2012年04月28日

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ44 砂冥宮 砂丘に消えた老人の謎?死者の声を届けたいと残した怨念 泉鏡花の詩がいざなう死の香り?悲しき基地闘争の記憶と熱き友への想いは」(4月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ44 砂冥宮 砂丘に消えた老人の謎?死者の声を届けたいと残した怨念 泉鏡花の詩がいざなう死の香り?悲しき基地闘争の記憶と熱き友への想いは」(4月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

ルポライターの浅見光彦(中村俊介)が神奈川県三浦半島の名門旧家の須賀家を訪れる。旧三浦郡秋谷村のほとんどを仕切っていた大地主で泉鏡花が「草迷宮」のストーリを着想したとされる屋敷である。先日、浅見は須賀智文(黒部進)に「草迷宮」の取材をした。今回は二度目の訪問だが、玄関で孫の絢香(三倉茉奈)が外出するところに鉢合わせる。須賀が遺体で発見され、身元の確認に行くというのだ。石川県の小松警察署から連絡があり、殺人事件だという。須賀は金沢に行くと言って旅立ったそうだ。

浅見は泉鏡花の生い立ちを「旅と歴史」で取り上げるという名目で金沢に向かう。須賀の遺体が発見されたのは安宅の関跡だ。歌舞伎の「勧進帳」で、義経と弁慶が奥州に向かう途中、義経の正体がばれそうになった時、弁慶の機転で難を逃れたというエピソードのある場所だ。小松警察署の轟刑事(ダンカン)によると山代温泉の旅館で須賀智文と同名の宿泊客がいたと通報があったそうだ。旅館の仲居によると泉鏡花のゆかりの地を巡ると言っていたそうだ。須賀は泉鏡花会館を訪れた後、北陸鉄道浅野川線に乗り、終点の内灘駅で降りたそうだ。駅から海の方に向かい、内灘砂丘にあるアメリカ軍の砲弾試射場跡を訪れた。基地反対の内灘闘争があった場所だ。

浅見が松雲堂を訪れると、轟刑事の娘・真純(鈴木沙彩)が祖父(轟の義父)の忠暉(寺田農)から口立てけいこをつけられていた。真純が勧進帳の弁慶役を務めるのだ。

絢香の父・春男(青山勝)によると、智文は内灘に二度と行きたくない、内灘闘争で親友を失ったと昔、語っていたそうだ。追悼集には智文の同期の水城信昭(浅野真哉)のモノクロの遺影が載っていた。春男は水城について父の親友であること以外は知らないという。数日前に智文の訃報を聞いて線香を上げに来た男性がいたという。仏壇の香典用ののし袋には「大脇」と書いてあった。

兄の警察庁刑事局長の浅見陽一郎(榎木孝明)が水城信昭の身元照会をすると、東都大の学生で昭和28年に内灘闘争に参加して亡くなったという。浅見は石川県山代にある水城家の菩提寺に車で向かう。水城家の墓地には信昭の月命日に生花が供えられていた。信昭の恋人とその娘が毎月訪れているという。浅見は九谷焼を作っている中島峰子(日色ともゑ)という女性とその娘・由利子(姿晴香)に会いに行く。
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

由利子から大脇について情報を得た浅見。
訪ねた先に居たのは忠暉だった。
忠暉こそが大脇だったのだ。

矢先、忠暉も殺害されてしまう。
悲嘆に暮れる轟とのその家族たち。
忠暉は何者かに電話で呼び出されたらしいが……。

内灘闘争時、忠暉が北陸鉄道・浅野川線の運転手だったことが判明。
ところが、忠暉は反対運動終結と共に銀行に転職していた。
浅野川線は武器弾薬の運搬に利用されており、基地反対派とは対立する立場だった筈だが……。

調べたところ浅野川線の運転手の中にも反対派に呼応していた人間がいたことが分かる。
ストを敢行し運動を支援していたというのだ。
もしや、忠暉もその1人だったのか?

