2012年04月12日

「人喰い研究所殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「人喰い研究所殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!
それと現時点での犯人候補を挙げています。
詳しくは本記事下部にある「感想&推理」をどうぞ!!


「人喰い研究所殺人事件」登場人物一覧:

金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。

緑川繭:研究所所長、眼鏡がチャームポイントな金田一たちの中学時代の同級生。
中神深志:副所長、繭を覗けば本エピソード唯一の眼鏡。
小鷹美苗:研究員、鷹の名は伊達じゃない!?目つきが鋭い美女。
財前乙彦:観光客、あやねのツレ。影が薄い。第3の被害者。
谷瀬あやね:観光客、財前とのコンビでこっちが主導権を握ってそう。
葉島秋也:研究所管理人、渋めのおっちゃん。
麻木根司:宿泊者、宝探し目的な人1。第2の被害者。
鰐部鋭介:宿泊者、宝探し目的な人2。第1の被害者。

<6話あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

中学時代の同級生・緑川繭に会うために「仁久井村」を訪れた金田一と美雪。
そこは昭和の面影を色濃く残す村だった。

旧友との再会を喜ぶ金田一たち。
だが、その夜、村へ通じる唯一の吊り橋が何者かにより焼き落とされてしまう。
しかも、元研究所員である鰐部が謎の転落死を遂げる。
不穏な空気に包まれる中、今度は麻木根が死亡して……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

麻木根に続き鰐部の死もまた他殺だった……金田一の推理を聞いた谷瀬は激しく動揺する。

自室へと戻った谷瀬と財前。
財前は谷瀬を社長と呼び、早く此処から帰りたいと訴える。
狼狽する様子を見せる財前を叱りつける谷瀬だったが、自身も相当衝撃を受けているようだ。
一方、先程の狼狽ぶりは何処へやら、その陰で財前は薄笑いを浮かべていた。

谷瀬と別れた財前はこっそりと何者かに電話。
電話口の相手に金を要求すると、村を出ると宣言する。
財前は露知らぬことだが、その電話の相手の手にはロープが握られていた……。

一方、金田一、美雪、繭の3人。
金田一は繭が自分を呼んだ理由が暗号解読以外にも何か存在するのでは……と問いかける。
そんな金田一に初めて真意を明かす繭。

実は繭は父の自殺を他殺ではないかと疑っていた。
繭の父は、宝となるであろう緑川因子を無償で公開しようとしていたのだ。
だからこそ、研究所内の金の亡者に殺害されたのではないか……。
其処で、金田一に真相追及を依頼したかったらしい。

繭の父が焼身自殺した第3研究室へと向かう金田一たち。
途中、第3研究室の鍵が無くなっていることに気付いた繭は中神に電話を入れる。
中神によれば、鍵は第3研究室のマット下に隠しているらしい。

マット下から鍵を取り出し、室内へと踏み入れた金田一たち。
未だ生々しく当時の光景が残るそこで、壁に記された「3a+3i+3e=M」との暗号を見つける。
どうやら、緑川所長が命尽きる直前に遺した物のようだが……。

そこへ、中神がやって来る。
室内から出るように促す中神に応じて外へ出る金田一たち。
中神は第3研究室に鍵をかけると、マット下へと鍵を戻す。

繭の父の遺した謎の暗号に、その場にいた全員が押し黙る中、美雪の提案でまたもカラオケ大会が開催。
途中、中神がコーヒーを淹れるなどで離席しつつ、大いに盛り上がる4人。
金田一と美雪は繭と中神に良い雰囲気を感じるのだった。

一方、午前1時をまわったその頃、財前は人の居ない第3研究室でドアノブで首を吊り物言わぬ死体となっていた―――7話に続く。

<感想&推理>

……と、6話はだいたいこんなところでした。

谷瀬と財前が雇用者と被雇用者の関係であることが判明。
以前、鰐部たちも「会社が云々〜〜〜」と述べていたところを見ると、全員が谷瀬の会社のまわし者だったということでしょうか。
ということは、緑川所長殺害の首謀者は谷瀬のようですね。
鰐部が死の直前に「あいつが悪いんだ……」と訴えていましたが、この「あいつ」も谷瀬のことのようです。

