<あらすじ>
主人公・百瀬太郎(吉岡秀隆)は頭脳明晰ながら、なぜか“ペット絡み”の案件を依頼されることが多く、『猫弁』というあだ名で呼ばれている天才弁護士。心優しき百瀬は、哀れな事情を抱えた猫を見つけると放っておけず、彼の弁護士事務所では11匹の猫たちが暮らしている。
幼い頃に母親と別れた百瀬は、「家庭を持ちたい」と強く願っているのだが、結婚相談所職員・大福亜子(杏)のもと見合いを繰り返すも、残念ながら現在30連敗中。そんなある日、百瀬は靴磨きの老女(渡辺美佐子)に声をかけられ、片方の靴だけを磨いてもらった―――。
とある葬儀場で、大手靴メーカーの会長の葬儀が静粛に営まれていた。会長の息子で、喪主でもある大河内進(岩松了)の挨拶が終わったその時、事件が発生!なんと、棺を乗せた霊柩車が、運転手を残して走り出したのだ。まさかの“霊柩車ジャック”に、葬儀場は騒然となり…!?
後日、百瀬のもとへ、この事件を解決して欲しいという依頼が舞い込んだ。遺族には、どうやら警察に通報できない事情があるようだ。依頼主である進は、死体に1540万円の身代金を支払えという電話があったこと打ち明け、秘かに事件を解決してもらいたいと百瀬に懇願。百瀬は少ない情報をもとに、犯人を推理するのだが――!?
(公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
7歳で母親から施設に預けられ育った百瀬太郎。
「困ったときは空を見上げなさい……前頭葉に空気を送れば良いアイデアが思いつくから」
そう言い残し姿を消した母は太郎にとって忘れらない存在だった。
そして、現在。
当の太郎はホテルにて人を待っていた。
そこへやって来たのは1人の女性―――。
その帰り道、靴磨きの女性に声をかけられた太郎。
「あんた頭と心がアンバランスだね」と告げられる。
「頭は良いが、ハートが弱い」とのことらしい。
数時間後、ナイス結婚相談所。
太郎は肩を竦めて、目の前の人物の罵声を浴びていた。
相手は大福亜子。
太郎担当のコーディネーターである。
どうやら、ホテルで出会った女性は亜子がお膳立てしたお見合い相手らしい。
ところが、あっさりと断られていた……。
あからさまに溜息までつく亜子に、太郎は戦々恐々。
その頃、シンデレラシューズの葬儀会場である騒動が起こっていた。
会長の遺体を乗せた霊柩車が何者かに盗まれたのだ……。
会長に恩義を感じる靴職人・桜井は泣き叫ぶ。
社長の大河内は顧問弁護士であるウェルカムオフィスの波多野を頼るが、彼は拒否。
代わりとして太郎を紹介する。
実は、太郎は元ウェルカムオフィスのスタッフ。
だが、世田谷猫屋敷事件に関連してオフィスを追われていた。
動物専門の案件は儲からないことが原因だったらしい。
「遺体の誘拐犯と交渉して欲しい」
こうして、太郎は大河内から奇妙な依頼を受けることに。
一方、亜子は次なる太郎の見合い相手の選定に勤しんでいた。
太郎が何故、弁護士になったのか理由を問う亜子。
「弁護士になれば巡り巡って母を助けることが出来る」と考えたことが理由らしいが……。
その夜、太郎は捨てられていた子猫・チビを保護する。
翌日、大河内に呼び出された太郎。
霊柩車が返却されたらしい。
そこには「身代金の額を1億にする」と記されたメモが残されていた。
当初の要求額1540万から一息に跳ね上がっている。
太郎はこれまでの犯人像と乖離した行動から誰かが入れ知恵したと推理する。
実は、もともとシンデレラシューズ会長の死体は存在していなかった。
犯人は遺体が存在しないことを知りつつ、身代金を脅迫している。
つまり、「遺体が存在しなかったこと」に対し、口止め料を要求しているのだ。
夜、自宅に戻った太郎だが、チビの姿が無い。
慌てる太郎の前に大家が。
大家から規約違反を責められた太郎はチビの里親探しを迫られる。
チビにテヌーと名付けた太郎は知人の獣医に里親探しを依頼することに。
翌日、太郎は31戦目のお見合いに挑んでいた。
今回の仕掛人は、亜子に代わりその後輩。
15連敗中の一色とのデートをセッティングする。
太郎は猫を連れて行った上に遅刻するなどミスを連発。
だが、一色は太郎を気に入ったらしく次のステップに進む。
何故か、亜子は苦い顔を見せるが……。
一方、太郎はシンデレラシューズ会長である大河内の母・美智代が実は生きていることを知る。
経営方針の違いから意見が対立し、美智代が家を出たらしい。
大量生産を至上命題とする息子。
品質本位を至上命題とする母。
これでは意見が対立するのも当たり前である。
これを聞いた太郎、返却された霊柩車に残された遺留品から犯人を絞り込んでいく上である仮説を立てる。
直後、誘拐犯から大河内に取引について連絡が入る。
取引場所はセントラルマークホテル。
其処は大河内の社長室から丸見えの場所だった。
太郎は犯人グループと交渉すべく指定された場所に赴く。
遺体の顔を確認するよう要求する犯人。
それに応じた太郎は、横たわる女性を見て仮説が正しかったことに気付く。
そこに横たわっていたのは靴磨きの女性だった……。
此処で事件発生当夜に戻る。
行きがかり上、霊柩車を盗んだ犯人たち。
だが、肝心の死体もなく途方に暮れていた。
そこで、偶然にも靴磨きの女性と出会った。