忠暉の葬儀が行われ、銀行の咲上らが弔問に訪れる。
咲上は忠暉の後輩にあたるらしい。
忠暉の転職には銀行の黄金井会長が深く関わっているらしいが……。
さらに、浅見は由利子の姿を見かける。

峰子を訪ねた浅見は、須賀と忠暉の死が関連しているに違いないと主張。
この2人を繋ぐのは内灘闘争しかないと断言する。

峰子はぽつりぽつりと水城信昭について語り始める。
須賀と忠暉は信昭の最期を看取っていたのだ。
信昭は体調を崩したままデモに参加し、倒れたところを頭を強く打ったことが死因だとされていた。
だが、須賀は死の直前に峰子を訪ね「死者の声を、あの男に届けたい」と語っていたと言う。

どうやら水城の死には秘密があるようだ。
だが、これまで黙っていたものを、なぜ今になって告発しようとしたのか?

須賀が殺害された当日に黄金井会長の自宅へ足を運んでいたことが判明。
黄金井会長の自宅は内灘にあった。

事件には黄金井会長が関与しているに違いない。
義父の仇を討つべく意気込む轟だったが、被害者が親族ということで捜査から外されてしまう。

轟に代わり黄金井に面会する浅見だが、黄金井は知らぬ存ぜぬを通す。
内灘闘争については「わが青春」と誇らしげに語るその姿に浅見は不審を覚える。

轟が3日間の休暇をとった。
刑事としてではなく、個人として義父殺害の犯人を追うつもりなのだ。
浅見はそんな轟に全面的な協力を約束する。

黄金井を疑う浅見は「三浦半島」に注目する。
須賀が三浦半島に造成中のゴルフ場に反対していたことを思い出したのだ。
開発に携わっているのは「ゴールドシティエンタープライズ」。
メインバンクは黄金井の銀行だった。

だが、この融資は明らかに銀行に負担を強いるものだ。
黄金井は融資することでキックバックを得て、私的に懐を潤していたのだ。
須賀と忠暉が今になって動き出したのは、この不正融資を糾弾する為だったに違いない。

一方、通信履歴から忠暉を呼び出したのが咲上だと判明。
轟は黄金井に揺さぶりをかけると宣言するが、それは職を賭した行為だった。
浅見は轟を止めると共に、別の方法があると伝える。

その夜、浅見は黄金井に直接ぶつかることに。
須賀と忠暉の死の原因が黄金井にあると指摘したのだ。
さらに水城の死も持ち出し、揺さぶりをかける。

すべては浅見の黄金井への罠だった。
浅見は囮になることで黄金井に尻尾を出させるつもりだった。
ところが、黄金井に動きは無い。

矢先、咲上が姿を消す。
どうやら、黄金井の部下に連れて行かれたらしい。
黄金井はすべての罪を咲上に着せ殺害するつもりなのだ。

深夜、咲上を殺害すべく連れ出す黄金井の部下だったが密かに先回りしていた轟たちにより逮捕される。
咲上は保護された。

もはや黄金井には逃げ道はない。
浅見は黄金井に詰め寄る。
黄金井はすべてを語り始める。

須賀は水城の死について黄金井の責任を追及したのだ。

反対運動の今後について意見が対立した水城と小金井。
黄金井は水城に殴られそのまま死亡してしまう。
その死の間際、「何もなかったんや」と呟いた水城の遺志を汲んだ須賀たちはこの事実を封印した。

ところが、今になって黄金井の不正が発覚した。
「あのときの志を忘れた、水城の死を意味のないモノにした」と感じた須賀は黄金井を追及したのだ。
その為に須賀は殺害された。

須賀の死を知った忠暉は誰の犯行か察した。
そこで須賀に代わり黄金井を責め立てた。
その為に忠暉も殺害された。

黄金井は殺人教唆で逮捕された。

水城の遺志を肌で感じた峰子と由利子は涙を流して喜ぶ。
真純は祖父・忠暉の遺志を継ぎ勧進帳の弁慶を見事に演じ切るのだった―――エンド。

<感想>

原作は内田康夫先生『砂冥宮』(実業之日本社刊)。

<『砂冥宮』あらすじ>

忘れられた闘いの地で男は忽然と消えた――
実業之日本社創業111周年特別書き下ろし作品

三浦半島の須賀家は文豪・泉鏡花の『草迷宮』の舞台のモデルとなった旧家である。浅見光彦は雑誌「旅と歴史」の取材で、須賀家を訪ね、当主の須賀智文から話を聞く。その須賀老人は、家族に「金沢へ行く」と言い残して家を出て数日後、石川県小松市の安宅の関跡で死体となって発見された。光彦は死の真相に近づくため、金沢へ向かうが、須賀老人の足跡は意外な場所で途切れていた……ファン待望、浅見光彦シリーズ最新の書き下ろし長編!
(実業之日本社公式HPより)


これのドラマ版にして、フジテレビ版浅見光彦シリーズ44弾。
前作(43弾)は2012年1月27日に放送されているので、ちょうど3カ月ぶりの新作になりますね。
前回同様になかなかのハイペースです。
前作のネタバレ批評(レビュー)もありますね。
興味のある方は感想のあとにあるので、どうぞ!!

