登場人物一覧は本記事下部に移動しました。
<第85話あらすじ>
〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜
沖縄へと到着した大和たち。
途中、トラブルに巻き込まれたものの、ついに響子と出会うことに成功する。
そこで響子から見せられた写真、3億円事件直前の物だと言う。
しかし、写真には幾つか奇妙な点が存在していた。
不審を覚える大和だが……。
一方、大和たちの留守に響子のバーをある人物が訪れていた。
獲物を見定めるようにキャサリンへと下卑た視線を送るその人物。
その正体は、泰成の義父・鈴木であった……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その夜、響子のバーが普段以上に盛り上がっていた。
思わぬ珍客が到来した為である。
珍客の正体は、1人の本土からのオヤジ。
肥満した腹を上下左右に裸踊り(腹芸)を実演しつつ、バーの客と溶け込むその男……鈴木である。
もちろん、泰成の義父であり、危険人物であることを誰も知らない……。
客たちから熱狂的なラブコールを受ける鈴木は愛嬌のある顔に何処か得意げな表情を浮かべる。
それがまた客に受けた。
キャサリンはもちろん、普段クールな響子でさえも大爆笑である。
喝采の中、服を整えるべくトイレに消える鈴木。
と、その人の良さそうな笑みが消え、肉食獣の舌なめずりを見せる。
「知らないだろうが、腹芸にはもう1つ意味があってね」
呟きながら、響子の店の情報をメモに取る鈴木。
そこには、キャサリンについてや、人気のなくなる時間帯が記されていた。
明らかに何かを狙っている……。
一方、鎌倉に滞在する水原と夏美。
今日は「鎌倉 四季寿荘」に一泊することに。
兄妹として宿泊した2人は、料理に風呂に景色にと宿を楽しむ。
その夜、夏美は水原の布団へと忍んで来る。
ドギマギする水原だったが、夏美は1人で眠るのが怖かっただけらしい。
すぐに寝入ってしまう。
そんな夏美の姿に「お前だけは守る」と誓う水原だった。
再び、バー響子。
情報収集を終えた鈴木はそそくさとその場を去る。
それと入れ替わりに現れたのは大和と未来。
どうやら鈴木とは出会わなかったようだ。
2人を招き入れた響子は大和の疑問に答える。
それによれば、例の写真の撮影者は沢田。
さらに、奇妙なアジト変更や予行演習も沢田の発案らしい。
何分、大物だったのでこの間は言い出しづらかったと語る響子。
その言い分に納得する大和。
と、響子は大和に見て欲しい物があると言う。
それは響子が大切に保管していた宝物らしい。
あの事件以来、竜の行方を追っていた響子が保管していた物とは―――86話に続く。
<感想>
鈴木、腹芸!!
沖縄篇第8回。
鈴木が本格的に活動開始。
朝霧っぽい暗躍をし始めましたね……退場も朝霧同様のものになりそう。
ただ、大和たちではなく「バー響子」を探っているところを見ると響子が狙いか?
響子の宝物も気になります。
間違いなく事件に関わる証拠品だと思うのですが……。
それと、響子の口から重大情報が。
急な予行演習やアジト変更も沢田の発案らしいこと。
これ、ひょっとすると雄大たちは囮として利用されただけなのかも。
本作「モンタージュ」の大前提として、東海林が「実行犯は大和の父親」と述べています。
なので、大和は「父である鉄也が犯人ではないか」と思い悩んでいたのですが、響子により「犯人は雄大と竜」であると否定されました。
しかし、響子は「計画していたことは知っていても」、実際に「実行したかどうかは知らない」筈です。
結果として「事件が起こったので、雄大たちの犯行である」と思い込んだフシがあります。
単なる仮説ですが、沢田が雄大たちの計画を奪った可能性があるのではないでしょうか。
予行演習とアジト変更を言い出したのはその為だったのでは。
そして、横取りした実行犯こそ鳴海鉄也(年齢的に些か疑問は残るが……)。
これならば、響子、東海林の発言共に矛盾はしません。
だから、沢田と雄大たちが対立しているということはないでしょうか。
つまり、こんな感じですね。
雄大と竜、響子は沢田と共に計画立案した。
だが、沢田が裏切り、鳴海鉄也と共に計画を奪い実行した。
ここで、雄大、竜と対立した……と。
なんだか、こんな展開も妄想できそうです。
さて、鈴木大活躍の予感もしますが、忘れてはならないのは、真玉橋。
どんな立場で登場するのか?
さらに、気になる関口は!?
変わって、現在の勢力図はこんな感じ!?
@大和たち(水原含む)
A沢田たち(眼鏡男、関口)
B雄大一派(雄大死亡!?)
