2012年04月20日

『殺し屋ですのよ』(星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録)

『殺し屋ですのよ』(星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

著者が傑作50編を自選。SF作家・星新一の入門書。バーで人気の美人店員「ボッコちゃん」。彼女には、大きな秘密があった。

スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群! 日本SFのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。
(アマゾンドットコムさんより)


<感想>

「野生時代」の特集に触発されて、星新一熱が再燃した管理人です。
やっぱり、星先生の作品はいいですね。
短い中に濃いエッセンスがグッと凝縮されていて、読むとハッとさせられます。

本作『殺し屋ですのよ』は新潮社刊『ボッコちゃん』収録の一篇。
短編です。
「世にも奇妙な物語」で観月ありささん主演でドラマ化もされていますね。

本当の意味での完全犯罪について描かれています。
この殺し屋、殺人罪では絶対に捕まらないでしょう。

<ネタバレあらすじ>

バーで飲んでいた男の前に1人の女性が現れた。
女性は自身を「殺し屋」であると名乗り、男の商売敵を殺害すると提案する。
男は酔いも手伝って、それを了承。
成功すれば報酬を支払う契約を交わしてしまう。
自称「殺し屋」の女は半年以内の達成を予告すると姿を消した。

そして数ヶ月後、女性殺し屋の予告通り商売敵が死亡した。
しかも、完全な自然死という形で。
どうやら、彼女は他殺を自然死にカモフラージュする方法を知っているようだ。
まさに完全犯罪である。
その手際に感服しつつ報酬を渡す男。

その数日後、女性殺し屋は病院に居た。
しかも、白衣に身を包んでいる。
潜入?変装?
いや、どちらも違う。

彼女の本職こそ看護師だったのである。

彼女は医者から余命幾許も無い患者の情報を得ると、患者を憎む相手を探し出す。
そして、先と同じ方法で殺しを請け負うと報酬を受け取るのだ。
あとは自然死を待つだけだ。
もちろん、彼女が実際に手を下したことはない。

これこそ、まさに完全犯罪である―――エンド。

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【その他】
世田谷文学館にて「星新一展」開催中!!

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 星新一作品レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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