2012年05月03日

水曜ミステリー9「監察医篠宮葉月 新・死体は語る11 白衣の疑惑謎の2ミリ刺し傷と偽装自殺トリック!教授選に渦巻く嫉妬と脅迫!女が隠した遠い秘密!(死体は語る〜転落死不思議な首の傷!?医大に渦巻く策謀と嫉妬の連鎖!解剖暴く犯人)」(5月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「監察医篠宮葉月 新・死体は語る11 白衣の疑惑謎の2ミリ刺し傷と偽装自殺トリック!教授選に渦巻く嫉妬と脅迫!女が隠した遠い秘密!(死体は語る〜転落死不思議な首の傷!?医大に渦巻く策謀と嫉妬の連鎖!解剖暴く犯人)」(5月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

関東監察医務院から東都医科大学の法医学教室に講師として派遣されることになった監察医の篠宮葉月(高島礼子)は、そこで学生時代の恋人・峰岸誠(鶴見辰吾)と再会する。峰岸は東都医科大学の脳外科で准教授を務めており、同じく准教授の山尾貴一朗(春田純一)と教授昇格を争っている最中だった。
葉月は峰岸に誘われ、峰岸行きつけの「スナック文月」へとやって来る。そこは峰岸が父の代から通うスナックで、葉月はママの中原優子(大空眞弓)とすっかり意気投合し、楽しいひと時を過ごす。 
ところが、その夜の2人の様子が何者かによって隠し撮りされ、峰岸が自分の愛人・葉月を講師に抜擢したという内容のビラが大学内に出回ってしまう。教授選に誹謗中傷はつきものだと葉月は気にしないようにするが…。
そんな中、葉月と峰岸の写真を隠し撮りした男・本郷忠志(西興一朗)が遺体で発見される。本郷は石段から転落したものと見られ、解剖を担当した葉月も、死因は頭部を強打したことによる脳挫傷と判断する。しかし、本郷の首筋には、何かで刺された直径2mmほどの穴があった…。
本郷は東都医科大学を卒業した医師だったが、前の病院を解雇されたため、学生時代の恩師である峰岸に大学病院に戻してもらうよう頼んでいたという。本郷の妻・美由紀(矢部美穂)の証言から、本郷が持っていたはずのショルダーバッグが無くなっていることをつかんだ警視庁捜査一課の刑事・風間は、所轄の刑事・大川(掛田誠)とともに、事件当夜の本郷の足取りを追い始める。
その結果、本郷が立ち寄ったスナック文月のママの証言やコンビニの防犯カメラの映像から、本郷が殺害直前までショルダーバッグを持っていたことが判明し、本郷の死亡に事件性がある可能性が浮上する。本郷はスナック文月で、自分がその気になれば峰岸を破滅に追い込むことができると漏らしており、その夜何度も峰岸に電話をかけていたことも明らかとなる。
アリバイを聞くために峰岸を訪ねた風間と大川は、峰岸が何かを隠しているのではないかと感じる。風間は葉月と峰岸の写真を見て以来、心中穏やかでなく、峰岸を心配する葉月に対し、つい冷たく突き放した態度をとってしまう。
やがて、本郷の銀行口座に山尾が金を振り込んでいたことが判明した。山尾に事情を聞くと、本郷が峰岸に関する大きなスキャンダルを握っていたらしいことが判明する。しかし、製薬会社のMR・遠山(多岐川華子)が、事件当夜峰岸とホテルにいたと証言したため、峰岸への疑いは晴れ、教授選には峰岸が当選する。
そんな折、本郷美由紀が自宅で亡くなっているのが発見される。担当の検視官は自殺と判断し、自宅からは美由紀が本郷を殺害したと思われる証拠の数々も発見された。しかし、遺体の写真を見た葉月は、ある不審な点に気がつき…。
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

本郷が殺害された。
その首筋には千枚通しのような鋭利な刃物によると思われる傷が残されていた……。

本郷が山尾に雇われ、峰岸の弱味を探っていたことが判明。
しかも、既に何かを掴んでいたらしいことも分かる。
だが、本郷は山尾の意図に反し、弱味を用いて峰岸を脅迫しようとしていたようだ。
教授選の暗闘こそが本郷が殺害された理由なのか?

