『ねらわれた星』（星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録）

『ねらわれた星』（星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録）ネタバレ書評（レビュー）です。

ネタバレあります、注意！！

＜あらすじ＞

著者が傑作50編を自選。ＳＦ作家・星新一の入門書。バーで人気の美人店員「ボッコちゃん」。彼女には、大きな秘密があった。

スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群！　日本ＳＦのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。

（アマゾンドットコムさんより）

＜感想＞

「野生時代」の特集に触発されて、星新一熱が再燃した管理人です。
やっぱり、星先生の作品はいいですね。
短い中に濃いエッセンスがグッと凝縮されていて、読むとハッとさせられます。

本作『ねらわれた星』は新潮社刊『ボッコちゃん』収録の一篇にして表題作。
短編です。

凶悪な侵略者の暴挙にどう対抗するのか……とハラハラドキドキしつつ思いきや、意外なオチに笑います。
そして、一部に喜んでいた者の意味について考えるとさらに笑う。
読むべし。

＜ネタバレあらすじ＞

宇宙人が侵略すべく地球にやって来た。
彼らは如何に効率よく楽しみながら侵略するかを目標としていた。
そこで、今回も原住民を如何に苦しめるかを検討することに。

早速、計画を練るべく斥候を送り込んだ宇宙人。
暫くして戻って来た斥候は恐ろしい言葉を口にする。
原住民の皮を剥いだと言うのだ。
原住民の生命力は思ったより強く、未だ動き回っているらしいが、効果があるに違いない。

それはいい方法だ、と斥候のアイデアを採用することにした彼らは原住民の皮を剥ぐウイルスをばら撒く。
暫くは期待に胸を高鳴らせながら、推移を窺っていた彼ら。
その効果は凄まじく、次々と皮が剥げて行く……。
だが、原住民は驚き慌てこそするものの、誰1人死なない。
それどころか、一部の者は喜んでさえいる。
少しずつ恐怖を覚え始めた宇宙人は遂に逃走を決定。
そのまま逃げ出す。

一方、残された原住民。
つまり、地球人―――の間ではある事件が取り沙汰され、学者たちが頭を抱えていた。
急に服が脱げるとの怪現象が起こっていたのである―――エンド。

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