では、ドラマの感想を。

小金井会長役の林与一さん良かったですね。
悪役ながら流石の貫録がありました。

ただ、今回の事件は内灘あまり関係ないですね。
特に内灘でなければいけない理由はないような気がします。
他の個人的な揉め事が原因だったとしても成立したような気が……。

それと、シナリオが時代劇っぽかった。
勧善懲悪はこのシリーズの常ですが、今回は特にバイアスがかかっていたように思います。
どこか現代劇離れしていたような……。

ちなみに、咲上を殺害しようとする一味を先回りして大勢で待ち伏せしたシーンは驚きました。
あの数が何処に潜んでいたのか……あれだけの数が居ればあの場所に着く前に気付かれても不思議ではない。

ラストも無理にいい話に持って行こうとし過ぎかも。
水城の遺志が良く分かりませんでした。
結果としてですが、黄金井を野放しにすることに繋がったにも関わらず涙を流して喜ぶ峰子たちには違和感が。

全体の雰囲気としては悪くはなかったのですが、雰囲気を醸し出す細部にひっかかりを覚えたかな。

ちなみに浅見光彦シリーズを2012年に完結する旨を宣言されています。
今年ですね、こちらの動向も注目です。

内田康夫先生から浅見光彦シリーズ完結宣言が!!「最後の事件」は2012年に!!

【浅見光彦シリーズ(フジテレビ版)】
金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ第36弾 鐘」(1月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ37・長崎殺人事件『肥前路島原・長崎〜父の殺人容疑の陰に悲恋の過去現場に残された短刀と蝶々夫人のロザリオに秘められた驚愕の真実とは?』」(4月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ 浅見光彦シリーズ38最新作・十三の冥府「呪われた津軽王朝〜古代史の謎を追う者は殺される!?20年前の産婦人科で何が起きた?連続殺人事件のカギは子守歌」(9月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ 浅見光彦シリーズ39 遺骨「淡路島の古寺に隠された骨つぼに巨悪の影!秘密を知った者は次々殺される!絶対に知られてはいけない黒い過去とは?遺骨に隠された驚愕の真実」(1月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「内田康夫作家30周年2夜連続浅見光彦第1夜!!シリーズ第40弾『棄霊島』 廃墟に消えた連続殺人の謎〜誰かが血塗られた遺産を狙う呪われた一族の憎悪と殺意!浅見を狙う8人の女とは」(5月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜プレミアム「内田康夫作家30周年2夜連続浅見光彦第2夜!!シリーズ第40弾『棄霊島』 父娘と娘孫・三代に渡る出生の秘密時代を超えて暴かれる驚愕の真相!事件の鍵を握る天才ピアニスト哀しみの鎮魂歌が軍艦島に響き渡る」(5月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ41 佐渡伝説殺人事件 鬼伝説に隠蔽された遍路殺し!地獄からの手紙復讐告げる数え唄の謎同級生を襲う死の連鎖恩讐の彼方から蘇った“願”に込めた親子の業は?」(9月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ42 悪魔の種子 岩手花巻仕組まれた殺人連鎖…稲穂を揺らす亡者の影血塗られた殺意とは?禁断の遺伝子研究に潜んだ巨悪!銀河鉄道の旋律に隠れた罪と罰」(11月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ43 還らざる道 故郷への道に消えた老人?死者から届いた白木の壺!?半世紀に及ぶ贖罪の念・木曽檜盗伐に潜む巨悪親子二代に及ぶ不審な殺人連鎖!」(1月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)

ちなみTBS版浅見光彦はこちら。

【浅見光彦シリーズ(TBS版)】
月曜ゴールデン 内田康夫作家30周年 浅見光彦シリーズ29「菊池伝説殺人事件〜火の国熊本で出会った謎の美女と名門一族を襲う連続殺人!一門の掟と哀しき恋・光彦が見た血塗られた記憶」(2月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「浅見光彦シリーズ30回記念作品 化生の海・北海道〜加賀〜九州を結ぶ壮大なミステリー 古人形に隠された連続殺人の謎!?光彦が見た哀しき母子の運命」(9月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

中村俊介
三倉茉奈
ダンカン
姿 晴香
日色ともゑ
林 与一
寺田 農
小倉久寛
榎木孝明
野際陽子 ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


◆関連過去記事
あなたに内田康夫先生の本に登場する権利を上げよう!!by大日本印刷&角川書店

名探偵・浅見光彦さん、卒業証書授与される

「第10回北区内田康夫ミステリー文学賞」作品募集中!!