当の教授選が行われる。
結果は峰岸の勝利、山尾は肩を落とす。

「スナック文月」を訪れた葉月と峰岸。
ママ・優子は以前のブロックアイスから細かく砕かれた業務用の氷に切り替えたようだ。
楽しい時間が過ぎ、話題は血液型性格診断に。
峰岸の父がO型、峰岸本人がAB型であると分かる。
スナックの常連・三好と共に「やっぱりね〜〜〜」と盛り上がる一同。
そんな中、優子は血液型性格診断に強い拒否を示すのだった。

矢先、美由紀が縊死体で発見された。
その自宅からは、本郷の首筋にあった傷跡と合致する穴の開いたショルダーバッグが発見される。
どうやら、本郷が殺害された際に所持していた物に違いない。
ということは、本郷殺害は美由紀の犯行だったのか?
美由紀の死は自殺と判断されるが……。

このニュースを聞いた優子は大きなショックを受け体調を崩してしまう。
優子をスナックへと連れ帰った葉月はそこで湯島天神の御守りを見かける。

一方、風間の捜査により、美由紀に愛人が居たことが明らかに。
その愛人・丸山によれば、美由紀は本郷に保険金をかけていたらしい。
保険金殺人の線も強くなり、美由紀が本郷を殺害したとの結論に落ち着きかけるが……。

だが、風間はこの結論に疑問を抱いていた。
そこで、葉月に美由紀の遺体写真を確認して貰うことに。
葉月は美由紀の首に巻き付いたロープが外科結びされていることに気付く。
風間はこれにより美由紀が自殺ではなく他殺であると確信する。

その夜、峰岸と夕食を共にする葉月。
2人の心が近付く。
と、そこを何者かが襲撃。
襲撃犯は失敗を悟るとその場を逃げ去る。

風間の依頼で、葉月が本郷美由紀の司法解剖を行う。
結果、索痕が見つかる。
やはり、他殺だったのだ。
しかし、一見した限りでは分からないように偽装されていた。
これにより、葉月は医療知識のある人間の犯行であると断定する。

襲撃犯の正体が山尾と判明。
山尾は教授になれなかったことを苦にしており、峰岸へ憎悪を募らせていた。
どうやら、峰岸の後塵を拝することに耐えられなくなっての犯行らしい。

美由紀殺害も山尾の犯行なのか?
だが、山尾には美由紀殺害時のアリバイがあった。

他方、峰岸が美由紀殺害時に現場付近に居たことが判明。
風間は美由紀殺害犯と本郷殺害犯は同一人物と考えていた。
それが正しいと思われる限り、本郷殺害にアリバイのある峰岸は美由紀殺害の犯人ではなくなるが……。

ひょんなことから血液型の話題に触れた葉月はある事実に気付く。
風間に依頼し確認した葉月は、真犯人のもとへ。

風間と共に葉月が訪ねた相手―――それは中原優子だった。
傍らには峰岸の姿もある。

優子は本郷が峰岸を破滅させようとしていることを知り、それを阻止するべく殺害したのだ。
本郷が峰岸を破滅させる切り札としていたのは、あるノートだった。
そこには、献体された遺体を使って脳外科手術のトレーニングをした事実が残されていた。
本来、献体は解剖以外の用途に用いることは出来ない。
だが、峰岸は医学生と患者の為を想い、経験を積ませるべく法を破っていたのだ。

優子は本郷を殺害するとショルダーバッグごとノートを回収。
これを峰岸に宅配便で送っていた。

これを受け取った峰岸は優子がブロックアイスから氷を切り替えた―――つまり、アイスピックを使わなくなったことと併せて不審を覚え、優子の犯行に気付いたらしい。
千枚通しのような凶器とはアイスピックのことだった。

風間は、ただ1つ優子の動機だけが分からないと語るが……。

それについても葉月に心当たりがあった。
優子は血液型性格診断を極端に嫌がった、そこに理由がある。

O型の父親からAB型の息子は生まれない。
つまり、峰岸の両親は実の両親ではなかった。
優子こそが峰岸の実母だった。

美由紀を殺害したのも優子。
本郷に代わり脅迫者になろうとしていた美由紀を殺害したのだ。

その後、優子は峰岸に美由紀を殺害したことを伝えた。
これを聞いた峰岸は、医療知識を用い美由紀の死体を自殺に偽装したのだった。
その際にショルダーバッグを残したのだ。
ところが、いつもの癖で外科結びしてしまったのだ。

