2012年05月23日

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明3〜歪んだ正義 忘れられた女…連続殺人“R18”謎の犯行声明!?復讐の罠におちた幼い命を救え(同級生連続殺人!!残された謎のメモ!?正義の基準)」(5月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明3〜歪んだ正義 忘れられた女…連続殺人“R18”謎の犯行声明!?復讐の罠におちた幼い命を救え(同級生連続殺人!!残された謎のメモ!?正義の基準)」(5月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

公園で男の遺体が発見された。現場に駆けつけた警視庁捜査一課三係班長の広瀬和宏(村上弘明)は、被害者の顔を見て衝撃を受ける。高校時代の同級生・勝又茂久(紺野相龍)だったのだ。勝又はどこか別の場所で撃たれた後に公園に運ばれたものと見られ、胸ポケットからは「R18」と印字された紙が発見される。
広瀬は勝又について苦い思い出があった。勝又は高校時代、同級生の浜口正吾(今井雅之)、射場弘(小林茂樹)とつるみ、授業妨害や悪質なイジメを繰り返していたのだ。特に、リーダー格だった浜口は、父親が大物国会議員だったこともあって、教師すら手が出せず、広瀬は当時、剣道に打ち込むふりをしながら、イジメに対し見て見ぬふりをしていたのだ。管理官の那須恵一(加藤剛)に卑怯者だったのかと問われても、広瀬には返す言葉が見つからなかった…。
やり切れない思いを抱えたまま、広瀬は亡き親友・河本の妻だった美奈代(筒井真理子)に誘われ、バー「Justice」へとやって来る。そこのマスター・篠原健介(羽場裕一)の正義感の強さが、亡き河本に似ているというのだ。ところが、バーに入って間もなく、広瀬のもとに第2の殺人事件発生の知らせが入る。被害者は、あの射場弘だった…。
犯人は射場を射殺した後に包丁で腹を刺しており、現場からはまたしても「R18」と印字された紙が発見される。勝又、射場と殺害され、犯人の次の標的は浜口かも知れないと感じた広瀬は、部下の渋沢(綿引勝彦)らに浜口の身辺警護を命じるとともに、事件の手がかりを得るため、故郷・静岡に向かう。
かつて浜口たちから過酷なイジメを受けていた西原(金山一彦)のもとを訪ねた広瀬は、そこで衝撃的な事実を聞かされる。なんと、かつて広瀬に思いを寄せていた同級生の水沼純子(渡辺典子)が、浜口たちに暴行を受けていたというのだ!しかも、そのきっかけを作ってしまったのは、他ならぬ広瀬自身だという…。
純子を訪ねると、純子は今なお後遺症に苦しみながらも、弁護士として同じような経験で苦しむ女性たちのために活動していた。広瀬は浜口の所業を知るにつけ、果たして浜口を守る価値があるのか、葛藤を深めていく。
そんな中、高級クラブで飲んでいた浜口が、渋沢たちの目を盗んで帰宅しようとした矢先、犯人からの襲撃に遭ってしまう!
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

襲撃された浜口はホステスを盾に難を逃れる。
これを見た三係の面々は「浜口を守ることに意味があるのか」と頭を悩ませる。
それは後で顛末を伝え聞いた広瀬にとっても同じであった。

そんな彼らを渋沢が諭す。
「浜口を守るんじゃない。2人を殺した犯人を捕まえるんだ」と。
これに広瀬は奮起する。

広瀬も浜口の警備に参加。
ところが、広瀬が高校時代のあの広瀬であると知った浜口は拒否反応を示す。
さらに、広瀬から「R18」について聞かされた浜口は激しく動揺する。
どうやら、何かを隠しているらしい。
広瀬に脅威を覚えた浜口は、警護係を変更するよう要求。
だが、那須はこれをあっさり拒否する。

何かに怯える浜口は次の一手を。
個人的に親交の深い「銀竜会」の矢野の協力を得て、警察の警護から逃れると何処かへと姿を消したのだ。
ところが、数時間後には平然と戻って来る。