C泰成一派(義父の鈴木)
Aの沢田たちも眼鏡男と沢田の間には含みがある様子。
Cの泰成と義父の間もいろいろあり、決して一枚岩とは言え無さそう。
以上のように争いは3つ巴から4つ巴に。
更なる激化は間違いないか?
とりあえず、今回はここまで。
逃亡し続ける大和と未来の明日はどっちだ!!
86話に期待です!!
ちなみに、2012年6月6日に「三億円事件奇譚 モンタージュ」最新第8巻が発売予定。
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◆関連過去記事
・「ヤングマガジン27号」(講談社刊)より「三億円事件奇譚 モンタージュ」連載開始!!
・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第1話から第80話(講談社ヤングマガジン連載中)までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第81話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)
・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第82話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)
・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第83話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)
・「三億円事件奇譚 モンタージュ」第84話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)
◆登場人物一覧
【現代】
鳴海大和:主人公、三億円事件の犯人の息子と呼ばれるが……
小田切未来:大和の幼馴染み、両親の行方不明後は大和と共に逃亡中
鳴海鉄也:大和の父、五つの首(首、手首、足首)を失くした遺体で発見されるが……
未来の両親:突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。
鈴木泰成:未来の両親の後輩、要所要所にて不穏な動きを見せていたが……
水原:福岡県警所属の巡査。上司曰く「検挙率100%男」。15話より登場。
夏美:泰成の塾の教え子。大和に一目ぼれする。14話より登場。
土門:過去編の土門その人。足を洗い東海林とは友情を築いていた。47話時点では既に死亡している、病死らしい。享年70歳。
土門あきら:46話で登場した土門の孫娘。未来より1つ年下の17歳。
響子:現代編の響子。沖縄にてバーを経営していた。80話より登場。
キャサリン:響子が経営するバーの女給。81話より登場。
関口:元祖悪徳警官、眼鏡の男の命令に従い大和と未来を追う
眼鏡男:関口に指示を与えている男、どうも謎の男と同一人物らしい(42話)。
沢田幹事長:19話で登場、謎の男を従えているが……
謎の男:シルエットのみ登場した沢田の腹心。関口に指示を与える人物と同一人物らしい(42話)
松葉杖の男:30話で登場、小田切家を訪ねたシルエットの人物。48話で川崎雄大と判明。
朝霧:46話で登場、沢田の部下らしい。45話で石川を殺害したのは彼。64話で関口に殺害される。
小柳翔太:61話で登場、負傷した大和と水原を助けた。以後、大和と行動を共にする。
茜:61話で名前のみ登場、翔太の彼女で社会人らしい。69話で大和たちを匿う。
真玉橋:ホスト風の男性だが実は警部だった。フェリーにて大和たちと乗り合わせる。
鈴木:泰成の義父。どうにも行動が腹黒い男。泰成すらも信用していないようだが……。
森田:1話にて関口と共に現われた捜査員。以降、本編に出番なし。
血塗れの男性:元刑事、1話にて殺害される。これは関口の犯行だった。実は過去篇の東海林。
ボート小屋のオヤジ:軍艦島付近でボート小屋を営んでいた。6話で関口に殺害され、この殺人容疑が大和と未来にかかっている。
土居:18話に登場。ミステリ作家兼コメンテーター。三億円を信じていなかった。
島田:5話より登場。関口の部下だったが、19話で失態を犯し関口に処刑された。
夏美の母:関口と男女の関係にある。
水原の祖母:44話より登場。その自宅は東京での大和たちの活動拠点となっている。
石川:東海林の同僚、45話にて登場。同話にて朝霧に口封じされてしまう。
東海林の息子:45話にて登場。東海林の一人息子だが東海林とは折り合いが悪かったらしい。
高野:65話で登場。関口に協力し証拠を隠滅した。69話で関口に殺害される。
【三億円事件当時】
川崎雄大:22話より登場。三億円事件では白バイ警官役を演じたらしい。和子との間に一子をもうける。
望月竜:23話(22話は名前のみ)より登場。雄大と共に三億円事件を実行した。
響子ギブソン:竜の恋人。竜と共に土門への対策を練っていた。
土門:地元の顔役(地廻り)。竜と対立するが……
東海林:25話にて登場。土門を追う刑事。雄大の機智に興味を持っていた。後に1話で殺害された老刑事が彼と判明(37話)。
沢田慎之介:26話より登場。竜の顔馴染み&雄大の友人、日本の行く末を憂慮していた。28話にて後の幹事長と判明。
横溝:26話より登場。竜の後輩。
和子:27話より登場。雄大と交際中の女性。雄大との子供を妊娠するも事故死。
和子の子供:28話に登場。雄大と和子の子供。未熟児で生まれた。現代篇の誰になるのか?
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