『誘拐』（星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録）

『誘拐』（星新一著、新潮社刊『ボッコちゃん』収録）ネタバレ書評（レビュー）です。

ネタバレあります、注意！！

＜あらすじ＞

著者が傑作50編を自選。ＳＦ作家・星新一の入門書。バーで人気の美人店員「ボッコちゃん」。彼女には、大きな秘密があった。

スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群！　日本ＳＦのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。

（アマゾンドットコムさんより）

＜感想＞

「野生時代」の特集に触発されて、星新一熱が再燃した管理人です。
やっぱり、星先生の作品はいいですね。
短い中に濃いエッセンスがグッと凝縮されていて、読むとハッとさせられます。

本作『誘拐』は新潮社刊『ボッコちゃん』収録の一篇。
短編です。
結末的には『デラックスな金庫』と同じ感じですかね。

加害者と被害者が逆転する瞬間。
この鮮やかな入れ替わりが見所です。

＜ネタバレあらすじ＞

博士の子供が誘拐された。
誘拐犯は、子供と引き換えに博士に対し研究成果を渡すよう要求。

悩む博士だったが、要求に抗しえないと判断。
子供の安否を確認出来たら要求に応じると返答する。

電話口に子供を出すよう依頼した博士は、その際に1つ奇妙な注文を付ける。
子供を泣かせて欲しいと言うのだ。
「子供の耳を引っ張ればすぐに泣くから」と教えられた誘拐犯は勇躍、耳を引っ張るが……。

途端に響き渡る爆発音。

それを確認した博士はニヤリと笑う。
「これでまた1人、悪人が減った」―――エンド。

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