2012年05月08日

『死亡フラグが立ちました!』(七尾与史著、宝島社刊)

『死亡フラグが立ちました!』(七尾与史著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

\騒然/『このミス』大賞が驚いた!

ミステリー史上最凶の殺し屋による完全犯罪!
「思いがけない何か」が起こり、24時間以内にあなたは必ず死ぬ――

『このミス』編集部が驚愕した話題作です!“死神”と呼ばれる暗殺者のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺される――。特ダネを狙うライター・陣内は、ある組長の死が、実は“死神”によるものだと聞く。事故として処理された組長の死を調べるうちに、他殺の可能性に気づく陣内。凶器はなんと……バナナの皮!?

【死亡フラグ】とは、漫画などで登場人物の死を予感させる伏線のこと。キャラクターがそれらの言動をとることを「死亡フラグが立つ」という。
(宝島社公式HPより)


<感想>

あなたがとある書店へと、特に目的も無く足を運んだとします。
とりあえず、ぶらぶらしつつ興味を惹きそうな本をあなたは捜すでしょう。
そして、宝島社の文庫本コーナーへとやって来ました。

そこで、あなたは平台の上に1冊の本を見つけます。

まず、あの黄色い表紙が目につくでしょう。
おや……と思いつつ、上から覗き込むと何やらタイトルが。
ここであなたは度胆を抜かれるでしょう。
『死亡フラグが立ちました!』?なんじゃこりゃ、と。
あなたがネットスラングに詳しい世代の方ならば、「うおっ!?」と驚く筈です。
そして、気になって中を読み始める。

これが既に“死神”ならぬ、作者・七尾与史先生の罠です。
七尾先生は作中の“死神”よろしく、読者に読まざるを得ないよう巧みな誘導を施しているのです。
あなたは気が付けばレジへと並んでおり、購入後に帰宅するや否や、本書を読み耽ることでしょう。

すべては作者の思惑通り。
そして、それは今こうしてこの感想を読んでいるあなたも同じなのです。
もちろん、この感想を書かされている私さえも……。

……というのは冗談ですが、本書の面白さは本物。
タイトルこそイロモノを想起させるものの、中身は実に計算された作品です。
ミステリかと問われれば疑問符が付くのは事実ですが、読み物としては面白い。
少なくとも一読する価値はあると思う。

特に「文庫版解説」にて述べられている通り、ピタゴラスイッチと呼ぶに相応しいアレは必見。

ちなみにネタバレあらすじはかなり改変しています。
是非、作者の罠に嵌り原書を読まれることをオススメします。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
陣内:主人公、死神の謎を追うライター。
本宮:名うての投資家。大金持ち。
岩波:女性編集部員。横暴。
板橋:刑事。死神を追う。
御室:黒谷の同級生。刑事。
松重:殺害された組長の部下、仇を討つべく死神を追う。
橋元:松重の弟分。
黒谷:女優。
稲垣:黒谷のマネージャー。
田中:12年前に死亡したとされる男。

“死神”と呼ばれる暗殺者のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺される――。
この噂の真偽を確かめるべくライターの陣内が立ち上がった……いや、女性編集部員・岩波により、無理矢理立ち上がらされてしまった。
困った陣内は投資家にして大金持ちの本宮に助けを求める。

本宮は、“死神”の犯行は自身が直接手を下すことなく誘導による殺害であると結論付ける。
その為に、一見すると事故死に見えるのだ。

陣内たちは取材を続けるうちに、松重から組長の死が“死神”によるものだと聞かされる。
組長が死神に殺害されたと固く信じる松重は仇を討つべく弟分の橋元と共に死神を追う。
自然、陣内たちと合流することに。

一方、刑事の板橋と御室もまた“死神”を追っていた。
ふとしたことで、卒業文集に「殺し屋になりたい」と書いていた同級生・田中の存在を思い出す御室。
だが、当の田中は既に死亡していた。
同じく卒業文集に「女優になりたい」と書いていた同級生・黒谷に注目するが……。
こちらは夢を叶え大成していた。
不思議なことに黒谷のライバルは自滅していくらしい。

その頃、憧れの作品に自身を投影し自殺しようとする女性の姿も……。

陣内、松重、橋元、板橋、御室、そして女性―――彼らは導かれるようにホテルへと集結する。
そして、その夜、ホテルから失火。
板橋と御室、女性が焼死する。
「くろ……」と言い残し息絶える御室。

本宮はこれも死神の犯行と看破。
女性を標的としていた死神は偽の作品を作り、女性を自殺するように導いていたのだ。
その際に、ホテルを舞台に焼身自殺を選ばせ、邪魔者を一掃しようとしていた。
狙いは当たり、板橋たちは殺害されてしまったのだ。

その後も、死神の攻撃は続く。
「別れていた家族と再会する」フラグを立てた松重。
雰囲気に流され妻とキスしたことにより、ピーナツバターアレルギーを利用されアナフィラキシーショックで絶命してしまう。
事前に、高級ピーナツバターを家族に送り付け、1週間近くも常用するように仕向けていたのだ。

橋元は尊敬する兄貴分が殺害されたことで復讐に燃える。
さらに、岩波の横暴で陣内までも死神のターゲットに。

陣内、本宮、橋元たちは御室の遺した「くろ……」との言葉に従い黒谷とそのマネージャー稲垣のもとへ。
“死神”の正体は黒谷のマネージャー・稲垣だった。

そして、稲垣こそ殺し屋を志望していた御室の同級生・田中だったのである。
田中は生きていたのだ。
しかも、この田中を陰で操っていたのが黒谷だった。

黒谷は田中を助け、田中も黒谷の障害を排除していたのである。
こうして、互いに夢を達成していた。

「犯人を追い詰める」とのフラグを立てた陣内たち。
当然、このままでは済まない。

橋元は田中の手で用意されていた彼に恨みを持つ人物により、その場で殺害されてしまう。
唖然とする陣内と本宮。

「このまま、此処に留まれば君たちも死ぬよ〜〜〜」
余裕を見せる田中に、その場を逃げ出すしかない陣内と本宮。

そこへさらなる罠が!!

逃げ出した先には、迫り来る通り魔と墜落して来るヘリの姿が。
通り魔を回避しつつ、ヘリからも逃げる陣内。

そんな陣内に本宮は足元に気を付けるよう促す。
陣内の足元にはバナナの皮が―――エンド。

「超再現!ミステリー」第5回「“大人気…死亡フラグが立ちました”超天才バナナを使った殺人犯IQ手口&興奮ラスト」(5月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)」です!!
死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)





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posted by 俺 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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