ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
僕が護身術マニュアルを熟読していたある日、怪しげな男に跡を尾けられているという若い女性が、若槻調査事務所にやって来た。まさに理想的な脚線美の持ち主。依頼は自宅までのボディーガードという簡単なものだったが、僕が何者かに殴られ意識を失っている間に彼女は殺害されてしまった……! 事件を防げなかった向坂は思い悩むが、ニュースを見ているとある矛盾に気づく。事務所にやって来た女性は被害者よりきれいな脚をしていた。別人のはず! 自称・脚線美評論家の向坂くんが、不可解な殺人事件の調査に挑む、ユーモアとハードボイルドを絶妙に配合した、私立探偵ミステリ。若槻調査事務所の事件簿。
(アマゾンドットコムさんより)
<感想>
保科昌彦先生による「若槻調査事務所の事件ファイル」シリーズ2作目です。
シリーズには前作『ウィズ・ユー』がある。
ストーリー展開を楽しむ物語ですね。
ロジックはあまりないので本格好きな方には向かないかも。
特にコレという押しがあるワケでもないですが、読むのもアリかな。
<ネタバレあらすじ>
シナリオライターを目指しながら探偵にもなりたいという向坂。
彼は若槻調査事務所で探偵になるべく日夜励んでいた。
そんなある日、女性の依頼人がやって来る。
何者かに狙われているらしい。
彼女のボディーガードを引き受けた向坂だったが、隙を突かれ殺害されてしまう。
ところが、ニュースを見ていた向坂は殺害されたとされる女性・朱李が依頼人とは別人であることに気付く。
依頼人の脚線美が被害者とされる女性よりも上回っていたと言うのだ。
こうして、恋人・綾乃に心配を掛けつつ、この謎に挑むことになった向坂。
陰謀に巻き込まれた彼が突き止めた事実とは!?
依頼にやって来たのは朱李のメイドである志穂で、殺害されたのは主人である朱李だということだった。
志穂は朱李に対し嫉妬とコンプレックスを抱いていた。
そんなある日、志穂は宇田川の陰謀の証拠を掴んでしまう。
宇田川たちに追われた志穂は、自分の身許が特定されていないことを利用して朱李が証拠を掴んだように見せかけた。
そこで、宇田川たちに彼女を殺害させたのだ。
向坂は利用されただけだったのだ。
こうして真実を突き止めた向坂だったが、これが宇田川の邪魔になってしまった。
計画を妨害された宇田川は激怒し、向坂を殺害しようとする。
だが、危機一髪で宇田川は別の人間に殺害されてしまう。
向坂の行動が宇田川にとって邪魔になる筈と考えた別組織の人間が、向坂を尾行していれば宇田川に行き当たると泳がせていたのだ。
しかし、向坂が受けたダメージは深刻なものだった。
結局、向坂は入院してしまう。
これを知った綾乃は別れを切り出そうとするが、向坂は先手を打ち結婚を申し込む。
綾乃はなんやかんやでこの申し出を受けるのだった―――エンド。
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