何かあったに違いない―――そう考えた広瀬は消えていた間の浜口の行動を捜査。
結果、高校時代の苛められっ子の1人だった浅木が浮上する。
浜口は浅木宅を訪ねていた。

浅木宅を訪れた広瀬だが、浅木は3ヶ月前に病気で死亡していた。
浅木の妻によれば、浅木は浜口のお抱え運転手。
5年前に事故を起こし仕事を辞めたが、新しい職場を浜口に用意して貰ったらしい。
浜口には頭が上がらないと語る浅木の妻。
浜口がやって来たのは、死の直前の夫の見舞客について聞きに来た為だそうだが……。
その中に水沼弁護士の名前を見つけ、驚く広瀬。

直後、水沼弁護士が銀竜会の構成員に狙われる。
危機一髪、駆け付けた広瀬の活躍で救われる水沼弁護士だが、襲われた理由を何も明かそうとしない。
どうやら、浜口の差し金のようだが……。

矢先、「Justice」のマスター・篠原が元新聞記者で長野の実家に帰る途中に妻子を事故で亡くしていたことが判明するが……。

浜口宅に勤務する家政婦である安田の一人息子・一也が誘拐される。
犯人は浜口に午後5時に赤坂セントラルビルへ来るよう要求。

一方、広瀬は篠原の交通事故に注目。
調べたところ、轢き逃げ事故と判明。
しかも、犯人はあの浅木となっていた。
そして、場所は「R18」こと「国道18号」であった!!

水沼弁護士を訪ねた広瀬は、篠原について問い詰める。
これに、水沼は浅木から打ち明けられた真相を語る。

轢き逃げ犯は浅木ではなく、浜口だったのだ。
しかも、勝又、射場も同乗していたらしい。
困った浜口は浅木に罪を押し付けた。

篠原は浅木の犯行を疑っていた。
篠原が水沼の活動の支援者だったこともあり、水沼は浅木から情報を聞き出したのだ。
篠原は何度も警察に訴えたが相手にしてくれなかったので、遂に復讐との直接行動に出たらしい。
勝又と射場を殺害し、浜口を狙っているのは篠原なのだ。

水沼は「過去、浜口の悪事を見逃していたように今回も見逃してくれ」と広瀬に頼むが……。
広瀬は「今の自分は当時とは違う!!」と拒否、篠原逮捕を主張する。

その頃、浜口の轢き逃げ事件について再捜査するよう那須が働きかけていた……。

犯人・篠原の指定する時刻が迫っていた。
浜口は赤坂セントラルビルへ向かう。
万全の警戒態勢で篠原を迎え撃つ広瀬だが……。

一也が戻ったとの偽情報を掴まされた浜口は地下駐車場に誘き出されてしまう。
そこには、篠原が居た。
篠原は浜口に銃を向けるが……広瀬に銃撃され失敗する。

こうして、篠原は確保された。
篠原は「お前の行動に正義があるのか」と語るが、広瀬は「2人殺した犯人を捕まえることが正義だ」と告げる。

一方で、広瀬は水沼襲撃の罪で浜口を逮捕する。
さらに、轢き逃げ事件の真相も明らかになりつつあった。

篠原は広瀬に感謝しつつ、子供の居場所を明かす。
そんな篠原に正義について語って聞かせる広瀬。

数時間後、水沼弁護士も出頭し罪に服すことに―――エンド。

<感想>

「刑事の証明」シリーズ第3弾。
前作は2012年1月4日放送なので、ほぼ4ヶ月ぶり、意外と早いペースでの新作となりました。
前作についてはネタバレ批評(レビュー)ありますね。
興味のある方はどうぞ!!

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス刑事の証明〜大都会の死角 冤罪に泣く女!ガラスの密室に仕掛けた殺人トリック!?刑事が暴いた哀しみの罪」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

今回の原作は森村誠一先生『死刑台の舞踏』(集英社、光文社、徳間書店刊)。

<あらすじ>

連続殺人事件で殺された男たちは、刑事となった自分の少年時代の怨敵だった…。正義とは何か。逃れられない人間の情念とは?多重構成で人の心の闇と光を描く本格ミステリー。(解説・結城信孝)
(集英社公式HPより)


過去に土曜ワイド劇場「終着駅シリーズ」にてドラマ化されている本作。
そんなドラマ版の感想を!!

