<あらすじ>
大友鉄(仲村トオル)は総務課に勤める元捜査一課の刑事。2年前、妻に先立たれたのをきっかけに自ら異動を申し出て、今は義母・矢島聖子(吉行和子)の手を借りながら、仕事と一人息子・優斗(鈴木福)の育児の両立を目指している。
そんな大友に、かつての上司・福原聡介(宇崎竜童)から誘拐事件の捜査に加わるよう異例の要請が出される。事件の被害者は6歳になる銀行員の息子。犯人は父親の内海貴義(光石研)が勤務する銀行に、1億円の身代金を要求していた。
福原は大友の刑事としての腕を買っていた。2年前の異動に便宜を図ったのも福原だ。大友には恩義のある人物。しかし、捜査に加われば優斗との温かな時間は失われる。奇しくも、その日は優斗の誕生日。大友は悩んだ挙げ句、約束のサッカーボールを優斗にプレゼントすると、しばらく帰れないことを優しく言い聞かせ、捜査の前線へと赴いていく。
大友は元相棒の柴克志(木村祐一)とコンビを組まされる。強面で口の悪い柴とは対照的に物腰の柔らかい大友は、緊張感高まる現場で逆に異彩を放つ。焦ったり怒ったりすれば犯人の思うツボにはまるという思いの大友は、息子を誘拐され冷静さを失う内海や妻の瑞希(遠山景織子)にも、落ち着いた対応を静かに促す。
そんな中、犯人から身代金の受渡しに関する電話がかかってくるが、逆探知に失敗。勝負は身代金の受け渡し時に持ち越されることになった。
翌日、内海は犯人からの指示通り1億円を二つのバッグに分け、都心にあるスタジアムへと向かう。指定された時間は午後3時45分。中途半端な時間を大友は不思議に思うが、現場に着くとその謎はすぐに解ける。午後5時から、そのスタジアムではアイドルグループ「AAA」のコンサートが予定されており、その開場が午後4時。犯人は最も混雑する時間を見計らって受渡し時刻を指定してきたのだった。
一般客に混じりながら、ジリジリとその時を待つ刑事たち。3分が経過したところで、内海はバッグを置いてその場を立ち去る。すると、その直後にAAAのTシャツを着た若い女性の二人組が現れ、一回り大きなバッグに現金入りのバッグを入れると、スタジアムの入口に向かって談笑しながら歩き始める。大友らは意表をつかれつつも二人組を尾行。しかし、スタジアムに近付くに連れ人の波は予想以上に激しくなり、対象の二人はあっという間に同じTシャツを着たファンの群れに飲み込まれていってしまう…。
その後、人質は無事に解放される。だが、被害者の少年は心的外傷から失語症に。大友は被害者家族の担当となり内海一家に寄り添うことを決める。他の刑事と違って、息子に事情聴取を迫らない大友に対し、内海は信頼を寄せるようになる。
そんな中、大友と同期の刑事・武本一朗(六角精児)から、内海が勤める銀行に関する意外な情報がもたらされる…。
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……
大友には苦い思い出があった。
仕事に集中し過ぎた為に、家庭を妻に任せ疎かにしてしまっていた大友。
ところがある日、交通事故で妻を亡くしてしまったのだ。
深く後悔した大友は捜査一課を退くと、以来、妻の母・聖子の協力を得て優斗と共に暮らして来た。
だが、大友の実力を惜しむ統括官・福原の命で、一時的とはいえ再度現場に復帰することになった……。
大友が駆り出された事件は、銀行員・内海の息子・隆也の誘拐事件。
犯人は内海が勤務する首都銀行に1億円の身代金を要求。
周囲が苛立つ中、物腰柔らかな大友は内海の信頼を勝ち得て行く。
犯人の指示により、身代金の受け渡しが行われることに。
コンサート会場を舞台に身代金を受け渡すという犯人。
指示に従った内海だが、何故か指定時刻を過ぎてもその場を離れようとしない。
疑問に思う大友の前で、ようやく内海はその場を去る。
直後に現れる謎の2人組女性。
彼女たちは身代金入りバッグに走り寄るとそのまま持ち去る。
拘束しようと狙う捜査陣だが、コンサート会場という場所が災いし見失ってしまう。
数時間後、隆也が解放された。
だが、隆也は誘拐のショックから心を閉ざし失語症になってしまう。
大友は自身も子供を持つ親として、担当を申し出る。
性急になることなく、サッカーを通じて隆也の心を解して行く大友。
その甲斐あってか、隆也は心を開き言葉を取り戻すのだった。
しかし、仕事にのめり込めばのめり込むほど、優斗のことが疎かになってしまう。
聖子は再婚を考えてはどうかと大友に告げる。
ある日、瑞希から「うちの子は私と主人、どちらに似てると思います?」と尋ねられた大友。
その瑞希の雰囲気に只ならぬ物を感じる。
遂に隆也に誘拐犯について尋ねる大友。
