2012年04月23日

『狼と兎のゲーム(第3回)』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)

『狼と兎のゲーム(第3回)』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

今春発売の西尾維新最新刊『悲鳴伝』発売記念の著者インタビューと新作「探偵都市伝説」第2回を掲載。

「綾辻行人と有栖川有栖川のミステリ・ジョッキー」は特別編として法月綸太郎をゲストに迎えます。さらに霧舎巧「霧舎学園シリーズ」新刊『一月は合格祈願×恋愛成就=日常の謎』の冒頭部分を先行掲載!と見逃せない内容です!

また、「講談社ノベルス創刊30周年企画」として44人の作家が一冊を選んで語る「My Precious 講談社ノベルス」は思わず唸る面白さ! 「アノ」人の一冊は!?
新連載に笹本陵平の「駐在刑事」。

“中国ミステリ王座決定戦”ではメフィスト賞受賞作家・丸山天寿とミステリーズ!新人賞受賞作家・秋梨惟喬が対決。
山口雅也「垂里冴子シリーズ」、篠田真由美「桜井京介returns1」、倉知淳、上遠野浩平、三津田信三、木原浩勝、など話題作も目白押し。

矢口敦子、岸田るり子、深木章子、円居挽はメフィスト初登場。

豪華長編連載陣に、恩田陸、今野敏、我孫子武丸。
(アマゾンドットコムさんより)


<感想>

我孫子武丸先生の新連載3回目です。

ガイアの死を発端に、コスモやガイアの父・茂雄と智樹たちの攻防が開始。
茂雄はかなり残虐な思考の持ち主のようですね、ヤバイ。

タイトル『狼と兎のゲーム』から察するに、現在のところは茂雄が狼、智樹たちが兎のようです。
将来的に、これが逆転するっぽいなぁ……。
最終的に茂雄が智樹たちに喰われることになりそうだ。

それと、未だガイアを茂雄が殺害した明確な描写がないことが気にかかる。
確かに茂雄はかなり危険な人物ではあるが、ガイア殺害は本当に彼の犯行なのか?
コスモがガイアを殺害し、その罪を茂雄に着せ、智樹を巻き込むことで智樹に茂雄を殺害させるつもりではないだろうか。

ちなみに、叙述トリックが仕掛けられている可能性として前回に挙げた二重人格説は完全否定されましたね。
こうなると智樹の性別誤認も怪しいか。
本作には叙述トリックは存在しない?

一方、アンナ先生も気にかかる……どんな役割を負っているのか。
果たして次回の展開は如何に!?

◆関連過去記事

「狼と兎のゲーム(第1回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

「狼と兎のゲーム(第2回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
父親・茂雄から虐待を受け続けるコスモとガイア。
コスモと友人であった智樹は彼から助けを求められる。
だが、子供である智樹には何も出来ない。

そんなある日、ガイアが死亡。
智樹とコスモは、その死体を埋める茂雄を見てしまう―――。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

コスモとガイアの父親・茂雄は頭を悩ませていた。
ガイアを埋めているところをコスモと智樹に見られたからだ。
茂雄はさまざまな想いを巡らせた末に、コスモを利用し智樹殺害を決意する。
事故に見せかけ智樹を殺害し、コスモに事故であると証言させるつもりなのだ。
もしも、コスモが反抗すればコスモも殺害する心づもりである。
さしあたって、コスモを捕まえるべくその所在を追うが……。

一方、こちらは智樹とコスモ。
ガイアの件で茂雄に追われる身となった智樹。
大人に相談したいところだが、コスモの反対もあり、ままならない。
とりあえず茂雄の脅威を感じた智樹は、警戒を強める。

そのまま智樹宅に一泊することとなったコスモ。
智樹はいつまでも匿うことは出来ないと判断。
家を出ている母親のもとへコスモを送り届けようと決心する。
そこで、コスモの母親の住所を調べるべく茂雄宅に戻ることに。
とはいえ、茂雄が在宅中は危険すぎて手も足も出ない。
結局、茂雄が勤務中の隙を突くことに決まる。
派出所の中にいる茂雄を監視し、その間に家を捜す作戦だ。

智樹が茂雄を見張る。
その隙にコスモが必要な物を持ち出す。

ところが思いもよらぬことが起こる。
茂雄が巡回に出たのだ。
だが、その様子は何処かおかしい。

それもその筈、茂雄は智樹宅を目指していた。
智樹は慎重にその後を尾行する。

智樹宅を訪れた茂雄。
立場を利用した茂雄は智樹の母と接触。
自身がコスモの父であるとはおくびにも出さず「不審者に注意するよう」促しながら、コスモを捜す。
同時に智樹が何か洩らしていないかの確認にも余念がない。

コスモが居たことを確信する茂雄だが、何かを洩らしたことは確認出来たもののその内容まで聞き出すことには失敗する。
ともあれ、十分な成果を上げた茂雄は智樹宅を後にするのだった。

そんな茂雄の姿を智樹がじっと眺めていた―――3話了。

【我孫子武丸先生関連過去記事】
・[速水三兄妹シリーズ]
「8の殺人」(講談社)ネタバレ書評(レビュー)

『夏に消えた少女』(我孫子武丸著、新潮社『Mystery Seller(ミステリーセラー)』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

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「メフィスト 2012 VOL.1 (講談社ノベルス)」です!!
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我孫子先生が原作を担当したコミック「監禁探偵 (マンサンコミックス)」です!!
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我孫子武丸先生の「殺戮にいたる病 (講談社文庫)」です!!
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同じく「弥勒の掌 (文春文庫)」です!!
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◆我孫子武丸先生のその他の作品はこちら。


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