一方、部下の筈の財前が不穏な動きを。
鰐部たちを殺害した真犯人と密かにコンタクトをとった模様。
おそらく真犯人を脅迫したのでしょう。
財前は犯人のターゲットではなかったものの、それが原因で殺害されたと思われます。

ここで気をつけたいポイントは財前が真犯人の正体をいつから知っていたか?
これがもしも当初からならば、谷瀬の動きは財前を通じて真犯人に筒抜け、それどころか真犯人はある程度の谷瀬の行動をコントロール可能なことにもなる。
一方で、事件後のある時を境に気付いたならば、作中の財前の行動を振り返れば犯人が分かる筈。

管理人的には後者だと考えます。
この「財前が犯人に気付いたであろうある時」については、真犯人と思われる人物の名前と共に後述します。

さらに、新たな暗号も登場。
今度のは「3a+3i+3e=M」とのこと。
つまり、「3(a+i+e)=M」ということ。
Mが「Murder(マーダー)」の頭文字だとすれば、「殺人者」を示す暗号と考えられます。
「3人の(a+i+e)が殺人者である」との暗号ではないでしょうか。

でもって、この(a+i+e)が母音を指すとすると、Wanibe、Makine、Taniseのこととみてよいのではないでしょうか。
緑川所長は「鰐部、麻木根、谷瀬に殺害された」と訴えたかったものと推測されます。

焼身自殺に見せかけて殺害された割には、かなりまどろっこしいですが……。
それぐらいしかないかなぁ……。
にしても、「M」=「Murder」を見て「レッドラム」を思い出したのは秘密です。

そして遂に財前が殺害されることに。
ここで、先程の「財前が犯人に気付いたであろうある時」について述べて行きたく思います。
おそらく、これは5話で「中神を襲撃した際」ではないかと思われます。

そうです、管理人はやっぱり中神を犯人だと考えています。
このとき、財前は中神を昏倒させた後、彼が犯人である証拠の品に気付いたのではないでしょうか。
麻木根殺害時にアリバイを作るべく使用したハンズフリーマイク(IP電話用)を見つけたと考えられます。

これについては6話でもそれらしい描写がありますね。
繭から鍵の行方について尋ねられた際に、どうも普通の電話ではない何かに出て会話しているように見えます。
つまり、今回もツールとして活躍している模様。
これを以て中神を犯人と判断した財前が脅迫した為に殺害されたのでしょう。

他にも、中神が怪しい点があります。
研究室の鍵を最後に触ったのも中神。
あのときに鍵をすり替えたのではないでしょうか?

さて、中神が犯人だとして、気になるのは谷瀬まで真犯人の刃が届くかどうか。
このペースでは間に合いそうにない気がするので、解答編で緑川因子が原因で命を落とす自滅パターンかなぁ……などと妄想。

今回はこんなところか。

で、当の「仁久井村(ひとくいむら)」ですが、「にくいむら」とも読める。
他にも「ヒト」と読ませる漢字があるにも関わらず、わざわざ「仁」の一字を使っていることから意味ありげ。
これも何かに関連するか?

第7回の展開がどうなるか、要注目!!

◆「人喰い研究所殺人事件」関連過去記事
「人喰い研究所殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「人喰い研究所殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【犯人断定!?】「人喰い研究所殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「人喰い研究所殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「人喰い研究所殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)

シリーズの1つ「金田一少年の事件簿 錬金術殺人事件(上)(週刊少年マガジンKC)」です!!
金田一少年の事件簿 錬金術殺人事件(上)(週刊少年マガジンKC)





「金田一少年の事件簿 錬金術殺人事件(下)(週刊少年マガジンKC)」です!!
金田一少年の事件簿 錬金術殺人事件(下)(週刊少年マガジンKC)





◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。


◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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