2012年04月25日

「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)

「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)です。

「フランケン・ふらん」の連載を終えた木々津克久先生の特別読み切りが「月刊チャンピオンRED」5月号(秋田書店刊)に掲載されました。
その名も「鋏女」。

早速読んでみたところ、やはり木々津先生のテイストは健在でした。
そこでお伝えするべくネタバレ批評(レビュー)です。
この記事にて本作に興味を持って頂ければと思います。

<ネタバレあらすじ>

学業優秀、スポーツ万能、女子にもモテモテの少年。
彼は自らの人生を謳歌していた。

ある日、彼が帰宅すると、自室に黒い眼帯を着けた女子高生の姿が。
ギョッと驚いた彼だったが、改めて見直すと其処には誰も居ない。
気の所為か、見間違いか……訝しむ少年。

そこへ勉強机の抽斗がガラリと開くと、中から妙に丸みを帯びた“ドラ○○ん”ぽい生物が現れる。
その生物は自身が未来から来たと主張。
少年に「数日後、覗きなど少年がこれまでやって来たさまざまな旧悪が暴かれ、苦境に追いやられる」ことを伝える。
さらに「このまま、此処に居てもいいことはない。だから、一緒に行こう」と誘う。

少年は殆ど悩まず、生物の言葉を信じ同行を決める。
生物は少年を空へと浮かび上がらせるが……。

と、生物の身体から大きな鋏が飛び出して来る。
鋏は生物をズタズタに切り裂く。
その後ろにはあの眼帯の女子高生が。
鋏を操っていたのは彼女であった。

驚く少年に彼女は告げる。
その生物は道連れが欲しかっただけだと。

今や、生物は見知った顔となっていた。
それは未来の少年自身だったのである。
少年は旧悪が露見した後、上手く行かず、入水自殺してしまっていた。
そんな未来の少年が現在の少年を道連れにしようとしていたのだ。

「自分自身でどうにかするしかないんだよ」
呆気にとられる少年の前で、眼帯の女子高生は去って行くのだった―――エンド。

<感想>

大型の鋏が活躍するとの内容から、前に「週刊少年チャンピオン」で連載されていたフクイタクミ先生「ジョギリ屋ジョーがやって来る」を思い出しました。
主人公こそ全く違いますが、何処となく作品の雰囲気も似てるかな。

そして、「鋏女」こと「眼帯の女子高生」には秘密がありそうですね。
謎の存在なのでしょうか?

それにしても、今回の「ドラ○○ん」みたいなキャラには驚きました。
その結末のブラックさも、なんとも言えぬ味わいを醸し出しています。
流石は「フランケン・ふらん」の作者・木々津克久先生です。
是非、連載に繋げて欲しい作品ですね。

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆関連過去記事
「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)

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「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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