2012年04月26日

『猫と鼠』(星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録)

『猫と鼠』(星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

著者が傑作50編を自選。SF作家・星新一の入門書。バーで人気の美人店員「ボッコちゃん」。彼女には、大きな秘密があった。

スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群! 日本SFのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。
(アマゾンドットコムさんより)


<感想>

「野生時代」の特集に触発されて、星新一熱が再燃した管理人です。
やっぱり、星先生の作品はいいですね。
短い中に濃いエッセンスがグッと凝縮されていて、読むとハッとさせられます。

本作『猫と鼠』は新潮社刊『ボッコちゃん』収録の一篇。
短編です。
作品の雰囲気に相応しくブラックなオチが待っています。

猫は常に猫、鼠は何処まで行っても鼠であるということなのでしょうか?

<ネタバレあらすじ>

私はある男を脅迫していた。
私は男の殺人現場を目撃したのだ。

それ以来というもの、私は男に金を払わせ続けてきた。
私は男の不満を感じ取りながらも、どうせ何も出来る筈がないと放置していた。

そんなある日、男が何か決意した様子でやって来た。
私は内心「これは」と思いつつ、そんな様子を表に現さないように注意した。

案の定、男は私を殺そうとする。
私は男に言ってやった。

「私が死ねば、私が知人に預けた証拠品が当局に渡るぞ」と。

だが、男は平気なモノである。
動揺する素振りがまるでない。
私は内心の焦りを隠しつつ、男の余裕のワケを探った。

答えはすぐに出た。
男には同行者が居たのだ。
それを見たとき、私は思わず「あっ」と声を上げそうになった。

男の同行者は私にそっくりだった。
男は同行者を使い、私の死を隠すつもりなのだ。

これには私も諦めざるを得なかった。
大人しくなった私を疑問に思うらしい男。

私には私の死後、彼らが慌てる姿が見えていた。
実は、当の私も男同様に別の男から脅迫されているのだから。
つまり、彼らはいずれにしても脅迫され続けるのである―――エンド。

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【その他】
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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 星新一作品レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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