<ネタバレあらすじ>
「赤壁の戦い」はいよいよ大詰めを迎えようとしていた。
まずは水上戦。
曹操水軍は呉水軍を一気に殲滅するべく、本隊はそのままに前衛部隊に向けて総攻撃を命じる。
風に乗り進攻する曹操水軍に呉軍の兵船が突き破られるのは時間の問題であった。
諸葛亮はそれでも何かを待ち続けるが……。
一方、陸戦では異変が起こっていた。
それまで戦闘を圧倒的優位に進めていた黒騎兵が各所で押され始めたのだ。
理由は2つ。
1つ目は、周瑜の親衛隊となった奴隷兵の存在である。
彼らは命を惜しまぬ奮闘を見せた。
2つ目は、劉備が常元に託した倭軍百の精鋭である。
彼らはまさに最精鋭と呼ぶに相応しく、黒騎兵相手に無人の野を行くが如き攻めを見せた。
こちらも精鋭揃いの筈の黒騎兵だが、次々と斃されて行く。
夏候惇、夏侯淵は必死に応戦するが、勝敗は明らかになりつつあった。
再び、水上戦。
今まさに曹操水軍が牙を剥こうとしたその瞬間、川面が真っ黒に染まって行く。
何事が起きたのか!?動揺する曹操軍。
それに対して、諸葛亮は勝利を確信し笑みを浮かべる。
川面を染めた黒い液体の正体は油だった。
気付いた曹操が悲鳴を上げる!!
そして、油を撒いたのは―――何時の間にか曹操水軍の背後に廻り込んでいた劉備軍であった。
船の舳先に立つ劉備、その傍らには関平の姿も見える。
油が行き渡ったのを確認した劉備の合図により、炎が投下。
一息に燃え広がったそれは曹操水軍を舐めるように包むと呑み込んで行く。
堪らず脱出する曹操水軍の兵士たち。
そこには軍紀など存在しない。
もはや、壊乱状態である。
これを見た陸の黒騎兵から戦意は消え失せていた。
事此処に至り、戦線の維持は不可能と判断した夏候惇、夏侯淵は撤退を決断する。
曹操を救うべく、本隊へと向かう一同。
この勝利に湧き立つ呉軍。
周瑜は「敵に回してはならない人を敵に回したからだ」と述べる。
そう評された当の本人である劉備は、自ら起こした風が曹操軍を焼く様を冷静に眺めていた。
今は船上の人である彼が打つ次なる一手は!?―――13話に続く。
<感想>
12話のネタバレ批評(レビュー)です。
キリが良いので、10話からタイトルも本作に準じて「SOUL 覇 第2章」に変更致しました。
新シリーズについては「SOUL 覇 第2章」のコミックス1巻も発売中です。
読むべし!!
では、今回の感想を。
決戦は4陣営が相食むことになっています。
全体としては呉軍&諸葛亮&劉備連合軍VS曹操軍との構図。
で、劉備の策は火攻めでした。
本来、諸葛亮と周瑜の策を劉備が行ったことになっちゃいましたね。
そして、今回により曹操軍は敗北が確定。
「赤壁の戦い」は史実通りの結果となりそう。
ただ、前回から関羽と張飛が曹操を助けそうな気配。
演技にあった「赤壁の戦い」で関羽が曹操を見逃したエピソードを関羽が率先して救ったとアレンジして此処で使うのかな。
最終的に、三國鼎立を望んだのは関羽であったとなるのか。
一方、諸葛亮による劉備抹殺計画も進行中。
ただ、こちらも劉備に見抜かれている筈。
演技での周瑜の立場が諸葛亮、諸葛亮の立場が劉備になりそうか。
もっとも、此処で劉備が討たれる可能性もあるのが本作「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」の恐ろしいところ。
本作の劉備の優秀さから見れば、三國鼎立以前に統一が出来そう。
これを阻止するにはここで消えてもらうしか無い筈。
そして、関羽が蜀に参加しないのは劉備の意志に反発しているから。
劉備不在ならば状況が変わって来るだろう。
劉備を暗殺後、その事実を伏せ、名前だけを借りて諸葛亮が蜀を建国。
これに関羽が合流する流れならば納得か。
曹否死亡など、キャラクターの扱いこそ「超三國志」の名に相応しい本作ですが、基本路線はぶっ飛んではいるものの意外と演技準拠だったりするし……最終的に三國鼎立はしそうな気がするんだけど。
忘れてはいけないのは、鄒氏の拘束……の筈だったんだけど、姿が出ないな。
再登場なるか!?
一方、主要キャラたちの目指す国家像はこちら。
誰が最終的な勝者となるのか、あるいは史実通り第3者が勝つのか?
劉備「卑弥呼の血を引く者を王とする単一民族国家」
曹操「半永久的に1つの王朝に固定した上で、皇帝を上に戴く専制君主国家」
周瑜「宗教国家」
諸葛亮「民主主義国家」
今後の展開に―――要注目です!!
この衝撃を体感するには、スペリオール本誌をお読みになることをオススメします。
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◆関連過去記事
・1話から10話までのネタバレ批評(レビュー)へのリンクはこちら。
「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」10話までまとめ!!
・今月の「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」(11話)ネタバレ批評(レビュー)
・アンディ・ラウの「三国志 THREE KINGDOMS:RESURRECTION OF THE DRAGON」ネタバレ批評(レビュー)
・「三國志」―――英雄たちの子孫は今!?
・「三國志」魏の武将・曹休の墓発見か?
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