彼女の指示に従い、誘拐計画は再スタートすることになる……。
靴磨きの女性の指示は見事なまでに当たった。
次々と成功し、彼らは大喜びするが……。
ある晩、盗んだ霊柩車の運転手と出会う。
運転手は霊柩車を盗まれたことが原因で仕事をクビになっていた。
責任を感じる誘拐犯たちだが……。
そして、再び現在へ。
太郎は大河内美智代を確認し、現金を渡す。
そこへ飛び込んで来た大河内。
一部始終を社長室から眺めており、母の姿を目にし慌てて駆け付けたのだ。
誘拐犯に掴みかかる大河内だが……。
そこへ一喝が飛ぶ。
美智代は死んだふりをしていたが、生きていた。
自分が死んだと思い込んだことで怒りを見せた息子の姿を見た美智代は息子を許す。
シンデレラシューズを息子に譲り渡すと、自身は引退を決めたのだ。
そして、もう1つ。
霊柩車の元運転手を、社長のお抱え運転手として雇うよう要求。
大河内はこれに応じる。
こうして事態は収拾を見た。
美智代が家出した理由を尋ねる太郎。
意見対立しながらも、なんとかやって来ていた美智代親子。
だが、ある日から進が大量生産品を履くようになった。
それまでは、美智代自慢の靴だったにも関わらず。
これで美智代は息子が分からなくなってしまったらしい。
だが、今回の事件を経て気持ちに整理を着けられたようだ。
「前に言った頭と心のアンバランスのことだけどね。あれは悪い事じゃないよ」
美智代の言葉が太郎の心に響いた―――。
結婚相談所に大福亜子を訪ねた太郎。
そこで待っていたのは意外な事実だった。
一色は既婚者だったのだ。
結婚生活に不満があったのかもしれない。
結局、退会処分になったと言う。
これを聞いた太郎は、資金が尽きたこともあり自身も退会を決める。
テヌーの里親が決まった。
世田谷猫屋敷事件の中学生が引き取りたがっているらしい。
世田谷猫屋敷事件とは、高級住宅街に56匹の猫を飼っていた老婆が近隣住民と騒動になった事件。
このとき、獣医に相談を持ちかけたのがこの中学生。
その後、獣医が太郎に相談を持ちかけたのだ。
この事件の担当を引き受けたことで太郎はウェルカムオフィスを追われることとなっていた……。
自宅に来ているという里親に会うべく、慌てて戻る太郎。
ところが、自宅には大福亜子が居た。
例の中学生とは子供時代の大福亜子だったのだ。
そして、テヌーの里親も大福亜子だった。
亜子は「これまでの百瀬のお見合いが上手く行かないようにしていたこと」を打ち明ける。
さらに、32人目のお見合い相手として自分を勧める亜子。
実は、亜子は中学生時代から太郎に恋していた。
太郎が退会してしまうことで出会えなくなると思った亜子は思い切って告白することとしたらしい。
「困ったときは上を見ろ」それは泣かないおまじないである―――。
亜子の言葉を聞いた太郎は彼女に強く惹かれる。
こうして、太郎にも春が来た。
改心した誘拐犯2人は美智代と桜井たちと共に靴工房を起業した。
そして、今日も猫弁こと百瀬太郎は何処かで誰かを助けているのである―――エンド。
<感想>
TBSさんと講談社さんが共催する「ドラマ原作大賞」、その第3回受賞作品です。
受賞時とドラマタイトルは「猫弁〜死体の身代金〜」となっています。
原作についてはネタバレ書評(レビュー)がありますね。
・『猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち』(大山淳子著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・続編はこちら。
『猫弁と透明人間』(大山淳子著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・第3回「ドラマ原作大賞」受賞作「猫弁〜死体の身代金〜」が書籍化!!『猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち』が発売中!!
・TBS&講談社による「第3回ドラマ原作大賞」発表!!
では、ドラマ版の感想を。
キャスティングが豪華でしたね。
大家役の伊東四朗さんがイイ味出してましたね。
そして大福亜子役の杏さん、良いツンデレですね。
もちろん、百瀬太郎役の吉岡秀隆さんも良し!!
ストーリー的には原作通りですね。
一部にノベライズ版と時系列を換えていたりしていましたが、過不足なく原作を表現できていたように思います。
なかなか満足です。
もうちょっと猫をクローズアップしても良かったかなと思いますが、これはこれで良かった気もします。
でもって、テヌーは猫というよりニャンコでしたね。
か〜〜〜いい!!
ジッと画面を凝視してしまいましたよ。
難しいとは思うけど、「猫弁」は是非シリーズ化して欲しい!!
<キャスト>
吉岡秀隆
杏
○
キムラ緑子
柳原可奈子
板谷由夏
○
岩松了
秋山菜津子
野波麻帆
○
荒川良々
石田明(NON STYLE)
上田耕一
塩見三省
○
伊東四朗(特別出演)
渡辺美佐子 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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