑うとマスターは事情を語り始めた―――。
数年前―――とあるラジオ局、その人気番組の生放送中、DJ・林のもとに奇妙な詩を読み上げる電話がかかって来た。
意味も分からず、そのままコーナーは進行しようとしていたが……。
このラジオを聞いていた名探偵・御手洗潔から「あれは自殺を仄めかすものだ」との指摘電話がかかって来る。
このやり取りは電波に乗ってリスナーに届き、ネット上は大騒ぎに。
DJ林は自殺を予告している詩人を止めるべく、リスナーから情報を求める。
ツイッターや掲示板の書き込みなどで反響が広がり、林のもとには次々と詩人についての情報が飛び込んで来る。
さらに、詩人の読み上げた詩を解読する電話も飛び込み、少しずつではあるが詩人の居場所に迫って行く。
だが、御手洗は呟く。
「このままでは間に合わない」―――と。
遂に収録スタジオを飛び出したDJ林。
バイクを駆り、夜の闇をあてどもなく彷徨う。
しかし、具体的な地名も上がらない以上、これで見つかる筈がない。
残す謎は「屈斜路湖」の場所のみ。
詩人はそこで死のうとしているのだ。
リスナーの情報で、詩人が糸井という男性と判明。
彼は地図を眺めることを趣味としていたらしい。
そこへ再び、御手洗から電話が。
御手洗は糸井の居場所を「中目黒公園にある池」と指摘し、林に向かうよう促す。
タイムリミットはあと少し。
果たして林は間に合うのか?
リスナーたちの協力で中目黒公園に飛び込んだ林は、池に沈み込んだ男性を発見する―――糸井だ!!
糸井を保護した林。
どうやら、糸井は命を取り留めそうだ。
ほっと一息ついた林の目の前に、見知らぬ男が現れる。
彼こそ、名探偵・御手洗潔である。
林は何故、御手洗が中目黒だと分かったか尋ねる。
御手洗の答えは簡潔だった。
糸井の趣味は地図を眺めること。
詩の「北海道」とは、地図で「北海道」に似た形をしている「中目黒」を指していた。
そして、「北海道」における「屈斜路湖」の位置が「中目黒」における「中目黒公園」だったのである。
こうして事件は終わりを告げた。
林は今もご存じの通り大活躍している。
マスターの長い長い物語が終わった。
客はこの時、気付いた。
結局、演説をぶつ男の正体が定かではないことに。
マスターははにかみながら答える。
「実は、私がその糸井なんですよ。でね、彼が……彼こそが……」
演説をぶっていた男が振り返る、その顔は……あの公園で林の前に現れた男と重なる。
「彼こそが、名探偵・御手洗潔さんですよ」
呆気にとられる客だが、もう1つだけ疑問が残っていた。
「そういえば、何で此処はジャズなの?」
ああ……とマスター。
「糸ノコとジグザグだからですよ」
「糸ノコとジグザグ(Jigsaw And ZigZag)」。
その略称はJAZZである―――エンド。
◆関連過去記事
・「探偵Xからの挑戦状!夏休み・島田荘司スペシャル『ゴーグル男の怪』(島田荘司著)真夏のミステリーSP夜霧の街に現れた恐怖の殺人鬼・犯人は誰か謎を解くのはあなた!!」本放送(8月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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