2012年04月19日

2012年4月12日、4月19日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)

1巻も好評発売中の阿部共実先生「空が灰色だから」(秋田書房)。
ネット上で話題となっており、順調に版を重ねているとの情報も流れています。
実際、読んでみると不思議な魅力を持つ本作。
面白いものを読んだら語らずにはいられない管理人にとって、十分に語るべき対象となる作品であります。

というわけで、前回のネタバレ批評(レビュー)以降に掲載された作品をそれぞれあらすじのみ、まとめておきます。

これを読んで興味を持たれた方は、是非「週刊少年チャンピオン」本誌連載とコミックスにもチャレンジして貰えればオススメした甲斐があるかもしれません。
直に本作を目にして貰えればその不思議な魅力をご理解頂けるかと思います。

では、本作の魅力をお伝えするべくネタバレ批評(レビュー)です。

◆2012年4月12日「週刊少年チャンピオン」掲載

3人の男女が居る。
寛太と風馬の男子2人に、紅一点の茶々である。
3人は友達としてこれまでもこれからもずっと一緒に居られる筈だった……。

寛太が意中の女子に告白し、振られたことを打ち明けていた。
聞き手にまわっていた風馬は気にするなと慰める。
続いて、茶々も新たな恋に生きるよう寛太を励ます。
何故か、これを聞いた風馬は顔を曇らせて……。

乗り気になりかけた寛太だが、風馬は「そんな簡単に諦められるような相手だったのか」と檄を飛ばす。
先程からの豹変に驚く茶々。
一方、寛太は「俺は風馬ほど立派じゃない」とぼやく。
さらに、風馬を褒めそやす寛太。
茶々に「風馬は凄い奴だろ?」と尋ねるが、茶々の反応は鈍い。
むしろ、何処か熱っぽい目で寛太を見詰める茶々。

当の寛太は風馬を褒め続けていた。
自分のダメ人間ぶりに肩を落とす寛太を必死に支える茶々。
そんな茶々を凝視する風馬。
どうにも妙な空気が辺りを覆い込むが……。

やがて、痺れを切らしたように茶々が寛太へ愛を告白する。
突然のことに驚く寛太。
と、茶々に触発されたかのように風馬も茶々に愛を告白する。
思わぬ告白合戦につられた寛太は風馬が好きだとカミングアウト。

茶々が寛太へ、寛太が風馬へ、風馬が茶々へ。
それぞれ好意を抱いていたのだ。

こうして、3竦みになってしまう。
「これで、ずっと一緒だよな」
複雑な表情の茶々と風馬だったが、1人寛太は嬉しそうである―――エンド。

◆2012年4月19日「週刊少年チャンピオン」掲載

とある小学校―――これは熱血教師・きららの物語である。
彼女には内向的な教え子・進が居る。
きららは自己主張を余りせず、大人し過ぎる進を常に気にかけていた。

今日も今日とて進に注目していたきらら。
放課後、級友の鞄を大量に運ばされている進を見つけ、驚愕する。
「こらイジメは駄目でしょうが!!」
叱りつけるきららに、「いや、鞄持ちゲームだから」と説明する進のクラスメート。
ところが、きららは動じない。
「ゲームだとしても、進が本当に参加したかったかどうか確認はしたの?進は意志が弱いのよ、本当は嫌だったらどうするの?」
矢継ぎ早に投げかけられるきららの言葉に、クラスメートたちは自分たちが悪かったと納得してしまう。

このやりとりを聞いていた進。
それまでの笑顔が強張り、急速に失われて行った。

また別の日も、そのまた別の日も同じようなことが繰り返された。

ある日、きららは進を呼び出し彼を諭す。
「私も昔は悩んでいたのよ。昔の私は行動的過ぎて男の子みたいだったの。それをよくからかわれていたんだけど、ある日、担任の先生が子供は自然体でいいと仰って下さったの。以来、ふっきったわ」
そして、進の目を見詰めるきらら。
「だから、進も自然体でいてね。子供は明るく元気でないといけないわ」
きららの言葉に、進はただ俯くばかり。

やがて、進が不登校になった。
理由は分からない。
クラスメートたちは「この間、ゲーム貸したからズル休みしてそれやってんじゃないの」と笑いながらに語り合う。
それを聞いたきららの表情が一変する。
「馬鹿!!進には進なりの事情があるに決まってるでしょうが。それを笑うなんて!!」と激怒。
一喝されたクラスメートたちは、きららの言葉に説得され「そうだよな、進も大変だ」と頷き合う。

一方、自室に籠っていた進。
何かに怯えるように震えている。

そこへ、進宅に面する路上からきららの声が。
「私はあなたを絶対に立ち直らせるからね〜〜〜。諦めちゃ駄目だよ!!」
周囲に聞こえんばかりの大声で進に呼びかけるきらら。
進は何か忌まわしい物でも耳にしたように、必死に布団で自身の身体を包み込んだ―――エンド。

<感想>

今回もなかなかに毛色の違う2話でした。

まず、2012年4月12日掲載のものは、男女3人組のややこしい恋愛感情を描いたストーリー。
ネタバレあらすじをご覧頂いた通り、皆が一方通行となっているワケですが、最後の寛太から風馬への告白、あれは寛太が友情を壊さないように意図的にバランスをとったような気がしますね。
寛太にとって、友情は恋よりも重かったということでしょうか。

どうやら、茶々も風馬も報われ無さそうです。

次に2012年4月19日掲載のもの。
こちらが問題作。

良かれと思ってやったことが逆に迷惑になるということがありますが、今回はまさにソレ。
きららが進にしたことは、すべて進の迷惑になることばかり。

友達と遊んでいれば、イジメと決めつけ遊びの輪に入りづらくする。
子供は自然体が一番と言いつつ、明るく元気でなければと型に嵌める。
遂には自分の行動が引き籠りにまで追い込んだにも関わらず、それに気付かず。
しかも、ズル休み程度の認識だったクラスの空気を重大事件レベルにまで昇華させました。
進は当分、学校にも行けないし、行っても気まずいだけでしょう。
さらに、自宅に救いを求める進に止めを刺しに行く始末。
加えて、路上で叫ぶことで隣近所にまで進の行動を教えるおまけつき。
もはや、進は学校どころか町内にも身を置く場所がなくなりつつあります。
きららと関わり続ける限り、世界に身の置き場がなくなりそうな予感……。
まさに進にとってきららの存在は悪夢と言えるでしょう。

そもそも、進はイジメられていないように思われます。
引き籠り時のクラスメートの台詞からも分かるようにゲームを貸し借りするくらいには交流してますし。
おそらく単に内気な少年だっただけでしょう。
これを追い込んだのは間違いなくきららです。

「子供は自然体」と言ったその直後に、「明るく元気でなくちゃ」と主張するように、きららは「決めつけの強い人」なのかと思われますが、あれはひょっとすると狙ってやってるのかもしれませんね。
進を生贄にクラスをまとめたとも見えます、恐ろしい物語でした。

そんな「空が灰色だから」は「週刊少年チャンピオン」に連載中の漫画。
読むと心がざわついて何処となく落ち着かなくなる作風。

この間から何となく感じていたのですが、本作は過去に「週刊少年チャンピオン」にて連載されていた倉島圭先生「24のひとみ」にテイストが似ていますね。

従来の枠に囚われない世界観は両者の特徴と言えるでしょう。
その味は、古典部シリーズ『氷菓』のアニメ化で話題の米澤穂信先生の著作『儚い羊たちの祝宴』に通じるモノがありそうです。

『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ批評(レビュー)

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