2012年04月08日

2012年3月29日、4月5日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)

1巻も好評発売中の阿部共実先生「空が灰色だから」(秋田書房)。
ネット上で話題となっており、順調に版を重ねているとの情報も流れています。
実際、読んでみると不思議な魅力を持つ本作。
面白いものを読んだら語らずにはいられない管理人にとって、十分に語るべき対象となる作品であります。

というわけで、前回のネタバレ批評(レビュー)以降に掲載された作品をそれぞれあらすじのみ、まとめておきます。

これを読んで興味を持たれた方は、是非「週刊少年チャンピオン」本誌連載とコミックスにもチャレンジして貰えればオススメした甲斐があるかもしれません。
直に本作を目にして貰えればその不思議な魅力をご理解頂けるかと思います。

では、本作の魅力をお伝えするべくネタバレ批評(レビュー)です。

◆2012年3月29日「週刊少年チャンピオン」掲載

自宅にて病気療養中の幼馴染を持つ学生の彼。
今日も彼女の部屋へと足を運ぶが……。

彼女はピンピンしていた。
病気療養など真っ赤なウソ。
彼女は引き籠りであった、彼にかまって貰う為に嘘をついているのだ。

「私たち付き合っているんですよね」
彼女は執拗に彼へと同じ質問を繰り返す。
それをさりげなく否定する彼。
だが、そんな彼女のことを嫌っているワケではなさそうだ。
彼は彼女をなんとか登校させたいと思っていた……。

と、級友からメールが彼のもとに届く。
メールの差出人に興味を持つ彼女。
彼はさりげなく知り合いの女子生徒だと嘘を吐く。

翌朝、彼女はメールの差出人を確認すべく登校して来ていた。
そんな彼女に級友と遊びに行こうと誘う彼―――エンド。

◆2012年4月5日「週刊少年チャンピオン」掲載

慌ただしい朝の空気の中、とある少女がクラスで噂になっていた。
少女が読者モデルとして雑誌に掲載されたのだ。
羨ましがる級友たちに、少女は自慢げに語る。

その翌日、登校した少女は級友たちが自分と同じ恰好をしている姿を見つける。
「いくら憧れるからって、それは駄目だよ〜〜〜」
笑顔でツッコミを入れる少女だが、級友たちは首を傾げるばかり。
「いや、これが今流行りの髪型だから……」
級友の言葉も少女の耳には届かない。

自宅にて寛ぐ少女、其処へ姉が声をかける。
姉の姿を見て少女は驚く。
姉もまた自分と同じ格好をしていたのだ。
「またまた〜〜〜そんなそんな」
姉までもが自分に憧れているのか……スターは違うね、と笑う少女。
姉は何が何やらさっぱりである。

その日から、街を歩けば自分のスタイルを真似ている人間ばかり。
次第に少女から余裕が失われて行く―――。

遂には何処を見ても彼女のクローンばかり。
やがて、町中に彼女の顔が現れて……。

そして、とある病院の新生児室では子供が生まれていた。
それを見た彼女。
「いやいやいや、2本足で手があって頭と胴体があってって、何処まで私の真似をしてるんですか〜〜〜」―――エンド。

<感想>

今回はなかなかに毛色の違う2話でした。

まず、2012年3月29日掲載のものは、彼氏と彼女のちょっとした恋愛感情を描いたストーリー。

彼を愛するがゆえに、その注目を惹こうと引き籠りになってしまった彼女。
彼女と交際していることを口では認めてはいないものの、実は彼女を想っている彼。

彼にとって、彼女のこの戦略は実は非常に有効なものでした。
とはいえ、彼は2人の殻に閉じ籠ることを良しとしません。
そこで、彼が考えた策が彼女の嫉妬心を利用すると言うもの。
別の女性の影をちらつかせ、自主的に登校させたのでした。

ラストは今後の2人の明るい未来を予期させるものでしたね。
利用とはいえ、悪意があってのものではなく、非常に爽やかなラストでした。

そして、2012年4月5日掲載のものが凄い。

思春期特有の自意識の強さがテーマかと思われますが、自意識の強い主人公がその強さゆえに、何を見ても自分の真似であると考えてしまうように。
遂にはどう考えても違うものにまで、無理やり共通項を見出し難癖をつけるようになってしまう。

あらすじは本作の特徴を活かすべく、勢いを出そうとかなり端折ってみたのですが、それでも迫力は伝わらないでしょう。
是非、本誌をご覧頂きたい。
一読して驚愕すること請け合い。
あれは、一種の精神攻撃だ……。

そんな「空が灰色だから」は「週刊少年チャンピオン」に連載中の漫画。
読むと心がざわついて何処となく落ち着かなくなる作風。

この間から何となく感じていたのですが、本作は過去に「週刊少年チャンピオン」にて連載されていた倉島圭先生「24のひとみ」にテイストが似ていますね。

従来の枠に囚われない世界観は両者の特徴と言えるでしょう。
その味は、古典部シリーズ『氷菓』のアニメ化で話題の米澤穂信先生の著作『儚い羊たちの祝宴』に通じるモノがありそうです。

『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事

阿部共実先生「空が灰色だから」(秋田書房)の1巻が発売!!不思議な魅力を湛えた本作に注目すべし!!&今週号ネタバレ批評(レビュー)

2012年3月15、22日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)

「空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス)





「24のひとみ 1 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
24のひとみ 1 (少年チャンピオン・コミックス)





「1分半劇場 24のひとみ Vol.1 [DVD]」です!!
1分半劇場 24のひとみ Vol.1 [DVD]





【関連する記事】
posted by 俺 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。