【内田康夫先生著作関連記事】
「死線上のアリア」より「死あわせなカップル」(内田康夫著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

【福原警部シリーズ】
土曜ワイド劇場「内田康夫の福原警部 フグハラ体型の警部と美人刑事の殺人捜査“幸せなカップル”の心中の理由」(6月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「内田康夫サスペンス・福原警部 フグハラ体型の警部と美人刑事の殺人捜査 私の夫が連続殺人犯?レモンの匂いと消えたハーブ畑の謎」(4月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「内田康夫サスペンス・福原警部 フグハラ体型の警部と美人刑事の殺人捜査白骨美女と心中した男…ヤマイモ+わさび=死のレシピ!?」(4月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【内田康夫先生原作ドラマ】
金曜プレステージ 内田康夫ミステリー・湯布院殺人事件「遺産相続を巡る旧家の呪い霧の里で起こった骨肉争いに次々人が消える犯罪心理のプロ和泉が暴く悲しい家族の怨念待望の新シリーズ!」(11月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜ブレステージ「内田康夫旅情サスペンス岡部警部シリーズ〜シーラカンス殺人事件〜幻の魚奇跡の捕獲に仕組まれた完全犯罪物言わぬ生きた化石のみが知る陰謀とは!?」 (11月27日放送分)ネタバレ批評(レビュー)

【その他関連過去記事】
2010年6月12日、世田谷部文学館にて内田康夫先生講演会開催!!

・2010年5月30日まで開催されていました「ミステリーウォーク2010『記憶の中の公園』」についての記事です。
浅見光彦の住む町で推理に挑戦!?

2011年3月5日「小説舞台を巡る“名探偵★浅見光彦ワールド!横浜ミステリーWalk”」開催!!

「砂冥宮 (実業之日本社文庫)」です!!
砂冥宮 (実業之日本社文庫)





【関連する記事】
この記事へのコメント
浅見光彦シリーズでは、ヒロインが殺人事件の被害者遺族になるケースは多いですが(中村版だけで、30作品のうち、10は超えているはず)、事件を捜査する刑事が被害者遺族になるケースは、少なくともメディア化された作品では初めてではないかと思われます。

そういった意味でも、ダンカンさん演じる轟刑事の「執念」は、これまでの光彦シリーズの刑事の中でも強いものを感じました。

それにしても30作品ですか。

前任の光彦役、榎木さんが陽一郎役で出演したのが、中村版3作目の「秋田殺人事件」からで、通算28作品の出演です。

光彦役より、陽一郎役が多くなってしまったんですね(^^;)
Posted by Me at 2012年04月30日 21:51
Re:Meさん

コメントありがとうございます!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

確かに今回は特徴的でしたね。
轟刑事の執念、確かに作中で強調されていたように思います。

そして、榎木さん陽一郎役で28作ですか。
既に定着されていますね。
フジ版の浅見では、光彦に並ぶもう1人の主役と言っても過言ではないかもしれません。

気付きませんでしたが、中村さんによる浅見光彦は今回でちょうど30作目の区切りを迎えていたんですね。
記念碑的作品でもあったのか。

その点でも従来に捻りを加え、轟刑事に焦点が当てられたことに意味があったのかも。
Posted by 俺 at 2012年04月30日 23:55
ダンカン演じる轟刑事役の娘役の女の子は、去る10月8日、何者かに襲われ亡くなりました。
女の子の冥福を心からお祈りします。で、この44作の「砂冥宮」を女の子の追悼特番として放送してほしいです。
Posted by 永山修一 at 2013年11月06日 17:59
Re:永山修一さん

こんばんわ。
管理人の“俺”です。

沈痛な事件が起きていたんですね……。
被害者の方のご冥福をお祈りいたします。
Posted by 俺 at 2013年11月06日 20:26
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。