隆也は犯人は男で、眼鏡をかけていたと証言する。
他のことは目隠しされていたので分からないらしい。
音について尋ねると、階段を登るとき「カンカン」と音がし、鼓笛のような「ポタポタパラパラパラ」という音も聞いたそうだ。
そんな隆也と大友を監視する影が……内海である。
内海たちの様子はどこかおかしい。
内海家が何かを隠していると考える大友。
バッグを運び去った2人組の女性が特定された。
2人は事情を知らされておらず、5万円で雇われただけだった。
依頼者は20代から30代でイケメン、眼鏡をかけた感じのいい人だったらしいとのことだが……。
捜査が進展し、大友はまたも帰宅出来なくなってしまう。
メールで優斗とやり取りする大友。
優斗は「さびしくないからね」と返信して来る。
矢先、首都銀行の銀座支店長・佐川智光(50歳)が転落死する。
首都銀行と云えば、内海の勤務先。
首都銀行が誘拐事件に関わっていると考えた大友は統括官・福原に首都銀行の調査を提案する。
一方で、内海に佐川の死について尋ねる大友。
その影で瑞希が何かを訴えるように大友を見詰めていた……。
その直後、優斗が大怪我をしてしまう。
聖子からの報告を受け、慌てて戻る大友。
聖子によれば、大怪我の原因は友達との喧嘩らしい。
優斗が大友から貰ったサッカーボールを使うことを拒否したために喧嘩になったのだそうだ。
優斗は貰ったボールは最初にパパと使ってからと決めていたらしい。
優斗のいじらしさに胸が熱くなる大友。
翌朝、福原に呼び出された大友は首都銀行についての情報を得る。
大友の同期・武本は首都銀行の不正融資事件を追っていた。
この不正融資は城南支店で行われており、羽田工業への貸付金・1億円が対象となっていた。
ところが、つい先日になって全額返済されたらしい。
身代金も1億円である……奇妙な符号に違和感を覚える大友。
内海は犯人の指定時刻になってもバッグを置くのを渋っていた。
いや、何かを待っていた様子だった。
まさか……内海は運搬役の女性2人を捜していたのではないか?
だとすれば、被害者である筈の内海も事件に関与している!?
羽田工業を訪れた大友はそこが廃屋となっていることに驚く。
明らかに操業されていない。
奥へと進む大友。
大友は、そこで鉄製の階段を発見する。
奥の部屋には最近になって飲まれたと思われる真新しい空のパックジュースが。
さらに天井を見上げればトタンの屋根に覆われている。
隆也は「階段を登るときにカンカンという音を聞いた」と証言した。
鉄製の階段は……あった。
隆也は「鼓笛の音を聞いた」と証言した。
それは、トタンに当たった雨音ではないか。
大友はこの羽田工業こそが隆也の監禁場所だったと確信する。
羽田工業の周囲を調べたところ、最近になって社長の羽田が倒産を免れたと喜んでいたらしい……。
しかも、羽田工業のイケメン従業員・佐倉は眼鏡の好青年だった。
運搬役の2人の証言も得られたことから、依頼者が佐倉と断定。
連行されることに。
佐倉の証言で、羽田も逮捕され犯行を認める。
さらに、羽田の口から羽田工業の首都銀行担当者が内海と判明。
しかも、当時の内海の上司は佐川だった。
内海一家を羽田工業に呼び出す大友。
誘拐の実行犯こそ羽田と佐倉だったが、裏には佐川支店長と内海が居たのだ。
「佐川が自殺してしまった以上、真相は内海しか知らない」
そう前置きし、追及を始める大友。
羽田工業への無理な融資を続けた結果、焦げ付かせてしまった佐川と内海。
困った2人は内海の息子・隆也を誘拐することで、銀行から1億円の身代金を引き出し、融資の返済に充てさせたのだ。
大友は内海の行動が隆也の心を傷つけたと非難する。
しかも、奥さんも傷つけたのだと重ねて非難する。
家族を守りたかった……内海の言葉を「違う」と否定する大友。
「あなたは家族を壊したんだ!!」
これを聞いた瑞希は「私の所為です」と訴える。
「隆也君が内海さんの子供ではないからですか?」
大友の言葉に頷く瑞希。
だが、内海は「違う」と叫ぶ。
「確かに隆也は自分の子供じゃない。だが、それでも俺の子供なんだ……」
「だったら……」大友は言葉を紡ぐ。
「いずれ、隆也君は父親の行動を知り苦しむことになる。あなたはこれから数年間、隆也君には会えなくなるんですよ。隆也君の為に……今、あなたが伝えないで誰が伝えるんですか?」
大友の言葉に内海は自分の罪を隆也に伝える覚悟を決める。
「ごめんな」
涙ながらに隆也に謝罪する内海、瑞希もそっと寄り添う。
数日後、福原は大友を呼び出していた。
「いいリハビリになったようだな」
「優斗君の父親は根っからの刑事だったってことだな」