翌日、ニュースで美由紀が自殺扱いされていることを知った優子は峰岸が関与してしまったことを知りショックを受け体調を崩したのであった。

もう1つだけしておかなければならないことがある……そう口にする優子。
それは峰岸のことを葉月に託すと言うことだった。
さらに優子は「何故、自身と峰岸との関係に気付いたか」葉月に問う。

葉月は体調を崩した優子を連れ帰った際、厨房で湯島天神の御守りを発見し、峰岸の為に優子が祈っていたことを悟ったのだ。
葉月は親子の名乗りを上げるよう勧めるが、優子は拒否する。

静岡から東京に出て来た優子。
恋人との間に子供が出来た。
だが、子供を育てるだけの生活力はない。
しかし、堕胎するには遅すぎた。

そんなとき、産婦人科医の原田の助言で峰岸夫妻を紹介された。
妻が2度の流産により子供を産めなくなっていた峰岸は子供を引き取らせて欲しいと訴える。
優子は子供の為にもとこれに応じた。
その後も、峰岸夫妻は息子の成長の折に触れ優子に写真や近況を教えていたと言う。
そんな峰岸夫妻に恩義があると述べる優子は、あくまで峰岸の家の両親こそが本当の両親であると主張する。

峰岸は、そんな優子にお世話になったスナックのママとして謝意を述べる。
落涙する優子。

再会を約し峰岸は葉月に別れを告げるのだった―――エンド。

<感想>

上野正彦先生原作の「監察医篠宮葉月」シリーズ第11弾です。
前作は2011年12月8日の放送なので、ほぼ5ヶ月ぶりの新作となりました。

水曜ミステリー9「監察医篠宮葉月 新・死体は語る〜不思議な傷痕!幸せを刻む時計が秘めた死のトリック!!妻娘に届いた父の最後の贈り物…(偽装自殺見破った3つの刺創痕!借金抱えた男が妻に遺した手紙)」(12月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

さて、そんなドラマ版の感想を!!

伏線は丁寧に張られていたので好感が持てました。
映像作品の長所を活かし、「ブロックアイスから細かい氷に切り替える」=「アイスピックを使わない」との描写は特に良かった。

ただ、幾つか気になる点もある。

優子が峰岸を巻き込んでいるのが酷いかなぁ。
峰岸の為と言いつつも、事あるごとに巻き込もうとアプローチしてるし。

まず、ショルダーバッグを送る必要は無いよね。
そんなことしたら、アリバイがあるとはいえ何かの拍子に疑われるでしょ。

次に、美由紀殺害後の電話。
「電話自体は声を聞きたいから」で納得できなくもないけど、会話の内容が……。
あれは暗に「助けてくれ!!」と言っているようなものでしょう。

どうも、納得いかなかった。

それと、ラストの真相解明部分が些か煩雑。
内容自体はシンプルなのですが、その並べ方(明かし方)が錯綜していたように思えます。
おそらく、作中描写の伏線順に並べたものと思われますが、もっと分かり易い順番でイイと思う。

少なくとも、峰岸については優子の犯行における真相が明かされてから登場の方が良かったように思う。
それも踏まえてネタバレあらすじではドラマ本編と比べ些か並びを変えていますが、ベストはこんな感じ?

優子が本郷と美由紀殺害を告白。
峰岸登場。
峰岸偽装を告白。
何故、そんなことを?
血液型から御守りの伏線回収。
実は親子だった。
優子の過去。

の順で明かすべきだったのでは。
こちらの方がスマートだと思う。

それと、外科結び以外は葉月が監察医であることにメリットは薄いような気がしました。
もう少し、専門性のある伏線を投入しても良かったかも。

とはいえ、前回に比べると管理人好みの作品となっていました。
次回にも期待!!

<キャスト>

篠宮葉月:高島礼子
風間亮介:細川茂樹
畑総一郎:金田明夫
永瀬哲雄:六平直政
中原優子:大空眞弓
峰岸誠:鶴見辰吾
三上良一:西田健
城島一平:浅利陽介
山尾貴一朗:春田純一
清水史也:山口翔悟
本郷美由紀:矢部美穂
本郷忠志:西興一朗 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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