すっきりしないラストでしたね……モヤモヤする。
一見、「めでたしめでたし」に思われますが、先頃放送された「灰色の虹」なみのモヤッと感ですよ。
結局、喧嘩両成敗だし。

今回のテーマは「正義の在り方」だと思います。
ところが、広瀬の語る正義が力強く思えないのが問題。
水沼に対しての論法は明らかに方便の域を出なかった。
浜口の悪に対し、説得力があまり持ち得ていなかったように思えるのもどうか。

勝手に納得して正義を語り出す広瀬にも閉口。
それぞれの立場で正義って異なって来るから簡単に口にして欲しくないなぁ……。
「我こそは正義の体現者也」と主張する人は眉唾だと思う。

前半関係ないのもなぁ……伊武先生や西原は居ても居なくてもいいキャラだった気がする。
とりあえず、浜口の悪行を証明するのには役立っていたけど……。
その分、視聴者のフラストレーションが溜まって、あのラストでは解消しえない。

あのラストなら、浜口にも罪の念があり後悔しているとか、苦しんでいる描写も欲しかった。
あるいは、安田家政婦には愛情を持って接しているとか。
どこか、1点でも救いがないとあのラストでは釣り合いが取れていない。
従ってスッキリしない。

今回はバランスが悪かった気がする。
少なくとも広瀬の言にある程度の説得力が欲しかった。
前回がそこそこ良かっただけに、次回に期待!!

◆森村誠一先生関連過去記事
【棟居刑事シリーズ】
土曜ワイド劇場「森村誠一の棟居刑事 目撃美女は二度死ぬ猫が運ぶ犯人!?悪い男vs手玉に取る女…愛と欲の背徳の詩集」(7月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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【刑事の証明シリーズ】
水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス刑事の証明〜大都会の死角 冤罪に泣く女!ガラスの密室に仕掛けた殺人トリック!?刑事が暴いた哀しみの罪」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他ドラマ】
金曜プレステージ「3週連続・罪と女とミステリー第1夜! 森村誠一サスペンス・破婚の条件〜夫殺しを夢みた秘密の殺人日記 その夜、傲慢夫は既に殺されていた!追い詰められ墜ちてゆく女は極限の果てに!悲しい女の業を描いた本格サスペンス」(8月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「森村誠一サスペンス 正義の証明 私刑人が起こす連続狙撃事件、法か?個人か?2つの正義に心がゆれる刑事たち、人として本当の正義とは何なのか?」(9月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【アタミステリー紀行関連】
『ただ一人の異性』(森村誠一著、アタミステリー紀行2011より)ネタバレ書評(レビュー)

「アタミステリー紀行2010」結果が発表される

「熱海の靴屋」(森村誠一著、アタミステリー紀行2010より)3つのミスにチャレンジ!!

近付く「アタミステリー紀行2010」の足音……

アタミステリーへの誘い……
(アタミステリー紀行2009について触れた過去記事です)

【その他】
知ってましたか?森村誠一先生『人間の証明』が韓流ドラマに!!その名も『ロイヤルファミリー』!!

森村誠一先生「義仲・巴ネットワークフォーラム・イン・富山」にて講演

クリスマス(12月24日)の森村誠一さん!!
(「森村誠一 謎の奥の細道をたどる」についての過去記事です)

<キャスト>

広瀬和宏:村上弘明
那須恵一:加藤剛
渋沢武:綿引勝彦
篠原健介:羽場裕一
水沼純子:渡辺典子
浜口正吾:今井雅之
河本美奈代:筒井真理子
西原靖:金山一彦 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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死刑台の舞踏 (集英社文庫)





「死刑台の舞踏 (徳間文庫)」です!!
死刑台の舞踏 (徳間文庫)





「棟居刑事の証明 (中公文庫)」です!!
棟居刑事の証明 (中公文庫)



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