2012年04月23日

『約束』(星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録)

『約束』(星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

著者が傑作50編を自選。SF作家・星新一の入門書。バーで人気の美人店員「ボッコちゃん」。彼女には、大きな秘密があった。

スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群! 日本SFのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。
(アマゾンドットコムさんより)


<感想>

「野生時代」の特集に触発されて、星新一熱が再燃した管理人です。
やっぱり、星先生の作品はいいですね。
短い中に濃いエッセンスがグッと凝縮されていて、読むとハッとさせられます。

本作『約束』は新潮社刊『ボッコちゃん』収録の一篇。
短編です。
人間の変節について寓話にされています。

大人と子供、立場の違いによるものと考えたいところですが。
実際は、若き日の志は、年を経るごとに失われて行ったということでしょうか。
初志貫徹したいものです。

<ネタバレあらすじ>

とある宇宙人が目的地へと向かう途中、地球へとやって来た。
彼らは地球の子供たちと触れ合うことに。
別れ際、子供たちに「1つだけ望みを叶えてあげる」と持ちかける宇宙人。
子供たちは「大人はすぐ嘘を吐くから、嘘を吐かないようにして欲しい」と依頼した。
「大人が嘘を吐かなければ、地球は平和になるに違いない」と力説する子供たち。
応じようとした宇宙人だが、事が事だけに時間がかかる。
其処で、目的を果たした帰り道に必ず約束を果たすとして、その場を去った。

数十年後、目的を果たした宇宙人は地球へと帰って来た。
早速、当時の子供たちを捜すが……。

願いを叶えようと彼らを捜していた宇宙人が仲間のもとへ戻って来た。
ところが、彼はなんとも納得のいかない表情をしている。
気になった代表者が彼に尋ねると、彼はこう答えた。

「いや、時間がかかったものの、彼らを見つけることは出来たんです」
ところが、彼らは皆一様に「そんな今更、困るよ。誰も望んでいないし」と断って来たのだそうだ―――エンド。

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 星新一作品レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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