「相手の懐に入り真相を掴んだ、誰にでも出来ることではないよ」
福原の賛辞を受ける大友だったが、家族―――優斗のことを考え捜査一課復帰は断るのだった。
帰宅した大友、その前にはある女性が……大友に恋の予感!?―――エンド。
<感想>
堂場瞬一先生『アナザーフェイス』(文藝春秋社刊)のドラマ化。
去年ドラマ化された堂場瞬一先生の『棘の街』と同じく主役は仲村トオルさん。
・土曜ワイド劇場「棘の街〜白骨死体は初恋の人の愛息!母親失格!帰郷刑事待つ同窓生の暗い秘密」(6月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)
原作のあらすじは次の通り。
<あらすじ>
堂場警察小説史上、もっとも心優しき主人公
警察総務課に勤める大友鉄は、子持ちの33歳。妻に先立たれ、男手一つで息子を育てながらタフな警察組織を、のらりと生き抜く
警視庁刑事総務課に勤める大友鉄は、息子と2人暮らし。捜査一課に在籍していたが、育児との両立のため異動を志願して2年が経った。そこに、銀行員の息子が誘拐される事件が発生。元上司の福原は彼のある能力を生かすべく、特捜本部に彼を投入するが……。堂場警察小説史上、最も刑事らしくない刑事が登場する書き下ろし小説。
(文藝春秋社公式HPより)
シリーズには本作に加え、『敗者の嘘』、『第四の壁』があり、2012年5月時点で全3冊となっています。
ちなみに管理人はシリーズ未読です。
では、ドラマ版感想を。
原作を知らないのですが、ドラマ版かなり良かったですね!!
人情派刑事という感じでした。
特に「自身も子を持つ親である」からこそ「同じ立場の犯人の心を開くことが出来る」点は良かった。
原作にもストックがあることですし、思わせぶりなラストもあるし、是非、シリーズ化して頂きたいところ。
特にあのラストの後が気になる。
原作だとどうなっているのでしょうか……其処をドラマ化して欲しい。
シリーズ化希望!!
◆「堂場瞬一先生」関連過去記事
【書評(レビュー)】
・鳴沢了シリーズの1作「讐雨 刑事・鳴沢了」の書評です。
「讐雨 刑事・鳴沢了」(堂場瞬一著、中央公論新社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「棘の街」(堂場瞬一著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『裂壊 警視庁失踪課・高城賢吾』(堂場瞬一著、中央公論新社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ批評(レビュー)】
・金曜プレステージ「ミステリー特別企画!刑事・鳴沢了2〜偽りの聖母〜 美しすぎる女知事VS親子三代敏腕刑事!謎の連続殺人に秘められた女の愛憎劇死に彩られた闇の園」(5月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜プレミアム 刑事・鳴沢了〜ベストセラー初映像化!東京テロ史上最悪の24時間「不死身の刑事VS青梅新宿…連続爆破テロ犯人質は都民1300万人!迫るタイムリミット」(5月29日)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「棘の街〜白骨死体は初恋の人の愛息!母親失格!帰郷刑事待つ同窓生の暗い秘密」(6月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
大友 鉄:仲村トオル
柴 克志:木村祐一
森嶋亜樹:窪塚俊介
牛山:益岡 徹
武本一朗:六角精児
福原聡介:宇崎竜童
大友優斗:鈴木 福
矢島聖子:吉行和子
内海貴義:光石 研
内海瑞希:遠山景織子
沢登有香:黒谷友香
AAA:AAA ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)
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「アナザーフェイス ネタバレ」で検索し、たどりつけました。
どうもありがとうございます。
スッキリしました。
私もシリーズ化し単発でも良いのでまた見たいと思います。
中村トオルさんに、ピッタリの役だと思います。
昨夜のドラマの内容をもうブログにUPとは素早いですね!
小説もドラマも好きなので、お気に入りに入れ
また訪問させて頂きます!!
コメントありがとうございます(^O^)/!!
管理人の“俺”です!!
お役にたてたようで幸いです。
是非、シリーズ化して欲しいですね。
超期待!!