ネタバレあります、注意!!
あの名作「MASTERキートン」の続編が「ビッグコミックオリジナル」に掲載されています。
今回で2話目です。
早速、その感想をお伝えするべくこうして記事にした次第!!
「MASTERキートン」をご存じの方はもちろん、ご存じない方も本作に興味を持って頂ければと思います。
<ネタバレあらすじ>
ダニエルからの次の仕事は、ロベルトという男性を無事に目的地まで送り届けるべく護衛することだった。
だが、ロベルトは手紙をどうしても届けたい相手がいると主張して譲らない。
面倒なことになった……そう思うキートンだがロベルトに付き合うことに。
と、そこへ早速何者かの襲撃が!!
キートンの活躍により襲撃は難無く退けられたが、これによりキートンはロベルトの素性を察する。
ロベルトは闇社会の人間だったのだ。
だが、担当していたサッカー賭博でヘマをやり身内から追われているらしい。
途中、ロベルトは手紙の内容について語り出す。
その手紙は兵士・ラドミルからアントニヤという女性に宛てたもの。
ユーゴスラヴィア連邦に属していた2人は異民族の恋人同士。
だが、内戦が勃発。
軍人だったラドミルはアントニヤの住む街を攻撃することに。
結果、アントニヤは街を焼け出されてしまった。
以降、2人は疎遠になってしまったらしい。
ラドミルの手紙は、自身が攻撃に参加したことをアントニヤに謝罪する物だった。
だが、何故、その手紙をロベルトが届ける必要があるのか?
疑問に思うキートンにロベルトはある思い出を語る。
若かりしロベルトはユーゴスラヴィア内で行われた民族間のサッカー親善試合を観戦中、そうすればどうなるか理解していて火炎瓶を投入した。
この火炎瓶が原因で民族間の感情対立が激化、内戦に発展したのだ。
ロベルトは若い2人を引き裂いた責任が自分にあると云う。
とあるバーで休憩をとるキートンとロベルト。
だが、ふとした油断を突かれたキートンはロベルトに裏切られてしまう。
ロベルトは逃避行の最中に組織のボスと話がつき復帰の目処がたったらしい。
そこでキートンが邪魔になったのだ。
命まではとらないとするロベルトは代わりに手紙を届けてくれとキートンに依頼する。
それこそがロベルトにとっての贖罪らしい。
これを聞いたキートンは「そんなことをしても、贖罪にはならない」と糾弾。
「現在も悪に身を染めている限り、ロベルトには贖罪が為せない」と云うのだ。
一瞬、苦痛に顔を歪めるロベルトだが、取り合わずにそのまま去ってしまう。
数日後、キートンはアントニヤに手紙を渡すことが出来た。
涙ながらにラドミルの安否を尋ねるアントニヤ。
彼女はラドミルを捜して欲しいとキートンに依頼する。
それを快く受けるキートン。
その帰り道、ふと新聞に目をやったキートンの顔が綻ぶ。
其処にはロベルトが旧悪を自首したとの報が載っていた―――エンド。
<感想>
「Reマスター」第2話です。
舞台は崩壊後のユーゴスラヴィア連邦。
読んでいて、米澤穂信先生『さよなら妖精』を思い出しました。
・『さよなら妖精』(米澤穂信著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
『さよなら妖精』は青春の傷みを過不足なく描いた傑作なので未読の方は是非!!
さて、2話の内容は悪くはないけど、ちょっと管理人好みではなかったかな。
扱ったテーマ自体は重いものの、結末と処理の仕方が軽過ぎた気がする。
ロベルトの人間性も深くは描かれていなかったような……。
テーマの重さに応じて、前後篇の2話に分けて、ロベルト自身の家族関係を盛り込みつつ話を拡げた方が良かったのでは。
とはいえ、ネタバレあらすじでは本作の良さは伝えられていません。
是非、「ビッグコミックオリジナル」本誌をご覧になって頂きたい。
それにしても、百合子と太平が出ませんね……気になります、要注目!!
◆関連過去記事
・「MASTERキートン」続編決定!!タイトルは「MASTERキートン Reマスター」、舞台は20年後とのこと!!
・「MASTERキートン Reマスター」第1話(小学館「ビッグコミックオリジナル」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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(本編好きだったから、これはこれでいいですが)
太平はまだ生きてますかねぇ。
(キートン共々、元嫁との関係は(笑)?)
百合子の成長した姿もぜひ見たい!!
今回の話で、「さよなら妖精」を連想したのは私も同じです。
(米澤穂信のファンは皆そうでしょうね)
その影響で、どうもラドミルがもう死んでるんじゃないかというイヤな想像をしてしまうので、仰るように前後篇にでもしてキートンがラドミルを見つけてアントニヤに引き合わせるシーンも欲しいと思いました。
(まぁアントニヤの依頼を受けたキートンの笑顔で十分かもしれませんが……)
こんばんわ(^O^)/!!
管理人の“俺”です!!
確かに、折角「Reマスター」になったのでそれを活かして欲しい気はしますね。
キートンが年齢を重ねたからこそ対処できるエピソードがあっても良さそう。
太平と百合子にはいい形で年を重ねて登場して欲しい。
でもご指摘の通り、太平には年齢の問題が……。
安否確認も兼ねて作中にて何らかの情報が出ないものでしょうか。
そういえば、キートンに孫というのも衝撃的なエピソードになりそう。
『さよなら妖精』思い起こしますよね。
それだけのインパクトがあの作品にはありました!!
そう言えば、ラドミルの安否は作中では明示されていないんですよね。
てっきり、生存しているものとばかり。
やっぱり、前後編欲しいなぁ。
でも、あのシーンのキートンの笑顔良かったですね。
キートンのキャラクターが出ていたように思います。